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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

2012年最後の日経

2012年12月31日 | 今日の日経

(今日の日経)
 公的資金で製造業支援、工場・設備を買い取り。中国が鉱物輸出税を撤廃。円下落主要通貨で最大。核心・芹沢洋一・満州も尖閣も有権者は反応していない。M&Aに中国リスク。崖転落なら影響は・失業保険と社会保険税の緊縮要因も。テーマパークの売り上げ過去最高へ。景気指標・配当は01-05年度は3兆円、ここ5年平均は6.5兆円、外人比率20%から25%へ急上昇した時期・神山直樹氏が試算。経済教室・ノーベル経済学賞・堀雅博。

※不良資産の買取制度になりそうだ。せめて新規施設をリース対象とするなり、見合いの国内での設備投資を必須にすべきだろう。こういう制度は資産の持ち主が変わるだけだから、需要にならない財政出動だ。財政当局とすれば、将来、資金が返ってくる可能性があるから、完全な借金にはならない利点があるということか。お役人は脱デフレの気があるのかね。
※円下落も前年末でなく3月と比較すれば大したこともないが、欧州小康と米国回復の状況での安倍発言は効いた。あとは状況が変化しないかだ。※この実態で資産買取だの法人減税だのをしたい人の気がしれない。設備投資フレンドリーと投資「家」フレンドリーは別物だよ。
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今年の反省と諮問会議への期待

2012年12月30日 | 経済
 28日の家計消費などの発表で今年の統計も終わり。筆者の評価は、意外に良いというものだ。勤労者世帯の11月の季節調整値の指数は-0.2だが、8~10月にかけて伸ばしてきた水準をキープしたと言える。12月は、ボーナスの不振で落ちる可能性が大きいが、もし11月と同水準なら、10-12月期は、前期から1.83も伸びる計算になる。

 今年の勤労者世帯の消費は、負担増のあった4-6月期に失速したが、7-9月期、10-12月期と次第に回復を見せる展開だった。しかし、1月には所得税の復興増税、4月には年金支給年齢の引き上げというデフレ促進策が待ち受けるので、前途は多難である。大型補正が組まれても、需要になるのは夏になってからと考えねばなるまい。

………
 筆者の年末は、「今年は3%成長もあるでしたよね?」と聞かれて、「いやはや面目ない」と答えるといった次第だった。今年の反省は、危ぶみつつも負担増を軽く評価したことと、控えめに見たつもりでも復興需要が更に乏しかったことにある。低成長に終わった要因には輸出の停滞もあるが、水物の外需は頼りにしないのが筆者流なので、言い訳にはしない。

 今年を終えるに当たって、正直、残念な気持ちである。これでもかと繰り出される負担増を、復興需要が相殺してくれて、世間が予想しなかったような成長を見せてくれるかと期待していたからである。今の日本の政治や世論の状況から言って、経済復活へのほのかな希望は、「間違って正しい政策をしてしまう」ことだけだった。

 来年を展望するなら、最悪のシナリオは、前半の停滞から夏頃までに成長が上向き、これが自殺行為に等しい消費増税の決定を招いてしまう展開だ。これが一番ありそうなのが辛い。住宅に多少の駆け込み需要はあっても、年金カットが響いて、秋から冬にかけて消費は停滞、不安なままに春の消費税の崖を迎えることになろう。

 今年の日本の教訓は、ゼロ金利の金融緩和が効きにくい下では、負担増はデフレ促進に極めて強い効果を持つということだ。米国の財政の崖が比較的穏健なものに収まっても、意外なほど消費が低迷する心配がある。R・ライシュさんのように「崖があっても、あとで減税で埋め合わせれば良い」というのは楽観的に思われる。

 欧州危機は小康だが、極端なユーロ安の是正と域内の低成長で、唯一の牽引力であるドイツの輸出は弱まることになろう。危機にならずとも、低迷は深まるのではないか。中国も、底入れは一時的なものに終わって、公共投資を増やし続けることによる成長確保に限界が見えるように思う。東南アジアを除けば、日本は外需に期待すべきではなかろう。

