goo blog サービス終了のお知らせ 

経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

5月鉱工業生産もマイナス圏

2015年06月30日 | 経済
 昨日は、ギリシャ不安で日経平均が大幅に下げたが、5月の鉱工業生産も低調であり、当局の基調判断が下げられた。6月の予測も含めた4-6月期の前期比は-1.4となり、マイナス圏にとどまる。消費財出荷は更に悪く、4,5月平均は前期より-2.9と、先に公表された家計調査と軌を一にする。出荷が減る中、強めの減産で在庫を減らした形になっており、これでは、4-6月期GDPの消費は厳しい。

 設備投資を占う資本財(除く輸送機械)の出荷は、この数か月、横バイであるが、前期の1月が高かったために、4,5月平均は-2.9も低い水準にある。4-6月期GDPで設備投資に期待はできないだろう。建設財は、出荷の 4,5月平均が前期より高いものの、これは3月が低かった影響である。上向いているわけではなく、多くは望めまい。

 他方、商業動態統計は、卸売業の季節調整済指数の4,5月平均が前期比-2.8だったものの、小売業のそれは+0.2と比較的マシな結果だった。とは言え、中身を見ると、自動車卸売業が-4.1なのに対し、自動車小売業が+8.9という食い違いがみられるため、6月に小売業が崩れる恐れなしとしないところである。

 以上二つの経済指標を加味しても、4-6月期GDPはマイナスからゼロになるという見通しに変りはない。アベノミクスは再失速の様相である。昨日の小峰先生の経済教室によれば、異次元緩和第2弾が原油安メリットを打ち消しているようで、成長の推進力減退も当然かもしれない。消費再増税狙いで余計なことをしてくれたものだ。そんな中、ギリシャから海外異変の第一波が到来した。なんとか持ちこたえてくれればと願うばかりである。


(昨日の日経)
 ギリシャ協議決裂。景気指標・中国向け融資の急減。経済教室・2014年度は円安が原油安を打ち消した・小峰隆夫。

(今日の日経)
 ギリシャ不安が世界に。迫真・攻防幻の歳出上限59兆円。上海株は利下げでも一段安。車国内生産17%減。家計資産が15年ぶり高水準。5月鉱工業生産2.2%下げ4-5月も低下観測。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アベノミクス・4-6月期消費はマイナス圏

2015年06月28日 | 経済(主なもの)
 今月は主要な経済指標が土日をまたぐので、暫定版だと思っていただきたい。家計調査を見る限り、4-6月期の消費は未だマイナス圏にある。その他の需要項目にも、今のところ、特に強いものは見当たらない。したがって、4-6月期GDPはマイナスからゼロになるという見通しである。アベノミクスは再失速し、経済はノロノロとしか進んでいない。

………
 5月の家計調査は、二人以上世帯の実質消費支出(除く住居等)の季節調整済指数が前月比+2.0と大きく伸びたものの、これは4月がかなり低かったためであり、4,5月平均は、1-3月期平均より-1.1も低い水準にとどまる。これを6月単月だけでゼロまで盛り返すのは、なかなか厳しい。このように、4-6月期の消費はマイナス圏にあり、GDPの6割は消費なのだから、悲観的にならざるを得ないわけである。

 消費が増えない最大の理由は、勤労者世帯の実質実収入が伸び悩んでいることにある。5月はプラスだったが、一進一退の範囲だ。実質実収入は、10-12月期に前期比が+1.9だったのに、1-3月期には+1.0へ下がり、4,5月平均は-1.0でしかない。5月の消費性向は74.3と「並み」の水準であり、消費マインドが冷え込んでいるわけではなく、実収入の問題だ。今後、ボーナス支給の開始や年金給付の改定がある6月に、どれだけ伸びるかであろう。

 やや気になるのは、消費者物価指数が予想されたほど下がっていないことである。原油安は電気ガスのエネルギーへ波及しているが、代わりに食料品が値上がりしている。ここでメリットが食われてしまっている。名目実収入が伸びずとも、物価が下がれば、実質の消費は押し上げられる。これが1-3月期には奏功したが、同じだけの効果を4-6月期に望むのは、難しいようである。

(図)



