「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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新型コロナウイルス2020.2.28:政府の「臨時休業」要請に中央区はどう対応すべきか。中央区新型コロナウイルス感染症対策本部御中、小児科医師として

2020-02-28 08:42:02 | 各論:新型インフルエンザに備える

令和2年2月28日

中央区新型コロナウイルス感染症対策本部 御中

 

『国の学校「臨時休業」要請に対する中央区の対応を判断する上での考慮要素及びその考慮要素に基づく現段階での中央区の対応のありかたに関する提案書』

 

中央区議会議員、小児科医師

小坂和輝

 

 日々目まぐるしく拡大・進行する新型コロナウイルス感染症への迅速な協議・対応に感謝申し上げます。

 

 さて、国は、令和2年2月27日に学校の「臨時休業」の要請を行いました。

 「臨時休業」の判断・実施を行うのは各自治体であり、地域の実情に応じた対応が求められています。

 中央区の「臨時休業」の判断にあたり、以下の考慮要素を踏まえ、総合的な検討の上、ご判断いただけますようにお願いしたく、意見・提案致します。

 

 なお、令和2年2月28日段階においては、以下の考慮要素に基づき判断した場合、中央区における「臨時休業」の措置は時期尚早と判断できると考えます。

 すなわち、国においては、患者数186人(死亡者数3人)、クルーズ船患者数705人(死亡者数4人)の疫学情報(2020年2月26日18時時点)ですが、未だ「非常事態宣言」は出されていません。都内の発生は、患者数36人(2020年2月27日20時45分時点)で著しく拡大している状況ではありません。中央区の状況は不明であり、「臨時休業」を示唆する疫学情報が欠如しています。「臨時休業」により学校生活における感染拡大はほぼ完全に阻止しえますが、すでに、手洗い・マスク・咳エチケットの励行等予防措置が取られており、副次的効果として実際に季節性インフルエンザの拡大が阻止され、新型コロナウイルスに対しても一定の効果が期待できます。そして、現行『学校保健安全法』下において、感染拡大を防止しうる「学級閉鎖」「学校閉鎖」の代替措置も存在し、これは、今回の「臨時休業」と同等程度の効果を有していると考えられます。また、「臨時休業」をしても、学童保育・プレディなどで感染をすることや、兄弟姉妹が保育園等から或は親が通勤・会社から感染を持ち込む可能性があり、その効果は限定的です。感染症専門家の岡部信彦川崎市健康安全研究所所長も、「全国一律の休校が効果的であるとするには科学的根拠は乏しい」旨を述べられています(※1)。「臨時休業」により子どもの面倒を見るために会社・職場の欠勤を止む無くなる親御さんもおられ、その方が急に休まれることによる職場への影響も生じます。社会的な影響を少なくなるような在宅勤務・テレワークが取れる職場は、その広がりが未だ十分でなく、生産部門・小売り部門・医療福祉分野などではその実施自体不可能です。さらには、今回の「臨時休業」は、大事な学年末・卒業という子ども達の成長・発達のひとつの節目の最重要な時期にあたっています。卒業式・卒園式のみ行うことや、いままでの授業態度・実績を用いて学年末試験を課すことなく成績を判断するという回避措置も存在しますが、なお、この大事な時期を休みにすることの子ども達に与える悪影響は甚大であると考えます。そして、防ぐべき今回の新型コロナウイルス感染症は、季節性インフルエンザと同程度の感染率でその致死率は、高齢者・基礎疾患のあるかたに特に重大で、これらのかたへの集中的な対策が求められている状況です。

 従いまして、現行『学校保健安全法』上の措置で十分に期待しうる限定的な効果を得るために、社会的・教育的に甚大な悪影響という犠牲を生んでまで、「臨時休業」を判断すべき状況には、令和2年2月28日段階の中央区においてはないと考えます。

 よろしくご検討いただけますようにお願い申し上げます。

 引き続き、感染症関連学会・医師会等医療現場からの要望・提案(添付資料1)もご参考にしていただきながら、医療資器材の確保・配備、検査体制の充実、二次感染の防御などご尽力のほど、よろしくお願い致します。

 

       記

 

本区における「臨時休業」を判断する上での考慮要素について

1、国の感染拡大の疫学情報、「非常事態宣言」の有無

 

2、中央区及び東京都における感染拡大の疫学情報

 

3、「臨時休業」による感染拡大の抑制効果

 

4、「臨時休業」と同等の効果を生む代替措置の有無とその効果

 

5、「臨時休業」により与える社会的影響、その社会的影響を最小限に抑える措置の有無

 

6、「臨時休業」による子ども達の教育への悪影響、それを回避する措置の有無と回避措置の教育的効果

 

7、現段階でわかっている新型コロナウイルス感染症の感染率・致死率・検査法・治療法等に関する科学的知見

以上

※1 NHK「休校要請 専門家 判断難しい」(2020年2月27日)https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200227/1000044708.html

*******松本 和光市長******

誤解を招かないために書いておきますが、基本的に設置者権限の事項で、だから総理は「要請」と発言しました。

さて、日中、学童保育をやるかどうか。学校によっては学校をやるのと大差ないことになりかねない。その他の子どもの居場所をどうする。子どもを狙った犯罪をどう抑止するか。保育園がある限り、兄弟経由で感染はありうる。そもそも学校を休みにしない、という選択肢はありなのか。その際の責任はとれるか…
そもそも、公式にはという前提だが、さほど児童生徒に感染者がいない中でここまでの決断をする、となると、何か政府が情報を持っているのではないか、という勘繰りが出てくる。あるいは何らかの専門的な知見かデータか。それがなくて予断でやっているなら、やはり、授業を続ける、という選択肢は捨てきれない。
いずれにしても、休むなら休むなりに子どもたちの支援と親の支援を感染症対策と両立できるように考えなければならない。それは果たして可能なのか。あるいは学童は休みにするかですか。また、低学年のお子さんを持つ親が一斉に仕事を休むとして、世の中まわるのか。
そもそも通勤電車と会社と保育園があるだけでも、この思い切った措置の効果は限定的にならざるを得ない。それでもこの判断に政府が至った根拠を何としても知りたいところですね。

学校保健安全法
(臨時休業)
第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。

*****文科省 文部科学事務次官 2020.2.28*****

https://www.mext.go.jp/content/202002228-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf

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