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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

10/31の日経

2013年10月31日 | 今日の日経
 今日の日経は「経済成長一時足踏み」。7-9月期GDPの民間予測の中で、第一生命研の新家義貴さんは最低の1.2%に落として来たが、こうした臨機応変さが非凡なところ。公共と住宅は好調だが、資材の値上がりで実質値は減殺のおそれがある。消費一服は、昨日書いたとおりだが、鉱工業生産は順調なので、在庫は増すかもしれない。

 消費増税後は、輸出と関連投資に頼り、ようやくプラス成長を確保する構図だから、7-9月期の外需低迷は危険な兆候。米財政のふらつき、住宅のピークアウトに加え、ローンがらみで自動車に影響が出ると問題だ。米中にショックがないにしても、ズルズルと後退する可能性は十分ある。だから経済運営に無理は禁物。「傲慢さは不運を呼ぶ」ものだよ。

(今日の日経)
 原発安全性に数値基準。政策経費72兆円・諮問会議。円安の転嫁進まず・素材。大卒内率が高水準続く。重い認知症を特養で。米住宅、値上がり鈍る、景気押し下げる懸念。ホンダ・太陽電池から撤退。公共事業拡大が値上げ要因に。経済教室・賃金少々の条件・太田聡一。

※昨日の日経ビジネスO.L.に上野泰也さんが書いた「日本も? 世界中に住宅バブル」は興味深かった。今日の日経は「世界の株式時価総額が最高」だし、金融緩和も限界かな。
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好調だった消費の行方

2013年10月30日 | 経済
 昨日、9月の家計調査と商業統計が公表されて、7-9月期のGDPの動向が見えてきた。本コラムでは、早くから7-9月の減速を伝えてきたが、予想どおりの動きとなっている。やはり、ゼロ%台の成長もあり得るところだ。

 家計調査の結果は、堅調という評価が大勢だが、前月の大幅減の反動、前年の低調さの裏もあるので、見た目ほど良いものではない。ロイターによれば、曜日要因で支払いが9月にズレ込んだ特殊事情もあるようで、消費性向の高まりがこれを証明している。当然、10月は反動減があり得よう。

 実質指数の前期との差を見ると、-0.2となっており、まったく伸びていない。除く住居でも-0.3である。これから発表される、GDPを占う消費総合指数は、高めに出がちだが、横バイと見るのが妥当だろう。これで外需が足を引っ張れば、ゼロ%台成長というわけである。

 やはり、気になるのは、実質可処分所得の伸び悩みだ。勤労者世帯は、前期比で-2.6にもなる。名目実収入は-1.0、名目可処分所得は-1.6だから、円安の物価高への浸透、公的負担の増が購買力を削り取っている。雇用と賃金は上向いているが、円安デメリットの顕在化と細かな負担増が、すんなり消費増を許すかどうか。

 10/29の沖縄タイムスによると、同時に発表された9月の有効求人倍率で、沖縄は本土復帰以降の最高値を記録したそうだ。外国人観光客の増、日本人の観光・レジャーの国内シフトが景気回復にいかに効果が大きかったかの証左だろう。異次元緩和の予想外の効果だが、デメリットはこれからである。

(今日の日経)
 銀行・証券は株高で潤う。温暖化防止へ路線・3.8%削減。コメ所得補償は半分以下。新幹線快走で業績拡大。大機・異次元緩和に効果はあったか・誠児。経済教室・歳出改革へ約束を・中里透。

※これを回収するのが法人税なのだが。※昨日、今日の経済教室とも成長を阻害しない範囲での緊縮財政という観点はまったくないんだね。
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10/28の日経

2013年10月28日 | 今日の日経

(今日の日経)
 NTTコムが米通信買収。日経DI消費が7年半ぶりプラス。エコノ・雇用ミスマッチ。ロシア経済低迷1.2%成長。経済教室・米国政治の混迷・渡辺将人。

※業種別の違いが回復がどこから始まったかを示しているね。※市場で得られる人材は限りがある。育てなければ人は得られない。※茶会派は必ずしもプアホワイトではないのか。
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経済思想が変わるとき 4

2013年10月27日 | シリーズ経済思想
 現在の経済学は、「利益を最大化するよう合理的に行動すること」を理論の大前提としているために、「金融緩和さえしておけば、それに従って設備投資がなされるから、消費増税で需要を抜いても構わない」という見解になっている。むしろ、増税で財政赤字を減らそうとすることが金利を安定させ、成長を助けるくらいの感覚である。

 しかし、実際には、需要リスクがあると、設備投資が控えられ、不合理にも機会利益は捨てられてしまう。利益を最大化するより、大きな損失を被る事態を避け、生き残ることを優先するためである。したがって、金融緩和に消費増税を組み合わせるに至ったアベノミクスは、失敗する可能性が高い。その時、どんな思想に拠って失敗したかを看過してはなるまい。そうでなければ、我々は、失敗で多大の犠牲を出しながら、何の教訓も得られないことになる。

………
 前回は、需要リスク下の経済学ということで、「需要リスク>0」の場合、すなわち、需要リスクがある下では、機会利益が捨てられてしまうことを説明した。そして、現在の経済学については、「需要リスク=0」の場合のものと位置づけた。今回は、「需要リスク<0」の場合に拡張し、その意味を考える。これによって、需要リスクに拠る見方の汎用性が理解できるはずだ。

 この「需要リスク<0」は、インフレやバブルを説明するものである。需要リスクがマイナスの状態とは、言葉では分かりにくいかも知れないが、あえて言うと、需要が膨らむ中において、儲けられそうな機会がたくさん見つけられる状態である。そうした売れ行き好調な中で、供給を増やそうと、「多め」や「早め」に設備投資をしてしまう。この余計な需要が更なる設備投資を刺激し、正のフィードバックが働いて、景気はどんどん過熱していく。当然、物価は上がり、インフレが加速する。

 こうした「多め」の投資が株や土地などの資産に向かうとバブルになる。上がるから買う、買うから上がるの循環で、配当や地代では説明のつかない価格になっていく。実物でも、資産でも、需要が膨れているうちは良いが、それが途切れると、見込みが外れて痛い目に会う。資産の場合は、価格が暴落し、大損害を負うこともしばしばだ。

 こうした行動は、利益を最大化する合理性の観点からは、説明しがたいものである。金利が指し示すような、適正な量を超える投資をしているのであり、差し当たりは調子が良くても、いずれ、過剰な設備としてムダになる日が来る。バブルも、弾けてしまえば、最後に大損する人が出て、社会全体で見れば、何も生み出されない結果となる。なぜ、こうした「無益」なことをしてしまうのか。

………
 実は、この根本的な原因も、人生が限られていることにある。インフレやバブルに乗ることは、何度も繰り返していれば、大損を引くことになる。小さい得が続き、最後に、それまでの多くの得を無にするような大損が訪れる。均して考える期待値から言えば、不合理な行動である。それでも、乗ってしまうのは、人生は、繰り返すほど、長くはないからである。得しているうちにゲームを終えられれば、大損の結末は問題ない。勝ち逃げに賭けるのは、期待値がマイナスだとしても、意味のあることなのだ。 

 賭けといっても、それほど思い切ったものでないこともポイントだ。需要や価格が上向いているときに、「多め」や「早め」にするだけである。少し余計な投資を、みんながして、相互作用によってエスカレートしていく。逆に、みんながしているときに消極的だと、設備投資の少なさは当面の競争力を弱めることにもなる。乗らないわけにいかない理由まで備わっているのである。

 むろん、物価が加速し、資産が高騰すれは、金利は自然に上がり出し、中央銀行も締めにかかる。しかし、金融政策で、ほど良くコントロールするのは、なかなか難しい。エスカレートさせる正のフィードバックは相互作用だから、急速に強まるものだし、資産の方が先行して物価や賃金は遅れるから、ブレーキのタイミングも計りずらい。そして、いったんインフレやバブルを許せば、大きな弊害を覚悟しても、禁止的な高金利政策を取らざるを得なくなる。

 インフレ対策としては、需要を媒介に個々の行動がエスカレートしていくのだから、直接、需要を抜く増税が効果的だ。バフル期にも物価が安定していたのは、1989年の消費税導入もあったと考えられる。消費税の「冷却」の威力を考えれば、将来、高齢化によって消費圧力が強まったときには頼りになるかもしれない。その時には、たとえ、財政収支が黒字であっても、消費増税はなすべきものとなる。

………
 まとめてみよう。人は、需要にリスクを感じると、機会利益を十分に取らないし、逆に需要にチャンスを感じると、機会利益を取りに行き過ぎてしまう。つまり、需要の動向に応じて、対称性を持って不合理な行動をしているのである。その原因は、いずれも人生の短さにある。期待値に従って合理的に行動することに意味があるほど、均すのに十分な時間を持たないのだ。

 もちろん、これは、現在の経済学と矛盾するものではない。現在の経済学は、需要が安定している場合には、そのまま成り立つからだ。問題なのは、合理性が発揮されない、需要の変動下にも適用することである。どうも、現在の経済学は、人が死ぬとは思わず、永遠の時間を持つと、無自覚なまま前提にしているようだ。

 こうした欠陥があるために、現在の経済学は、不況の原因については、賃金の下方硬直性といった、何か理論を阻害する特別な設定を必要とするし、インフレやバブルについても、不合理さを発生させる別の仕掛けが必要になってくる。国の命運を賭けたりする割には、重要な経済現象もストレートには説明できないようなものなのである。

 他方、需要動向によって行動が歪むという考え方であれば、デフレのみならず、インフレやバブルまで含めて、統一的に説明できる。結局、アベノミクスは、相反する見解を導く理論の方が汎用性が高く、多くの現実を説明できるのに、適用範囲の狭い理論に強く依存して、乾坤一擲の勝負に出るのである。現在の経済学に頼るのは、ある程度、仕方がないにしても、信頼度をわきまえるだけの慎重さがあったならと思う。

 物理学では、空間の歪みをピタゴラスの定理が成り立っているかどうかで測る。言い換えれば、ピタゴラスの定理さえ絶対ではなく、空間次第なのだ。経済学も、利益最大化の合理性を絶対視せず、むしろ、それに基づいて算出される均衡水準の金利が現実と違っていたら、その差が需要動向による合理性の歪みの大きさであると解釈したら良い。そして、それを観測しつつ、需要管理政策を使って、歪みを直して行くのだ。要は、現在の経済学が正しいのか否かでなく、使い方如何の問題なのである。

(今日の日経)
 確定拠出年金の掛け金上げ。ASEANは日本の推進力に期待・太田泰彦。円建て債5割り増加、異次元緩和を機に。米株投資に強気ムード、緩和マネーに危うさ。米国はすでに世界最大の産油国・ヤーギン。教育委員会という迷宮。西郷生存伝説・井上亮。ナゾ・光合成。読書・世界恐慌、フラクタリスト。

※中国は面子、米国は理想だが、日本は誠実を外交の旨とすべし。※米の緩和が考えにくい局面だからね。日本が自爆的にデフレを強めて実質金利を上げない限り、円高の心配もない。※今回の熱風の日本史はおもしろかったね。とても日本的な話だよ。
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10/25の日経

2013年10月25日 | 今日の日経

(今日の日経)
 みずほ銀が処分。東電の自前技術に限界。減反見直し急浮上。景気回復に一服感・月例経済。長期金利一時0.595%。生保が国債に回帰。欧州景気に薄日、南部でも輸出回復。経済教室・共和党保守派・久保文明。都心で出生率上昇。

※昨日のダイヤモンドO.L.に掲載された野口悠紀雄先生の「円安にもかかわらず過去最高となった貿易赤字」は興味深かったね。※地域的な出生率の違いは若年層の移動可能性の問題かな。
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10/23の日経

2013年10月23日 | 今日の日経

(今日の日経)
 東電が値用達・発注見直し。米緩和遠のく、新規雇用下回る。日生は国債中心に。自動車反動減を警戒、97年は100万台。経済教室・集団的自衛権・中西寛。

※昨日HPにアップされた第一生命の新家さんの7-9月期GDP予測は1%台。打って変わって低成長になるという筆者の予想(10/5)もようやく当たりそうだわい。
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10/22の日経

2013年10月22日 | 今日の日経

(今日の日経)
 電子部品の復調鮮明に。火災保険料引き上げ。景況感・北海道と九州・沖縄は22年ぶり高さ、観光が絶好調。輸出は円安でも伸び悩み、成長率減速。薄型TV出荷14%増。仕事楽しむ仕掛けを・堀場雅夫。経済教室・イエレン新議長・田中隆之。

※スマホのブームはありがたいね。※金融緩和は観光に効き、輸出に効かなかった。こういう予想外の結果があるから、経済はおもしろいし、謙虚さも欠かせない。
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10/21の日経

2013年10月21日 | 今日の日経

(今日の日経)
 大卒内定3年連続増、製造業は計画下回る。農業保護1人2万円負担。経済教室・期待どこまで解明、自己言及性に難しさ・小林慶一郎。

※個々では合理性の追求に制約があるが、政府がその制約を補うべく合理的な期待の形成に向け支援するというなら、経済法則は定まるし、自己言及の問題はないのでは。
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経済思想が変わるとき 3

2013年10月19日 | シリーズ経済思想
 経営者にとって、需要リスクをどう扱うかは、極めて重要な問題だが、どうも、現在の経済学では、必ずしも理解が十分でないように思われる。ヒトにとってリスクとはどういうものなのか、それを深めることが、経済現象の理解につながると考える。今回は、ちょっとオタクな話になってしまうかもしれないが、お付き合い願いたい。

………
 需要リスクがある下での設備投資の判断について、現在の経済学の主流派は、期待値に従うとするのだが、これに対して、非主流派は、その期待値が測り知れない場合、例えば、大きな変動を伴うときには、成り立たないと批判する。期待値が分らなければ、立ちすくむしかないと、突き放してしまうわけだ。

 筆者は後者に近いことになるが、それで満足してはいけないと思う。主流派の立場からすると、大変動の例は少ないにしても、いくつか経験して試行錯誤すれば、大体は見えてくる、つまり、どのくらい時間がかかるか分らないにせよ、超長期には、期待値に従う合理的な行動が可能になる日が来ると言うことも可能なのである。

 このような議論の溝はよろしくない。主流派の理論に引導を渡すには、期待値が分っていても、リスクを取れない構造があることを明らかにしなければならない。こういう問題設定が大切であり、多少の手間はかかものの、解いて見せるのは難しくないのだから、労を惜しむべきではなかろう。

………
 リスクがあったとしても、それを十分に分散させることができれば、問題にはならない。それには二つの方法がある。一つは時間軸で分散させる方法、もう一つは主体間で分散させる方法である。時間軸の方法は、一度、大きな損害を被ることがあっても、小さい利益を何度も獲得することで、取り返すものである。むろん、そのためには、機会を重ねるだけの時間が必要だ。そうした状況に、実際の経営者が置かれているかがポイントである。

 「どうすれば経済学」では、現実の社会構造は、被ることが許される損害の大きさを制限していて、それを超えるとタイムアップとなり、もうチャンスは与えられないとしている。こうした社会構造では、経営者が取れるリスクには限界があるわけで、急激な需要減退という大きなリスクに遭遇した場合には、機会利益を捨てる不合理な行動を取らざるを得ない。

 結局、期待値が分かっていたとしても、一定以上の損害を許さない社会構造があり、損害による社会的な死を避けたいという価値観が優勢であると、需要リスクの下では、利益最大化の公準が成り立たなくなる。もし、構造改革をしたいのなら、解雇の自由化などに熱を上げるより、失敗を認める社会にするとともに、「命知らず」の者が増えるよう、勇気を鼓舞すべきなのかもしれない。

 しかし、そこまでしたとしても、生物学的な「ヒト」が判断の主体である以上、限界はある。人は死すべき存在であるからだ。命が有限なら、人生を暗い時期で覆わないようにするには、時間軸で分散できるリスクの大きさにも限りがある。いわば、「命知らず」にも程があるというわけだ。そもそも、ヒトは、利益の最大化より生存を優先して、危険を避けてきたからこそ、今の地球に存在するのではないか。これを、高だか二百年程度の経験しかない資本主義の都合で変えてしまうのは、どうなのだろう。

………
 もう一つの方法、主体間での分散はどうか。理屈だけで言えば、需要が急減し、金利が低下したときに、すべての主体が一斉にリスクを分担して取ってくれたら、個々の事情で機会利益を捨てる不合理に陥らなくても済むかもしれない。誰もが合理的思考の強力な持ち主なら、そうした一斉行動を合理的に予想し、期待形成に至るのでは、という感じはする。

 しかし、ゲーム理論で考えると、なかなか起こらないことは明らかだ。「他人も、ほとんどが知行合一のできる、強力に賢い存在のはずだ」と確信するのは情報の面で難しい上に、「他人に打って出るリスクを取らせ、後に付いて行こうとする戦略」を排除できない。多くが後出しで行こうとすれば、お見合いとなって、誰も動けない「悪しき均衡」にはまってしまう。蛮勇を奮って飛び出す者もいるかもしれないが、付いて行く者が少ないと討ち死に終わるという危険に満ちている。

 ただし、この状況には、一つの解決策がある。それは、死なない者が率先して打って出るとともに、リーダーシップを発揮し、みんながリスクを取って出て来るまで、資力を惜しまずに誘導することである。死なない者だって? それは、政府しかない。政府が需要を支えると宣言し、「勝つまでやる」と断固として行動すれば、みんなは不信を払拭して付いて来るだろう。政府が行動すれば、難なく合理的期待を形成できるのである。

 政府は、内乱でも勃発しない限り、死ぬことはないし、外債に頼らなければ、生殺を握られることもない。機会利益が捨てられている不合理な状況であれば、資金は余っているから、国債の発行にも支障はない。こういう介入は、不合理を是正するものであって、市場を歪めるものとは違う。問題は、そういう役割を果たすべき政府が、全体の事情も分らず、財政収支という手前の庭をきれいにしておきたいがために、真っ先に逃げたがることである。

………
 需要リスクのある下では、利益最大化の行動は期待できない。それは、人は死すべき存在であり、社会が多数の独立した主体から成ることに根ざしている。それらがリスクの分散を不能にしているのである。ゆえに、もし、利益最大化の行動を機能させるべく、構造改革をしたいのなら、不死の実現や独立の剥奪といった途方もないことが必要になってくる。

 改めて言うが、不況は機会利益を捨てるという不合理な行動による現象だ。それを政府が介入して是正するのは、合理性を高め、社会的厚生を増やすものとなる。政府の介入と言うと、自由の侵害のように思うかも知れないが、成すのは需要の「底」を保つことだけである。それは、無益な不安を除き、個々の自由を発揮させるものであって、むしろ、資本主義を強化することになるだろう。

 アベノミクスは、リスクを鎮めるべき政府が一気に需要を抜いて自らリスクを作り出すという、してはならないマクロ政策を取ることとなった。その見返りに、ミクロ政策を弄し、官製ファンドを作っては、設備の投資や廃棄に口を出したり、減税の見返りとして、賃上げを迫ったりする。なにやら、オールド・ケインジアンの筆者の方が、よほど自由主義経済の擁護者には見えないだろうか。

※次回は、需要リスク<0への拡張について説明して、「どうすれば経済学」の汎用性を示すつもりだ。

(今日の日経)
 再生エネに海外勢続々、バブルの恐れ。中国ひとまず落ち着き、ショベル底入れ、不動産過熱。大学医学研究は民間依存。米国コンテナでベトナムが日本を逆転。土地取引5年ぶりプラス。市町村税を再配分。イオン改装600店。GEは日本技術を発掘。債権先高感広がる。

※近年は駆け込みと反動の産業政策が多いね。※筆者にはまったくそう見えない。※向かい風での投資は明暗が分かれるが果たして。

※昨日HPにアップされていた権丈先生の年金綜研での講演は経済学の系譜が分かる面白い内容だったね。
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10/18の日経

2013年10月18日 | 今日の日経

(今日の日経)
 雇用の大幅緩和見送り。日立会長がベア検討。本音では1年早い。脱デフレ・観光多い北海道・沖縄が景況感上回る。特別会計3つ減。米財政・時間稼ぎの合意。スズキが描く逆転戦略。経済教室・ノーベル経済学賞に米3氏・依田高典。

※景況感の地域差は、今回の円安効果の経路が何かを示している。※依田先生の経済教室は良いものだったね。今回の賞は、経済学の研究の積み重ねに贈られたような気がするよ。
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