花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「 原発事故での当事者の様々な謝罪と皇室のもつ重み 」

2011年05月11日 12時48分10秒 | ちょっと気になること

様々な立場の人が被災地を訪れ、避難所を訪れています。 天皇・皇后両陛下はじめ皇室

の皆様方、総理はじめ閣僚や政府関係者、東京電力の社長や役員の方々  等々。


東京電力の清水社長が避難所を訪れたときには、避難者から激しい罵声が浴びせられ、

土下座をさせられた様子が繰り返しマスコミにより報道されました。 清水社長はもとよ

り同行している役員の方が土下座をするときに、頭を床につけるわけではなく、正座する

足の様子も不自然だったことを今でもはっきりと覚えています。


東京電力は、原発事故の直接の当事者ですので、避難者に対して社長が土下座をして謝罪

しなければならないことは、事前に考えなかったのでしょうか。 (土下座をどう評価す

るかは別問題です)

地域独占の公益的色彩の強い企業である東京電力の社長、役員の方々は、許認可という企

業の生殺与奪の権力を有する総理大臣、各大臣、保安院長など政府の要人を除けば、他の

人に頭を下げることなどほとんどなかったと思いますし、ましてや、土下座など考えたこ

ともなかったということだと思います。


原発事故のもう一人の当事者・責任者である政府の長たる菅総理大臣も被災地を訪れて

いますが、被災者と話すときには、一国の指導者としての風格も感じられず、被災者に

印象に残る強いメッセージを発する訳でもなく、「 ぎこちなさ、頼りなさ 」のみが感

じられました。 失望した被災者が多かったと思います。 東京電力の清水社長のときの

ような罵声は浴びせられませんでした。被災者にとっては、事故の直接の当事者は東京電

力ですので、政府への強い抗議までは考えなかったのでしょうが、原子力事業は国と電力

会社の二人三脚で進められてきましたので、福島原発事故の責任という意味では、東京電

力と政府には共に責任があります。 


菅総理や海江田経済産業大臣は、事故責任の重さを自覚しているのならば、被災者から

要求されなくとも、自ら土下座して謝罪するくらいの姿勢を示してもらいたいと思いま

す。



5月10日に菅総理が原発事故の責任について初めて具体的に触れて、6月から事故収束まで

総理大臣の歳費(除くボーナス)を返上すると表明し、海江田経済産業大臣も同様の措置

をとると報じられています。(ということは、事故収束は総理大臣として自分の手で行う

との意思表示とうけとれます。) 

東電が役員報酬や社員の給与の削減を発表してから随分と時間が経っており、遅すぎま

す。東京電力の清水社長は6月の株主総会で辞任することを表明しています。 原子力政

策推進の最高責任者の菅総理は歳費一部返上で済ませるつもりのようですが、とんでもな

いことです。 はききりと辞任を表明してケジメをつけるべきです。


また、原子力を所管する経済産業省本体や資源エネルギー庁、安全規制する保安院な

どの役職員の給与削減も当然行うべきと思いますが、どうするつもりなのでしょうか?



天皇・皇后両陛下が避難所を訪問されている様子がテレビで報道されていますが、

「被災者と同じ目線」で一人一人とじっくり話しをなされる様子に心を打たれたのは、

私だけではないと思います。両陛下と話ができて、ほとんどの被災者が心休まったのでは

ないでしょうか。

特に、被災した女性が皇后陛下に水仙の花を差し出し、これを、大事に持ち帰る皇后陛下

の様子が報道されていましたが、両陛下と被災者の心が通じている証として、嬉しく思い

ました。 「皇室のもつ重み」というのは、かけがえのないものだと感じさせられまし

た。


秋篠宮ご夫妻が避難所を訪問されたときにも、両殿下が、やさしい表情で被災者と同じ目

線で話しておられました。皇室のよき伝統が受け継がれていることに安堵しました。

ただ、皇太子夫妻の場合は、被災者と向き合う姿勢・物腰が固く、被災者が心を許せる雰

囲気ではないように感じたのが気がかりです。



(2011年5月11日  ☆きらきら星☆)

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