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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

7/29の日経

2020年07月29日 | 今日の日経
 4-6月期は大幅なマイナス成長が確定的だが、コロナ禍に大きな影響を受けないはずの建設投資まで低調だ。2019年後半以降、輸出の低下と軌を一にするように停滞している。景気は、2018年の秋には峠を越え、低下が進んだところで消費増税を行った。景気後退が目に見えているのに増税とは、経済運営としては最悪である。今後の回復が鈍いとすると、コロナ禍とは別に、こうした拙さの影響もある。

(図)



(今日までの日経)
 GDP下方修正へ 1~3月再改定値、設備投資下振れ。出生率には映らない少子化 上位10県、子供16万人減、最下位の東京で増加。米失業給付、大幅減額へ 月6兆円特例、今月末に期限。

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日本の少子化対策はなぜ失敗し続けるのか?

2020年07月26日 | 社会保障
 低所得層の非正規の女性は、育児休業給付を受けられないし、乳幼児期に保育所へ入れるのも難しい。生活苦が見えているのに、どうやって、結婚して子供を持てと言うのか。結局、これを等閑視する社会の風潮が少子化をもたらしている。山田昌弘先生の新著『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』は、その内実を、一つひとつ分解して説明をしてくれているように思う。

………
 山田先生は、失敗の理由として、真っ先に、「キャリア女性の状況を前提とし、非正規雇用女性の声を聞いてこなかった」と指摘する。非正規の女性は、むしろ、多数派であるにもかかわらず、少子化対策の目玉である育休と保育の外に置かれているのだから、そうした批判になるのは致し方あるまい。少子化の大きな要因が、結婚後の出産数より、結婚の減少によることとも整合的だ。

 なぜ、外に置かれているかと言えば、継続雇用、いわば、正社員であることが暗黙の前提になっているからである。つまり、女性は、養成にカネもかけた正社員としての価値は認められても、次世代を育成する者としては評価されていない。行われているのは、少子化対策ではなく、正社員確保の対策である。非正規の女性だって、パート等で従事はするが、その程度では、雇用保険を供するには値しないと、政労使からみなされている。

 日本の女性にとって、結婚は愛より生活だ。日本では、妻に家事を任せる代わり、サイフを渡す習慣があるので、欧米のように自由なお金のために仕事を持とうという動機が薄い。家からの自立も求められず、居心地が悪くなければ、稼ぎの良い男性との出会いをひたすら待つことになる。1997年のハシモトデフレ以降は、男性ですら正社員は厳しくなったから、そんな選択は結婚を見送るのと同義になった。 

 出生率が1.82と全国一の沖縄県では、少子化対策は「成功している」ことになるかもしれないが、他方、離婚率も全国一で、母子家庭が極めて多く、子供の貧困は深刻だ。県民所得が最下位の沖縄県では、結婚のハードルは低くても、その後の生活が大変である。妻だけでなく、夫も非正規であっても、十分な子育てができるという、真の意味での少子化対策が最も求められているのは、実は沖縄である。

(図)


………
 「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?」と問われれば、少子化対策をして来なかったからというシンプルな答えになる。女性正社員の確保策を少子化対策に見せかけていただけで、乳幼児を抱える困難な時期を、すべての女性にどう乗り越えさせるかの視点がない。それは、既に日本が「総中流」とは異なる階層社会になっていて、政策を形づくる上位の人々には、もはや全体の状況は見えないためであろう。ならば、失敗は続くとしか言えない。


(今日までの日経)
 GoTo、見誤った世論 政策混乱、傷口広がる。国内感染 最多966人 東京366人、拡大継続なら法的対応も。景気後退、政府が認定へ 回復は18年10月まで 戦後最長ならず。

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7/22の日経

2020年07月22日 | 今日の日経
 6月の貿易統計は、日銀・実質輸出で見ると、前月比+1.5とわずかながら折り返した。水準は、東日本大震災時を下回るが、まずは底入れである。前年同月比で輸出額を地域別に見ると、米国は-46.6、欧州は-28.4と、いまだひどい状況ではあるものの、新型コロナを制圧した中国は-0.2と前年並みまで戻っている。4-6月期の外需は記録的なマイナスになるが、トヨタの生産計画は回復したようであり、今後の推移に期待したい。

