経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の心

9/23の日経

2021年09月23日 | 今日の日経
 昨日の東京の感染確認数は537人にまで減少した。ちょうどコラムをお休みしていた1か月程で10分の1となった。その理由は何なのか。「人流は増えているのに」という言われ方もするが、都医総研のデータでは、繁華街の滞留人口はお盆までに急落し、その後も低い水準にあるので、矛盾するほどではない。昨年も、お盆を境に減っている。あと考えられるのは、一定のライフスタイルの範囲にはうつり尽くした、予防接種でうつる対象が減ったといったあたりか。いずれにせよ、ありがたいことに、東京は、10万人当たり25人以上のステージ4を数日で割る。

(図)



(今日までの日経)
 FRB、量的緩和縮小11月にも決定。緊急事態宣言解除、「全面」も視野。恒大処理が占う「習経済」。原発の電力、揺らぐ安さ。年金改革、人口減で急務に。今期配当、最高の12.3兆円。先端素材、日本が攻勢。働く高齢者、4人に1人。非正規公務員 遠い処遇改善。

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緊縮速報・財政は早くもV字回復へ

2021年09月19日 | 経済(主なもの)
 4-6月期の資金循環が公表され、資金過不足は、4四半期移動平均で見ると、一般政府がマイナス幅の縮小、企業がプラス幅の拡大、家計がプラス幅の縮小という結果だった。一般政府のマイナス幅の縮小は、1年前の巨大なコロナ対策の赤字に比して、今期の赤字が小さかったためだ。今後、異常な赤字からは急速に脱していくが、景気の動向を見ながら、進度の調整をどうするのかが問われることになる。

………
 一般政府の資金不足(赤字)は、前期よりGDP比1.2%の縮小となり、いわば、急速に財政再建が進んだ。特に、中央政府は、地方と社会保障の赤字が拡大する方向にあったので、単独だとGDP比2.1%もの縮小となっている。むろん、昨年の巨大赤字の反動のゆえだが、リーマンショック後には、なかなか戻らなかったことを踏まえると、財政はV字型の回復をしていると言えるだろう。

 リーマンショックの際は、雇用が急速かつ長期に悪化し、それに伴って、公的年金の赤字が大きく拡大した。コロナ禍では、幸いにして、特段の変化は見られない。この点でも、一般政府の大幅な赤字は、長引かずに済みそうである。社会保障の黒字の水準が少し低下しているのは、医療の増大によるものと思われる。むろん、これも感染が収まってくれば、平時に帰っていくことになる。

 政府の赤字は、誰かの黒字であり、その縮小は、家計の黒字の縮小で賄われた。ただし、家計の黒字は、コロナショック以来、未だ、かなりの高水準をキープしている。また、企業の黒字も増えており、「金余りの平時」に復した観がある。産業政策が叫ばれているが、投資資金が足りないわけではない。海外の資金不足については、GDP比1%弱という平時のレベルだが、今後は、輸出の好調にも関わらず、原油の高騰で不足が縮小するかもしれない。

 8月の貿易統計は、輸出が前月比+0.8%の増で、7,8月の平均は、4-6月期より+1.2%高い水準にある。他方、輸入は、それより高い+2.3%となっている。輸出の伸びが鈍ってきていることもあり、4-6月期にはGDPの外需の寄与度が-0.3もあったのに続いて、7-9月期でもGDPのマイナス要因になりそうだ。輸出の鈍化は、自動車の半導体不足などの一時的要因によるところがあるとしても、景気の牽引役だけに、気になるところだ。

(図)


………
 自民党総裁選では、財政出動が焦点になっているが、兆円単位でお金を使うのは容易ではない。公共事業では消化しきれなくなるし、産業政策をしたつもりで、基金を積み増すだけだったりする。普通の手段としては、減税があるが、高度成長期のような所得税中心の時代ではないから、低所得層へ再分配するのは、かなり難しい。それゆえ、消費税「減税」のような効果的でないものまで飛び出してくる。

 今の時代は、消費税と社会保険料という、低所得層に容赦のない比例型の負担が重きを占める。それゆえ、給付つき税額控除のような定額の再分配が強く求められるが、日本は制度的インフラが欠如している。これこそが日本が抱える経済的、社会的な最大の課題だ。資金過不足で分かるように、家計にカネがないわけではない。必要なのは、低所得層への再分配をどうやってするかである。

 定額の再分配をする際、保険料が未払いでも給付をするというでは、なかなか理解が得られない。税も保険料も負担していない人でも、給付がもらえるというのも、赤字財政でするだけに似たところがある。結局、低所得層の社会保険料、とりわけ年金の軽減が最も自然だ。これにより、非正規の社会保険の適用拡大も進み、格差もなだらかとなろう。誰が次の総理になろうとも、取り組むべき課題は一つである。


