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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

1/31の日経

2013年01月31日 | 今日の日経

(今日の日経)
 米マイナス0.1%成長。1月の消費信頼度指数は1年ぶり低下。円高ドル安に。輸出もマイナス。スマホで途上国の脱貧困、2950円パソコン。イスラエルがシリア空爆。三越が瀋陽から撤退。国債発行は日銀頼み2年5年債厚く。経済教室・所得税広く薄く・佐藤主光。履歴書・渡辺淳一・最終回。

※財政の崖に備えて在庫を減らしていたということかな。増税で消費が鈍れば、それが正しかったとなるね。筆者の経済観は、輸出、財政、住宅が先行、その需要に設備投資が誘導され、さらに消費に波及するというもの。米国の場合、輸出が鈍り、財政が落ち、住宅はバブル後で金利より所得要因に左右される。GSじゃないが、先行きは要注意だよ。※渡辺先生、インポ小説が楽しみですな。
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1/30の日経

2013年01月30日 | 今日の日経

(今日の日経)
 脱デフレ優先・改革遅れ、公共事業を増額、補正含め100兆円、国債金利の想定2.0%から1.8%に。アベノミクスの3A。財政「裏技」を駆使、国債費3700億円節約・栗井康夫。首相が沖縄訪問・那覇空港の工期短縮。償還財源7兆円取り崩し、緊急時に日銀から借り入れ、国債・予想の範囲内。プライマリーバランス1.7兆円改善。世界のマネーが株に回帰。トヨタは一時金で。鉱山機械減速。太陽光施工で人手不足。経済教室・日銀はリスク資産を、政府債務削減の道筋を・北坂真一。

※このくらいの裏技は書かなくてはね。これを頭に入れて経年変化の評価ができたら、本物の経済記者だ。筆者的には基礎年金国庫負担の処理が気になる。※金利が予算の本質を示している。日銀借り入れの枠組の新設は評価したい。※リスク資産購入なら、拡張財政もしないと評価損を作るよ。併せてすれば儲かりもする。戦略とはこういうもの。
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1/28の日経

2013年01月28日 | 今日の日経

(今日の日経)
 情報衛星成功4機体制。一般会計92.6兆円、交付税2000億円減。データサイエンティスト。復興予算6兆円上積み25兆円。地方公務員給与なぜ高い、一般財源は0.2兆円増。生活保護3年で740億円削減、来年は220億円。FRB総資産3兆ドル。経済教室・TPPの恩恵、10年後にGDP2.2%押し上げ、輸出14%増・Pペトリ・Mプラマ。膨らむ復興予算。

※前年度の地財計画の地方税等は36.1兆円だから、政府見通しの名目2.7%なら、少なく見ても1兆円の税収増になる。交付税が2000億円減るくらいは当たり前。※震災被害は全壊換算で26万戸、追加の6兆円は1戸当たり2300万円になる。※復興予算に被災地復興と日本経済の回復を混ぜた結果がこれである。阪神のように分けていれば。
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マクロ政策と雇用の在り方

2013年01月27日 | 経済
 日本総研の湯元健治さんたちが出した「北欧モデル・何が政策イノベーションを生み出すのか」は、非常に示唆に富む本だ。民間シンクタンクのメンバーが政策論を深める成果を世に問うたことに、まずは賛辞を送りたい。今日は、第1章の労働市場に関して、いくつかコメントをしてみたい。

 山田久さんが執筆した第1章の結論は、労働移動を進め、マクロ的な賃金調整を機能させ、それを積極的雇用政策で支えるというものだ。労働力の流動性を高めて成長につなげる考え方は、オーソドックスなものだろう。その中で、興味を引いたのは、金融政策のインフレ・ターゲットがマクロ的な賃金決定に及ぼした影響である。この一番おいしい部分を、もっと掘り下げたら良いと思う。

 スウェーデンの場合、インタゲがあるために、労働側が無理な賃上げを強いてインフレを高めてしまと、金融引き締めの発動によって景気が減速し、結局は雇用条件を悪くすることになる。この見通しが自制につながり、物価や賃金を安定させるというわけだ。また、景気回復期には、組織率の高い労働組合が賃金を引き上げる力を発揮する。では、日本の場合、マクロ政策は、どんな影響をもたらしているのか。

