与党はバラマキに失敗し、年金からは逃避。あまりに予想どおりで、政治主導なんて、所詮、こんなもの。社会保険連動型の給付つき税額控除を導入すれば、バラマキの名分は立ち、一気に適用拡大ができて給付も下げずに済む。どうして、経済的に合理的な政策を選ぶことができないのかね。年金の抜本改革なんて、目立ちたいばかりに世迷言を叫ぶ輩が党内にいるからなのかな。
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3月の全国の消費者物価指数の総合は前月比+0.3と、なんとなく低めで、加速は止まった感じだ。サービスは、帰属家賃も上がって前年同月比2%弱が定着した感がある。金融政策は、緩やかに、かつ、トランプ関税にかかわらず着実に、金利を上げるで良いだろう。物価高対策は、円高原油安でガソリンの補助金が不要になったように、節目を迎えている。本来は、賃上げや物価スライドまでのタイムラグを埋めるべきものなのだし。
トランプ関税で星先生は、「輸出に頼る構造は再考が必要」と言われるのだか、代わりにどうするのかだよね。「円安にして、輸出は伸ばすが、消費は見ない」の逆をしなければならない。今は利上げ局面にあって、円安是正は大丈夫だが、財政を上手くコントロールし、消費を伸ばせるかになる。基本は、どうやって、税・保険料の自然増を見込んで、安定的に還元していくかだ。消費減税とか、一気ものはダメである。
高度成長期は、実は、今より輸出に頼っておらず、自然増収を事前に見込んで、減税で還元する方法を取った。当時は大した政策だとは思われていなかったが、失ってみると、今更ながら再評価せざるを得ない。ただし、今は、税より社会保険料の負担が遥かに大きいので、これをどう戻すかに知恵が必要となる。最初から無理と思う先入観があるから、合理的な政策に行き着かないのである。
年金の社会保険料は、原理的には、負担を減らすと将来の給付が減るため、野放図に減らせという話にならない、今と将来の必要度を考えつつ、負担減を量ることになる。また、適用拡大や少子化緩和につながれば、負担を減らしても給付が増えるメリットもある。負担減に補正予算を使えば、プライマリーバランス達成後の次の目標である補正予算の整理にも役立つはずだ。
(図)
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米軍駐留経費を全額持つくらいで、トランプ関税が収まれば安いものだが、それに加えて自動車の対米輸出を数年でゼロにするくらいは、求められるだろう。既に失っているとはいえ、輸出を成長の起動力にすることはもうできない。米国のように内需で成長を引き出すには、どういう戦略になるかまじめに考えなければいけない。それが今の政治にできるとは、到底、思えないのがやるせない。
(今日までの日経)
トランプ関税、日本は改革の好機に・星岳雄 政府・自民、ガソリン価格10円下げ。社説・年金改革から逃げる政治は無責任だ。「安保」握る米国 糸口探る日本 関税交渉スタート。基礎年金底上げを見送り。経済対策、狭まる選択肢。訪日客1000万人、四半期で初。巨額政府債務の下で利上げは効くか 門間一夫。