経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の心

8/4の日経

2021年08月04日 | 今日の日経
 7月の消費者態度は、6月に戻した水準をキープする形で、前月比+0.1と横バイだった。項目別では、暮らし向き、耐久財判断、資産価値はコロナ前水準にあるが、収入の増え方と雇用環境は、まだ落差がある。7月は感染が拡大し、緊急事態宣言となった割に、変化はなかったと言えよう。足下の東京の感染数は少し鈍って、五輪連休前のトレンドが続いていたレベルになっている。更なる鈍化を期待したい。

(図)



(今日までの日経)
 コロナ「原則自宅療養」に。英独仏、3回目接種へ。6月の税収15%増 所得税伸びる。

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スガノミクス・4-6月期は波及なき成長

2021年08月01日 | 基本内容
 4-6月期は、輸出が過去最高となり、これに促されて設備投資も絶好調であり、建設投資も拡がりつつある。通常なら、雇用が拡大し、消費が増加するところだが、こちらは、不調そのものである。コロナ対策でブレーキがかかっている部分はあるにせよ、モノの消費まで減退し、景気が波及していない。4-6月期は、設備投資の伸びでプラス成長になっても、消費はほぼゼロという結果になりそうだ。

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 6月の鉱工業生産は前月比+5.8と、自動車の生産回復を反映して、前月の落ち込みを取り戻す形となった。この結果、4-6月期は前期比+1.0と着実に増え、7,8月平均の予測も前期比+1.5となるなど堅調である。その背景には、過去最高の輸出がある。4-6月期の日銀・実質輸出は、前期比+3.9の116.0となり、2018年4-6月期以来、3年ぶりの記録更新となった。これだけ伸びると、設備投資が強く促進される。 

 4-6月期の資本財出荷(除く輸送機械)は、前期比が+9.5と伸びて109.3となった。こちらも、2018年10-12月期を超えて過去最高だ。ただし、7,8月平均の生産予測は前期比-1.6にとどまる。もう一つの投資項目の建設財出荷は、4-6月期は前期比+3.6と水準を上げ、7,8月も前期比+2.6で、消費増税後コロナ前に至る勢いだ。住宅着工も前期比のプラスを拡大している。資本財出荷の輸出分を勘案しても、4-6月期の設備投資はかなり高いと見る。

 他方、消費は不調そのものである。コロナ禍でサービスが振るわないだけでなく、モノの消費も悪い。消費財生産は、4-6月期が前期比-2.3と低迷、7,8月平均の予測も-1.8と続く。商業動態・小売業は、6月は前月比+3.1と戻したものの、4,5月の低下が響いて、4-6月期は前期比-2.1と落ち込んだ。物価上昇で実質は更に下回る。コロナ禍で百貨店や衣料がひどいが、好調だった自動車と機械器具も息切れしている。これでは消費の増加は見込めない。

 消費のベースとなる雇用については、労働力調査の6月の雇用者数は+20万人と戻したものの、やはり、4-6月期で見ると前期比-34万人と大きく落ち込み、1年ぶりの低下となった。特に、男性が-25万人と減り方が著しい。新規求人倍率は、4-6月平均が前期より+0.03と横バイにあるが、新規求人数は、4,5月に例年とのギャップが開き、6月にようやく戻りを見せるという経過をたどった。

(図)


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 昨日、東京の感染確認数は4000人を超えた。昨夏も、8月第1週が第2波のピークだった。暑気払いの時期は飲み会が多く、感染者も増えやすい。コロナは飲み会病だから、どれだけ減らせるかで、蔓延の速度は変わってくる。緊急事態宣言から3週間が経つが、まだ効果が見えてこない。「もう我慢の限界だ」と言って、飲みに行けば感染する。感染力の強いデルタ株なら、なおさらだ。最後の忍耐の時期を迎えている。


(今日までの日経)
 緊急事態8都府県に拡大決定。感染、全国1万人超す。米GDPコロナ前回復。

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7/28の日経

2021年07月28日 | 今日の日経
 昨日の東京の感染確認数は2848人と過去最高を記録した。オリンピックの4連休開けで膨らんではいるが、それを除いても2200人位のレベルだと思う。問題は、今日明日に3000人超になるかどうかだ。そろそろ、7/12以降の緊急事態宣言の「禁酒令」の結果が現れる頃であり、重症病床使用率もステージ4を超えているので、今週をピークに下降へ向かってくれると良いのだが。

(図)



