富岡製糸場見学の日帰りバスツアーに参加しました。半身まひで足が不自由な私でも参加できるので、バスツアーは便利です。 富岡製糸場は全国の製糸場の指導者を育てる目的で、フランスの技術を導入して建設され官営の製糸場であることは広く知られています。
横浜フランス商館勤務の生糸検査人のポール・ブリューナが「首長」(グランドデザインを描き、建設・操業運営の管理する総合プロデューサー)、横須賀製鉄所を建設したオーギュスト・バスティアンが建物の設計を担当、明治政府役人の尾高惇忠が建設実務を指揮(初代の「場長(所長)」)して、建設作業が進められました。
バスディアンの設計図はメートル法で表示されていましたが、日本で使われている尺貫法に読み替える必要があり、このために、横須賀製鉄所建設工事に携わった経験のある、大工の棟梁を招いて大工を指導させています。建物は、西洋建築と日本の伝統技術を組み合わせて建設されました。即ち、伝統的な日本建築の技術である木造の骨格に西洋の技術であるレンガを壁としてはめ込んだ「木骨レンガ造」構造で、屋根は日本の伝統的な瓦葺を採用しています。建物は西洋建築のキングポストトラスト構造、即ち、三角形の組み合わせで強度を保つ構造を採用していますが、寺院や城などの建築の経験のある日本人大工は、すぐに習得しました。レンガは当時の日本にはなく、フランス人技術者から指導を受けた瓦職人が、試行錯誤を繰り返しレンガ造りの技術を完璧に習得します。製造されたレンガは150万個に上るそうです。
このように、日本人による建設作業が突貫工事で行われ、着工からわずか1年6か月で竣工・操業にこぎつけました。
フランス人技術者の指導で建設・運営された国営富岡製糸場は、製糸の女工指導者を育成することを目的にしており、労働条件も、労働時間も一日が7時間45分、週休日や祝祭日の休日化、診療所の設置と無料診療、寄宿舎の食費などの無料化、など最先端の制度を取り入れています。
<労働条件:富岡製糸場のガイドブックより>
勤務:朝の7時~夕方の4時半まで、実働7時間45分(ただし、季節によっては勤務時間は異なる。
休日:年間76日
(内訳)日曜日:50日、諸御祭日:6日、年末年始:12月29日~1月7日、夏季休日:10日)
給与:能率給制度を採用。
一等工女:25円、二等工女:18円、三等工女:12円、等外工女:9円。別に作業服代として、夏冬5円支給。
<富岡製糸場の歴史概略:パンフレットより抜粋>
明治3年10月(1970年)ブリュナと雇用契約締結
明治4年3月(1871年):建設着手(官営富岡製糸場)
明治5年7月(1871年):主要建物完成
明治5年10月(1872年):竣工・操業開始(女工210人、其の後、500人超になる)
明治8年12月(1875年):ブリュナ雇用契約満了。フランス人技術者と医師は全員帰国。
明治9年1月(1876年):日本人のみでの運営になる
明治26年10月(1893年):三井家に払い下げられる(三井富岡製糸場)
明治35年9月(1902年):原合名記会社に譲渡(原富岡製糸場)
昭和14年7月(1939年):片倉製糸紡績株式会社が経営権取得(片倉富岡製糸場)
昭和62年3月(1987年):操業停止
平成17年9月(2005年):建造物が片倉工業から富岡市に寄贈、富岡市による管理開始
平成18年1月(2006年):土地が片倉工業から富岡市に売却される
平成26年6月(2014年)世界遺産に登録
<正門>
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<東繭倉庫>(長さ:104m、幅:12m、高さ:14m)
木骨レンガ造りの2階建て。2階部分が繭置き場。
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<繰糸場>(長さ:140m、幅:12m、高さ:12m)
300釜のフランス式繰糸器が設置。当時の製糸工場の多くで繰糸器は50釜から150釜程度で、富岡製糸場は当時としては世界最大規模。なお、繭から繰糸した後のサナギはタンパク質が豊富なので、地元の人々が“つくだ煮”にして食べたとのこと。
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<女工館>
フランス人の教婦(女性技術指導者)のために建てられた。木骨レンガ造り。
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<診療所>
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<ブリュナ館(首長館)>(面積:1066㎡)
首長であるブリューナ一とその家族の住居。木骨レンガ造り。
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<寄宿舎>
日本人女工の寄宿舎。
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<片倉工業記念碑>
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<製糸場全体図:製糸場HPより借用>
敷地は東西約200 m、南北約300 m。製糸場の動力源は、富岡の付近で大量に産出された石炭を使用した蒸気エンジン「蒸気釜所」が建設された。 蒸気は煮繭にも使われた。1920年に電気が通じまで使用された。石炭燃焼時の排煙用の大煙突(フランス製鉄製、高さ36 m)が建設された。現存の煙突は、1939年に再建されたもので、高さ37.5 m、コンクリート製。
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<富岡製糸場HP>
http://www.tomioka-silk.jp/hp/index.html