………
 こうした中、日本経済の舵取りをするのは、新生の経済財政諮問会議となる。今度の諮問会議の役割は、マクロ・コントロールらしい。ミクロの成長戦略のような、雑多で、効果不明で、パッケージを決める頃には選挙があって作り直しになるものに、煩わされないのは幸いだと思う。

 伊藤元重先生と高橋進さんの二人の学識者委員には、デフレとは需要の不足なのであるから、政策の方向を示すのではなく、政策によって増減する需要の計量を徹底して行い、それを表に出すようにしてもらいたい。今後、消費が伸び悩むにしても、復興増税や年金支給年齢の引き上げによる悪影響や、10兆円の補正予算といっても需要になる部分が限られることをオープンにしていけば、結局は国民の信頼を得ることにつながる。

 例えば、地方公務員の給与を1.2兆円カットするなら、それを埋め合わせるのに、0.9兆円くらい補正予算の公共事業を増やさなければならないとか、成長戦略によってメガソーラーを更に90か所上積みする必要があるといった議論ができないといけない。政治に対して、需要管理上の意味を遠慮なく示すことが、経済政策を統合することになる。

 日本では、マクロ・コントロールをする上で、社会保障や地方財政の動向把握が十分でなく、税収の意図的な過少見積りも横行している。そのため、負担増の影響が視野になかったり、執行状況が分かずじまいで復興需要が読めなかったり、税の自然増収を還元しないことがブレーキになっていることが認識できなかったりする。まあ、財政当局の情報統制とサボタージュを破るのは容易なことではあるまいがね。
 
(昨日の日経)
 日銀総裁インタビュー。エコポイント実は失策、需要先食いが痛み増幅・大西康之。諮問会議に伊藤氏ら起用。麻生財務相・政府の役割も盛り込む。TPP加入は妥結後。中国勢が東南ア生産拡大。ネット消費が12月1兆円。ABCマート営業益最高。

(今日の日経)
 台湾大手が邦銀買収へ。住宅購入に給付検討。出生100万人割れ目前の日本。財政の壁で輸出1割減も・内閣府。財政の壁・決裂なら大統領案を採決。米市場に不安広がる。
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12/28の日経

2012年12月28日 | 今日の日経
 
(今日の日経)
 日経平均が今年最高値。変動地形学でクロ判定。バラマキ見直しは参院選後。早すぎる円安警戒論。企業の現預金が最高に。シェールガスが資源国を揺さぶる。エリーパワー寿命2倍。建機出荷が中国向け不振。長期金利の上昇は緩やか。経済教室・REIT拡大・久恒新。

※景気重視でバラマキ見直しを先送りするのは正しいが、すべてが2014年に集中することになる。全体を見ないと1997年の二の舞になりかねない。
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12/27の日経

2012年12月27日 | 今日の日経
 
(今日の日経)
 来年度のコンビニ出店最多。習体制・自衛隊をおびき出せ。脱デフレ総力戦。株高・円安観測強まる。麻生財務相・政策経費は71兆円以下に。高校無償化の所得制限は14年度から。有機ELテレビの発売延期。米住宅への投資再開・量的緩和で。高齢者住宅へ参入相次ぐ。セコム・飛行ロボで不審者監視。債券先物の売り強まる。経済教室・日韓関係・真田幸光。

※政治の力とはアジェンダを設定すること。日本の課題は、消費税から脱デフレに変わった。移ろいは早いが、政策経費のゼロ%増は変わらないようだ。
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12/26の日経

2012年12月26日 | 今日の日経
 財政当局は、やはり交付税を使ってきたか。大型の補正予算と言っても、交付税特会に積み上げて、ハイ終わりというのでは、需要に結びつかない。特会から地方に流れたとしても、地方で滞留すれば同じこと。あとは、地方財政の懐具合を見て、本予算で調整すれば、財政出動をしなかったのと同じになる。

