いやー、驚きました。お米でワクチンができるのです!!実用化までは、10年程必要とのことでしたが、ネズミの実験で、その効果は証明されています。
本日4/11の中央区医師会主催の学術講演会「消化管感染症におけるワクチン開発の現状と展望」と題し、東京大学医科学研究所感染免疫大部門炎症免疫学分野徳原大介先生のご講演。
コレラ毒素の一部分CTB(コレラ毒素が細胞に進入する際に細胞と結合する部位)をまず、アグロバクテリウムという細菌に入れ込みます。そのアグロバクテリウムは、稲に感染します。すると、CTBもお米に取り込まれます(遺伝子組み換えの技術)。そのお米を摂取すると、お米の中のprotein body Ⅰという疎水性の部分に取り込まれたCTBが、腸管の中に入って行き(疎水性ゆえ胃酸には分解されず通過)、生ワクチンを経口投与したときと同じように、腸管の粘膜にCTBを抗原とした抗体ができるようになるというのです。
実際、上述の技術で作ったコレラワクチン米をネズミに投与すると、血中や粘膜の抗体(IgG,IgA)が上昇し、かつコレラ毒素を投与した場合に、ネズミの便中にでる下痢便は、投与しないネズミの出す下痢便より少量であったということです。
このワクチンが開発されると、
①粘膜および全身における感染防御機能を高めることができる
②室温で長期間安定なワクチンである
③胃酸での消化酵素抵抗性をもつ
④低コストで多量生産可能
⑤投与による痛みを伴わない
⑥針、シリンジなどの医療器具が不要
という利点がでます。
今後は、HIV、インフルエンザ、ロタウイルス、結核、ボツリヌス菌などでも研究されていくそうです。
お米で作り、薬効成分を抽出し、錠剤として薬にするということでした。
ワクチン開発全般の今後の研究課題は、
①より簡便な投与として、経皮吸収型ワクチンの開発
②より効果的な抗原の認識(免疫を誘導するマクロファージを標的にする仕組み)
③感染モデルの確立(ノロウイルスなどでは、感染モデルがなく、ネズミで感染を起こすことが出来ない)
などがある。
30名の大世帯の研究室で、5名がこの研究に従事しているとのことでした。
私は、この研究分野に非常に可能性を感じます。実用化には10年かかるということでした。国策として、この部分にもっと力を入れ、5年以内の実用化に持っていけないだろうかと考えます。
日本の農家でワクチン米を生産し、発展途上国に送る。お米で栄養をとりながら、ワクチン投与にもなる。発展途上国の感染症対策に革命的な改善をもたらすことが出来るのではないだろうか。(研究の方向性では、ワクチン米を食べるというよりは、先にも書きましたが、薬効成分を抽出し錠剤にするとはいっているが、私はあえて、ワクチン米を食べることで効果が出ないかと思っています。錠剤にするコスト削減、薬という開発では時間がかかりすぎるなどの理由で。当然、安全性が確立していることが前提です。)
5歳未満の小児の死亡は、年に1000千万人以上。約1/3が急性呼吸器感染症、約1/3が下痢症、約1/4が麻しん、その他、マラリア、エイズ、結核と続きます。感染症対策をなんとかせねばなりません。
夢のある研究に感動した一日でした。
本日4/11の中央区医師会主催の学術講演会「消化管感染症におけるワクチン開発の現状と展望」と題し、東京大学医科学研究所感染免疫大部門炎症免疫学分野徳原大介先生のご講演。
コレラ毒素の一部分CTB(コレラ毒素が細胞に進入する際に細胞と結合する部位)をまず、アグロバクテリウムという細菌に入れ込みます。そのアグロバクテリウムは、稲に感染します。すると、CTBもお米に取り込まれます(遺伝子組み換えの技術)。そのお米を摂取すると、お米の中のprotein body Ⅰという疎水性の部分に取り込まれたCTBが、腸管の中に入って行き(疎水性ゆえ胃酸には分解されず通過)、生ワクチンを経口投与したときと同じように、腸管の粘膜にCTBを抗原とした抗体ができるようになるというのです。
実際、上述の技術で作ったコレラワクチン米をネズミに投与すると、血中や粘膜の抗体(IgG,IgA)が上昇し、かつコレラ毒素を投与した場合に、ネズミの便中にでる下痢便は、投与しないネズミの出す下痢便より少量であったということです。
このワクチンが開発されると、
①粘膜および全身における感染防御機能を高めることができる
②室温で長期間安定なワクチンである
③胃酸での消化酵素抵抗性をもつ
④低コストで多量生産可能
⑤投与による痛みを伴わない
⑥針、シリンジなどの医療器具が不要
という利点がでます。
今後は、HIV、インフルエンザ、ロタウイルス、結核、ボツリヌス菌などでも研究されていくそうです。
お米で作り、薬効成分を抽出し、錠剤として薬にするということでした。
ワクチン開発全般の今後の研究課題は、
①より簡便な投与として、経皮吸収型ワクチンの開発
②より効果的な抗原の認識(免疫を誘導するマクロファージを標的にする仕組み)
③感染モデルの確立(ノロウイルスなどでは、感染モデルがなく、ネズミで感染を起こすことが出来ない)
などがある。
30名の大世帯の研究室で、5名がこの研究に従事しているとのことでした。
私は、この研究分野に非常に可能性を感じます。実用化には10年かかるということでした。国策として、この部分にもっと力を入れ、5年以内の実用化に持っていけないだろうかと考えます。
日本の農家でワクチン米を生産し、発展途上国に送る。お米で栄養をとりながら、ワクチン投与にもなる。発展途上国の感染症対策に革命的な改善をもたらすことが出来るのではないだろうか。(研究の方向性では、ワクチン米を食べるというよりは、先にも書きましたが、薬効成分を抽出し錠剤にするとはいっているが、私はあえて、ワクチン米を食べることで効果が出ないかと思っています。錠剤にするコスト削減、薬という開発では時間がかかりすぎるなどの理由で。当然、安全性が確立していることが前提です。)
5歳未満の小児の死亡は、年に1000千万人以上。約1/3が急性呼吸器感染症、約1/3が下痢症、約1/4が麻しん、その他、マラリア、エイズ、結核と続きます。感染症対策をなんとかせねばなりません。
夢のある研究に感動した一日でした。
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