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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

3/31の日経

2012年03月31日 | 経済
 ネットというのは、不思議なものだね。時間をかけて書いたものが、あまりヒットしなかったり、昨日のように、疲れていて、さらりと述べただけのものが、多く見られたり。まあ、若い人の関心が高いものが目を引くということだろうか。

 今の日本の状態を良くするには、成長を回復させ、少子化を緩和するしかない。それを阻害するような政策、すなわち、無闇に増税したり、社会保障を目の仇にしても、誰のためにもならない。

 どうすれば良いかは、基本内容の「雪白の翼」のとおりだ。世に蔓延する「消費増税と社会保障削減に、法人減税を組み合わせる政策」とは、違う世界がある見えるはずだ。正しい経済政策というのは、不合理を直すゆえ、むしろ痛みを伴わないことが分かると思う。

(今日の日経)
 消費税増税法案を国会に提出。社説・首相は突き進め。11年度の新車販売が2年ぶり増。期末株価上昇が業績下支え。東電あす値上げ、企業の抵抗続く。3メガ銀、利益2兆円。韓国ウォン安で所得流出拡大。
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若者は失うものがない

2012年03月30日 | 経済
 今日の日経の一面論説「消費増税・先送り若い世代にツケ」は、今の世論をよく表したものに過ぎないから、実さんを、特に批判しようとは思わない。しかし、少し前の常識は、インフレで困るのは、資産や年金を持つ高齢者で、デフレで困るのは労働力しかもたない若者というものだった。「若者のために増税・緊縮を」は、最近始まった異色の政治思想だ。

 「言葉」の起源を調べるのは、政治学の基本だから、誰がこれを広めたか、調べてみると面白いと思うね。高齢者と若者を分割統治し、経済運営の拙さに矛先を向けさせないのは、支配のための基本的な技法だが、されてる側の人間には、なかなか自覚できないものだ。自分を超える観点は持ちにくいからね。民族対立を利用しての植民地支配は、高校の世界史でも習うと思うが、誰も自分のこととは思わないのだよ。

(今日の日経)
 計画白紙で1兆円要請。消費増税・先送り若い世代にツケ・実哲也。国債協力銀行に奥田氏。話し合い解散論が相次ぐ。円高修正・株高の死角。長期金利1%割れ。日本の年3.4%成長予測・OECD。車国内生産が2月19%増。大機・人口と経済成長・与次郎。経済教室企業の技術適応・柴田友厚。

※破綻させると混乱は大きいが、そうしないと死んだと分からない人が出る。最も難しいのは、現実を認めさせて意識を変えることだ。※円安は資源高を通じて消費を弱らせる。それが出る前に所得増に結びつけたい。※日本国債は売りを仕掛けられても、元に戻ったということ。※QEが楽しみになったね。本コラムの元旦予想は当たるかな。
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3/29の日経

2012年03月29日 | 経済
 「低成長なら、1%だけ上げる」という普通の判断にどうしてならないのかな。政治学者には、ぜひ、このあたりを考えてほしいよ。金解禁のときは、「せめて新平価で」という意見を押し切って、強引なデフレ路線に走った。同じ構図が繰り返されるのは、なぜかね。

 2014年の景気は、自然体なら、とても上げられる状況ではないだろう。ただし、引き上げを確実にするために、財政当局が行動を変えてくる可能性はある。最悪なのは、駆け込み需要の幻を見ることだが。それに悪乗りして失敗したのが1997年だ。

 増税法案の成立の可能性は高い。自民が解散を得て、民主が各種法案の可決を得るという取り引きは、互いにメリットがあるからだ。民主にとって、解散は怖いだろうが、そもそも、秋までの半年間で時期を選ぶことしかできない。考えなくてはいけないのは、消費税以外の何を売りに選挙を戦うかだ。どちらも考えていないのではないか。


(今日の日経)
 消費税増税法案了承あす提出。介護福祉士に外国人合格。低成長でも増税に道筋。規制庁法案対案を自民党が提出方針。アップルのTVに照準。燃料費5兆円増、電力5社赤字額1.5兆円。EV向けキャパシタ。経済教室・金融インフラ向上を・玉木伸介。

※燃料費増の原因が原発という「危険資産」へ投資した結果だとすれば、赤字を埋める範囲内でしか値上げは認められないだろう。
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3/28の日経