 国と地方でカネをやり取りして、形を整えるというのは、いつもの手練手管なのであるが、「官僚に騙されている」と思うのは的外れだ。社会保障を自ら封印し、公共事業だけで大型の補正予算を組もうとする戦略の無理を容赦なく突いてきているだけのこと。本当に景気を回復させたいのなら、小さな政府のイデオロギーを持ち込んで、需要を選り好みするようではいけない。勝ち方に拘っていると、チャンスは逃げるものだ。

(今日の日経)
 安倍政権きょう発足。白物家電がデジタル逆転。安倍氏発言で円安加速。1人当たりGDPで世界14位を維持。地方向け交付税上積み2~3兆円の規模。活断層ドミノで国の支援求める声浮上。東電賠償累計3兆円超に。復興需要・来年ピークが36%、14年以降29%。パワービルダーが経営統合。日銀・国債など買い入れ残高65兆円を達成、13年4月まで20兆、13年末15兆の予定。経済教室・日韓関係・木村幹。
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12/25の日経

2012年12月25日 | 今日の日経
 
(今日の日経)
 高速道補修3兆円捻出、債務完済10年延長。円滑化法の迷走。復興は組織論に終始、足りないのは人材、資材、土地。投機筋は円売り小休止。中国は水増し成長、鉄鋼PMI急落。神鋼はアルミ工場を撤回。太陽電池の変換効率85%の原理確認。無人称は無責任・沢木耕太郎。経済教室・六重苦・経団連の中村芳夫。飲食店店員は褒めて繁盛。

※やはり中国経済は要注意。※筆者も最近気になっていた。ジャーナリストの基本だね。
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アコードの行方と予算編成

2012年12月24日 | 経済
 英語でアコードと言うと、協調する、調和させるという意味である。目標を共有し、為すべきことをお互いに決めることであって、政府が中央銀行に特定の金融政策を命じるというものではない。2%の物価上昇率を目指して、安倍政権が日銀に緩和を求めるのは良いとして、その一方、政府は何をするつもりなのか。いつものごとく、来年度予算を前年並とし、「成長の足を引っ張ります」というのではあるまいね。

………
 1%の物価目標を達成するだけでも、名目3%成長は要る。この時、政府の歳出が3%増えるのだったら、成長に対しては中立だ。前年並でゼロ%増なら、政府が伸びなかった分を、民間が3%以上伸ばして補わないと達成できないことになる。日本では、こんな簡単な理屈も解されず、「デフレは脱したいが、財政は緊縮で」という無理を、誰も疑問視しない。

 国の一般会計は約90兆円だから、その3%は2.7兆円である。この分を「成長戦略」なり、「規制緩和」なりで埋め合わせるという考え方もあろう。しかし、先日も書いたように、たった1兆円確保するのに、新エネなら、100万kwのLNG火発10か所増とか、メガソーラー100か所上乗せとかが必要になる。情報通信産業なら、設備投資の25%増しを達成しなければならない。

 TPPにしても、10年で3兆円の効果とされるから、1年当たりでは3000億円にしかならない。国家公務員の給与カットが3000億円だから、国民が「たったこれだけ」と思うような節約でさえ、貿易自由化のメリットを吹き飛ばす勘定になる。「成長戦略」で需要を埋めようという人は、夢の計画に酔っているのか、緊縮財政をしたいがために理屈を並べているかのどちらかであろう。

 しばしば、「金融緩和は、期待に働きかけるものだ」と言われるが、中央銀行には要求を突きつけても、財政では成長の足を引っ張るつもりの国が、企業経営者の設備投資への期待を変えられるものだろうか。まあ、海外勢は、内実の伴わない経済対策の大きさを読み違えて、よくヤケドをしたりするから、期待をまったく変えられないとまでは言わんがね。

