経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

4/10の日経

2024年04月10日 | 基本内容
 3月の消費者態度指数は前月比+0.5と伸びて、コロナ後では最も高くなり、1-3月期は前期比+2.3となって、順調な景気の回復ぶりを示している。3月の景気ウォッチャーが前月比-1.5と予想外に良くなく、心配していたが、大丈夫なようだ。あとは、賃上げの4月に突入である。岩盤だった家賃も動き出し、デフレから脱却して、生産性格差インフレーションが見られる普通の経済になりつつある。

(図)



(今日までの日経)
 物価高、家賃も動かす 指数25年ぶりに上昇。子育て支援金、共働き・高所得層に負担。半導体素材、国内に集積。中途採用5割迫る、24年度「新卒中心」転換点。初任給、6割の企業増額 今春4.2%増、伸び率最高。

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決着のついた経済運営と次のアジェンダ

2024年04月07日 | 経済
 2月のCTIマクロは、名目が前月比+0.5と上向き、4か月ぶりのプラスとなり、水準を更新した。消費者態度が水準を更新したタイミングでの到達で、自動車の供給制約の中でのことだから、上出来だと思う。家計調査では、勤労者世帯の1,2月の名目実収入が前期比+2.2と高まっており、これが背景だろう。可処分所得の抑制によって停滞していた景気が加速してくれればと思う。

………
 日本経済は、デフレ脱却を果たしたが、始まりは、円安・資源高による物価高からだった。普通なら、消費増税のときのように、消費がへたってしまうが、コロナ禍による消費と所得のギャップを埋める過程だったことで、実質を維持し、名目を増やす形となった。これは、かなり意外なできごとで、売上げが伸びたことで、大幅な賃上げにつながり、日銀は、物価が見通せるということで、金融政策の正常化に至る。

 リーマンショック後の米国では、早々と財政出動を打ち切ったことで、回復が遅れ、長期停滞論が言われ、日本化が心配されたが、コロナ後は、財政出動を続けたことが急速な回復につながり、むしろ、行き過ぎてインフレになってしまった。慌てて金融引締めに走ったものの、金融政策では調整できないことが露呈してしまい。供給制約が緩むに従い、インフレが収まっていき、いまや、上げた金利をどう下すかになっている。  

 日本は、コロナ禍のギャップが埋まると、負担増で可処分所得を抑える悪い癖が出て、停滞させてしまったが、ここに来て、所得の高まりで、消費が上向く気配だ。4-6月期は、1-3月期の低所得層向けの給付に続き、所得減税もある。一時的な給付は、消費への効果は限られるにせよ、自然体で緊縮をしてしまうよりは良い。ことによれば、ここで景気がギアアップしてくれるかもしれない。

(図)


………
 この15年ほどの経済運営の経験は、金融政策が為替と住宅にしか効かず、景気の加速にも減速にも役には立たない一方、財政をタイミング良く使う重要性を明らかにした。4-6月期に良い結果が出れば、経済運営の課題は、補正で景気対策を続けるのか、来年は減税をやめるのかになる。やれやれとばかりに一気に切ってしまえば、元の木阿弥だ。大規模な財政出動が続いた後は、1997年のように怨みの反動で余計に緊縮をやりがちだ。

 愚者は経験に学ばなければならないけれども、再分配をするには、「若い世代への投資」といった政治によるアジェンダの設定がいる。安倍政権では、新三本の矢だの、一億総活躍だのと、取って付けた感はあれど、成長から分配へ結びつける努力をしていた。今の岸田政権は、政治とカネの問題に追われ、それどころではない。巡り合わせとは言え、デフレ脱却を果たしたのだし、岸から池田ではないが、政治から経済へ雰囲気を変えるアジェンダがいる。


(今日までの日経)
 働き手「予備軍」、20年前から半減。半導体市況「谷底」脱す。米雇用、3月30万人増 予想上回る。超円安、投機筋が増幅 「理論値」142円。

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4/3の日経

2024年04月03日 | 今日の日経
 2月の国の税収は、前年同月比+2.0%だったが、累計は-4.2%にとどまる。主要3税はともに低調だが、法人税の-16.4%が大きな要因だ。確かに、2022年度は前年比+9.5%と、企業業績の経常利益+4.9%からは出来過ぎの感があったが、2023年度の企業業績見通しは+12.6%になっており、円安で年度末に駆込んだことからすると、最終的には大きく積み増す可能性もある。税収は、政府予算の69.9兆円を上回るのは確実にせよ、どこまで伸びるかは予想が難しくなっている。