………
 日本のマクロ政策の特徴は、輸出依存のゴー&ストップ運営である。景気が悪いと、金融緩和で円安を誘導し、財政出動も行う。これによって輸出を中心として回復に向かうのだが、早々に緊縮財政へと転じ、内需への波及を断ち切ってしまう。そして、デフレ脱出にもたつくうちに、円高へと局面が変わって牽引力を失い、不況へと逆戻りするというものだ。

 例えば、リーマン・ショック対策を打ったところまでは良かったが、底入れ後、管政権は、前年度より10兆円も少ない財政運営を試みて、景気を失速させ、円高を招いた。昨年の野田政権は、震災復興で消費に勢いがあったのに、国民負担をかけ、補正予算を遅らせて、景気の停滞を招いてしまった。

 これを企業から見ると、不況が酷いと政策は発動されるものの、一息つくと悪化や停滞が見通せるので、設備投資や雇用拡大は最小限にしておこうとなる。できるだけ非正規にして雇用調整を容易にしておくのは言うまでもない。成長に向けて人的投資をしようとも思えないし、不況続きだから、人の確保は容易で、代わりはいくらでもいる。

 安倍政権は、大胆な金融緩和を掲げて、円安局面を作った。しかし、今度の「大型」の補正予算を通しても、2012年度予算は、せいぜい前年度と同じくらいになるに過ぎない。そして、日経が報じるように、2013年度予算は、あとで何もしなければ、大幅な緊縮になるものにセットしている。秋の補正予算で追加するつもりはあろうが、それを当てにして、企業が投資や採用をするわけにはいかない。需要が現れるまで様子見になるのは当然ではないか。

 日本の企業は、資金を溜め込み、海外を除けば投資もしないし、賃金も増やそうとしないと言われる。マクロ経済のゴー&ストップ運営の下では、そうせざるを得ないのだ。これまで打って出た勇気ある者は、軒並み討ち死の憂き目に会って、もはや死に絶えているかもしれない。繰り返される間に構造化してきているのだ。

………
 山田久さんは、スウェーデンは雇用調整が早く賃金調整が遅い、逆に、日本は雇用調整が遅く賃金調整が早いと的確にまとめている。今の若手がこれを見ると、直感的にスウェーデンの方向へ行くべきと思うかもしれないが、日本の在り方が評価されていた時代もあった。残業やボーナスの調整による賃金の伸縮性が短期的な景気変動には対応しやすく、雇用維持が、特に製造業などで、人的蓄積をムダにしない点でメリットがあるとする見方である。

 むろん、こうした「人を大事にする経営」は、日本経済の成長が前提だ。逆に言えば、成長しないことを受け入れ、雇用の在り方を変えるべきなのか、それとも、マクロ経済の運営の方を変え、成長を確保すべきなのかという議論にもなる。どうすれば成長させられるか分からないから、雇用を変えようとは、筆者は考えない。 

 また、山田さんは改革の「先送り」に問題意識を持っているようだが、ある程度の成長がないと、新しい産業を興すことも、不良債権を処理することも難しい。筆者は、不況期には資金や人材が余るから、経済の新陳代謝が行われるとは思わない。むしろ、好況期に盛んになるものだ。さらに言えば、雇用が流動化しなくても、企業が変わっても良いはずで、例えば、いまや東レの繊維比率は1/3であり、化学会社へと変身している。

 積極的雇用政策の言葉は美しいが、今の日本で成果を上げているのは、清掃、警備、介護といった仕事への就職である。産業構造の転換というイメージからは遠い。むろん、待遇が良いとも言えないし、介護、保育、看護といった「成長」産業は、日本がどれほど社会保障費を増やせるかにかかっている。それには成長がなければ、税も保険料も確保できない。

