経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

4/2の日経

2025年04月02日 | 今日の日経

 2月の労働力調査は、雇用者が前月比-8万人だったが、前月が+19万人だった反動もあるので、昨年後半以降の高い伸びの範囲の内だろう。新規求人倍率も前月比-0.02ではあるが、同様の傾向と見てよい。国内景気は順調だ。2月の商業動態・小売業は+0.6で、1,2月の前期比は+2.1と高いが、CPI・財も+2.1である。自動車小売は、コロナ前の水準に及んでおらず、伸ばせる余地がある。トランプ関税対策は、内需で補いたいところだ。

(図)


(今日までの日経)
 米関税対策、企業支援へ。首相、減税・給付に傾斜。「関税不況」リスク、市場覆う 日経平均急落1500円安。25年度予算成立、初の参院修正。多子世帯授業料、今月から無償化 国公立大。

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国家はなぜ衰退するのか・10年後の世界

2025年03月30日 | 経済

 『国家はなぜ衰退するのか』(アセモグル&ロビンソン)は見事な政治経済学の本で、発展には自由な政治と経済の制度がカギであることを古今東西の歴史を引いて明らかにしている。その反例になり得るのが中国であり、本が出てから10年以上が経って、答え合わせができるようになった。果たして、予想どおり成長は減速し、不自由な政治の下での限界が露呈しているのだが、思っていたのとは、やや違った形になっている。

………
 政治が不自由だとイノベーションが阻害されて成長は鈍るはずだが、中国は、成長が鈍ってもイノベーションは盛んで、優れた電池のEVは自由な欧州の脅威にすらなっている。中国の停滞は、イノベーションの衰えではなく、輸出の途を失ったためだ。ゼロコロナで内需を潰し、成長の再起動には外需が必要になったが、専制的な中国への反発から、国際市場は開かれなかった。専制的なために衰退はしたが、経路が違う。 

 イノベーションの発露である設備投資は、需要が見込めないと出て来ない。需要は設備投資次第なので、鶏と卵の関係にあって、国内で用意するのは難しい。これを解くのが輸出であり、それによって所得が増し、内需向けの設備投資も伸び、設備投資の比率が高まり、成長が加速して、国家は発展するわけである。『なぜ衰退』でも、貿易が発展の契機になっている例は、よく出てくる。

 これに対して、米国は独特で、内需で成長を加速させている。リーマン後は緊縮で失敗したものの、コロナ後はスタートダッシュに成功した。そして、ライバルの中国には市場を閉じ、輸出による成長の加速をブロックする挙に出た。そこまでは良いが、友好国にまで関税を掛け、物価高で消費を弱めてしまうと、国内の設備投資を鈍らせ、国家を衰退させかねない。需要を国内企業だけに都合良く与えるわけには行かない。

………
 日本は、輸出で成長を加速する力は既に失っている。コロナ後の消費回復で、名目での成長の加速には成功したものの、これを実質化しなければならない。それには、円安を是正して実質の内需を拡大しなければならないが、金融政策は消極的だ。東京都区部の1-3月期の消費者物価は前期比+1.0と前期の加速が続いている。対トランプ関税には、内需で企業に稼がせて、関税を払えるようにするほかない。これが衰退から脱する途となる。

(図)


(今日までの日経)
 対トランプ関税、日本のカード定まらず 通商戦略後手に。トランプ関税、陰る「米1強」。国内車産業13兆円に打撃 米追加関税25%、来月3日発動。

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3/27の日経

2025年03月27日 | 今日の日経

 1月の人口動態速報の出生は、前年同月比-4.4%と大幅な減少となり、このままのペースなら2025年の合計特殊出生率は1.11まで下がる。少子化は深まるばかりだ。婚姻は、前月の反動での大幅減だったので、わずかな減少の範囲内だった。婚姻を増加に持ち込まなければ、出生は回復しないわけで、若い低所得層へのテコ入れがどうしても必要である。ところが、石破政権は、参院選向けに物価対策ですか。的外れが続くから、少子化だって続く。

(図)


