補正予算に対する各紙の社説が出揃ったので、コメントしておこう。政府が第一弾の景気対策を打ち出したときには、各紙とも、赤字国債の増発を懸念して、補正予算には反対であった。果たして現在はどうなったのか。
まったく定見がないのは朝日と読売である。両社は、税収の上ぶれがあって、赤字国債を出さずに補正予算が組めるなら良いではないかという立場になった。言うまでもないが、税収上ぶれは、昨日、今日、起こった話ではない。2009年度の税収上ぶれが6月に発表になり、今年度に入っても企業収益が急速に回復してきていたのだから、当然そうなることは認識していなければならない。本コラムでは、3か月も前の7/2に指摘している。
結局、彼らは、財政当局に完全にコントロールされている。与えられた情報でしか見識を作れないからこうなるのである。経済政策を判断するのに、政府需要の把握は基本中の基本だ。しかし、財政当局は財政再建に都合の悪い情報は出さないのだから、必要な情報は自ら推定しなければならない。
定見がないのは日経も同様だが、さすがに情報操作には気付いたようで、「税収上ぶれの範囲なら良い」という言い方はせず、規模は景気の先行きに合わせるべしとしている。朝日と読売は、情報で操られていることすら認識していないだろう。これでは日本のマクロ経済政策が上手くいかないのは当たり前である。
他方、毎日は、一貫して景気より財政再建であり、補正予算には後ろ向きだ。これはこれで立派である。とは言え、毎日も、財政がGDPの2~3%ものデフレ圧力をかけているとは思ってないだろう。この際、毎日は、低所得者がデフレで呻吟しても、財政再建を優先すべきだとハッキリ言ってはどうか。毎日の主張は、意図とは違うだろうが、結局はそういうことになるのである。
大して効果のない日銀の金融緩和には異様に関心を持つのに、直接的な影響のある需要管理は、まったくお留守で、大規模なデフレ圧力をかけられていることにすら気付かない。日本の経済政策は、GO&STOP型と言われ、アクセルとブレーキの切り替えが極端であり、これが低迷から脱し切れない原因とされる。本コラムの目的は新聞批判ではない。早くこうした無知が克服され、穏健な経済政策によって国民が苦境から救われることを心から願っている。
(今日の日経)
イラン石油開発撤退、制裁強める米。ロシア大統領北方領土近く訪問。領土、ロシアも対日圧力。外交と社交は違う・秋田浩之。日銀短観先行き悪化。民・公連携、政府に警戒感。円高・金利低下進む、米金融緩和観測背景に。大型船輸出を支援。AEI日本部長、曖昧戦略そのままにできない。パソナ6000人一時採用。太陽光発電によるCO2減の環境価値買い取り。経済教室・世界へ飛躍のチャンスに・石倉洋子
まったく定見がないのは朝日と読売である。両社は、税収の上ぶれがあって、赤字国債を出さずに補正予算が組めるなら良いではないかという立場になった。言うまでもないが、税収上ぶれは、昨日、今日、起こった話ではない。2009年度の税収上ぶれが6月に発表になり、今年度に入っても企業収益が急速に回復してきていたのだから、当然そうなることは認識していなければならない。本コラムでは、3か月も前の7/2に指摘している。
結局、彼らは、財政当局に完全にコントロールされている。与えられた情報でしか見識を作れないからこうなるのである。経済政策を判断するのに、政府需要の把握は基本中の基本だ。しかし、財政当局は財政再建に都合の悪い情報は出さないのだから、必要な情報は自ら推定しなければならない。
定見がないのは日経も同様だが、さすがに情報操作には気付いたようで、「税収上ぶれの範囲なら良い」という言い方はせず、規模は景気の先行きに合わせるべしとしている。朝日と読売は、情報で操られていることすら認識していないだろう。これでは日本のマクロ経済政策が上手くいかないのは当たり前である。
他方、毎日は、一貫して景気より財政再建であり、補正予算には後ろ向きだ。これはこれで立派である。とは言え、毎日も、財政がGDPの2~3%ものデフレ圧力をかけているとは思ってないだろう。この際、毎日は、低所得者がデフレで呻吟しても、財政再建を優先すべきだとハッキリ言ってはどうか。毎日の主張は、意図とは違うだろうが、結局はそういうことになるのである。
大して効果のない日銀の金融緩和には異様に関心を持つのに、直接的な影響のある需要管理は、まったくお留守で、大規模なデフレ圧力をかけられていることにすら気付かない。日本の経済政策は、GO&STOP型と言われ、アクセルとブレーキの切り替えが極端であり、これが低迷から脱し切れない原因とされる。本コラムの目的は新聞批判ではない。早くこうした無知が克服され、穏健な経済政策によって国民が苦境から救われることを心から願っている。
(今日の日経)
イラン石油開発撤退、制裁強める米。ロシア大統領北方領土近く訪問。領土、ロシアも対日圧力。外交と社交は違う・秋田浩之。日銀短観先行き悪化。民・公連携、政府に警戒感。円高・金利低下進む、米金融緩和観測背景に。大型船輸出を支援。AEI日本部長、曖昧戦略そのままにできない。パソナ6000人一時採用。太陽光発電によるCO2減の環境価値買い取り。経済教室・世界へ飛躍のチャンスに・石倉洋子





