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地方公務員法34条 「職務上知り得た秘密」から派生した憲法学的問題点

2013-02-12 18:54:32 | シチズンシップ教育
 憲法学の自主ゼミのお題が出されました。
 今週土曜日の課題です。

 これから、考えるところです。

 行政の中のひとでないから、わかりませんが、実際こういうことって、よくあるのかな?


*****課題****

問題 次の文を読んで、問に答えなさい。

 S市公園管理事務所(以下「本件事務所」という。)の職員Aは、本件事務所が組織ぐるみで、不正な事務処理(以下「本件不正事務処理」という。)を行っていることに、激しい怒りを感じていた。本件不正事務処理の実態には、①平成23年度内に工事が完了せず、翌年度への予算の繰り越し申請を行わずに継続していたこと、②予定価格書を作成せずに入札や見積もり合わせを行っていたこと、③契約前に先行して工事を行っていたこと、④入札・見積結果書が作成されていないこと、⑤99万7500円の同一金額で契約が締結されていたこと、⑥工事完了報告書などの書類に虚偽の日付を記入すること、などが含まれ、それぞれ、数十件以上にわたっていた。
Aは本件不正事務処理が行われていることを認識してから、再三にわたり、直属の上司である課長に、早急に是正すべきであること、放置していると後で大問題になることを提言していたが、課長は、逆に、Aも本件不正事務処理の一端を担っていること、A本人の責任を免れないことを述べて、この問題は発覚するまで、このままにしておくべきであると述べ、むしろ、書類のつじつまが合うように、Aも積極的に本件不正事務に関わるように命じた。
そこで、Aはこのままでは、コンプライアンス(法令遵守)違反の責任を問われかねないと判断し、また、公僕としての義憤から、本件不正事務処理の内容を市民に告発することを決意した。具体的な行動としては、上記の通りの本件不正事務処理の内容を、詳細に書いたビラ(以下「本件ビラ」という。)を作成し、大宮駅西口のぺディストリアンデッキの上で配布し、また、その内容について、ハンドマイクを使って「S市公園管理事務所は、このような不正事務処理を行っています」という旨の街宣活動(以下ビラ配り及び街宣活動を「本件活動」という。)も行っていた。

 Aの行動を端緒として、マスコミが本件不正事務処理を報道するようになり、また、S市議会でも、検査権を付託された市議会まちづくり委員会が開かれ、平成23年度に本件事務所が契約した185件の修繕工事のうち、全件で市の約款などの規定に反して事務処理が行われていたこと等が報告された。出席した委員からは「これが政令市の事務手続きか」「行政職員としての一線を越えている」など、厳しい批判の声が相次いだ。

 その一方で、S市内部では、Aの行動が地方公務員に課せられた守秘義務に違反するのではないかとの意見も出されるようになった。というのは、Aの本件ビラには、上記の②③④⑤に関係する企業や個人名が記されており、本件事務所と特定の個人・企業等の癒着があることを示唆する内容になっていたからである。S市が、本件ビラを現認し、Aから聞き取り調査を実施したところ、Aは、本件活動は、本件不正事務処理を中止させるために行ったものであり、本件ビラに個人名・企業名が含まれているのは、不公正な契約を是正することを求める必要性からである、と主張した。

 結局、本件不正事務処理に加担した、本件事務所の職員の多数が、停職等の懲戒処分を受けることになったが、本件事務所を統括するS市まちづくり局長は、Aを地方公務員の守秘義務に違反するとして、S地検に告発した。結局、Aは、本件活動は地方公務員法34条1項が禁止する「職務上知り得た秘密」を漏らしたことに該当するとして、起訴された。

問1 あなたがAの弁護人であるとすれば、本件刑事裁判において、どのような憲法上の主張を行いますか。

問2 Aの主張に対する検察官の反論を想定しつつ、本件刑事裁判に係る憲法上の争点について、自己の見解を述べなさい。(なお、S市によるAに対する告知・聴聞等の手続的な問題については、論じる必要がない。)


関連法規

地方公務員法
第三十四条  職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
2  法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
3  前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。

第六十条  左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
一  第十三条の規定に違反して差別をした者
二  第三十四条第一項又は第二項の規定(第九条の二第十二項において準用する場合を含む。)に違反して秘密を漏らした者
三  第五十条第三項の規定による人事委員会又は公平委員会の指示に故意に従わなかつた者


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都道府県と市町村、地方自治法上の規定。

2013-02-12 17:21:00 | シチズンシップ教育
Ⅰ地方公共団体とは

 地方自治法1条の3 より

第一条の三  
1項 地方公共団体は、普通地方公共団体及び特別地方公共団体とする。
2項  普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。
3項  特別地方公共団体は、特別区、地方公共団体の組合及び財産区とする。




Ⅱ 普通地方公共団体である、都道府県と市町村の役割分担。

1)まず、いずれも以下の事務をになっています。

 地方自治法2条2項。


第二条
2項  普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。


2)都道府県の事務は、

 地方自治法2条5項。

第二条
5項  都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、第二項の事務で、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理するものとする。


3)市町村の事務は、

 1)で述べたものから、2)で述べた都道府県の事務を除いたもの(地方自治法2条3項)すなわち、(「地方自治法2条2項」-「地方自治法2条5項」=市町村の事務)です。
 それと、地方自治法2条4項で定められたものが事務となります。


第二条
3項  市町村は、基礎的な地方公共団体として、第五項において都道府県が処理するものとされているものを除き、一般的に、前項の事務を処理するものとする。
4項  市町村は、前項の規定にかかわらず、次項に規定する事務のうち、その規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものについては、当該市町村の規模及び能力に応じて、これを処理することができる。



Ⅲ都道府県にある基礎的な地方公共団体は、いずれかの市町村である。

 地方自治法5条。

第五条  
2項  都道府県は、市町村を包括する。



Ⅳ市町村の峻別

1)市とは、

 地方自治法8条1項。

2)町とは、

 地方自治法8条2項。

3)村とは、

 都道府県から、市と町を除いた残りの部分と規定。

 都道府県(「地方自治法5条2項」で市町村のいずれかでできている。)ー「地方自治法8条1項」の市ー「地方自治法8条2項」の町=村


第八条  
1項 市となるべき普通地方公共団体は、左に掲げる要件を具えていなければならない。
一  人口五万以上を有すること。
二  当該普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上であること。
三  商工業その他の都市的業態に従事する者及びその者と同一世帯に属する者の数が、全人口の六割以上であること。
四  前各号に定めるものの外、当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件を具えていること。

2項  町となるべき普通地方公共団体は、当該都道府県の条例で定める町としての要件を具えていなければならない。


以上、

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