「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

東日本大震災を受け東京の大震災に備える(2)帰宅難民対応強化と防災拠点運営(医療体制構築も含め)

2011-06-09 23:11:39 | 防災・減災
 東日本大震災後、ここ中央区も帰宅難民があふれました。
 中央区の職員、学校幼稚園保育園職員、各施設職員、防災拠点運営委員会、町会自治会、消防団、多くの皆様が、その対応に追われたことが、どの会合にいっても話題として上ります。

 本来、防災拠点は、地域住民の避難場所でもあります
 受け入れた帰宅難民であふれてしまうと実際の機能が果たされなくなる可能性があります。

 お隣の千代田区でも、帰宅難民対策を含め地域防災計画を全面改定をするということ。

 中央区も再開発の場合、帰宅難民の待機場所となる広場や防災倉庫を設ける配慮をしていることは存じ上げておりますが、各企業が帰宅難民を出すことなくそれぞれの企業自身で対応頂けることも含め、企業と地域と行政が一体となって体制整備していかねばならないと考えています。
 中央区は、交通の要である東京駅や、銀座日本橋築地など観光客、外来者が多く集います。この方々の受け入れ対応も行う必要があります。

 医療面で言えば、各防災拠点には、医師の配置担当が決められています。
 防災拠点運営委員会において、医師との連携がなされるきっかけづくりもまた、必要です。

****東京新聞(2011/06/09)*****
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011060902000035.html

「帰宅難民」の宿泊先確保へ 千代田区 防災計画見直し

2011年6月9日 朝刊
 東京都千代田区が震災時の帰宅難民対策の強化に乗り出す。東日本大震災の当日は約一万七千人が区内の施設に寝泊まりする事態に陥ったため、大量の宿泊先を確保する。九日の区議会本会議で石川雅己区長が表明し、年内をめどに区地域防災計画を全面改定する。
 現行の防災計画は、日比谷公園や皇居外苑など六カ所を「帰宅困難者支援場所」に指定。区内の大学や企業からも災害時に避難施設提供を受ける。しかし、いずれも主に一時的な避難所の位置づけで、多数の宿泊は想定していなかった。
 震災当日は帰宅できない人が鉄道駅などにあふれ、区や企業などが急きょ、区役所本庁舎や丸ビルなど約六十カ所を自主開放。また比較的遠方から電車などで通学する子どもたち約二百人が、学校で一夜を明かした。
 新計画では、帰宅困難者の受け入れ施設を確保するほか施設に関する情報発信や施設への誘導、食料配給などを強化。区職員の到着が遅れることも考えられるため、避難者自身が備蓄物資を運び出すなど避難所開設作業を行うことも想定する。

以上、

****過去の関連ブログ*****
東日本大震災を受け東京の大震災に備える(1)保育園児、幼稚園児、学童、生徒の安全は守られたか?
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/0cb0043b24b48c4fffee05ae7bedcc0e
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6/8ケアマネ勉強会(第83回) 介護従事者スキル向上の場、老健施設利便性の向上、高齢者の精神疾患他

2011-06-09 21:43:39 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 ケアマネージャーの勉強会後にもった問題意識。
 昨日は、以下、五点。
 今後、検討を深めていきたいと思っています。

一、ヘルパー等介護従事者のスキルアップの場を積極的に作って行くこと
  在宅療養を進める上で、ヘルパー等介護従事者のスキルアップは、重要な要素のひとつ
  →下記、東京新聞記事参照

一、利用者の声を反映し老健施設をさらに利用しやすくサービスの向上を目指していくこと
 例えば、訪問なしでの入所登録を可能にすること
     胃ろうがあっても入所可能にすること
     送迎時間を利用者の利便性にあわすこと
     家族付き添いなしでも食事を可能にすること
     家族が毎日面会に来なくてもよいようにすること
     認知症も受け入れて行くこと

一、特養まちをなくしていくこと、
     特養を増設も大事であるが、老健もさらに大事であるかもしれない

一、「ステップ中央」の重要性
     今後役割がさらに重要になる
     認知症のひとが消費者トラブルに巻き込まれないようにする

一、高齢者の精神疾患への対応
     受診につながるようにする仕組みづくり
     対応ができると家族、周囲の負担は、多いに減ることが期待できる 

 
*****以下、勉強会のメモ*****
1、ヘルパー等介護従事者のスキルアップの場を積極的に作って行くべき
現在は、サービス責任者が教えている。行う事業所は、年に4回ほどの講習の場。
港区では、技術のすぐれたヘルパーの表彰も行っている。
ヘルパーの仕事は、リスクが大きい。
在宅医療の鍵である。
今後、ヘルパーの行うことができる医療行為が増え、さらにスキルアップの場が必要になる

2、老健施設について
胃ろうがあると入ることができない場合がある
送迎時間が早い場合がある
施設内での洗濯
入所登録で施設来院が必要(家族ならよいが、一人暮らしでは難)
家族が施設で食事介助
毎日面会
特養まち
認知症が重度でも受け入れ