(図)



(今日までの日経)
 トヨタ、8月の国内生産台数 計画並みに回復。輸出回復 まず中国向け 6月0.2%減に改善 鉄鋼・車けん引役。 緊急事態「慎重に」62% 世論調査 GoTo「早すぎ」8割。

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強権の経済政策の空虚さ

2020年07月19日 | 経済
 軽部謙介さんの『ドキュメント強権の経済政策-官僚たちのアベノミクス2』は、いつもながらの濃密な内容だったが、意味のなかった経済政策が描かれているわけだから、ある種の虚しさを覚えざるを得ない。むろん、政策そのものの評価ではなく、「何があったのか」に焦点を当てられたものだが、経済に与えた政策の影響の大きさに応じて、「強権」の意味合いも変わり得ると思うのである。

………
 多少でも実際の経済に通じているなら、金融緩和の一本槍でデフレから脱せるとは考えないものだ。それは、経済学の教科書の中だけの話である。とは言え、金融緩和は、上手く使えば、円安と株高を導くことができる。アベノミクスは、リフレを口上に使い、本音を語らず、これに成功した。カネの流れを変えるには、転換への期待がいるので、「強権」の意味は大きく、有効に働いたと評価できよう。

 他方、デフレ脱却には、需要を拡大して、物価を押し上げる必要がある。一番簡単なのは、輸出を増やし、設備投資を刺激し、所得を伸ばすことだ。これにもアベノミクスは、一定の成功を収めた。2014年の消費増税で需要を削減していなければ、黒田日銀総裁は、2%の物価上昇の「公約」を果たしていたに違いない。問題は、なぜ、増税で需要を削減してもなお、リフレが実現できると判断したかである。

 『強権』では、復興法人税の前倒し廃止が説得材料の一つとなって、増税の実施が導かれる様子が描かれる。しかし、法人減税に投資の促進を期待するのは、教科書の説明とは違って、幻想に近い。需要の削減による強力な悪影響を防ぐべくもない。案の定、設備投資は、増税で内需が削減される中、輸出の動向と同じ傾向をたどり、需要に従ってなされるという経験則が改めて実証された。

 ただし、このあたりは、政府・日銀に限らず、民間のエコノミストでさえ、増税をオーバーライドする輸出ブームがあると信じていた。実際は、それほど盛り上がりにならないどころか、2014年のうちに峠を迎えてしまう。もし、予定どおり秋に10%の消費増税をしていたら、シッョクで破綻を起こしかねない情勢だった。命がけの財務次官の想いとは別に、増税を見送る以外に合理的な選択はあり得なかったのである。

………
 当たり前だが、大事なのは「強権」を何に使うかだ。消費増税の見送りとは裏腹に、2015年以降、財政収支は改善の一途をたどって行く。アベノミクスは、緊縮で内需を圧縮したため、デフレ脱却は果たせなかったが、円安による外需の伸びの下、財政再建は大成功を収めた。金融政策には「強権」は使えても、需要管理には「強権」を用いるだけの見識もなかった。矢はあっても、的を外して「強権」が振るわれる時代、政治主導への改革を経た先に現れたものは、これだったのである。


(今日までの日経)
 首都圏外でも感染急増。国内観光 見えぬ正常化 「GoTo」政策迷走。 中国経済、雇用なき復活 4~6月3.2%成長。休業要請踏み込まず 東京都、警戒レベル最高に。コロナ下 動き出す消費 給付金で家電・自転車。

※新型コロナの感染確認数は急増のカーブを描いている。3月下旬の「夜の街禁止令」で収束に向かったが、6月下旬の全面解禁以降は増加に転じている。

(図)


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7/9の日経

2020年07月09日 | 今日の日経
 6月の景気ウォッチャーは、前月比+23.3の38.8とV字回復を見せ、コロナ禍前の1月の水準に近いところまで戻った。こうした動きは、2011年の東日本大震災のときと似た形である。項目別では、雇用と企業動向は今一つだが、リベンジ消費と10万円給付金のせいか、消費動向は高めになっている。景気ウォッチャーだけを見れば、早くもポストコロナは終わり、ポスト10%消費増税からの回復が課題になったことになる。

(図)