………
 雇用については、わずかに改善したが、鈍い状況にある。労働力調査を見ると、就業者の季節調整値は、3月が-10万人、4月が-28万人だったものが、5月は+19万人と戻し、完全失業率は3.3%と横ばいだった。対前年同月比では、自営業主・家族従業者が減り続けていて、これを雇用者が埋める形である。その雇用者は、正規が4,5月とあまり増えず、非正規によって確保されている。

 職業紹介では、新規求人倍率が1.78と最高値を更新したものの、新規求職者の減に因るところが大きい。そこで新規求人数を前年同月比で見ると、4月の+0.1%に続き、5月は-4.4%と低調だった。確かに、労働需給は引き締まった状態にあるが、もう勢いは失われている。有効求人倍率の更新は、昨年12月に1.77を記録してから、5か月経ってからの到達なのである。

………
 さて、消費の供給側を見ようにも、鉱工業指数生産や商業動態統計は、週明け月曜の公表であり、賃金や労働時間については、火曜に公表の毎月勤労統計を待たなければならない。それにしても、前年度比7兆円増という絶好調の国の税収とは、何とも対照的な経済の行き詰まりぶりである。いや、あまりに税収を揚げ過ぎて、自ら景気回復の好循環を断ち切ってしまったのであろう。

 また、いつもの風景である。そうこうしているうちに、海外の経済に異変が生じ、せっかくの金融緩和の成果が無に帰すというのを、これまで何度も繰り返してきた。今回の金融緩和については、異次元なだけに、無では済まず、不都合なものも残している。そうした中、上海株は2週で19%も落ちた。これは「急ブレーキ」じゃなく、「バブルが弾けた」と言うべきではないかね。そのあたりも、来週を待つとしよう。


(昨日の日経)
 雇用保険料を来年度下げ。異次元緩和・迫る過熱信号。5月家計調査は増税後初の増加。上海株に急ブレーキ、2週で19%安。税収・昨年度7兆円増で54兆円。

(今日の日経)
 ギリシャ支援の延長拒否。中国が追加利下げ、株急落に危機感。不動産向け融資最高。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2014年度税収上ブレ2.2兆円

2015年06月26日 | 経済
 今日の日経は、国の決算概要の早打ち。たぶん、税収上ブレが2.2兆円(前年度1.6兆円)、税外収入が0.6兆円(同0.6兆円)、不要が1.4兆円(同1.7兆円)で、合計4.2兆円(同3.9兆円)だろう。その半分の2.1兆円は公債金の減額に充てるのがお約束だ。残る半分の2.1兆円のうち、0.6兆円程は地方交付税になるので、あと1.5兆円をどう使うかになる。

 結局、2014年度は、8.1兆円の消費増税をしただけでなく、当初予算から3.9兆円も上ブレさせたことになる。地方税の上ブレは、その7掛けの2.7兆円程だろうから、日本経済に一気に14.7兆円ものブレーキをかけたことになる。経済成長率が-0.9%に転落したのは当然としても、よくぞ崩壊しなかったものだ。危ない橋を渡ったという感覚がないところが、危ういんだけどね。

 これで、「緊縮財政の愚行を雪ぐ道」(5/17)で示した図の緑線は、ほぼ確定した。この時の試算は、国の税収を1.9兆円上ブレと置いていたので、今回の報道に基づく修正は、GDP比を0.1だけ上にシフトさせれば良いだけである。2018年度の基礎的財政収支GDP比-1%という中間目標は、追加の歳出削減策なしに、税収上ブレだけで達成できることになる。

 まあ、そんな先のことより、問題は足元だ。4-6月期GDPはマイナス成長の公算が高い。これは今日から来週始めにかけての5月の経済指標の公表で明らかになってくる。税収上ブレの分け前を、少しは国民に還元してやったらどうかと思うよ。特に、2014年に出生率を落としてしまった若い世代にね。この国が次世代より財政を大事にしているのでないならば。


(今日の日経)
 TPP関税撤廃95%超。税収上振れ2.2兆円。経済教室・医療は量から質に・渋谷健司
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6/25の日経

2015年06月25日 | 今日の日経
 さすが、清家塾長の経済教室は、「戦後70年」と題するにふさわしい内容だったね。いまだに、年金「支給」開始年齢を引き上げると財政負担が減ると勘違いしている人が、マクロ経済系や財政系にはいるから、よくよく読んでもらいたい。

