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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

5/30の日経

2024年05月30日 | 今日の日経
 5月の消費者態度は、前月比-2.1と2か月連続の低下となった。これほど悪いとは思っていなかった。理由は、1-3月期に一服していた物価上昇が4,5月に元に戻ったせいだろう。好調なはずの「雇用」も4,5月の前期比は-1.0だが、物価の影響が強く出る「暮らし向き」は-2.2であり、賃上げの後押しで「収入」が-0.2にとどまる中で、全体では大きな減となった。補助金がなくなっての電気代の大幅値上げはこれからで、減税があるにせよ、賃上げから消費への波及は、なかなかに厳しい。

(図)



(今日までの日経)
 日銀、国庫納付金2兆円で過去最高 国債含み損は9兆円。長期金利、上昇急ピッチ。世界半導体、純利益4.6倍の5.2兆円。海外就職、決めて良かった 駐在より永住、円安も誘因。円安の陰に欧州経済の底力。自民・木原氏、定額減税「来年も考える」。

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出生崩壊と野垂れ死にの予約

2024年05月26日 | 社会保障
 出生率が1.45人くらいだったら、子供のない人の老後を支えることは何とかなるが、1.15人まで落ちたら、モームリじゃないかと思う。支える子世代は、親世代の55%しかおらず、過剰負担は、倍増してしまうからだ。そうなると、子供のない人は、働けなくなったら死ぬしかないような野垂れ死にの予約をしているようなもので、そんな選択を強いる国は、間違っていると思う。

………
 3月の人口動態速報の出生は前年同月比-10.3%、過去1年間の前年同月比は-5.4%だった。来月には、2023年の合計特殊出生率が1.21人と過去最低だったことが発表されるだろうが、2024年は、このペースだと1.15人まで下がる計算で、2019年に始まった、年に0.05も落ちるという急速な少子化は止まるところを知らない様相だ。出生の崩壊だが、コロナ禍が挟まったこともあって、深刻度に比して危機感は薄い。

 出生率が1.45人だと、子世代は親世代の70%だから1.43倍の負担をしないといけない。それでも、1世代30年間の年間成長率が1.2%あれば、供給力が1.43倍になるので、耐えられると思うが、出生率が1.15人になると、1.80倍と割増負担が倍増し、成長率は2.0%が必要になる。若い労働力が激減する中での成長加速は困難で、供給力が伴わなければ、子供のない人は、もう支えられなくなる。

 今の若者が子供を生まないなら、移民を連れて来れば良いと言う議論もあるが、若者から搾取して衰退する国にどれだけ来て、支えてくれるか。むしろ、日本の希少な若者が海外に逃散する事態だって考えられる。低所得の若者からも、税と社会保険料で5割近く吸い上げ、奨学金の返済を課す一方で、非正規の女性には育児休業給付を出さないという搾取ぶりを改める方が先決ではないだろうか。

(図)


………
 子供を持たないというのは、人的な投資(=貯蓄)が不足している状態であり、自己の人的資本を食い潰していることになる。今の若者も、老朽して生きるヨスガがなくなったら野垂れ死になるおそれまで分かって選んでいるわげではない。なんとなく、今の延長で、社会保障を通じて、半減する他人の子が恵んでくれるような気がしているだけだ。しかし、これだけの少子化となると、経済的にも政治的にも先行きは厳しい。

 自殺の自由を尊重するなんてことは在り得ず、追い込まれる環境を改めるのが正しい社会の在り方であり、少子化だって、そうではないのか。生き永らえることを諦めるはめになる環境は間違っている。政策的に環境を変えることは、今の日本の経済力なら難しいわけでもない。間違っていることの証明に、この国が人口崩壊で潰える前に、なすべきことをやらなくてはならない。


(今日までの日経)
 認知症と予備軍、2050年に1200万人。出生率、最低見通し 民間試算 昨年1.21 コロナ響く。人口減少強まる危機感・土居丈朗。上場企業、3年連続最高益。円安、「実質金利差」が主導。

