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「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

被災直後、1週後、2週後、3週後の各フェーズで見た災害医療ニーズなどの変化と課題

2011-04-04 13:26:33 | 防災・減災

 被災直後は、開催中の中央区議会予算特別委員会の委員でもあったため、被災地入りはできませんでしたが、1週後、2週後、3週後と石巻への医療支援に継続的に入ってきました。

 そこで感じたことを参考までに各フェーズごとに書きます。

 医療者の視点から書いており、総合的、網羅的には書いていないことをご了解願います。
 こちらでは福島原発事故関連の分析も他稿に譲ります。

 

0)被災直後(3・11-13)(被災地入りをできていませんので、詳しく述べません。)
段階:72時間の救命のフェーズ

状況:
地元、災害医療チームの被災地入り

首都圏状況:
防災拠点を開き、帰宅困難者の受け入れ

重要課題:
人命救助
72時間以内の救助

疾患面課題:
救命救急
外科疾患


1)被災約1週間(3/14-3/20)
段階:地域中核病院を中心とした医療活動(地域中核病院の野戦病院化)のフェーズ

状況:
余震続く
電気供給一部開始
保健師の地域巡回
大学病院、赤十字病院 災害医療支援チームの被災地入り

首都圏状況:
被災地への救援物資発送
被災地への救援物資受け付け

重要課題:
避難所の把握
社会的弱者への目配り
被災地を切り盛りするため献身的な努力をするかたの健康管理
病院機能の回復
行方不明者の情報共有

疾患面課題:
透析患者対応
定期内服薬のとりあえずのつなぎ
持病の悪化

保健医療福祉面課題:
行政―医師会―中核病院の連携の糸口を探る
医療―看護―薬剤師―歯科医師―栄養士―心のケアー多職種間の連携
被災地と支援する地域との連携の糸口を探る
新生児をもつ家族の受け入れ住宅の確保

インフラ課題:
電気供給の徐々に開始
幹線道路の緊急車両通過



2)被災約2週間(3/21-3/27)
段階:地域中核病院の野戦病院化から脱却し通常病院機能の取り戻しのフェーズ

状況:
避難所を把握し、巡回の機能化
定期薬処方可能へ
草の根支援が入り始める
一部ガス供給開始
首都圏状況:
関東圏で上水道で放射能物質検出


重要課題:
中核病院の野戦病院化からの脱却
深刻な物資不足
食糧不足、たんぱく質
衛生環境の改善

疾患面課題:
感染症の増加
医療ニーズの増大
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)

医療保険福祉面課題:
継続的医療支援
行政との連携強化
医師会との連携強化


インフラ課題:
道路の開通、橋の開通
深刻なガソリン不足
し尿処理



3)被災約3週間(3/28-4/3)
段階:街の開業医の医院機能復活に向けた取り組みの開始のフェーズ
   医療から介護その他、課題の広がりを見せてくるフェーズ


状況:
海側高速道路の開通、海側大橋の開通
米軍らによる被災地片付け
バス運行開始
支援物資としての自転車配給
被災地の衛生環境の改善、
避難生活者の役割分担により機能向上
宅配機能の復活、物流の飛躍的な改善
草の根支援が展開
医師が多く現地入り可能へ
行政からの職員派遣(例、鳥取県から30名の職員)
避難所の集約

首都圏状況:
中央区の防災拠点運営委員会の課題整理
被災地避難民の各都市の受け入れ


重要課題:
個々の開業医機能の復活と患者の中核病院から患者の移行
生活再建支援
医療や情報の行かない地域の拾い上げ、とくに在宅避難所
学校の再開
保険制度上の医療提供の整理
避難所の役割分担、要介護者
避難所の洗い直し
感染症入院場所確保

疾患面課題:
心のケア
介護予防
専門疾患対応(糖尿病、整形外科、皮膚疾患)

保健医療福祉面課題:
避難所の役割分担、機能分担
被災地間の連携、情報交換、
落としのない医療支援


インフラ課題:
物資が行渡りはじめる
一部信号復帰
ガソリン供給改善
交通渋滞の発生

以上、

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