………
 安倍政権は、これから来年度の予算編成を行う。ありがちな方針としては、社会保障費の自然増は容認し、その他の予算は前年同というものだろう。例年、自然増は1兆円と言われるが、来年度は年金支給年齢の引き上げがあるため、7000億円程度と思われる。来年度の成長率が1.5%程度なら、財政当局のいつもの少なめの見積りでも、この程度は、税の自然増収でカバーできよう。結果として、国債発行枠44兆円は守れることになる。

 このところ、「44兆円枠を超えて予算を組む」といった話も流されているが、あまり期待しない方が良い。おそらく、これは、今年度、交付国債という形を取り、一般会計に計上せずに処理した、年金の1/2国庫負担分2.6兆円を組み込むだけのことだろう。そうすると、来年度予算は、形だけは3%増ということになり、名目3%成長を目指す自民党の方針とマッチする。むろん、経済的には、今年度と何も変わらないのだから、実質的に成長の足を引っ張るゼロ%成長予算の出来上がりだ。こういうのにコロリとやられるのだろうね。

 他方で、1月から年間2900億円規模の所得税への復興増税が始まる。これは、低調な冬のボーナスと相まって、しっかりと消費を冷やし、デフレを促進してくれるだろう。そう言えば、本コラムでは、7月に、2011年度の決算剰余金を使って当面の復興増税を避けるべしとの提案をしていたね。さっさと補正予算を組んでいれば、こうはならなかったが、もはや間に合うまい。

 代わりに、これから行う経済対策は、国土強靭化の公共事業を軸にするようだが、今日の日経によると、3000億円のゼロ国債を使うようだ。これは、経済対策と来年度予算に二重計上できるすぐれものであり、経済対策を大きく見せるテクニックである。まあ、1-3月期の低迷の後、4-6月期に公共事業で少し浮揚させ、それでもって、「景気は上向きだから、予定通り消費税」という算段なのだろう。

 所得と消費を増やしそうな自民党の公約は少ないが、一つ挙げれば、幼児教育の無償化がある。必要な財源は約8200億円と言われるが、おそらく、学年進行方式で、5歳、4歳、3歳と、順次、対象を拡大し、3年計画で進めるつもりではないか。そうであれば、少子化で減る学校教育費を回せば、予算を膨らませなくて済む。補正予算で、これを一気にすれば、消費のテコ入れにはなるだろう。

 それにしても、少子化の緩和に決定的に重要な0-2歳児が対象外というのは、残念である。こういう肝心なところが抜けているのは、民主党政権でも同様だった。保育が不足している0-2歳児でなく、足りている3-5歳児に財源を投入するのは、少子化で予算が余るのは、文科省だからなのか。若い女性の切実な声を聞いて欲しいし、少子化を緩和しないことには、国家を保てないことになる。

………
 本当にまともな経済の舵取りをしたければ、税収の見積りから見直すべきである。2011年度実績42.8兆円から、2012年度は1兆円は上回りそうである。2013年度は、3%成長とは言わぬまでも、1.5%以上の成長として、1.5兆円の増収は見込むべきである。そうすると、来年度予算は、今年度予算の税収見積りと比較して、3兆円は歳出を増やさなければならない。これが経済の足を引っ張らない財政運営ということになる。

 民主党には望むべくもなかったが、自民党には、この程度の理屈が分かる知恵者は居るのであろうか。もし、居たとしても、年金の国庫負担分を含めて、歳出を6%も伸ばそうという話だから、周囲から奇異に見られるだろうし、財政破綻を言い立てる新聞や有識者からの批判も浴びよう。そして、「日銀にアコードを押し付けるのだから、それで十分」という声に対する必要まである。結局、脱デフレの障害とは、世間の誤れる常識なのである。