 多少、専門的になるが、「標準的な受給開始年齢」とは、所得代替率が50%を超えるかをチェックする年齢と考えれは良い。今は65歳だが、マクロ経済スライドによる給付水準の低下で割ったとしても、もっと高い年齢まで働き、「受給」を遅らせることで、50%を確保できることにするというものだ。

 年金の「未来図」は、少子化をどう制度内に組み込むか、非正規にどう適用を拡大していくかにある。一つの答は、「雪白の翼」と「ニッポンの理想」で書いたとおりだ。いずれも、一切、税負担を増さずに、年金の枠内で実現することが可能である。その場合は、マクロ経済スライドをきつくかけることになるから、必然的に、より長く働こうとなる。

 少子化も格差も、是正するのに痛みはいらない。年金制度への理解さえ得られれば、十分にできる。ところが、それが遅々として進まない。無意味な「支給」開始年齢の議論から脱して、次のステップへ行くのに、いつまで時間がかかるのだろうか。

(今日の日経)
 日経平均ITバブル超え。復興予算6.5兆円を決定。経済教室・年金制度支える人増やせ・清家篤。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

移ろうデータと変えるべき評価

2015年06月21日 | 経済
 マクロ経済を研究している者なら、基礎にしていたGDPが改定されてしまい、手直しを余儀なくされた経験を一度や二度はしているのではないだろうか。大抵は数字の書き換えで済むが、稀に主張にまで響くこともある。それだけに、一種類の統計データや単一の理論に頼らず、多角的に事象を見渡し、総合的に判断することが大切だと思う。

 小巻泰之先生の新著『経済データと政策決定』は、そんな移ろう統計データの実態と政策への影響に迫るものである。中でも、消費増税という重大な政策決定の評価がGDPの改定によって変わり得るものになっていたとする第4章の指摘には、考えさせられるものがある。消費増税の評価は、歴史的関心にとどまらず、来年予定される増税判断にも大きく関わってくる問題だ。

………
 民主党政権下における「消費増税は97~98年の景気後退の主因ではない」(社会保障改革に関する集中検討会議 2011/5/30)という誤った評価が、一気に3%も消費税を引き上げるという過激な政策判断を生んだ。その結果は、2014年度の成長率が、政府見通しを2%も下回り、-0.9%に転落するという惨めなものだった。(この数字も改定はあり得るが)

 2014年度の民間消費は、それまでの各期0.5%成長というトレンドと比較すると、13兆円も少ない(下図)。これは、増税額8.1兆円に、前年度1-3月期の駆け込み消費の年額5兆円を加えた大きさに匹敵する。「主因ではない」とは、とても言えない大きさだ。つまり、高名な経済学者の見解より、「所得を抜けば、消費が減り、景気は悪くなる」という庶民の常識の方が正しかったわけである。

 誤った認識の一因に、前回増税時の1997年7-9月期や10-12月期GDPのプラス成長への評価がある。ここでプラスになったから、悪影響はひと区切りで、そこから先のマイナス成長は、アジア通貨危機や大型金融破綻が「主因」というわけである。実は、このプラス成長だが、小巻先生が指摘するように、GDPの改定でマイナスになったり、プラスになったりしており、分析を行う時期によって、評価が異なる可能性があるのだ。

 筆者は、同時代を生きていたので、後づけ的に消費税無罪説が現れたことに、とても困惑させられた。消費減で在庫が急増し、生産調整から雇用が悪化するという一貫した流れで理解していたからであり、死んだ猫が跳ねたのを回復と見ているようにしか思えなかった。リアルタイムでの識者の評価は、鈴木淑夫先生のHPに行き、月例景気見通しの1997年11月の記述(9月までの指標に基づく)を見てもらえば、端的に分かる。

 これに関して、小巻先生は、1997年7月以降に在庫が過剰状況になっていたことを明らかにするとともに、景気判断を、日銀は6月に、政府は7月に、下方修正していたことも示している。また、当時、新聞報道は、7-9月期がプラス成長になったにもかかわらず、ネガティブな評価だったともする。こうしたことからも、消費増税が景気後退に大きな影響を及ぼしていないとは、考えにくいのである。