<片倉工業HP>
http://www.katakura.co.jp/tomioka.htm
(花熟里)
横浜フランス商館勤務の生糸検査人のポール・ブリューナが「首長」(グランドデザインを描き、建設・操業運営の管理する総合プロデューサー)、横須賀製鉄所を建設したオーギュスト・バスティアンが建物の設計を担当、明治政府役人の尾高惇忠が建設実務を指揮(初代の「場長(所長)」)して、建設作業が進められました。
バスディアンの設計図はメートル法で表示されていましたが、日本で使われている尺貫法に読み替える必要があり、このために、横須賀製鉄所建設工事に携わった経験のある、大工の棟梁を招いて大工を指導させています。建物は、西洋建築と日本の伝統技術を組み合わせて建設されました。即ち、伝統的な日本建築の技術である木造の骨格に西洋の技術であるレンガを壁としてはめ込んだ「木骨レンガ造」構造で、屋根は日本の伝統的な瓦葺を採用しています。建物は西洋建築のキングポストトラスト構造、即ち、三角形の組み合わせで強度を保つ構造を採用していますが、寺院や城などの建築の経験のある日本人大工は、すぐに習得しました。レンガは当時の日本にはなく、フランス人技術者から指導を受けた瓦職人が、試行錯誤を繰り返しレンガ造りの技術を完璧に習得します。製造されたレンガは150万個に上るそうです。
このように、日本人による建設作業が突貫工事で行われ、着工からわずか1年6か月で竣工・操業にこぎつけました。
フランス人技術者の指導で建設・運営された国営富岡製糸場は、製糸の女工指導者を育成することを目的にしており、労働条件も、労働時間も一日が7時間45分、週休日や祝祭日の休日化、診療所の設置と無料診療、寄宿舎の食費などの無料化、など最先端の制度を取り入れています。
<労働条件:富岡製糸場のガイドブックより>
勤務:朝の7時~夕方の4時半まで、実働7時間45分(ただし、季節によっては勤務時間は異なる。
休日:年間76日
(内訳)日曜日:50日、諸御祭日:6日、年末年始:12月29日~1月7日、夏季休日:10日)
給与:能率給制度を採用。
一等工女:25円、二等工女:18円、三等工女:12円、等外工女:9円。別に作業服代として、夏冬5円支給。
<富岡製糸場の歴史概略:パンフレットより抜粋>
明治3年10月(1970年)ブリュナと雇用契約締結
明治4年3月(1871年):建設着手(官営富岡製糸場)
明治5年7月(1871年):主要建物完成
明治5年10月(1872年):竣工・操業開始(女工210人、其の後、500人超になる)
明治8年12月(1875年):ブリュナ雇用契約満了。フランス人技術者と医師は全員帰国。
明治9年1月(1876年):日本人のみでの運営になる
明治26年10月(1893年):三井家に払い下げられる(三井富岡製糸場)
明治35年9月(1902年):原合名記会社に譲渡(原富岡製糸場)
昭和14年7月(1939年):片倉製糸紡績株式会社が経営権取得(片倉富岡製糸場)
昭和62年3月(1987年):操業停止
平成17年9月(2005年):建造物が片倉工業から富岡市に寄贈、富岡市による管理開始
平成18年1月(2006年):土地が片倉工業から富岡市に売却される
平成26年6月(2014年)世界遺産に登録
<正門>
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<東繭倉庫>(長さ:104m、幅:12m、高さ:14m)
木骨レンガ造りの2階建て。2階部分が繭置き場。
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<繰糸場>(長さ:140m、幅:12m、高さ:12m)
300釜のフランス式繰糸器が設置。当時の製糸工場の多くで繰糸器は50釜から150釜程度で、富岡製糸場は当時としては世界最大規模。なお、繭から繰糸した後のサナギはタンパク質が豊富なので、地元の人々が“つくだ煮”にして食べたとのこと。
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<女工館>
フランス人の教婦(女性技術指導者)のために建てられた。木骨レンガ造り。
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<診療所>
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<ブリュナ館(首長館)>(面積:1066㎡)
首長であるブリューナ一とその家族の住居。木骨レンガ造り。
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<寄宿舎>
日本人女工の寄宿舎。
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<片倉工業記念碑>
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<製糸場全体図:製糸場HPより借用>
敷地は東西約200 m、南北約300 m。製糸場の動力源は、富岡の付近で大量に産出された石炭を使用した蒸気エンジン「蒸気釜所」が建設された。 蒸気は煮繭にも使われた。1920年に電気が通じまで使用された。石炭燃焼時の排煙用の大煙突(フランス製鉄製、高さ36 m)が建設された。現存の煙突は、1939年に再建されたもので、高さ37.5 m、コンクリート製。
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<富岡製糸場HP>
http://www.tomioka-silk.jp/hp/index.html
<片倉工業HP>
http://www.katakura.co.jp/tomioka.htm
(花熟里)