(今日の日経)
 金融庁が自己資本上乗せ要請へ。財源はある・幼児教育無償化8200億円。公共事業の前倒し契約枠を3000億円。ITの先端・ほぼ日。ドラッグストアのよろず屋。景気後退の出口・小竹洋之。経済教室・3分の2の重み、並立制は離党と小党を誘発、再可決の明示を、選挙制度改革が必要・待鳥聡史。振り込め被害最悪315億円。

※待鳥先生の見方には賛成だ。衆は小選挙区295、参は都道府県単位の比例代表260とし、同日選の場合は、重複立候補を許すことにしてはどうか。参の半数130は一票の格差を2倍以内にする最低数である。その場合、定数1が14県、2が19県、3~11が14都道府県になる。各党配分はドント式でいく。衆は2/3が容易になり、参は良くて過半数だ。合同で審議すれば、事実上の一院制になる。 少なくとも、今の2/3を幸運と思って、衆の比例を30減らし、参の選挙区を18増やすことをしておきたい。これで格差は3.5倍程度まで縮む。
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単純な緩和策では足りない現実

2012年12月22日 | 経済
 今日の日経には、若い人が学べる記事が多いね。まずは、「不動産脱デフレ期待・REITは震災前水準回復、関連株6割上昇、実需とのギャップなお」という記事。金融緩和には効果があるが、それは、直接、景気の原動力である設備投資に効くのではなく、資産や為替に効くということだ。そして、他方で緊縮財政をしたら、どうなるかを考えてほしい。

 資産価格が上がり、それが資産家の消費増や建設への投資に結びつけば、実体経済を浮揚させることになる。さらに需要が波及すれば、経済成長もあり得るだろう。しかし、これに緊縮財政を組み合わせると、資産価格が上がっただけになり、実体経済から得られる賃料増の裏打ちがなくなって、最後は「バブル」として崩れることになる。

 筆者が言いたいのは、金融緩和には効果があるからと言って、それだけで景気を良くできると思い込み、需要管理を疎かにしてはならないということだ。しかも、資産効果はあまり大きくない。日銀は、この1年に20兆円は量的緩和を積み増しているが、ぜいたく品の消費が増してきた実感はない。もちろん、量的緩和の額を、所得の増加額と同一視するようなことはできない。

……… 
 それでは、安倍政権では、金融緩和に加え、10兆円の補正予算を組むから、成長加速へと向かうのだろうか。実は、10兆円もの予算を有効需要にしていくのは、技術的に簡単な話ではない。昨日、シノドスで片岡剛士さんが書いているように、当初予算で5兆円の公共事業に、補正で10兆円を追加するなんてことは、供給力が伴わないから、実行不可能である。

 本当に大規模な需要の拡大をしようと思ったら、片岡さんの言うように国民全員に給付金を出すような方法しかない。現実的には、公共事業の追加に、社会保障の充実や保険料の軽減を組み合わせるのが穏当なところだが、タカ派は後者を嫌う。財政当局は、それに付け込み、後で回収できるだろうと踏んで、執行し切れないのを承知で公共事業をムダ積みしたり、需要増とは関係ない年金つなぎ国債の2.6兆円を組み込んで見栄えを良くしたりといった戦術でごまかすことだろう。

 その上、タカ派は、高校無償化の所得制限、生活保護費の圧縮、公務員給与の削減といったデフレ促進策が大好きである。これらは、金融緩和と違って即効性がある。景気対策もやるが、バッシングもやって人気も取りたいなどと考えると、自らの足を撃つことになる。まずはデフレ脱出とし、雇用と所得が上向く中で取り組むことにすれば良い。懐の深さを見せてほしいものだ。 

………
 懐の深さと言えば、安倍総裁は、竹島の日の国家式典や尖閣への公務員常駐という公約をひとまず置いて、中韓との関係改善のために特使を派遣したようである。強硬策をちらつかせつつ交渉するというのは、外交の基本である。まあ、こういう手法には危うさもあるが、強硬策にいきり立ったり、強硬策の先送りを嘆くことはない。観客にも落ち着きが必要だ。筆者は年のせいで鈍感なだけかもしれんが。