2012年03月28日 | 経済
 増税して成長に悪影響を与えないか否かは、その時の成長の勢いによるのであって、10年間の平均が十分な高さになるから大丈夫などというのはナンセンス。要すれば、デフレでも増税を敢行すると宣言しているだけのこと。欧州が緊縮で財政再建をすることの愚を悟る頃に、日本が二の舞を始めるというマヌケな構図にならなければ良いが。

(今日の日経)
 シャープに台湾鴻海が出資。消費税の追加増税は削除、成長率を条件とせず。東電値上げ同意5%。原発比率0~35%・エネ調。専業主婦世帯12%が貧困層。米、金利上昇巡り神経戦。米粉用米に供給過剰感。経済教室・企業年金の統治に欠陥・森戸英幸。

※厚年基金制度の改革案については、昨日の高山憲之先生の論考で尽きていると思う。高利を狙って労使合意の上で厚年に走った経緯を踏まえないと、給付減額による解決には踏み込めまい。
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生存本能と心の強さ

2012年03月26日 | 経済
 鳥は、ヒナの生存確率を高めるために、あえて最大限の産卵をしない。最大限にすると、環境が変化してエサが乏しくなった場合、共倒れを起こすからである。そのため、リスクを避けて、余裕が持てる産卵数にとどめる。経済学者は、最大化だけが合理的と信じがちだから、おそらく、そうした鳥は「競争に負けて淘汰される」と逆の主張をして、自然は間違っていると断ずるに違いない。

 今日の日経の「市場の心理学」では、行動ファイナンスを扱っている。人間の「不合理な選択」の例を挙げているのだが、筆者には、どれも不合理なものとは思われない。「人間が死せる存在」だとすれば、どれも自然な反応ではないか。

 例えば、確実な利得を重視するのは、ある程度の利得だけでも、生存確率を高められるからである。逆に、損害を忌避するのは、少しの損害が致命傷に至ったり、短い人生では取り戻せないと分かっているからだ。人類史の中では、飢えと短命の時代がほとんどであり、心性がそれに適合しているのは当然である。それを前提に、心性が通用しない現代的な状況に、どう対応するかが求められる。

 そんなことは当たり前だと言うなかれ。電力業界が原発をあきらめられないのは、損切りができないからであり、反原発派が強硬に再稼動に反対したり、震災廃棄物の受入れの忌避が起こったりするのは、少しの生存リスクも取りたくないからである。筆者のような中間の主張がほとんどなく、国論が分裂ぎみなのは、心性に反するがゆえである。

 今日の日経の「核心」で、滝さんは、気骨の人らしく、「原発を動かすリスクと止めるリスクを見据えて判断すべき」とするが、こういうのは、よほど腹が据わってないとできないことである。「市場の心理学」にあるように、資産運用者の採用で「超圧迫面接」がされるのは、リスクを判断する仕事には、特別な心の強さが必要になる。

 リスクの判断を、民意の空気を読む存在である政治家に期待するのは難しい。むろん、卓抜したリーダーシップを求めたいところだが、財政破綻の不安に怯えて、一気の増税に走るような具合では、ほど遠い。不安に耐えて一歩ずつというのは、簡単なようで、強さが必要なのである。

(今日の日経)
 東電の全原発停止。市場の心理学・迷わぬ投資家はいない。話し合い解散賛成55%。原油高、家計にじわり。核心・満点なきストレステスト・滝順一。電力業界の現実と非現実・安西巧。経済教室・自滅選択の回避・池田新介。
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3/25の日経

2012年03月25日 | 経済
 政策というのは、課題設定が重要である。「原発は安全か、そうでないか」という設定にしてしまうと、神学論争になって結論は出ない。特に、「生起確率は小さいが、巨大損害が出る」というリスク構造は、期待値では評価できないので、判断がつき難い。「生起確率は大きいが、小さい損害しか出ない」ものとは、期待値が同じであっても、同列には評価できないのである。

 昨日書いた論考は、「電力使用制限令を回避できる程度の原発再稼動のリスクは取れるのか」という課題設定に転換したものである。つまり、取り難いリスクがあるときは、リスクを取る範囲をできるだけ限定することで判断をしやすくする手法である。政治は判断の行為であるから、課題設定のセンスが政治の良し悪しも決める。

