経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

9/10の日経は休み

2012年09月10日 | 今日の日経
 昨晩のNHKスペシャル「追跡・復興予算19兆円」は、膨大な資料を読み解いた労作だった。しかし、肝心なところを外している。なぜ、予算は復興以外にも使われ、要望の多いところには足りないのか。これがないと、官僚はズルかったというだけになる。

 復興予算が機能不全を起こした最大の原因は、財政当局の戦略にある。大規模な復興増税を狙い、復興予算を水脹れさせたからである。これは、阪神大震災の場合と比較すると明らかになる。このときは、今回の一次と二次補正予算に相当する応急対応のみを震災予算とし、復興については、一般の予算編成の中で措置していた。

 大災害の時は、経済ショックも伴うので、同時に経済対策も必要になる。復興予算と銘打ってしまうと、そこに全国的な対策も紛れ込む形になるのは避けようがない。また、復興予算の中には、長期的な公共投資計画に基づくもの入って、区別がつかない。だからこそ、阪神のときは、あえて復興予算を立てなかったのである。

 前例にうるさいお役所がこれを知らぬはずがない。逆に言えば、復興増税を果たそうと、弊害を承知で罪作りな枠組にしたわけである。また、リーマンショック時の応用で基金方式を使えば、不足をカバーできたはずだが、こうした経験も活かされなかった。本コラムでは、過大な被害推計の批判から始まって、あと知恵でなく、同時並行的に問題を指摘してきた。起きるべくして起こったことなのである。

 何度も書いてきたが、改めて数字を出そう。警察発表で、全壊13万戸、半壊26万戸。半壊を1/2全壊と評価すれば、復興予算19兆円は、1戸当たり7300万円になる。どうして、これで被災者が救われないのか。結局、19兆円の予算の作り方の戦略が間違っていたから、こうなったてしまう。責められるべきは、予算執行の現場ではない。 

(今日の日経)
 新聞休刊日

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-09-10 15:15:15
なぜ週刊こどもニュースは終わってしまったのかわかってないカンジ

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