はしか(麻しん)について、うまくまとめられています。
予防接種がひとつのカギです。
**********朝日新聞20180502****************
https://digital.asahi.com/articles/ASL524S0GL52UEHF00G.html
はしか患者、急増中 鎮静のカギは「ワクチン1回世代」
服部尚
2018年5月2日16時31分
沖縄県ではしか(麻疹)に感染した患者が急増し、80人以上に上っている。台湾からの旅行者が感染源となって感染は広がり、他県でも感染例が報告されている。鎮静するのか、広がるのか。カギの一つが、一般に患者が多い20代から40代への対策だ。
はしか、GWで感染拡大の恐れ 専門家「予防接種を」
国立感染症研究所によると、はしかは、ウイルス感染後、10~12日間の潜伏期を経て、発熱やせきなどの症状が出る。ほかに発疹や鼻水、光がまぶしいなどの結膜炎症状なども現れるという。
感染経路は、はしかのウイルスが空気中に漂い、吸い込んだ人間が感染する「空気感染」や、せきやくしゃみで飛び散り、近くの人に感染する「飛沫(ひまつ)感染」など様々だ。感染力が「最強」と言われ、インフルエンザの10倍程度とされている。
ウイルスは免疫細胞に感染するため、感染した患者は免疫機能が落ち、約3割が合併症を起こす。肺炎などを合併して死亡することもある。2016年には、途上国の子どもを中心に約9万人が世界で亡くなったとされている。
これだけ強い感染症となると、以前は子どものころにはしかにかかるのは当たり前で、20代になるまでにだいたいの人は感染していた。だが、1978年以降に進められたワクチンの定期接種のおかげで、個人の感染への抵抗力が高まり、集団での免疫が強化され、感染者は激減した。
こうした取り組みのおかげで、日本は2015年にWHO西太平洋地域麻疹排除認証委員会から、「麻疹排除状態」にあると認定された。昨年もこの排除状態が維持されていると認証されている。
ただ、問題がある。定期接種は2006年以降は2回になったが、以前は1回。2回に比べ、次第に免疫が弱まることがある。現在、20代後半から40歳ぐらいの世代が「1回世代」だ。確実に予防するためには2回の接種が必要だ。一方、50代、60代では患者はかなり少なくなる。
ワクチンを打った人がはしかにかかることもあるが、その場合、症状は軽く、「修飾麻疹」と呼ばれている。はしかは伝染力が強いので、95%の人が免疫を持たないと流行を完全には止められないという。ただし、麻疹のワクチンは安全性も高く、効果も非常に優れていて、どの流行株に対しても高い効果がある。
今回の沖縄などでの感染をどう捉えるかについて、国立感染研感染症疫学センターの駒瀬勝啓主任研究官は「患者の早期発見や適切な管理、患者の接触者などへのワクチン接種などが実施されている」としたうえで、「全国的な大流行にはならないと思う」と見ている。
駒瀬さんによると、ワクチンは2回接種が原則だが、1回でもワクチンを打っていれば、感染リスクは減少するし、もしかかっても軽く済むことが多い。感染すれば流産、早産の恐れがある妊婦は別だが、ワクチン歴が1回でもある人(記録として)はそれほど心配しなくてもいい。ただ、今後のことを考えると、早期に2回目の接種をすべきだという。(服部尚)
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