 今日の日経は、東電の供給不足を強調するような書き方をしているが、良く読むと、昨年同様に使用制限令を発動すれば、供給は間に合う状況であることが分かる。課題は、つまるところ、「制限令か、限定的な再稼動か」である。そうした課題の絞込みがされないまま、日本の議論はさ迷っているように見える。

 ちなみに、東北電力は、火力を次々に増強した結果、夏の使用制限は回避できる見通しである。こうなると、女川原発や東通原発を再稼動させることへの焦りはなくなる。再稼動の問題は、原発比率の高い東電や関電の話である。焦点が制限令だとしたら、全面的な再稼動の後には余剰になることも覚悟で、火力増強を急ぐ政策もあろう。今夏は間に合わないにしても、「2年後には制限令はなくなる」という見通しが立てば、工場立地の判断は変わるからである。

 結局、「決められない政治」などと揶揄されたりするが、日本人のオール・オア・ナッシングの単純化された議論を好みとする文化が影響しているのかもしれない。多種多様な人々で構成され、妥協案作りや多数派工作が当たり前で、スッキリした結論は最初から望めないような社会とは、やはり違うのだろう。

(今日の日経)
 市場の心理学・恐怖と驚きが値動き増幅。風見鶏・風化憂える今昔の蛸。今夏最大13%供給不足。東電原発ゼロに。円高修正小休止。けいざい読解・ギリシャの利回りは通貨統合前水準に・下田敏。植物工場、7年で回収。地球回覧・年金とは利益送金を内包する仕組み。読書・日中危機、あすにかける。

※経済は悪循環と好循環のシステム。※今日の読解はセンスが良いね。ただし、締めは安易。日本の金利の戻り先は、とりあえずは2009年当時の1.25~1.50。方向性で済まさず、水準もね。
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3/23の日経

2012年03月23日 | 経済
 昨日の日経ビジネスO.L.にアップされた、石井彰さんの「天然ガスが恒久的に原発を代替できるこれだけの理由」は良かったね。コスト比較も、エネ安保も見方が的確だ。これらに関する「浮ついた議論」で、日本はさ迷っている。やはり、問題は、電力会社の原発への「未練」。これがあるから、展望が開けない。政治決断が必要なのは、原発の電力価格を、ガスより低くしないこと。数年後に安い原発電力がなだれ込んで来るリスクがあると、投資はできないのだよ。今日は、時間がないので、このくらいで。

(今日の日経)
 国内最大の地熱発電。郵政法案成立へ。規制庁発足は6月以降に。TPP長期化へ。輸出復調、米がけん引、中国・欧州向け停滞。電力の地域独占を調査へ・公取委。米、企業減税競争に拍車。ガソリン3年5月ぶり高値。電ガス5月値下げ。転職紹介料の回復鮮明。経済教室・企業再生へ監視・野村修也。節電消費一段と熱。

※原子力の体制が今のまま続くので良いのかね。6月といったら、解散になっているかもしれない。どんな体制でも、今のような、どこに責任があるか分からない体制よりはマシだろう。
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上杉鷹山と現代の政経論

2012年03月22日 | 経済
 筆者は、テレビをほとんど見ないが、昨日は、たまたまNHKの歴史ものの「上杉鷹山」が目に入った。鷹山については既に知っていたので、興味は、現在の「世の気分」が鷹山をどう解釈しようとしているかに向いた。番組では、藩の財政再建に倹約で対応しようとしたが、家中に軋轢を生んだだけで失敗し、殖産へと方向転換して成功を収めるという筋立てだった。まあ、普通の解釈だと思う。

 今風に言えば、成長なくして再建なしである。殖産のために、農民に桑の苗を与え、武家の妻女に絹織物をさせるというのも、投資リスクを軽減するとともに、未活用の安価な労働力に着目するということであり、現代でも産業振興の基本である。また、番組は、鷹山が撫育(子育て)や敬老を重んじ、民心を安んじたことにも触れていた。そうしなければ、領民は逃げ出し、人口が減少してしまうからである。

 いつの時代も、権力者は、緊縮と増税という政治力で財政を再建できると思うものだ。そして、失敗して初めて、経済的手法という正しい道を選択するようになる。鷹山は、倹約に抵抗する重臣を、打ち首や切腹にしてまで断行したから、「官僚の抵抗」を失敗の言い訳にはできなかった。人間のすることは、いつも同じであり、歴史は繰り返すものだが、今は、権力者が失敗を悟る前の段階にある。