(今日までの日経)
 雇用保険料、22年度にも引き上げへ。米欧で感染再拡大 集団免疫にハードル。女性皇族、結婚後も皇室に。加速する少子化。

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緊縮速報・オリンピックまでにしたかったこと

2021年07月25日 | 経済(主なもの)
 日銀副総裁となって「リフレ」によるデフレ脱却に取り組み、2%の物価安定化に失敗した岩田規久男先生は、新著『日本型格差社会からの脱却』の中で、緊縮財政が金融緩和を相殺したとして、赤字縮小を急ぐなとする。これは、言うのは簡単だが、相当な意志を持ち、数字を把握し、戦略的に政策化しないと、とても防げない。あえて特別な対応をしないと、景気回復の芽を摘むほどの急速な緊縮に陥る構造を、日本は持っているからであり、それが、1997年以来、繰り返されてきた歴史でもあるからだ。

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 需要管理の基本は、税収を的確に把握することだが、7/21に公表された「中長期の経済財政に関する試算」では、2022年度の国の税収を61.4兆円としていて、前々年度から+1.0%しか増えていない。この間の名目成長率は5.6%、企業業績見通しの経常利益が2年連続2桁増の予想であることを踏まえると、いかにも少ない。これらを基にすると、国と地方を合わせた税収の上ブレが年9~10兆円にも及ぶ計算になる。

 その後の税収を名目成長率で伸びると想定したものが下図である。ご覧のように、財政再建の目標を1年早く、過剰達成してしまう。そもそも、低成長率のベースラインケースが示すとおり、収支がGDP比-1%程度なら、国・地方の公債等財高のGDP比は安定するため、緊縮を焦る必要は、まったくない。加えて、公的年金は、既にGDP比0.7%程の黒字だから、一般政府全体で見ると、もっと収支は良いのである。

 急速な緊縮になるのを防ぐには、税収の上ブレを還元する必要がある、その手立てが補正予算だが、3~4兆円は例年の規模であり、これを超えないと支出が縮小してしまう。税収上ブレで緊縮にならないよう上乗せすると、景気復調と思われている中で、常識外れの規模にせざるを得ない。結局、常識的な対応で緊縮がなされ、成長にブレーキがかかり、デフレから脱却できなくなるのである。

(図)


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 岩田先生は、新著の中で様々な政策提言をしているが、デフレと格差からの脱却の焦点となるのは、適正な需要管理をする財政の戦略である。補正予算だから一時的なことにしか使えないと、毎年、恒久的にバラ撒くのではなくて、日本の経済社会の持続可能性を取り戻すために、格差を埋めて出生率の回復に直結するよう、若い非正規への育児休業給付や社会保険料軽減を実現しなけれはならない。

 前者は、わずか0.7兆円でできるし、後者も、たった2兆円である。補正予算を割り当てるでも良いし、税収上ブレを財源にするのも良い。要するに、補正は消え物だけ、税収増は全部緊縮という財政当局の手前勝手な拘束から脱し、社会の再生と経済の成長に欠かせない使途に充てるわけである。こうして、再分配の制度を整えない限り、需要管理をバラ撒きに頼らざるを得ない。

 東京オリンピックが開幕したが、そこに見せたい日本はあるのか。7年前、「ニッポンの理想・2兆円でできる社会」を記し、若者が将来に希望を持てる社会にして、2020年を迎えようと訴えたが、現実には、十年一日の緊縮財政で、再分配の仕組みも整わぬうちにコロナ禍に見舞われ、呻吟するはめとなった。今、平和の祭典を眼前にして、無為に流れた時間を思うのみである。


(今日までの日経)
 東京五輪 開幕 コロナ下 大半無観客。五輪の旗印 漂流映す。東南ア経済 コロナで打撃。飲食5割超、時短応じず。無観客は不可避だったか。

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7/22の日経

2021年07月22日 | 今日の日経
 6月の日銀・実質輸出は前月比+0.6となり、これで4-6月期が前期比+3.9の116.0まで達して、過去最高だった2018年4-6月期の112.4を大きく上回ることとなった。製造業の設備投資が伸び、業績が急回復しているのもうなづける。また、5月の建設総合は、住宅が前月比が+0.4%だったものの、公共が-0.6%、企業が横バイだった。それでも、4-6月期は、住宅、企業ともに前期比プラスになりそうである。景気を牽引する民間投資は好調だ。

(図)



(今日までの日経)
 財政収支黒字化、27年度に 最高税収で前倒し。人民元、国際化へ「円超え」も。 マンション発売77%増 コロナ前水準に。所有者不明地の活用促進 再生エネ・防災に。

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