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5/22の日経

2024年05月23日 | 今日の日経
 3月の機械受注は、民需(除く船電)が前月比+2.9%となり、1-3月期の前期比は+4.4%と3四半期ぶりにプラスとなった。景気が良いはずなのに、低迷を続けてきたが、ここに来て、自動車が戻り、汎用機械と業務用機械が上向き、形は整った。それでも、水準はまだ低いし、4-6月期の予想は-1.6%と加速感がない。また、同日公表の4月の日銀・実質輸出は、前月比+0.1と低落傾向から脱する兆しがない。まさに景気は名目だけのものというところか。

(図)



(今日までの日経)
 金利上昇 試される耐性。年金データで見る賃金動向 大企業の上昇率、中小に劣後。国債利払い費増に警鐘 財制審建議。長期金利上昇、0.975%に 13年以来の高水準。20代正社員25%「子どもいらない」。スーパー「ロピア」売り場部門、20代で年収1000万円も。

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1-3月期GDP1次・一斉値上げはなぜ起きた・景気循環の起源の解明

2024年05月19日 | シリーズ経済思想
 1-3月期のGDPは前期比が-0.5%、年率で-2.0%に沈んだ。家計消費(除く帰属家賃)が前期比-0.8%、寄与度が-0.5もあるのだから仕方がない。正直、ここまで落ちるとは思っておらず、デフレーターが前期比で1.1%も上がったのが大きい。名目では前期比+0.2なので、いかに値上げがきつかったかが分かる。この一年は、名目が増で実質が減。前年度の名目が急増で実質が増とは異なる展開だった。

………
 楡井誠先生の『マクロ経済動学-景気循環の起源の解明』は、理論の本だけど、興味深い内容だった。リアルビジネスサイクル理論のミクロ的基礎づけを土台としつつ、自律的に大きな変動が起こることを、べき乗則をカギに理論化したもので、その一節に、物価変動の説明も出てくる。デフレのノルムが染みついた日本経済で、2022年に、突然、一斉値上げが起こった理由を明らかにしてくれているように思える。

 むろん、値上げは、ウクライナ戦争勃発からの資源高や円安が理由ではあるけれども、徐々に進むのではなく、コスト増の閾値を超えたところで、連鎖反応的に値上げか起こり、デフレからインフレへと一気に局面が展開していく様は、そこに何らかのメカニズムが存在するわけである。コスト増が大きかったから、変動も大きかったという単純な理解以上のことが見えてくる。

 こうしたインフレへの転換は賃金でも見られ、予想以上の引き上げをもたらしたものの、2023年度に入ると、消費は、名目でも伸びが鈍化し、実質では減少傾向となる。消費での転換はどうなったのか。2022年度には、コロナ禍から消費の回復過程で、可処分所得には余裕があったのに対し、2023年度には、余裕を使い果たした上、緊縮財政で可処分所得を殺いでしまったため、動向は失われたのだった。

(図)


………
 楡井先生の『動学』の着想は、ショックに拠らない自律的な景気変動を理論的に表現するというものである。正直、筆者も、リアルビジネスサイクル流の不均衡のない理論はどうかと思っていたが、現実の日本経済は、1997年にデフレに転落してから、景気変動がほとんど感じられないものになってしまった。正確には、ショックで落ち込んで回復する過程はあっても、景気が加速することなく、低空飛行を続けてしまう。

 そうなると、理論的に知りたくなるのは、なぜ変動しなくなったかである。メカニズムとしては、財政が自動的に緊縮で需要を削減してしまい、変動にブレーキをかけるためだ。自律的な変動によって設備投資が盛んになり、景気が加速している局面では、これを上手く利用しなければならないのに、財政が「均衡」を目指し、需要を削り、意図せず抑制してしまうのである。


(今日までの日経)
 少子化、欧州で再加速。観光・半導体で地方に力。GDP年率2.0%減 「強い内需」へ改革急務。NY株一時4万ドル。上場企業、今期4%減益予想。5大銀、今期も最高益へ。