(今日の日経)
 景気条項に数値いれず。市場は場当たり的。イオン経常益最高。郵政の売却期限の撤廃で一致。0増5減先行を提案。英、法人税下げ加速。ユーロ買戻し111円台。東電値上げ、混乱続く。タクシーのスマホ配車。10年債1.020%に低下。経済教室・国主導の企業再生・富山和彦。イクメン家庭、子だくさん。

※どうして景気に関係なく一気の増税をしたいかね。景気に合わせて増税するのを「場当たり」とするは、日経が聞く「市場の声」とは国債ディーラーだけなのか。※緊縮が緩めば消費は堅調になり、収益も上がる。株高だって内需関連。※妥協ができつつあるのは良いこと、選挙が近いのかな。※英の景気が回復するか見ものだ。※少子化を夫のせいにしてはダメだよ。イクメンが可能なのは恵まれた職場の人。
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3/21の日経

2012年03月21日 | 経済

(今日の日経)
 消費増税・経済好転が条件、数値は示さず。不正受給さらに50億円、地方厚生局チェック脆弱。公務員採用減で閣僚折衝へ。1票の格差の是正先行を中小政党も容認論。国債利回りじわり変化、悪い上昇の気配ないが。米海兵隊4月に第1陣が豪へ250人。経済教室・アジアの原子力発電・森本敏・豊田正和。

※原発事故の原因は、基本的な安全思想が欠けていたことだろう。建屋外からのベントすら不能で、湿式ベントの設備もない。まして、メルトダウンでも格納容器に止まるような容量の余裕もなかった。これらは、欧州では措置されていたことだ。日本は、技術を誇れるのだろうか。
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日本に合った選挙制度の構築

2012年03月20日 | 経済
 政党政治のお手本になっている英国の選挙制度は、言わずと知れた小選挙区制である。小選挙区制度であるゆえに、政権政党は二つに絞られ、国民は、選挙によって政権を決することができる。ただし、これが機能するには、多様性のあることが条件になる。

 英国の場合、保守党と労働党の地盤がはっきり分かれており、選挙で勝てるかどうかは、中間派の選挙区をどちらが取るかで決まる。こうした多様性があるため、政策は自ずと中道を志向することになり、その範囲での舵取りという「安定」に結びつく。

 こうした多様性がないと、小選挙区制の下では、実際にカナダで起こったように、二大政党の片方がほとんど全部の選挙区で勝ってしまい、議会には野党がわずかしか存在しないという極端なことも起こり得る。

 日本では、民主党が3年前の総選挙にバラマキ公約で大勝した。そして、今は、次の政権が民主、自民のいずれになろうと、大幅な増税・緊縮路線は避けられそうにない。震災の際には執行し切れないほどの巨額の補正予算を組むかと思うと、次は、一気の消費増税へと走る。只中に居ると感じられないかもしれないが、極端から極端へ振れている。

 日本は均一性の高い社会なので、何かあると、それ一色に染まる傾向がある。筆者のように、震災被害の推計が過大だとか、復興予算は5年に渡って順次組むべしとか、消費税は1%ずつ上げるにしくはないとか、平凡なと言うか、中道的な意見は、ほとんど見られない。したがって、極論の対立にもなりがちだ。消費税は是か非か。原発は是か非か。中間で良案を探そうという発想にはならない。まあ、だからこそ、本コラムの意味があるとも言えるが。

……… 
 日本の政治は、次の総選挙が視野に入りだした。解散を約束しない限り、赤字国債法案は通りそうもないから、秋までには必ず総選挙になる。そのとき、今の民主党では、大敗が避けられない。予算執行に不安を抱えたまま、解散がダラダラと先延ばしにされるおそれもある。それは経済にとって、適当とは思われないので、今日は、民主党に「次善の策」があることを示したい。 

 さて、負けが避けられないなら、ダメージをできるだけ減らそうというのが、普通の発想だろう。それならば、負けるであろう衆議院の定数は大幅に減らし、参議院に移して、来年の参院選に捲土重来を期せばよい。奇想天外かもしれないが、話としては面白いと思うので、以下で少し紹介する。