3、成年後見
本人の同意で、支援施設を利用可能になるが、その本人の同意を得ることが難しい


4、高齢者の精神疾患(統合失調症など)
受診につながらない
認知症の診断で、かかりつけ医が自立を診断、調査では重度と判定と差が出る場合がある。

5、特養まち
「特定」の施設では、施設内でケアプランを立てる、訪問看護の診療点数も低くなる
入所に2億、月50万円の施設
入居の代金が不要で、月々高いところもある


など

*****東京新聞(2011/6/8 夕刊第一面)*****
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011060802000198.html

介護職員にも医療ケア研修
2011年6月8日 夕刊
 胃ろうやたんの吸引など原則として医師や看護師にしか認められていない「医療的ケア」を近い将来に介護職員にも担ってもらおうと、東京都新宿区は、看護師を障害者施設に派遣して職員の実地研修を進めている。国が研修を条件に介護職員にも認める制度改正を準備しており、区は改正時に障害者と家族の要望に迅速に応えようとの狙いだ。 (松村裕子)
 区は四月から訪問看護事業所など三カ所と連携し、重度身体障害者が入所するグループホーム二カ所を看護師が二週に一度のペースで訪問している。実地研修は制度改正後も継続する方針で、都内では他の自治体に先駆けた取り組みという。
 五月下旬。ホームを訪れた看護師は、職員の介護福祉士に入所者のための胃ろうの処置方法を指導した。「作業自体はそれほど難しくないが、顔色や体重から健康状態をチェックしたり、嘔吐(おうと)などの異常に対処したりするには専門知識がないと難しい」と看護師は注意点を挙げる。
 介護福祉士は「介護職員ができるようになっても、助言してくれる看護師がいると安心。自分たちでは気づかない入所者の体調の変化も見てもらえる」と感謝し、入所者の家族も「看護師の支援態勢ができれば、安心できる」と喜ぶ。
 全国的に胃ろうやたん吸引を必要とする要介護者は急増しており、看護師だけでは対応できない状況になっている。障害者施設に看護師が常勤する割合は低く、障害者にとって施設の選択肢や活動の幅を狭める原因となり、入所後に医療的ケアの必要が生じて退所を余儀なくされるケースもあるという。
 新宿区でも医療的ケアを必要とする障害者は約百六十人いるが、看護師常勤の入所施設は一カ所のみ。本人や家族が処置するか、ときには医師から指導を受けている介護職員が家族の同意を得て処置せざるを得ないのが現状だ。
 同区では、連携する訪問看護事業所が、介護職員向けのマニュアルを作り、今月下旬から集団研修会も手がける。研修事業の窓口を務める医師の藤本進さんは「将来的に連携できる事業所を増やしたい」と話している。
 厚生労働省は、多くの障害者と家族の要望に加え、本来なら緊急避難的な措置であるはずの介護職員による医療的ケアが、もはや例外ではなくなっている現場の実態も踏まえ、改正方針を決定。二〇一二年度の実施を目指して関連法案を開会中の国会に提出している。

<胃ろうとたんの吸引> 胃ろうは、内視鏡を使って腹の皮膚から胃に穴をあけて作った小さな口に、体外とつなぐ管を取り付け、管を通して栄養補給する。飲み込む機能が低下した嚥下(えんげ)障害の高齢者や食道手術後などで口から食べられないときに利用。たんの吸引は、人工呼吸器を装着するなどして自らたんを排出できない患者らのため、吸引器でたんを除去する行為。ある程度、危険を伴うため、ともに原則として看護師ら医療職にしか認められていない。

以上

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『国立がん研究センターの見解と提案』、放射線影響公開討論会開催等は中央区もイニシアチブを!

2011-06-09 09:29:36 | 防災・減災
 以下、『国立がん研究センターの見解と提案』が、独立行政法人国立がん研究センターから、6月7日に出されました。

 提案では、
1)個人の被ばく放射線量測定装置(ガラスバッジ)により月単位の被ばく量測定を直ちに開始

2)高線量の放射線被ばくの可能性がある職場環境で作業する方々への自己の末梢血幹細胞の保存

3)きちんと被ばくされた方を把握しがんの予防、早期発見ができる体制を整えること

4)エビデンスに基づいた医学的公開討論会の実施

5)住民の方々へ放射線被ばくについての説明会を開催

 重要な提案がなされていると考えます。
 重要な提案ゆえ、関係諸機関・東京都・中央区は、どうか、国のスタンダードとしていくことの受け入れの可否を早急にご検討していただけますようにお願い申し上げます。

 もちろん、国立がん研究センター中央病院のお膝下が中央区(築地!)でありますので、同センターがご提案の住民説明会や公開討論会の場の提供に中央区がイニシアチブを取っていただけますことを期待いたしております。


