蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

浮田邸  富山市

2007-09-20 19:08:29 | 古民家、庭園
浮田家は17世紀には、奥山絵図方に任命された。以降、立山・黒部一帯の警備と山林保護を引き受ける世襲制の家となった。富山市の南方に立山や黒部の山々と向かい合うようにして建てられている。


門は茅葺。屋根が独特の柔らかい形を造っている。


右が日常の出入り口、左が格の高い客用の、特別な玄関だろう。


座敷から庭を眺める。積雪が多いのだろ、庇が深く、雪から建物を保護しているようだ。柱は特別の、細身の造り。庭との境には丁寧に小石が配置されている。


座敷からの本来の眺め。茅葺の門がよいアクセントになっている。


座敷の廊下に吊るされた鉄製の灯篭の細工の細かいこと。






庭は手入れが行き届かず、残念だが、庭石は相当なものに見える。

秋刀魚を焼く

2007-09-18 19:02:50 | 男の料理
まずは、秋刀魚を買いに行く。今日は特別に、一皿数百円の魚ではなく、一尾数百円の、刺身になる方を選んだ。魚屋さんの店先で、なるべく精悍な顔つきをしたの選んだ。


次に、火をおこす。これに、結構手間取るかと思ったら、運よく非常にスムーズに行った。


炭が充分に起きたら、秋刀魚を網に乗せる。なかなか太った脂のよくのった秋刀魚だった。


火の勢いが強く、脂もあり、秋刀魚はあっという間に、真っ黒こげになってしまった。しかし、中を開けてみると、適度な焼き上がり。特に、腸が最高だった。




炭がまだ落ちないので、ついでに玉蜀黍を焼いた。皮も全部付けたままで、スタート。皮はどんどん焦げていき、中身は蒸し焼き状態に。


玉蜀黍が甘すぎるのは、私の好みではないので、余計な水分を飛ばして、醤油の付け焼きにした。

小田原文学館  (田中光顕別邸)

2007-09-17 19:29:26 | 古民家、庭園
田中光顕は幕末に活躍し、明治40年には伯爵となった。大正13年に、まずは入り母屋造りの和館と、日本庭園を造った。




まずは、門と玄関。玄関脇の木が茂りすぎていて、建物の様子がわかりにくい。現在、この和館は白秋童話館として使われており、当然内部は撮影禁止。マザーグースなどの展示が、興味深かった。




和館内部では写真は撮れないので、外から内部を望む。座敷の庭側は藤棚になっており、涼しげだ。ガラス戸も大正のものらしく、ガラス面に歪がある。台風の時など、気を使うだろう。


靴脱ぎ石から、庭を眺める。すぐ背後がガラス戸になる。




日本庭園はこじんまりと、まとまっている。




洋館は昭和12年建築の、スパニッシュ瓦葺き。光顕が90歳を過ぎての、建築である。光顕のエネルギーや、モダンな様式への対応振りに驚かされる。洋館は、文学館本館として、使用されている。小田原時代の、谷崎潤一郎の手紙などもあり、一見の価値はある。

そば処 奈可むら  箱根町

2007-09-13 23:46:01 | 蕎麦
夏の最後の暑さが、猛威を振るった日だった。海岸沿いの町は、天気予報とは打って変わった晴天で、気温はうなぎのぼり。なんとか、標高の高いほうに逃げようとすれば、箱根は未だに、交通の難所。湯元付近の大渋滞にまきこまれ、一時は昼食どころではないかと、覚悟を決めた。それでも、宮下を過ぎれば、そこそこの速度で動くことが可能だ。
やっとの思いで、宿に車を置き、目指すは冷えたビール。それ以上の贅沢は、この際申し上げますまい。


奈可むらさんは、彫刻の森の駅前にある。到着したのは、13時も大分回っていたが、店内はかなりの賑わい。まずは、「湯葉とチーズの磯辺揚げ」に生ビール。こういう時の生ビールは、何にも変えがたい。あっという間に、お代わり、となってしまった。