 ご多分にもれず、国会も「身を切る」改革が求められていて、次の選挙までに定数を削減することが欠かせない事柄になっている。定数は、衆480、参242だから、合計722である。1割を削減するとなると、72減の650となる。ここでのポイントは、衆が削減のすべてをかぶった上に、84を参に譲り渡し、衆参ともに約325議席にするという、対等の関係を構築する発想を持つことだ。

 このような改革を通じて、衆は小選挙区を主体に、参は比例代表を主体にする。そうすると、日本は社会の均一性が高いので、衆では、二大政党のいずれかが、容易に2/3以上を得るようになるだろう。他方、参では、多党制が進んで、多様性が拡大されることになる。そこで行われる政治は、衆を制した二大政党が重要施策は貫きつつも、効率的な政策実現のために、参での多数派形成に妥協を探るものになるだろう。

 改革の手順は、まず、衆について、「身を切る」分の72に加え、参に移譲する分の84も減らす。したがって、次の総選挙は、小選挙区300、比例代表24で戦うことになる。もし、時間に余裕があれば、比例の24を一票の格差是正のために用いて、区割りを変更し、小選挙区324とするのが望ましい。

 次に、来夏の参院選までに、全国11ブロックの比例代表に改める。その最大の狙いは、一票の格差の是正である。今の定数では、仮に比例代表の全部を都道府県選挙区に回しても、一票の価値を2倍以内にするのは数理的に無理である。最低でも、半数改選で130、全体では260が必要だ。「身を切る」ことが求められているのに、今の定数ですら足りないのだから、選出方法の変更は避け難い。とは言え、それと定数削減を同時にするのでは、議員を納得させるのは厳しくなる。それを衆の比例代表部分の定数移譲で乗り越えようというわけだ。

 以上を政党の視点から見てみよう。民主党にとっては、負けが必至の総選挙での犠牲を減らし、来年の参院選での復活の枠を広げることになる。自民党は、総選挙で大勝がしやすくなり、参院の過半数割れをカバーできるチャンスができる。中小政党にとっては、衆の場は失うものの、参で強い影響力が得られる。中小政党の参への特化は、経済的にも楽だ。各党間で合意を得る可能性は十分にあると考える。

 筆者は、日本のような均一性の高い社会には、小選挙区と比例代表の組み合わせが似合っているように思う。実際、衆参の選挙制度は、そういう方向に変化してきた。問題は、衆参が役割を分担せず、それぞれでしたために、長所が打ち消されていることだ。総選挙を制しても、更に参院選に2連勝しないと、主導権を握れないし、そうかと言って、多党制が不十分なので、欧州によくある、妥協と連立の政治にもなりがたい。その結果、決められない政治や、世の気分で揺れる政治になっている。

 日本の政治では、いつも「改革」だの、「抜本」だの、「維新」だのが、はやり言葉になる。しかし、経済や社会保障を良くするには、地道な改善が必要であり、安定的な運営が欠かせない。それを担い得る政治の構築が求められる。むろん、現実には、一票の格差の是正すら、満足に正されないだろう。日本の政治は、そういうものだと、あきらめ切っている人は多いが、やりようはあるのである。

(今日の日経)
 イラン原油、EU再保険認めず。安定就業5割未満。小沢判決は来月26日。太陽光発電600万kwへ、エネ計は意見ばらばら。若年層は雇用ミスマッチ。一目均衡・赤字興国・末村篤。債権低下、円の買い戻しに警戒感。エコカー導入タクシーも。経済教室・震災後の観光・高橋進。

※若者の状況を見ると、人口減少でデフレになっているとは思えない。彼らは、もっと働きたいし、お金も使いたい。財政再建を後回しにしてでも、職場を用意してやりたいと思うが、筆者は少数派だ。※制度がまだでも国民はせっせと努力し、リーダーはいつまでも折り合えない。※若者は大企業でなければ、中小の正社員を選ばず、非正規になるのか。信じ難いな。末村さん、さすがですな。「貿易赤字で財政破綻」に踊らされてる若手は服膺するように。

※藤井税調会長は、消費増税の条件に数値を書き込むと「市場がマイナスに反応する」と発言したようだが、成長を壊すような増税をしたら、それこそ市場はマイナスに反応する。1996年末に次年度のデフレ予算が決まった後、株価が暴落したことは忘れたのかね。数値に達しなければ、増税をしないのではなく、幅を圧縮するとするなら、市場は歓迎だろう。市場うんぬんなど、本当に分かっているのだろうか。

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