………
 エコノミストには馴染み深い雇用関係の経済指標の遅行もあって、筆者は、雇用の在り方を変えることが成長確保の政策手段になるとは思えないでいる。成長が先にあって、その妨げにならないよう、雇用の在り方を変えて行くものではないのか。少なくとも、労使の賃金調整機能の強化は、緊縮的な財政運営をカバーできるものではないし、財政再建最優先のゴー&ストップの不安定な経済運営を当たり前と思う現状では、成長するものもしないだろう。スウェーデンの試みを、そのまま日本に持って来れない最大の理由は、そこにある。

(昨日の日経)
 新設火力稼動を前倒し。円91円台。アルジェリア方式。スティグリッツがアベノミクスを評価。中国軟化に米の影・高橋哲史。円安・購買力平価で95円。新規国債42.8兆円、税収43.1兆円、政策経費70.4兆円、経済予備費0.9兆円全廃。利払費22.2兆円。公共事業進捗5割。地方公務員給与減7月。ECBに17兆円返済。国内建設受注9.87兆円3.7%増、官公庁2.75兆円17.5%増。外食は製造小売りへ。節度ある取材を申し合わせ。

※税収が低すぎる。減税0.3兆円分を乗せても43.4兆円。2012年決算額と同程度ではないか。2013年度の経済見通しが2.7%成長なら1兆円は上ブレしよう。利払費も過大なままだ。

(今日の日経)
 製造業の温暖化ガス14%減。一般会計92.6兆円。ゲーム1000年枯渇を克服。アジアから米国・秋田浩之。インドネシアとの軍事協力競う。読書・宗教のレトリック。学力向上に退職教員ら7000人派遣。
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1/25の日経

2013年01月25日 | 今日の日経

(今日の日経)
 減税効果年2700億円。物価目標道筋4月に。住宅減税400万円に。厚年基金廃止で一致。富裕層増税15年1月。地方交付税6年ぶり減・公務員給与削減7月から。施設の選別の壁厚く。現代自ウォン高で減速。大和ハウスがアジア販売。超長期債に需要不安、生保料上げで。セメント高水準4300万t。経済教室・料金変動が節電に・依田高典。

※交付税減の理由は、地方税収の増加が見込めるためでは。※セメントは国内生産体制は4000万tだから限界だろう。公共事業の積み増し執行は可能なのか。
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1/24の日経

2013年01月24日 | 今日の日経

(今日の日経)
 2邦人死亡確認・アルジェ。景気判断8か月ぶり上げ。情報共有で米欧に食い込め。エコカー減税恒久化。円高株安進む。発送電分離で攻防。マンション電力15%安く。経済教室・M&A・井上光太郎。私大財務分かりやすく。

※競争力会議は電力に切り込めるかな。
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1/23の日経

2013年01月23日 | 今日の日経

(今日の日経)
 物価目標2%無期限で。財政健全化目標を堅持。基金10兆円増、月13兆円買い入れ。無期限緩和は実態変わらす。雇用目標見送り。日銀予測2%は遠く。企業向け減税先行3000億円。石炭火力を転用バイオマス。10年債0.730%。経済教室・M&A負けからスタート・服部暢達。自殺者・若者は増加、いじめと就活で。

※まあ、金融緩和はされた。で、財政は。郵政株の使途限定のために、実効性に乏しい復興費をやたら積み上げるのかな。※いかに若者にストレスがかかっているのかを示している。
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1/22の日経

2013年01月22日 | 今日の日経

(今日の日経)
 7邦人死亡確認・アルジェ。復興予算3兆円上積み、13年度分だけで4.5兆円。発送伝分離へ子会社化・専門委。藤井聡・社会的ジレンマ。警察のテロ緊急展開班も派遣。経団連・厳正でも賃上げに慎重。設備投資減税1000億円。太陽光30円台後半に。地方給与削減に応じ防災費。産学研究棟10か所。経済教室・最低賃金・鶴光太郎。

※心よりお悔やみ申し上げる。※執行難を考えれば被災地以外で使うのだろうか。地方交付税の防災費とも連動しているように思う。
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1/21の日経