(今日までの日経)
 街角景気の改善幅最大。マイナンバーカード、海外は社保改革と一体。つぎはぎ行政 利便性置き去り。揺らぐ「学びの保障」。

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アベノミクス・コロナ禍からの反転は明らか

2020年07月05日 | 経済(主なもの)
 鉱工業生産の予測指数が7月まで伸びたことで、コロナ禍のV字回復の道筋が見えてきた。リベンジ消費や10万円給付金があって、耐久消費財の回復が先導する形となっている。商業動態・小売業も5月に折り返し、消費者態度指数も5,6月と上昇を見せている。新型コロナの感染確認数は、この3日間、東京で急上昇し、地方でも増えていることが気がかりではあるが、経済の反転は明らかである。

………
 5月の商業動態・小売業は、前月比+1.9と折り返した。3月が-4.7、4月が-9.7であることを踏まえれば、戻しの幅は小さいにせよ、回復へと向かう。消費者態度指数・雇用関係は、5月の前月比が+1.5であったところ、6月は+3.6と加速した。もっとも、水準は31.4と、かなり低い。その中では、「耐久消費財の買い時判断」が消費増税直後を上回るところまで来ており、消費者態度全体の水準を上回っている。

 グラフの消費者態度・雇用関係は、景気の動向をよく表し、景気の先導役である「住宅・公共・輸出」と同様の傾向を示す。これを見ると、景気は、輸出が頭打ちになった2018年後半から緩やかに低下し、2019年後半に輸出が底割れすると、一段下げたような形になっていた。それがコロナ禍で一気に急降下した。輸出は5月も下がり続ているため、これが折り返すタイミングが一段の浮揚の時期となるだろう。

 他方、雇用関係では、5月の労働力調査は、就業者数の前月比がわずか+4万人ながらプラスに転じた。男性は引き続き大きく下げて、2017年の水準まで落ちてしまったものの、女性は+21万人となったことによる。むろん、コロナ禍前と比べれば、女性でも50万人以上のギャップがあるが、2018年の水準までは戻せそうな状況である。コロナ禍は、女性の非正規を直撃したが、回復も早いようだ。

 5月の新規求人倍率も、4月に-0.41も落ちたことを踏まえれば、小さいものでしかないにしても、+0.05となった。こちらは、2014年の水準まで落ちているので、やや心配ではあるが、景気とは関係の薄い医療・福祉での求人数も大きく低下しているので、こちらも状況が落ち着いて来れば、大きく回復してくると思われる。また、5月の住宅着工も底入れしたので、建設業の下げ止まりも期待できよう。

(図)


………
 この数日の東京の感染確認数は、数字だけを見れば、指数関数的な増加であり、3月の急増の時期と同様である。むろん、夜の街の検査増といった構造的な水準の上昇に過ぎなければ良いのだが、数字の内容までは踏み込めないので、あと3日ほど様子を見るしかない。いずれにせよ、特定分野での発生が多い状況では、全面的な自粛の復活は、合理性が感じられないだろう。そうかと言って、特定の街区や業種をロックダウンするのは、地下に潜って、管理が不能になるおそれもある。ここは忍耐が必要な局面である。


(今日までの日経)
 熊本で豪雨、球磨川氾濫。夏ボーナス5.37%減 本社最終集計。東京都、131人新規感染 3日連続3桁。「コロナ後」の社会像を提示。

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7/2の日経

2020年07月02日 | 今日の日経
 6月の日銀短観は、記録的な低下となり、5月の鉱工業指数も、ひどい落ち込みだったものの、予測指数では、V字回復が見えてきた。特に、消費財は3月の水準近くに戻ってきている。他方、資本財(除く輸送機械)や建設財は、今一つであり、コロナ禍のためというより、輸出後退と消費増税以来の「普通の不況」の影響も強いところだ。そんな中で、国の税収は、コロナ禍を踏まえれば、堅調というところだろう。

(図)



(今日までの日経)
 国内景気、回復力欠く 日銀短観6月。完全失業者、緩やかに増。昨年度税収58.4兆円。一国二制度、23年目の挫折「香港国家安全法」採決へ。大卒採用、10年ぶり低水準 2.8%増。新規感染60か国で最多 米も再拡大。貧しさ見放す日本の政治・大林尚。

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