「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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担当省庁も仕組みに関与して、事業者団体が団体会員の利益を優先する独占禁止法上の違法について

2014-11-26 23:00:00 | 経済法、独占禁止法
 以下、教室事例は、どのような業界団体でも、ありうる事例だと思います。


 独禁法上、いかにして、公正な競争を確保して、需要者を守ることができるか。

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(2014/11/26第2稿)


 X協会の問題となる行為は、以下、3点考えられる。

 a.A社からの加入申請に対し、留保とし、加入を認めなかったこと。

 b.丙を原料とする甲製品の原案作成しないことの議決。

 c.X協会が、価格について、従来からの乙を原料とする価格を下回らないようにすることを要請したこと。

 以下、独禁法の適用を検討する。

(1)a.A社からの加入申請に対し、留保とし、加入を認めなかったことについて

 A社は、X協会に参加していないアウトサイダーである。
 甲製品を製造販売できないのであって、甲製品製造販売分野における現在又は将来の事業者の数を制限している。

 従って、8条3号に該当し、独禁法違反である。


(2)b.丙を原料とする甲製品の原案作成しないことの議決(以下、「本件議決」という。)について

 X協会は、甲製品の公的規格の原案作成は、Y省から事実上任されているのであって、本件議決がなされるということは、丙を原料とする規格がY省が設定する公的規格となることはないこととなる。
 すると、丙を原料とする甲製品を製造販売するA社が、甲製品市場に参入することが著しく困難になるのであって、共同ボイコットがなされたこととなる。

 従って、8条1号に該当し、独禁法違反である。


(3)c.X協会が、価格について、従来からの乙を原料とする価格を下回らないようにすることを要請したこと。(⇒まだまだ、文章の検討の余地あるところ)

 X協会員となったA社を含めX協会員に対し、X協会は、丙原料を用いた甲製品の価格を、本来であれば低価格で抑えることができるところ、乙原料の甲製品と同程度の販売価格を設定するように、活動を制限している。
 甲製品の製造販売分野において、低価格製品の参入を阻止しており、競争を実質的に制限しているのであって、共同ボイコットがなされたこととなる。

 従って、8条1号に該当し、独禁法違反である。


 以上


**********************教室事例********************************

1 建設用資材である甲製品については、同製品を所轄するY省が公的規格を設定しており、甲製品の公的規格に適合しないと、製造・販売することはできない。甲製品の製造業者は約20社あるが、そのほとんどがX協会という事業者団体に加入しており、X協会は、Y省から甲製品の公的規格の原案の作成を事実上任されている。

 甲製品は、従来、原料乙を使用して製造されてきており、甲製品についての公的規格は、乙を原料とするもののみが対象となってきていた。

 ところが、近年、原料丙を使用した甲製品の商品化の研究が進められており、実現すれば、従来からの乙を原料とする甲製品に比べ、機能や品質面で遜色がなく、製造コスト面で有利とされている。

2 最近、丙を原料とする甲製品の商品開発を進めるA社から、X協会に対し、丙を原料とする甲製品の規格設定の必要性が指摘されるとともに、X協会への加入申請がなされた。

 X協会では、この問題を検討した結果、丙を原料とする甲製品の商品化はメンバー企業にとって脅威であるとの認識で一致し、丙を原料とする甲製品の開発を進めるA社からの加入申請は当面保留とし、丙を原料とする甲製品の規格設定問題は議論しないことを決定し、その旨をA社に回答した。

 その後、A社は、丙を原料とする甲製品の商品化に成功したが、丙を原料とする甲製品の規格が設定されていないため、その製造・販売を見合わせた。


3 ところが、Y省が、丙を原料とする甲製品ンお公的規格を設定するためX協会に原案の作成を求めてきたところから、X協会では、A社に対し、丙を原料とする甲製品の販売価格については乙を原料とする甲製品の価格水準を下回らないようにすることを約束すれば、X協会への加入を認め、丙を原料とする甲製品の規格設定活動を開始する旨申し入れた。

 A社がこの協会の申し入れを受け入れたことから、A社のX協会への加入が認められ、ほどなく丙を原料とする甲製品の公的規格が設定され、A社はその製造・販売を開始した。
 
 しかし、丙を原料とする甲製品の販売価格は、製造コストが低いにも関わらず、従来からの乙を原料とする甲製品の価格と同程度であり、丙を原料とする甲製品の商品化のメリットが需要者に届いていない。


設問1 上記のX協会の行為について、独禁法上の問題点を具体的に論じなさい。
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2013年7月参院選一票の格差「違憲状態」最高裁大法廷H26.11.26

2014-11-26 18:06:48 | 国政レベルでなすべきこと
 重要判決が最高裁大法廷で出されました。

 2013年7月参院選一票の格差「違憲状態」、選挙無効にはなっていません。 


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http://www.asahi.com/articles/ASGCT5WKGGCTUTIL03Q.html


昨年の参院選は「違憲状態」 一票の格差巡り最高裁判決

2014年11月26日16時45分

 「一票の格差」が最大4・77倍だった昨年7月の参院選をめぐり、二つの弁護士グループが「選挙区によって投票価値が異なるのは憲法違反だ」として選挙の無効を訴えた訴訟の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は26日、「違憲状態」とする判決を出した。選挙無効の請求は退けた。

 今回の判決で、衆参両院の選挙がそれぞれ2回連続して、最高裁から「違憲状態」と判断されたことになる。国会は両院の選挙制度について、さらなる是正を迫られることになった。

 最高裁は判決で、昨年の参院選について「違憲の問題が生じる著しい不平等状態にあった」とする一方で、「選挙までに定数を見直さなかったことが国会の裁量を超えるとは言えない」と判断した。

 最高裁はこれまで、2007年の参院選について「合憲」としながら、「格差を大幅に縮小するためには現行制度の仕組み自体の見直しが必要」と指摘。続く10年の参院選については、「一部の定数を増減するにとどまらず、都道府県を選挙区とする方式を改めるなどの立法措置を講ずるべきだ」とし、「違憲状態」と踏み込んだ。

 国会はその後、選挙区を「4増4減」し、格差を若干縮めて昨年7月の参院選を実施したが、都道府県単位の選挙区はそのままの形で残されている。
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