(今日までの日経)
 シーイン村の限界と「大中国」。都市再開発、遅れ・費用増8割。INCJ、問われ続けた「政府の財布」。首相「強力な物価高対策」検討。

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緊縮速報・大幅な緊縮財政だった10-12月期

2025年03月23日 | 経済(主なもの)

 10-12月期の日銀・資金循環統計の資金過不足は、一般政府が4期移動平均で名目GDP比-2.0%と前期から0.6もの緊縮で、一気にコロナ前の水準を回復した。家計は+1.7%と高まったが、コロナ前の2019年は+3.3%だったので、水準としては低い。目立つのは海外のマイナスぶりで-4.7%である。10-12月期は、雇用者報酬が伸びたのに、消費が鈍かった。第一には円安下の物価高だろうが、緊縮で可処分所得が削られているのかもしれない。

(図)

………
 成長政策では、金融緩和はまったく効かないが、財政はじんわり効く。だから、コントロールがとても大事なのだけれど、景気が悪い時に吹かすことはするものの、順調なときに無頓着に締めないことができていない。大して意味のない日銀の金融政策会合は注目を集めるのに、そのために公表を遅らせた資金循環で、政府の緊縮が激しかったなんて出たところで、誰も気に留めない。

 もっとも、中央政府の過不足の水準は、コロナ前より一段低く、地方と社会保障が高めているから、緊縮してる感があまりないこともあると思う。地方が潤っているとか、年金が黒字を強めているとか、全体状況を眺めて戦略的に考えることが、日本は極めて不得手である。そもそも、財政の締まり具合には無関心で、とにかく所得税の控除を上げてくれればいいとか、粗い議論しかできていないのが現実だ。

 成長を加速させるには、経営者に売上が増すという期待を持たせて、設備投資をしてもらわなければならない。そうしたときに、政府が緊縮をして、可処分所得を削り、消費を抑制して売上が伸びないようにしていたら、設備投資は出て来なくなる。いかに、金利を下げて補助金を出したところで、売上が見込めないのに設備投資をするリスクを犯そうとする経営者はいない。

 経済学的には、財政を出してGDPを膨らましても、生産力を高めないので、成長は加速するものではないと言われるが、財政の役割は、需要を安定させ、売上に対する期待をもたらすところにある。それゆえ、じんわり効くことになる。言い換えれば、成長政策は、インセンティブによるのではなく、リスクをマネジメントしなければならない。そこがなかなか理解されないわけである。

………
 日銀は利上げを見送り、やや円安に動いた。日本経済の成長の起点は、もっぱら輸出である。輸出が増すのは、だいたい円安の局面で、それは物価高で消費にはマイナスに働く。つまり、景気が回復している局面なのに、消費を冷やさないように財政を出さないといけない。直観的になかなか理解しがたいことで、逆に、ああ良かったとばかりに締めがちだ。これが長期停滞に日本が嵌った理由の一つである。今週の動きを見て、日銀がハトで財政がタカじゃダメじゃんと、どれほどの人が思っただろうか。


(今日までの日経)
 ドイツ改憲、債務抑制を転換。決定会合、金利0.5%据え置き 米関税の影響注視 円安・円高、双方にリスク。ユーロ、対ドル急回復 欧州、国防費増が経済に恩恵。春季交渉、賃上げ率5.40% 連合2次集計 前年を0.15ポイント上回る。

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3/19の日経

2025年03月19日 | 今日の日経

 1月の第3次産業活動指数は前期比で-0.2。前期の-0.8に続いてなので、不調である。物価高を反映してか、小売業が特に良くない。他方、医療・福祉が伸ばしているのはいつものこととして、足下では不動産業も順調だ。この1年では、第3次産業全体だとコロナ前を超えていない中、金融保険業と情報通信業は、コロナ前の上を行く。インバウンドで潤っているはずの宿泊・飲食業では、ホテルとファーストフードばかりで、偏りがある。


(図)

 

(今日までの日経)
 公示地価、東京23区商業地は11.8%上昇。年金改革、自民恐れる財源論。40年債利回り3.0%、政局不安を意識。デモクライシス #SNSが政治変えた件。

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