(図)



………
 2014年度の消費増税の実験をもって、主因か否かの論争には決着がついた。今回は、消費増税以外に、成長の足を引っ張る要因は見当たらず、どうしても消費増税を無罪にしたければ、夏の天候不順でも主因にしなければならない。ここで言えるのは、マクロ経済政策を評価するには、指標や事象を広く見渡す必要があり、経済を均衡させる理論以上に、景気後退の波及メカニズムに関する経験的知識が求められるということである。

 もっとも、2014年度の経験によって、筆者の見方が多少変わったこともある。景気後退の主因が消費増税であることに間違いはないとしても、アジア通貨危機や大型金融破綻も、それなりに重みがあったと思えるようになった。2014年8月に鉱工業生産指数の在庫がピークに達したとき、もし、ここで輸出や金融に異変の一押しがあったら、大変な事態に至っただろうと実感したからだ。(ピークは後に改定されたが)

 8月の指標を受け、本コラム(10/5)では、「経済運営の担当者は血の気が引いたのではないか」)と書いたが、危機感は筆者も同様だった。実際、担当者は官邸に駆け込んだみたいだが、あと一歩、需要が落ち、2012年秋の景気後退の水準を割リ込んだりしていれば、1997年のデフレスパイラルか勃発してもおかしくなかった。他に景気を悪化させるようなことが起こらなかったのは、不幸中の幸いである。

 こうした経緯を踏まえれば、2017年の2%の消費増税は、素直に評価を受け入れられる常識人にとっては、あり得ない選択だろう。異次元緩和、景気対策、法人減税と手を尽くしても、マイナス成長から逃れられなかった。しかも、2017年、2019年と刻んで上げても、2020年の財政再建目標の到達には影響がないのだから、なおさらである。背伸びして敢行し、万一、何かの経済ショックに見舞われたら、打つ手なしに陥る。消費増税の政策評価を明確に変えるべき時である。

………
 さて、新著の第4章の本題は「認知ラグの影響」であり、これの基となった論考は、2014年4月17日にニッセイ基礎研のHPへの寄稿で公開されている。「1997年には景気後退に気づくまでにラグがあった」とする内容は、本コラムでも紹介したりしている(2014/4/27)。つまり、小巻先生のお陰で、前回の失敗の経験を十分に踏まえつつ、今回の増税に臨むことができたわけである。

 残念ながら、世間的には、またも強気からの変転が見られたようだが、少なくとも、本コラムは、論考の成果を活かし、ラグを小さくすべく、最善の努力したつもりである。5月指標の公表段階で「想定内の破綻」とし、6月指標では「消費が死んだ」として、早くもマイナス成長のおそれを指摘した。7月には「V字回復の瓦解」、8月に「惨敗のマイナス成長へ」を書いた。大勢に流されず、最も早く読者に事態を伝えられたと自負している。(上記コラムは「経済(主なもの)」に掲載)

 また、今回の消費増税では、リアルタイムでの評価を記録に残すべく、意識して記述したつもりである。これは、1997年に鈴木先生が残してくれた記録が、当時、何がどうなったのかを知る貴重な手がかりになったことに感謝してのことだ。むろん、一気の増税路線が廃れ、先々の景気動向を読むのには使われずに、ただの過去の記録になることが一番の望みではある。

………
 今日は、第4章ばかりを取り上げたが、財政については、拡張的財政政策の効果は分析時期によって結果が異なることや、改定後のデータでは財政スタンスは必ずしも経済変動に対抗的でないことなどの興味深い指摘がなされている。また、金融政策については、ゼロ金利解除の基礎となったはずの統計データの変遷や、CPIの基準改定がもたらした波紋といった、今後も遭遇しそうなことが取り上げられている。

 「新しい経済学シリーズ」なので、実証に関する記述が多く、そこは必ずしも一般向けではないのかもしれないが、各章末にポイントがまとめられているので、先に結論を見てから、読み進めば良いだろう。統計データは、マクロ経済の研究の基礎となるものであり、本書から得られる政策上の知見は重要なことが多い。多くの方に読んでもらえたらと思う一冊である。