(図)



(今日までの日経)
 中小製造業、4%賃上げ。設備投資、景気けん引役に 日銀3月短観。75歳以上保険料、伸び最高。運送・建設、残業規制始まる 日建連「土日は、やすもう」。2050年に2割減る新入社員。

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キシノミクス・春遅く期待の次期

2024年03月31日 | 基本内容
 2月の鉱工業生産は前月比-0.1と、1月の-7.0に続いての低下となった。資本財(除く輸送機械)は1月が-7.3だった上、2月も-3.7と重症だ。消費財、建設財も1月の低下をほとんど取り戻せていない。一応、3,4月は大幅に増加する予測であるが、そのとおりに推移しても、均せば底入れ程度にしかならない。普通に考えれば、景気は悪い。円安に伴う高収益や株高、高い賃上げもあって気分は良いが、まだ実体が伴っていない。 

………
 2月の商業動態・小売業は、前月比+1.7となったが、12月の-1.7が大きく、未だ横ばい圏内である。財の物価は、昨年10月以降、安定しているのだが、物価が上がらなくなったら、小売も伸びなくなってしまった。それでも、1,2月は、各種商業や衣服等が伸びる一方、燃料は下がるといった中身になっている。あとは、生産が制約されている自動車が戻ってくれれば良いというところだ。

 雇用については、人手不足が言われる割に、新規求人倍率は、前月比-0.02の2.26倍と停滞したままである。統計が十分に状況を捉えていない部分もあるかもしれないが、産業別では、飲食宿泊や小売業と比べ、製造業や建設業が不調であり、業種によってまだらになっているのも一因だろう。住宅着工は1,2月がマイナスで底ばいの状況であり、不調が納得できるところもある。

 また、2月の労働力調査は、失業率が2.6%と前月比+0.2の上昇だ。こちらは2年近く横ばいが続く。ただし、2月の雇用者数は、前月比22万人の高めの増加となった。男性も+11万人と久々の高さだ。コロナ後は、女性は順調に増加してきたものの、男性が停滞したままだったが、これが転機となるかどうかである。消費者態度の雇用は、1,2月は尻上がりであり、このままの勢いならいける。なお、消費者態度の3月分は4/9と遅めの公表だ。

 消費者態度や景気ウォッチャーの雇用が上昇する局面では、消費性向が高まる傾向が見られる。今は、その局面で、同様に消費性向が高まるのかも注目点である。むろん、賃上げとともに高まれば、晴れて、景気は悪くないということになる。物価は、1-3月期の東京都区部の総合が前期比+0.4と10-12月期の+0.9より落ち着いてきており、こちらも消費にはプラス材料である。

(図)


………
 1-3月期は、外需の関係で早くからマイナス成長が予測され、特に、鉱工業生産は、前期比-4.8といった大幅な低下が避けられない見通しだ。期待は、賃上げと減税がある4-6月期に、加速ができるかどうかになる。あすから新年度に入り、金融政策の正常化をようやく終えて、1-3月期は過去のものとなっていく。今年の春はやや遅かったが、明るい気持ちで過ごしたいものである。


(今日までの日経)
 人手不足映せぬ政府統計。休廃業5万社、進む淘汰。少子化対策の財源、現役の負担重く。米、中国EVの流入阻止。

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3/27の日経

2024年03月27日 | 今日の日経
 1月の人口動態速報の出生は前年同月比-4.6%と大幅な減少が続いている。この調子だと、2024年の合計特殊出生率は1.16人まで落ちる。1世代で人口が55%、2世代で31%になってしまう計算だが、なんか、底も見えてないのに、少子化に慣れてしまって、逆に危機感が薄れてきているように思える。宇南山先生が言うような再分配が必要としても、その機運がまったくないんだよね。子育て支援は、しょせん、勝ち組への再分配だし、みたいな。ここまで落ちると、子供をあきらめた生き方が多数派になるけれど、でも、それって「誰かが選んだステージ」じゃないのかな。

(図)



(今日までの日経)
 公示地価も脱デフレの波。株主還元、最高の25兆円。個人消費、低迷脱却の条件 現役世代重視した再分配を・宇南山卓。

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