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5/15の日経

2024年05月15日 | 今日の日経
 3月のCTIマクロは、名目で前月比+0.2、実質で-0.0だった。思ったほど下がらず、1-3月期の実質GDPの消費も、なんとかプラスになるかもしれない。この1年のCTIマクロは、名目は順調に増加していても、実質は下がり気味であった。消費が伸びるかは、可処分所得が増えるかにかかっている。家計調査の勤労者世帯の可処分所得は、1-3月期は高めの伸びだったので、これが続いてくれればと思う。

(図)



(今日までの日経)
 米、中国EV関税4倍。コロナ貯蓄、3兆円取り崩し。日の丸液晶終焉へ。シャープの堺工場、9月までに停止。外食、円安対策で海外店舗4割超。日銀が国債買い入れ減額 長期金利、今年最高水準に。

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円安による景気の陰り

2024年05月12日 | 経済
 4月の景気ウォッチャーは、前月比-2.4と低下し、前月が-1.5だったこともあって、判断も「このところ弱さがみられる」に下方修正された。原因は、円安による物価高で、「判断理由」に表れている。物価の安定が日銀の使命なら、輸入物価が高騰しているのだから、引き締めるべきで、為替は所掌外とか言ってる場合ではない。金利を上げられる時に上げておかないと、米国の金融政策の方向が変わって円高になり過ぎて困るときのノリシロもなくなるのじゃないか。

………
 5/8の経済教室で鶴光太郎教授が、アベノミクスは株価ターゲティングだとしていたが、的を射た評価だと思う。ただ、それで財政を緩めていたわけではなくて、緊縮で物価が上がらないようにしていたのであり、金融緩和を持続させ、資産高騰の果実を得ようとする典型的な新自由主義の経済政策だった。コロナ禍の財政出動はイレギュラーなもので、今や消費税率の倍増が物価高での税収増の源になっている。

 異次元緩和が圧倒的な支持を受けたのは、円高の是正に成功したからで、輸出が伸びれば景気が良くなるという日本の伝統に則ったものだった。日本の景気循環は、自律的な波が見られるというより、輸出増で良くなり、輸出減で悪くなるという、リアルビジネスサイクルみたいなところがあるから、円安によって外需のショックにより成長率を高めようというのは、常識的な戦略になる。

 もっとも、かつて高投資・高成長を成し遂げたのは、輸出の所得増を内需の消費増に循環させていたからで、当時は大した政策だとは思われていなかったけれども、アベノミクスのように金融緩和に緊縮財政を組み合せて堰き止めてきたのを目の当たりにすると、当たり前のようでいて、現実に根差した政策は意外に非凡だったのかもしれない。財政や金融という手段のスタイルに拘って、成長に資するという目的を忘れてしまうのだ。

(図)


………
 草創期の経済白書が内閣府のホームページで公開されるようになったが、特徴的なのは、貿易が筆頭に掲げられていることだ。昔は、通産省の全部局の頭に「通商」か付けられていたくらい、輸出は資源の乏しい日本経済の死命を制するものと考えられていた。自然な認識だったけれど、それが高度成長へ導いて行く。金融政策は、原点に帰って、円安で輸出が伸びて成長できるのかで判断すれば良いのである。


(今日までの日経)
 3メガ銀、純利益3兆円 前期最高へ。4月の街角景気、基調判断下げ 円安の影響に懸念。製造業が最高益 前期。認知症、迫る「7人に1人」 14年度推計に比べて約3割下振れ。米経済、本当に強いか 所得上位層の消費底堅く 高金利、住宅・景況感に影。円安にもほどがある!年収300万円じゃ働けない。

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5/8の日経

2024年05月08日 | 今日の日経
 2023年度の国の税収は、累計の前年同月比が大幅なマイナスを続けてきたが、徐々に幅が縮まり、3月末で-3.6%になった。トレンドでは前年度並みになりそうなところまできており、所得税は4月、法人税は5月がまとまった納税があるので、どこまで上ブレするのか予想は難しいが、2023年度補正後予算額の69.6兆円を上回って70兆円台になると見ている。また、2024年度は、一時的減税の2.4兆円がないとすると、73兆円ほどに上るだろう。

(図)