※第4章補論 P.185, L.8の「1-3月期」は「4-6月期」であろう。


(昨日の日経)
 持ち合い株売却加速。上海株が7年ぶり下落率。自動車・4月から販売が止まった。
 ※円安下の持ち合い解消で買収リスクは大丈夫かね。中国は大丈夫ではないな。

(今日の日経)
 日本がミャンマー特区参加。海外投資家が総会出やすく。財政健全化計画の盲点、25年度問題を見ないフリ・瀬能繁。読書・フューチャーデザイン、仕事と家族。
 ※計画に関しては、税収の見積もりが過少であるとか、2023年度で止まっているのが不自然だとか、本コラムが指摘してきたことが徐々に広まっているようだね。ありがたいことだ。25年度問題は、財政より実物の供給力だよ。債務を圧縮したからと言って、10年後の供給力が大きくなるわけではない。なお、年金は関係ない。65歳からもらっているのだから。

(翌日の日経)
 外相会談・日韓関係改善へ努力。エコノ・CPI新基準が物価押し上げ?。樹脂製型で金属加工。景気指標・取扱注意の実質実効相場。経済教室・歳出上限を早急に・中里透。
 ※歳出については、実質維持を前提に、社会保障は人口要因容認、地方財政での黒字拡大なしという自然体でのベースの数字がないと議論が進まない。年金の税制改正には賛成だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6/19の日経

2015年06月19日 | 今日の日経
 昨日発表の5月毎勤の確報は、残念ながら、実質賃金がマイナスに戻ってしまった。ただ、この改定は、毎勤の傾向性から、事前に予想されていたもので、給与総額が伸びて来ていることに違いはない。常用雇用は2.0%増を保ち、「正社員」の伸びも、下方修正はされたものの、加速の状況にある。ちなみに、季節調整済指数の動向を示せば、下図のとおりだ。




(6/17の日経)
 ロボ量産で鴻海と合弁。中小企業の資本金1億円見直し。復興財源・上振れ分で1.9兆円。

(昨日の日経)
 人民元建て債を国内初発行。5月貿易・車輸出4年ぶり低水準。訪日客5月は小休止。

(今日の日経)
 医療費控除の領収書不要に・マイナンバー。日経平均2万円割れ。海外景気に不安。非鉄指数6年ぶり低さ。バイト時給1.3%高。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6/16の日経

2015年06月16日 | 今日の日経
 ウルフさんの『シフト&ショック』を読むと、日本人はどう考えるかを知りたくなるから、今週の経済教室の企画は、時宜に合っているね。日曜には、池尾和人先生が書評を出されていて、「解決策の提案がどのくらい説得的かは各自で判断」と、やや突き放したような感じだったが、銀行の自己資本比率の充実はともかく、財政ファイナンスまで持ち出しているから、まあ、そうなるのかなというところではある。

 提案の適否は置いて、ウルフさんも、もう古希だからね。それでもクリエイトしようという意気込みは立派なもの。筆者なんか新しい発想はサッパリだよ。膨れ上がったマネーには、第二次大戦後の米国の経験からして、金融抑圧を使うのだろうが、金利が自由化されているから、利子課税でカバーしようくらいの浅知恵だ。国債が国内で消化されている限りは、何とかなるのではないか。

 今日の経済教室で、細野薫先生は、金融引締めと金利上昇の財政負担のジレンマを説いておられるが、それに陥らないためにも、利子課税の強化は有用と思う。先生が指摘するようにバブルの予防は難しい。日本にとって、一番危ういのは円安バブルだろう。佐々木融さんのリポートを読むにつけ、特にそう思う。バブルが弾けて、輸出型企業の収益や税収が減っても耐えられるよう、今のうちに内需を強めておきたい。

 収益の源泉は需給の引き締まりにあり、そこで出てくる設備投資や人材活用が生産性を向上させる。成長戦略の鍵は、産業政策より、経済環境にある。アベノミクスによる名目成長率の向上で、日本も、2015年度には国・地方の公債残高のGDP比を下げられるところまできた。公的年金の国債を日銀に移し、代わりに株式を大量に保有させたのだから、株価も財政上の課題になった。成長維持を最優先に、安定的な需要管理をしたいところである。