(今日の日経)
 自民党総裁選2021 経済政策「詰め」残す 年金・エネ・成長戦略で論戦 財源など踏み込まず。

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4-6月期GDP1次・消費低迷と投資好調の同居

2021年08月22日 | 経済(主なもの)
 月曜に公表された4-6月期GDPの1次速報は、実質成長率が前期比+0.3%、年率換算で+1.3%だった。事前には、マイナスは避けがたいと見られていた家計消費は、予想外の年率+4.2という高さだったが、それでも1-3月期の落ち込みを取り戻せなかった。他方、設備投資は、年率+7.0%もの高成長であり、基礎統計からは、もっと伸びて良いくらいの勢いだ。コロナだからと納得せず、家計消費を押し上げる策を用意しておく必要がある。

………
 4-6月期の家計消費(除く帰属家賃)は、前期比+1.0%という結果だったが、統計局・CTIマクロは+0.1に過ぎず、日銀・消費活動指数は-1.1にもなっていたので、良くてもゼロ近傍と思っていたら、意外な高さだった。半耐久財とサービスが伸びたことになっているが、商業動態からはうかがえない。消費が増加した反面、製品在庫が思ったより減る形となり、在庫の寄与度は-0.2だった。

 家計消費は伸びたと言っても、1-3月期が-1.3%だったので、その落ち込み分も取り戻せていない。コロナ前の2019年10-12月期の96.6%にとどまり、消費増税前の2019年4-6月期と比べると93.3%しかない。言わば、家計消費への打撃は、消費増税とコロナ禍が半々といったところだ。仮に、コロナ禍を抜けたとしても、消費増税で下げた分をどう戻すかが必要になってくる。

 他方、4-6月期の設備投資は前期比+1.7%となり、1-3月期の-1.3%を上回った。それでも、コロナ前の2019年10-12月期の97.5%であり、消費増税前の2019年4-6月期に対しては93.6%となっている。輸出は、コロナ前の2019年10-12月期の99.3%まで回復しているので、これを追う形で伸びている。4-6月期は、遅れていた輸入の増加により、外需のGDPへの寄与は-0.4ものマイナスとなったが、一時的なものだ。

 今後については、7月の貿易統計の輸出は高水準を維持しており、4-6月期の機械受注は、製造業が+12.1%、非製造業(除く船電)が-1.8%となったに続き、7-9月期の見通しは、製造業が+3.4%、非製造業(除く船電)が+16.9%と伸びが期待されている。GDPの設備投資の水準は、輸出等の需要に対して、まだ低いため、増加する余地がある。企業収益が急増していることも好材料である。

 一方、4-6月期の公需は、政府消費が前期比+0.5%とほぼトレンド並み、公共事業が-1.5%と、2期連続の減少となって息切れしている。2020年度の税収は、コロナ禍の増収となって驚かれたが、2021年度も、6月までの税収の立ち上がりは前年同月時を10%以上も多く、好調だ。前にも記した厚生年金ともども、緊縮が進んでいるということであり、消費の浮揚のためにも、どう還元するかが課題となる。

(図)


………
 先日、「独立財政機関」が話題になっていたが、足下で、緊縮をしているんだか、拡張をしているんだかも分からない国が、そんなものを持っても何の役に立つのかと思う。需要管理に無頓着で、産業政策だけで成長できると思っているうちは、再分配に財源を求められるだけの道具にしかなるまい。還元は、公共事業では限界があり、所得減税は低所得者に恩恵が薄い。逆進性の強い年金保険料を定額還付するのが一番良いのだが、議論の入り口にも立っていない。10年前、社会保険を需要管理に用い、再分配を果たして成長を遂げようと訴えたけれども、日本は置いて行かれただけであった。


(今日までの日経)
 米欧景気 楽観論に影。東南ア、車部品の減産拡大 感染増で。上場企業、純利益2.8倍。

※都合により、1か月ほど休載します。

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8/19の日経

2021年08月19日 | 今日の日経
 6月の機械受注は、民需(除く船電)が前月比-1.5%にとどまるが、前月の高い伸びの後からすると十分なものだ。製造業は更に水準を上げ、非製造業も底入れを見せる。同時に、7-9月期の見通しも公表され、前期比+11.0%と強いものとなっている。特に非製造業の高い伸びが見込まれている。海外経済の回復に伴う輸出も堅調だ。7月の貿易統計は、日銀・実質輸出で前月比+2.0と過去最高を更新した。景気は順調そのものだが、「消費を除けば」というところである。

(図)



(今日までの日経)
 オンライン初診ほぼゼロ。タリバン、アフガンを制圧。緊急事態7府県追加へ。

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8/15の日経

2021年08月15日 | 今日の日経
 東京の感染確認数は、今週に入って増加速度が鈍化し、前週比1.1倍程になった。足下の数字は10日程前の感染状況を映すので、オリンピック期間中に静まってきたことを示す。とは言え、いまだ減少には至っていない。若者に感染が多いのは、全世代に共通する勤務や買物が要因ではなく、会食などの特有の行動が元と考えられる。同居家族以外との会食は、少人数であろうと厳に慎みたいところだ。昨年同様、お盆を機に減ってくれたらと思う。

(図)



(今日までの日経)
 7県14河川で反乱 大雨特別警報、九州3県・広島に。都内、人流、3割減どまり 繁華街、半減目標遠く。新規感染2万人超え。クラスター 職場・学校で感染拡大。

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