 逆に、民主党政権の岡田副総理のように、「中国を刺激してはいけない」など言って、日米軍事演習を一方的に中止させ、中国から何も取れないというのは、いただけない。筆者は、当然、裏で取引していて、中国が軟化を見せるかと期待していたが、何も変化がないところを見ると、ただカードをムダにしただけのようだ。強硬か、融和かという尺度だけでは、外交は測れないのである。

………
 物事には奥深さというものがある。景気には金融緩和を、外交では緊張緩和をというのは、そのとおりである。他方、それだけでは上手く進まないのも現実だ。単純な戦略というのは、正しくもあり、分かり易くもあるが、それだけでは十分に機能しない。かく言う筆者だって、若い頃から失敗を繰り返して、学んできたことなのだよ。

(今日の日経)
 LNG調達最大4割安。中国に特使・高村氏。消費増税の関門・家と車、景気、低所得者。断続的な経済対策指示。日銀・迫られた180度転換。日銀は上限設けず目標まで一定ペースで資産買い入れを・武藤敏郎。中国成長率2年ぶり改善。財政の崖・共和保守派強硬に。スーパー0.5%減。鋼材の価格上昇、アジア需要回復。漁獲枠配分に日本は慎重・吉野浩一郎。公立幼稚園に広がる閉園。高齢者虐待が増加。性犯罪者矯正教育。

※家は増税にならないように、車は減税にならないようにしないと経済を揺らすことになる。※2%目標自体は大したことはない、武藤さんがこういうことを言い出したことは注目。※中国底入れは期待先行だ。※悪い予感がする。大した崖じゃないと、落ちてみて意外に深刻さ分かることにならねば良いが。※吉野さん、漁業浮揚の特集は良い記事だったよ。
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12/21の日経

2012年12月21日 | 今日の日経

(今日の日経)
 日銀の緩和規模100兆円。諮問会議、構造改革へのカギ。中途採用意欲高まる。流入5週で1兆円・海外マネー。補正予算15日、予算案決定1月下旬、予算案の国会提出2月末。暫定予算2か月。東通原発に活断層。海外勢が国債買い越し。経済教室・動かない政治・佐々木毅。

※10兆円補正に対して、日銀は10兆円の国債買い増し。良い反応ではないか。※ロクに需要に結びつかない「構造改革」に熱を上げていたら失敗するよ。※予算案決定から提出までに1か月。電子化の時代に分厚い予算書の印刷に時間をかけるなんて。選挙の遅れで国民に迷惑がかかっているのに、たっぷり2か月も審議するつもりらしい。変わらんね。
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12/20の日経

2012年12月20日 | 今日の日経
 インフレ目標を2%に上げて金融緩和をし、GDPの2%分の財政出動をすると聞けば、海外勢は、景気が上向くと思ってしまう。それなら、昨年11月に、本格的な復興予算として、12.1兆円を組んでいたのだから、今頃、景気が良くなっていてもおかしくない。

 実際は、今回の10兆円の補正予算と言っても、需要増とは関係ない年金つなぎ国債の2.6兆円が入っていたり、剰余金4兆円として、経済から吸い上げていた分を戻すだけだったり、執行に条件をつけて予算はあっても使わせないようにしたりするわけである。

 国内の者は、こういう財政当局お得意のカラクリを知っているから、多くは期待しない。まあ、補正予算はプラスにはなるし、今は踊り場から出ようという局面だから、なんとなく景気が上向いたという形にはなるかもしれない。運が良ければね。

(今日の日経)
 日経平均1万円回復。米で増税前に駆け込み配当。10兆円補正には基礎年金のつなぎ国債2.6兆円も、原則は年度末契約事業に限定。新卒採用数14年春も増。経済教室・財政増やしても雇用増えない・田中直毅。
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