(今日の日経)
 電子機器に専用携帯番号。耕作放棄地の増税明記。復興事業費6.5兆円。新型小型機に日本の技SiC繊維。経済教室・世界経済の危機は去ったか・中銀の国債大量保有に懸念・細野薫。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民を金持ちにするのは簡単だが

2015年06月14日 | 経済
 現実の経済を考える際には、実物とマネーを分けて考える必要がある。これをイメージさせるために、筆者は、こんな例えを使う。「国民を金持ちにするのは簡単だ。政府が国民全員の預金口座に100万円を振り込むだけで済む。ただし、皆が通帳の数字を眺めて嬉しくなるだけなら良いが、これを下ろして使い始めると、たちまちインフレが進み、100万円の価値は煙のように消える。ゆえに、国民を豊かにするのは難しい」

………
 これは、現実には、実物とマネーが乖離する場合があるので、両面を確かめておく必要性を説くものだ。21世紀の世界経済は、バブルによって信用が膨張し、リーマンショック後には中央銀行の流動性が供給されていった。通常であれば、実物とマネーは表裏一体だが、こうした過程を経たことで、マネーの比率は、かつてより大きなものになっている。

 本題は、ここからだ。中銀からしてみれば、マネーが大きくなってしまったので、それがインフレに転じないかと心配になる。そうかと言って、引き締めれば、設備投資などの実物に悪影響が出かねない。他方、政府も、バブル崩壊の過程で財政赤字を膨らませており、インフレに脅威を感じている。緊縮財政に走りたいが、景気が失速してしまうかもしれない。こうしたジレンマが大議論となり、政策が右往左往することになる。

 そもそも、過大なマネーを心配すべきなのだろうか。「通帳を眺めて」もらっている分には構わないはずだ。兆候もないのに、先取りして引締めや緊縮をする必要はない。ジレンマが生じたときは、割り当てる政策手段を増やすのが正しい。インフレには機動的な消費増税、金利上昇には資産課税の強化、個別バブルには融資掛け目のアップといった手段を用意し、いつでも使えるようにしておけば十分であろう。このコンセンサスがないことが真の問題である。

………
 過大なマネーに対しては、とりあえず、共存し、コントロールの手段を多くしておくことが肝要となる。そして、最終的に回収する方法を考える際には、持ち手を見極めることだ。今の日本で資金を余らせているのは企業部門であり、マネーは究極的には富裕な高齢者が大半を所有している。

 したがって、それを回収し、実物とマネーのバランスを回復させようというのであれば、法人税を含む資産課税を強化するのが筋である。それを、消費増税に執着し、大衆から所得を吸い上げ、なけなしの貯蓄さえできなくして解決しようとするから、マクロ経済に無理が生ずる。

 また、財政赤字を削減する場合は、それで余らせた資金を何に使うかまで、考えなければならない。設備投資か、住宅か、それとも、輸出か。財政赤字の削減は、ある意味、政治的な腕力さえあればできるが、それで経済を縮小させないよう、同時に設備投資などを増やすには、経済的な解決策が必要になる。これは思うようにはならないものである。

 資金の過不足には、受け手と出し手があることは、経済学の基本だが、日本の財政当局は、よく分かっていない。「低成長を前提に、更に歳出削減を多くすべし」というのは、もっともらしいが、削減で余らせた資金を、低成長の中で、どこに使うのか悩まないからできる発言である。あまりの素人ぶりには、頭を抱えてしまう。

………
 実物とマネーの乖離については、公的年金の積立金にも在りはしないかと懸念している。厚生・国民年金の積立金は130兆円もあるが、将来、これを取り崩そうとしたとき、つまり、マネーを実物に変換しようとしたときに、供給力が伴わないと、インフレが進むだけになる。積立金は、需要不足を我慢しつつ、苦労して作ったものなのに、肝心のときに役立たないのでは虚しい。

 だからこそ、本コラムでは、積立金を取り崩しても、乳幼児給付や低所得の若者の保険料軽減を実現し、出生率を回復させて、供給力を高めることを提言している。世間では、世代間格差を言い募り、財政赤字の削減を声高に言う人がいるが、ミクロの個人とは違い、マクロでは、次世代に残せるのは、実物の経済システムだけである。成長より財政を優先し、これを小さくしてしまえば、それこそ世代間格差を作ることになる。