(今日までの日経)
 政策実現したバイデン氏。インテル、半導体組み立て自動化で国内14社と提携。社説・聖域なき年金改革で持続性高めよ。米インフレ、敵は財政。

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キシノミクス・実質経済はマイナス成長

2024年05月05日 | 経済(主なもの)
 1-3月期の実質成長率は、年率で-2%近いマイナスになりそうだ。10-12月期はプラスと言えど、微々たるもので、3期連続のマイナス成長にもなりかねず、実額では、1年前とほとんど変わらない。名目では伸びているから、景気が良いような気がするけれど、物価高で生活は苦しい。政治とカネの問題がなくても、支持率が低迷してもおかしくないし、少子化が止まらないのも当然だ。

………
 1-3月期の商業動態・小売業の前期比はゼロだったから、名目でこれなので、消費は若干のマイナスになるだろう。消費は4期連続で実質がマイナスになるわけで、国民の不満が鬱積するのもうなずける。しかも理由は、負担増による可処分所得の停滞なので、増税しているわけではないのに、増税批判が喧しいといった具合である。政権が賃上げをアピールしても空回りしている。

 なかなか悲惨なのは、鉱工業生産で、1-3月期は前期比-5.6の98.8と落ち込んだ。自動車の生産制約という要因が大きいが、そもそも、基調的に全然伸びていない。コロナ後は上下しつつも減退しており、消費増税前のピークの2018年10-12月期の115.5なんて及びもつかない。実質GDPの輸出が2022年の4-6月期にはピークを更新しているのに、このざまで、いかに内需が低迷しているのかが分かる。

 労働力調査では、3月の就業者数-23万人の反動減となり、1-3月期の前期比は+4万人にとどまり、男性は+2万人、女性は+5万人だった。男性はコロナ前とのギャップが50万人程あるのに、キャッチアップの気配がない。新規求人倍率は、4四半期連続で低下していたが、3月が高かったことで、1-3月期は前期比+0.06と、ようやくプラスに転じた。産業別では、製造業、建設業の水準が前年より低い。 

 1-3月期のGDPでは民需は総崩れの状況だが、公需はプラスが見込まれる。資材高の一服もあって公共投資が3四半期ぶり増加するからだ。それでも、名目ですら年率2%の長期トレンドを下回る水準にある。また、政府消費は、一進一退の状況というか、2023年に入ってからは、まったく成長していない。民間には成長を求めても、政府は財政再建を進めて成長の足を引っ張る構図だ。

(図)


………
 少子化は、端的に言うと、生活が苦しいからである。若年層の雇用が回復して賃金が上がれば、結婚と出生が上向きそうなものだが、未だ兆しが見られない。30歳前後の男性の就業率は、コロナ前水準に足りず、むろんデフレ前とはギャップがある。奨学金の返済を抱えるようになった世代なのに、これでは無理もない。賃上げを待つだけじゃなくて、結婚ができるよう盛り立ててやりたい。そういう意識を持たない社会だから衰退するのである。


(今日までの日経)
 子どもの人口最少、43年連続減。中国企業、5年ぶり減益。円上昇、一時151円台 米雇用 市場予想下回る。

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5/3の日経

2024年05月03日 | 今日の日経
 3月の商業動態・小売業は前月比-1.4と、前月の+1.9の反動が出た形だ。これで1-3月期の前月比は0.0となった。1-3月期GDPの実質の消費は若干のマイナスにとどまるだろう。ただし、生産制約のあった自動車が極端に悪く、それ以外は順調だから、消費の状況は悪くない。賃上げは無論だが、1-3月期は低所得者向け給付、4-6月期は所得減税もあり、これで物価高をしのいでくれればと思う。円安の進んだ4月の消費者態度は、前月比-1.2と陰りが見られるので、何かと批判されたが、再分配をしておいて良かったというところだ。

(図)



(今日までの日経)
 2度目の介入観測、計8兆円か。東京のオフィス賃料回復。金融庁名物リポート、今年見送り。円安、遠のく実質賃金増。5兆円規模介入か 29日の円急騰。円急騰、160円台から一転 一時154円台、市場に介入観測。

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