おろし蕎麦を注文。汁は、大変に辛めで、おろしを入れて調度良い味わい。さすがと、思った。
蕎麦は、独特の縮れ方。おそらくは、玉子のつなぎかと思われる。
これはこれで、とても面白い。揚げ蕎麦のカリカリ感も、これから来るのかもしれない。

古稀庵  小田原市

2007-09-12 21:25:04 | 古民家、庭園
山縣有朋は、京都の無鄰庵、大磯の小淘菴(こゆるぎあん)、そして小田原の古稀庵など、複数の別邸を構えた。その興味は、主に造園、それも水を引き入れた作庭へと向かい、京都の無鄰庵では当時の一大事業であった琵琶湖疏水の水を、庭に引き入れるという事までやっている。小田原の古稀庵でも、わざわざ私設水道を作り箱根から水を引いたという。
作庭にはそれ程のこだわりを持ちながら、建物には,たいしたこだわりを見せなかったという。それもあってか、古稀庵にあった建造物は殆ど残されていない。洋館は栃木の牧場に移築され、和館の離れは「暁庵」として箱根に移築されている。
古稀庵の敷地は、あいおい損保の研修所となり、その庭園のみが限られた日にだけ、公開されている。




松永記念館から古稀庵は、歩いて5分ほど。どちらも小田原の高台にあり、これ程に木々が茂る前は、さぞや海の景色も良かっただろう。お地蔵さんの脇を抜け、竹林の先に、古稀庵がある。


さすが古稀庵。門構えなどは大変なものである。




門を入ってすぐそこから、流れが始まる。よく晴れた日だったので、流れる水がキラキラと輝いていた。


門の辺りが最も標高が高く、流れに沿った園路はどんどんと下っていく。中心となる開けた場所を少し降りた所に、またもやお地蔵さんが。




この辺りが屋敷の中心になったのではないかと、想像される(写真上)。
そこから、振り返ると滝が(写真下)。


滝の傍らにあるのは、庵の跡らしい。




古稀庵と並ぶ、別荘。上は、現在も個人の邸宅として使用されているようだ。
下は、旧大倉男爵別荘を改装した旅館。なぜか、人気がなかった。


松永記念館(松永耳庵老欅荘)  小田原市

2007-09-11 23:19:09 | 古民家、庭園
日本の近代別荘建築は、高原や温泉地を中心としたものが明治の時代から継続しているが、その系統の他に海水浴をテーマとした海浜の別荘も、ずっと昔からの中心的存在であった。おそらくは、ベルツ等の西洋人医師による海水浴(海で泳ぐのではなく、ひたすら海水を浴びるだけ)のススメなどが、その原動力となったのだろう。
松永耳庵は、明治の大実業家の一人。関西電力や東京電力の創業者ともいえる人物である。明治の立志伝中の人物であり、60歳にして諸戸清六の茶会に呼ばれて茶道に開眼し(1934年)、それ以降は、茶事三昧であったようだ。




戦後すぐの1946年に「老欅荘」の建築を始め、以降は小田原の地で老後を過ごしたという。写真は入口近くの欅と、屋敷への石段。古の巨木が、今も青々とした葉をつける。






石段を登りきると、まずは茶庭の入口があり、その先に母屋の入口がある。




「老欅荘」まずは、玄関から広間に上がる。開け放した窓からの風が心地よい。
広間の縁側は畳敷きの「縁座敷」。そこから、振り返って、茶室を眺める。






茶室周りには、大分凝った空間のしつらえが成されている。この建物全体にいえるが、細かいところでちょっと懲りすぎみたいな印象を受ける。屋根なども、小規模なものが立体的に組み合わされて、技術は凄いの一言なのだが、室内空間も同じよう細分化されて、いささか分りにくい。
太打ちの生粉打ちのような、繊細さが欲しい。