 巨大な政府債務は、次世代の社会に、持てる人と持たざる人との間での面倒な調整という政治的課題を残すことにはなるが、次世代が全体としてどれだけの豊かさを味わえるかは、それと関係なく、実物の経済システムの大きさで決まる。本当の意味で、国の借金と言えるのは対外債務であり、日本は世界一の債権国である。2014年度末の対外純資産残高は、円安もあって6年連続で過去最高を更新した。これが次世代へ引き継がれる。

………
 消費増税は、2014年度の経済成長を止め、トレンドと比較すると、GDPを10兆円も小さくしてしまった。1-3月期は在庫が押し上げたので、4-6月期には差が開く可能性が高い。結局、実物の供給力というパイの拡大よりも、部門間のマネーの過不足の調整というパイの切り分け方の変更を優先した結果がこれである。こうなっても、失敗だったという評価すら出て来ないのが現状だ。マネーに惑わされず、国民を豊かにすることは、こんなにも難しい。




(今日の日経)
 食品外食が消費回復にらみ投資拡大。

※毎日エコノミスト(6/16)の佐々木融さんのリポートは興味深かったね。経常収支の改善で円高へ向かうという内容だ。日米の金利差拡大の効果より影響が大きいという指摘は重要である。円安で景気を上向かせながら、緊縮でチャンスを潰すうち、元の木阿弥に終わるのが、いつものパターンなので、気になるところ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6/11の日経

2015年06月11日 | 今日の日経
 4月機械受注は良い知らせだった。4-6月期の見通しがマイナスだっただけに、ひとしおだ。内閣府は判断を上方修正したし、「除く船電」のグラフも上向きに見える。ただし、今の局面は、製造業と非製造業のグラフを別に観察する方が良いと思う。

 まず、非製造業の「除く船電」だが、消費の動きと同様に、増税後の夏場の底から徐々に回復し、頭打ちになってきた感がある。4月は、ほぼ横バイであった。他方、製造業の4月は、やや跳ねた形だ。製造業は、増税の影響が比較的少なく、堅調なトレンドにあるものの、輸出の動向からして、加速する要因はあまりない。してみると、次には反動減もあると見ておくべきだろう。為替の敏感さからすると、このところの円安は、行き過ぎと見られているようだしね。決まり文句の「機械受注はフレやすい」は、やはり今回も必要だ。


(今日の日経)
 個人資産運用でゆうちょ銀が新会社。日銀総裁発言で1円50銭急騰。諮問会議・歳出削減額の明記見送り、税収見て対応。4月機械受注・設備投資に明るさ。FT・評価定まらぬアベノミクス。中国新車の不振鮮明に。ガソリン高値。小麦1割上昇。

※今まで足元の税収も見ずに計画してきたことの方が異常。ようやく世界標準になったね。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6/10の日経

2015年06月10日 | 今日の日経
 税収の上ブレが2兆円超、更には2兆円台後半もあり得るようだ。本コラムの予想の1.9兆円を上回るのだから、結構なことである。もっとも、国税だけで前年度から7兆円も増やすなんて、需要管理の観点からは滅茶苦茶で、成長率が-0.9%に落ちたのも当然だ。あと一歩でデフレスパイラルへ転落しかねない危険を犯したという自覚が必要である。

 これで、日経が言うように、中長期財政計画に影響することは避けられまい。もし、上ブレが2兆円台後半となると、2015年度を普通に過ごすだけで、2020年度の目標達成まで、GDP比であと0.3%まで迫る。過大な歳出削減計画を作り、景気を失速させてしまっては、かえって財政再建の機会を逃すことになろう。

 他方、税で締め過ぎた結果、消費が伸びなくなっている。今週の景気ウォッチャーや消費動向指数の結果からすると、月末発表の5月の経済指標が前月から大きく改善しているとは思われない。4-6月期GDPで失速があらわとなる可能性は強まっている。さて、税収の上ブレは、どう使うべきかな。円安頼りの高税収から内需を基盤にしていく必要もある。出生率も低下したし、若者に還元してあげたいものだね。

(今日の日経)
 国の税収上振れ2兆円超、54兆円に。中期財政計画に影響も。株安・通貨安でアジア動揺。5月消費動向指数が悪化、基調判断を下方修正。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする