今回の「年収の壁」助成金は、人手不足の中、労働力を確保し、供給力を増強する産業政策と位置付けられる。厚労省の予算だから、すべて社会保障というわけではない。企業支援に予算を投入するのだから、日経が文句をつける筋合いではない。供給力を増強する設備投資の助成金について、「特定の者だけがもらうから不公平」と批判したりしないだろう。
負担に応じた給付は、年金の社会保険の原則の一つではあるが、必要に応じた最低限の給付の保障もまた原則である。専業主婦の第3号被保険者制度は、婦人の年金権を確立するために作られた。廃止すれば、収入のない主婦は、基礎年金が半分になる。「壁」の不都合を正すのに、年金権を侵害してどうする。
「壁」を抜本的に改めるなら、専業主婦に限らず、低所得者全般を助成することで、公平を図るのが正しいやり方だ。大して予算が必要なわけではなく、同じ勤労者なのに、非正規では厚生年金に入れない差別をなくすこともできる。そして、デフレ脱却で税収が急増して、還元が必要な状況にある。
税収の還元は、インフレが低所得層を痛撃しているのだから、これを対象とし、税より社会保険の負担が重いのだから、社会保険料に連動した給付をすべきである。給付と言っても、雇用主に社会保険料を取らないでもらい、その分の助成金を社会保険料として収めてもららうだけだから、税制改正も要せず、事務負担も少なく、迅速に実現できる。
7月の人口動態速報の出生は、前年同月比-2.3%であり、減少は緩んでいるものの、1-7月期は、合計特殊出生率だと過去最低だった昨年を下回る1.22人のレベルだ。婚姻も、前年の同期と比べ-5.5%の低さになっている。若い低所得層の社会保険料の負担を軽減し、結婚と出産の可能性を高めることも急務である。逆に、公平と称して専業主婦の負担増を図ったりしたら、ますます少子化を進めかねない。
(図)

(今日までの日経)
社説・社会保障ゆがめる「年収の壁」助成金。企業、蓄える賃上げ力 労働分配率49年ぶり低さ。
負担に応じた給付は、年金の社会保険の原則の一つではあるが、必要に応じた最低限の給付の保障もまた原則である。専業主婦の第3号被保険者制度は、婦人の年金権を確立するために作られた。廃止すれば、収入のない主婦は、基礎年金が半分になる。「壁」の不都合を正すのに、年金権を侵害してどうする。
「壁」を抜本的に改めるなら、専業主婦に限らず、低所得者全般を助成することで、公平を図るのが正しいやり方だ。大して予算が必要なわけではなく、同じ勤労者なのに、非正規では厚生年金に入れない差別をなくすこともできる。そして、デフレ脱却で税収が急増して、還元が必要な状況にある。
税収の還元は、インフレが低所得層を痛撃しているのだから、これを対象とし、税より社会保険の負担が重いのだから、社会保険料に連動した給付をすべきである。給付と言っても、雇用主に社会保険料を取らないでもらい、その分の助成金を社会保険料として収めてもららうだけだから、税制改正も要せず、事務負担も少なく、迅速に実現できる。
7月の人口動態速報の出生は、前年同月比-2.3%であり、減少は緩んでいるものの、1-7月期は、合計特殊出生率だと過去最低だった昨年を下回る1.22人のレベルだ。婚姻も、前年の同期と比べ-5.5%の低さになっている。若い低所得層の社会保険料の負担を軽減し、結婚と出産の可能性を高めることも急務である。逆に、公平と称して専業主婦の負担増を図ったりしたら、ますます少子化を進めかねない。
(図)

(今日までの日経)
社説・社会保障ゆがめる「年収の壁」助成金。企業、蓄える賃上げ力 労働分配率49年ぶり低さ。