******国立がん研究センター ホームページより*****
『国立がん研究センターの見解と提案』
http://www.ncc.go.jp/jp/index.html

 前回(3月28日)の見解から2ヶ月以上が経過し、福島第一原子力発電所の事故の様相も大きく変化しました。例えば、放射性物質の放散レベルがレベル4や5からレベル7に上げられ、メルトダウンが当初より発生していた等の事実も明らかになりました。このような状況の変化を踏まえ、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の影響に対し、被災された住民の方々の健康を守るため、以下の提案をさせていただきます。また、この中で、国立がん研究センターができる事物についても述べさせていただきます。


1.住民の方々の実際の被ばく量を測定するよう国に求めていきます
 放射性物質による健康への影響について住民の方々は多大な不安を抱いておられます。中でも、多くの情報が錯綜し、実際に住民の方々が受けておられる放射線被ばく量が測定されていないことが、不安を助長する大きな要因になっていると考えられます。被ばくには、飲食物などに含まれる放射性物質を摂取することで体内に蓄積される内部被ばくと、周囲の環境より浴びることによる外部被ばくとがありますが、外部被ばくは簡単に測定することが可能です。実際の数値を測定することにより、少なくとも、判らないことによる不安を大幅に軽減できることが期待されます。
 よって、現在放射線被ばく量が高いとされている地域の住民の方々、特に20歳未満の子供や農業等の屋外作業に従事する方々を対象に、個人の被ばく放射線量測定装置(ガラスバッジ)により月単位の被ばく量測定を直ちに開始することを提案します。


2.高線量の放射線被ばくの可能性がある職場環境で作業する方々への自己の末梢血幹細胞の保存を提案します
 自己の末梢血幹細胞を用いた移植治療はがん治療の一環として開発され、すでに標準的に行われている治療法の一つです。国立がん研究センターは、これまで一貫して、職場環境における被ばく線量が250ミリシーベルトを超えるような事態が生じる可能性が皆無でない厳しい環境下で原発事故に対処してくださっている方々の命を守るため、万一に備え、これらの方々がご自分の末梢血幹細胞をあらかじめ保存しておくことを提案してきました。現実には、福島第1原子力発電所で作業をした方々が250ミリシーベルトを超えて被ばくしたという報道もあります。もちろん、末梢血幹細胞移植にも限界がありますが、日本のためにこの厳しい環境で作業をしておられる方々を支援するため、国立がん研究センターは私たちの技術を提供したいと考えています。


3.放射線の健康影響を評価するための疫学調査とがん登録について
 放射線の健康影響を評価するための疫学調査は、参加者の健康管理に資するべきであります。そのうえで、同時に科学的で正確なデータが収集される研究計画である必要があります。なぜならば、低線量の長期被ばくの健康影響のうち、特に発がんリスクを知る目的で行われる研究は、相当に大規模で長期の追跡を綿密に行わないと、リスクを見落としたり、誤った結果をもたらしたりする可能性があるからです
 リスクを見極めるために必要な綿密さは、初期調査と追跡調査の両方に求められます。初期調査では、被ばくした住民の方々すべての名簿を作成し、被ばくに関する情報に加えて、発がんに関わる基礎的な情報(生活習慣や生活環境、がん関連ウイルスや細菌への感染状況、さらに心理・社会的要因)の調査も必要となります。また、追跡調査では、全員の方々について正確にもれなく発がん情報を記録するがん登録のシステムが不可欠です。
 最優先すべき調査協力者の利益のために、国立がん研究センターは、がんの予防・早期発見に努めるとともに、がんにかかられたとしても安心してがんの治療を受けることができるよう体制を整えるなどの取り組みを行いつつ、疫学調査やがん登録に積極的に協力をしてまいります。


4.医学的公開討論会を実施します
 新聞やテレビなど様々なメディアにおいて、現在の放射線の影響に関して、「安全という立場」と「危険という立場」で、異なる立場で意見が述べられており、多くの国民にとっては、どの意見を信じればよいのかわからず、不安をより一層強める原因の一つとなっています。
 放射線の影響について正しく理解し、また今後も蓄積される放射線の影響を最小限にするために、これまでに医学的に明らかにされてきた放射線の影響について、エビデンスに基づいた医学的公開討論会の実施する準備を進めます。この結果に基づき、20年後、30年後のことを予想し、放射線の影響を少なくし住民の方々の健康を守るための提言をまとめます。


5.住民の方々へ放射線被ばくについての説明会を開催します
 原子力発電所の事故による放射能の影響が続いている地域の住民の方々には、不要の不安感を減らしていただくとともに、現在の状況に正しく対処していただくため、放射線に対する正しい知識を持っていただく必要があります。
 国立がん研究センターは、原子力発電所の周辺で生活する住民の方々に、放射線に対する正しい知識を持っていただき、さらに、現在の環境の中で被ばくを少なくするための適切な行動について知っていただくための説明会を開催してまいります。
(平成23年6月7日)

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