2013年01月21日 | 今日の日経

(今日の日経)
 アルジェ9邦人殺害情報。団塊働く65~69歳の就業率アップ。不動産売買4年ぶり高水準。車取得税に廃止案。企業重視に疑念・平田育夫。経済教室・公共投資より雇用対策を、民間非金融部門は80兆円、GDP比17%の貯蓄、金融機関は当座に30兆円、名目賃金10%近く低下、実質賃金は6%低下・林敏彦・稲田義久。

※今日の経済教室は、カギとなる数字が揃えられているね。処方箋の奨学金償却と公務員増加も面白い。ただ、今度の補正予算は「タガが外れるような超大型」ではなく、現状維持程度に過ぎないことは、昨日、指摘したとおり。情報操作に惑わされる人は多いということだ。
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財政出動の本当の姿

2013年01月20日 | 経済(主なもの)
(昨日の掲載分)
 安倍政権の金融緩和と財政出動には期待が集まっているが、2%のインフレ目標を日銀に呑ませる金融緩和はまだしも、財政出動は、それに値するものだろうか。昨年の2011年度予算は、4次にわたる補正後に107.5兆円となったが、今年度は、補正後でも100.5兆円にとどまる。つまり、昨年度より7兆円も少ない「緊縮予算」になるわけだ。これで景気は良くなるのかね?

 日本の新聞や有識者は、数字を確認するということをしない。だから、事業規模20兆円の経済対策、10.3兆円の支出拡大と言われると、容易に信じてしまう。財政当局が狡猾というより、ナイーブに過ぎるのではないだろうか。外国に居て事情に疎いP・クルーグマンが「結果的に完全に正しい」と囃すのは仕方ないにしても、日本人が同じ反応では情けない。

………
 今回、財政当局は、「過去3番目の予算規模」と説明したらしく、記者たちは、それをそのまま流した。ずいぶん大きな印象を与えるが、昨年度が1番だったのだから、今年度は、それより小さくなったというのが、実像である。むろん、昨年度は、震災復興という特殊事情もあったわけだが、経済というのは、緊縮すれば減速するものであって、事情を分かってくれはしない。

 ちょっと厳し過ぎたかな。正確なところをいうと、昨年度予算の107.5兆円は、復興増税を実現するために水膨れさせたものだったので、多くの不要や繰り越しが出て、決算ベースの数字では、100.7兆円に過ぎなかった。つまり、今年度予算は、昨年度、実際に使った分くらいまでは積み増した程度なのだ。

 もし、安倍政権が金融緩和と財政出動の双方を大胆に行っていると思っていたとしたら、財政当局の印象操作に見事にやられていると言えよう。日本の財政は、大規模な財政出動をしたつもりになっても、前年度並みにとどまるような仕掛けが施されてある。注意を払って、お役所の「言葉」を読めば、金融緩和は「大胆」でも、財政出動は「機動的」とされており、大きくする意味の言葉は避けられている。勘違いする者が愚かなのだ。

 2011年度は、11/21に12.1兆円の本格的復興予算の3次補正を仕上げ、2/8には2.5兆円の4次補正を追加した。それで迎えた2012年度の経済成長の結果がどうだったかといえば、1%程度にとどまる。輸出の不振が足を引っ張った面はあるが、そういうリスクは、来年度にだってある。

 現状は、大胆な金融緩和への期待で円安になっているから、輸出の牽引は望めるものの、他方で、「変化なき財政出動」なのだから、これに期待するのは間違いだ。アインシュタインは、同じことをして別の結果を期待するのは「狂気」と言ったが、くれぐれも「狂気」に取り付かれないようにしたい。もっとも、取り付かれてしまうと、自分が「狂気」にあるとは、思わないものだがね。

………
(今日の掲載分)
 さて、ややテクニカルになるが、今回の補正予算を少し分析してみよう。日本で一番賢い財政当局の官僚どもがどういう技巧を凝らしたか、堪能するのも悪くなかろう。分かってやる人間が居ないことには、工夫した彼らも寂しいだろうからね。