玄関脇の和室にも、床の間には花が生けられ、茶庭への門が眺められる。




敷地内には広い池があり、その周りに、茶室が二件ほど移築されている。写真は、それぞれの茶庭。庭木がいささか茂りすぎで、茶室の姿を撮るのは、難しかった。


蕎楽亭  神楽坂

2007-09-10 19:24:27 | 蕎麦
「蕎楽亭」さんは、市谷から神楽坂に引っ越してきてからは大人気で、相当に待たされる事が多い。


経験則だが、外のベンチまで待ち人で一杯の場合には、蕎麦にありつくまで、一時間くらいはかかる。
それではと、少し早めに行ってみることにした。昼は11半開店。11時15分には、お店の戸はガッチリと閉じられていた。11時37分には。お店の席は、既に半分ほどは埋まっていた。一人なので、席は当然カウンターになる。後からどんどんお客が来るのだ。


かなり暑い日だったので、まずは生ビール。それに、直ぐに出てきそうな板わさを合わせる。昆布で巻いてあり、一味違う。




蕎麦は、生粉打ちと、せいろの二色もり。黒味がかっている方が、生粉打ち。
蕎麦は細打ちで、とても口当たりはよい。ただ、生粉打ちも、せいろも、香りがあまり感じられなかった。素人考えだが、締める水が冷たすぎ、なんて事はないのだろうか?
カウンター席なので、ご主人の目の前で写真を撮ることになり、ちょっと大変だった。

ディップマハル  神楽坂

2007-09-08 16:30:03 | エスニック料理
このお店では、料理を作るのも、サーブするのも皆インド人がされているようだ。
炭焼きのタンドーリ料理がある事と、カレーの辛さが4段階から選べるのが特徴だ。


ランチ時に行ったので、連れはランチセットのマトンカレーを選んだ。辛さは、最もマイルドなもの。ドリンクが付くので、ラッシーにした。


私は、かなりお腹が空いていたので、カレー2種類にナンとサフランライスの両方が付くスペシャルランチセットを注文。


カレーの1種類はマトン。辛さは、最高に辛いスーパーホット。しかし、外見、一口食べた印象ともに、それ程変わらない。ちょっとドロットした感じになるくらいか。しかし、スーパーホットの辛さは、食べ続けるうちにだんだんと効いてくる。


もう1種類は、本日のカレーである、野菜のカレー。これも、なかなかの味で、いろいろなカレーを食べたなという感じがする。

晩夏の膳(2)

2007-09-07 21:39:54 | 男の料理
夏バテぎみなので、さっぱりとしたものを中心とした、一食を組み立ててみました。


鱸の刺身の良さそうなのが入ったので、そのままいただきました。確かに、夏場に美味しい魚ですね。


豆腐は、よく水を切り、片栗粉をまぶして、揚げ豆腐です。生姜も大根も、豊富にあります。もしかしたら、この一品が一番手がかかったかもしれません。


グリーンアスパラガスは、さっと茹でて出汁に浸します。濃い目の出汁なので、ごく少量で味がまわります。


茸は茹でて、おろしあえ。毎回、さっと湯がいた茸の香りにうなってしまいます。茸から出汁がでるので、かけるのは生醤油だけです。




塩鮭は、フライパンじっくり焼いていきます。カナダ辺りの生鮭の方が、脂がのってとろけるようなのでしょうが、今回は「さっぱり」という原則に従い、塩鮭にこだわりました。

うす沢  神楽坂

2007-09-06 22:05:28 | お散歩
「うす沢」さんは、神楽坂に程近い箪笥町にある器屋さんだ。




店内には、福森 雅武、岩永 浩といった作家の作品が展示されている。どれも、アートの世界に走りすぎず、食の世界と両立できる器だ。とはいえ、それらの器を日々の食事に使おうとは、思わない。やはり、ちょっとだけ、特別に力を入れた日の器、という位置付けだろう。


夏場だからか、グラス類もいろいろ展示されている。ヨーロッパのカットグラスのようにきりきりしていなくて、和の器に馴染むグラスだ。


「うす沢」さんには、小上がりのような、畳敷きの一画がある。このスペース、そんなに広くは無いのだが、器を直に持ってみるとか、いろいろ試すのにとても便利だ。




「食」だけではなく、華ともよく馴染むお店である。