野ゆき山ゆき海邊ゆき

日々の生活の中で出合う自然や民俗、歴史遺産を記録します。主な舞台は和歌山県中部。タイトルは佐藤春夫の「殉情詩集」より。

神話か実在か

2016年10月08日 | 歴史
日本神話、特に古事記に記された天上の国のことであることは日本人であれば多くの方がご存じである。神話であるからその所在は架空のものと思われがちだが、日本各地にはその伝説が残っているらしい。とりわけ御所市の金剛山麓に広がる標高400mほどの台地が高天(たかま)、高天原と呼ばれそれらしいところのようだ。
     
台地の南西隅に、高皇産霊神(たかむすびのかみ)が祀られる高天彦神社がある。この高台からは奈良盆地が一望できるし、近くには京都の賀茂神社の本宮である高鴨神社等古い起源の神社が散在している。我が国の開闢につながる重要な地なのかも知れない。


高天彦神社の駐車場に無粋な看板が立っている。神話の里にふさわしい看板がほしいものだ。


高天彦神社。本殿前の石段は急でしかも本殿は高く仰ぎ見て詣らねばならない。

「古事記ものがたり」の一節を引いておく。
『この世界のはじまりは、天も無く、地も無く、時間も空間もな い。有るのか無いのかもわからない。混ざりあっているようで、混ざってもいない。ただただうす暗く、もやもやとした状態が果てしなくどこまでも広がっているのでした。呼び名もまだありません。
そのとき、天の中心から、 「た・か・あ・ま・は・ら(高天原)」と呼ぶ声が聞こえたように思われました。すると、天と地が分かれだし、たくさんの小さな光の粒がこの世界に現れたのです。
あめのみなかぬし(天之御中主)の神でした。
宇宙の心そのものであるこの神様は、あらゆるところに満ちあふれておられたために、誰もその姿、形をとらえることができませ ん。
そのつぎに、天からくるくる回転しながら、たかみむすひ(高皇産巣日)の神が現れました。つぎに、地から同じように回りながら現れたのは、かむみむすひ(神皇産巣日)の神でした。・・』


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