 まず、補正予算を見る際には、どれほど実質的に需要を増やすかを見なければならない。補正予算の規模は10.2兆円もあるわけだが、形ばかりの部分が多い。まず、基礎年金国庫負担の2.6兆円は、2009年度から埋蔵金や交付国債で、毎年、措置されてきたものであり、年金特会に「振り込まれる」だけだから、需要を増やすものではない。また、復興財源の1.1兆円は「ジャンプ」させられ、2013年度予算へ先送りされるだけだから、これも除外する必要がある。

 残りは6.5兆円となるが、税収や剰余金の受け入れは、余計に経済から財政にもたらされたものを戻してやるものであり、成長に本当にプラスになるのは、やはり公債金の5.2兆円程度と見なければならない。経済対策の評価についても、規定経費を減額で振り替える部分の1.7兆円は、使途の変更に過ぎないから、差し引く必要がある。「10.2兆円」は、随分と目減りしてしまうのだ。

 記憶力の良い方は、「10兆円」の経済対策を政治が言い出した際に、基礎年金2.6兆円を内に入れるか、外に出すかの論点があったことを覚えておられるだろう。一応、経済対策では「外」になったのだが、補正予算では「内」になっている。そのカラクリは、財政当局しか知り得ない「規定経費の減額」を立てることで、「内」に収めている。

 おそらく、最初からそのつもりで、わざと論点として作り、「政治に押し切られた」形にして「花」を持たせたのだろう。なかなか憎い演出ではないか。論点にならないようなものを、論点に仕立て、そこに力を注がせて、肝心なところに圧力が及ばないようにする。こういう巧妙さは、よく堪能したいものである。

………
 もう一つ、「建設国債5.2兆円を追加」という演出もまた素晴らしい。与党の国土強靭化に応えつつ、財政膨張の「危ない感」も出している。素人はここまでだが、プロが注目するものは別にある。2011年度決算剰余金の扱いだ。今回、ここから2.0兆円を引っ張ってきたのだが、国債増発を避けるなら、法改正は要るものの、剰余金による国債償還をやめ、更に1.8兆円を抜き出すこともできた。

 また、税収等の上ブレがいかにも少ない。今回の0.3兆円増を見込んでも、前年度の決算額よりまだ少ないからだ。景気は今一つでも、成長はしているし、11月末の租税収入調でも、前年同月比の累計が1.7%上回っているから、今年度予算額から1.2兆円の上ブレがあってもおかしくない。加えて、低金利での推移による国債利払費の減少などで出るはずの不要額の行方が不明だ。前年度は、復興費分を除いても、1.9兆円あったから、かなり見込めると思う。

 以上を踏まえると、国債を大して増発しなくても、補正予算は組めたかもしれない。もし、政権の方針が「国債発行枠44兆円堅持」といったものなら、それなりの補正予算を仕上げることもできただろう。そういう道もありながら、公共事業追加分に合わせる形で、建設国債5.2兆円としたのだから、美しいものである。これもまた味わっておきたい。

………
 今回の補正予算の「実質」は5.2兆円だけであり、それが本当に需要増に転化するかは、更に吟味が必要だ。即効性があるとされる公共事業は、復興事業によって供給が逼迫しており、執行に難が出る可能性があるし、地方への交付金が思惑どおり執行されるかの問題もある。また、経済対策の中身には「基金」や「出資」が多く、そうしたものは、設備投資に結びついて初めて需要になるもので、退蔵されるおそれもある。

 民間調査機関から、今回の経済対策の効果はGDP比で0.6%程度といった試算が出てくるのは、こうした理由がある。内閣府は、相変わらす、ネットでなくグロスで、しかも全部執行されたらという前提で、押し上げ効果はGDPの2%などとするが、これでは、誤った過大な期待を与えてしまう。本来は、経済財政諮問会議において、民間有識者の委員がチェックすべきものであろう。

 誤った期待は、失望へとつながる。金融緩和による円安や株高は、国際的な経済環境によって変転するものだし、実態は現状維持をする程度の財政出動なのだから、誤解は「内需が盛り上がらないのはおかしい」といった批判を生みかねない。諮問会議が正確なところを知らしめ、執行状況を監視することが、結局は安倍政権のためになる。他人様の仕事の金融緩和の監視や、中長期的な財政再建の議論にうつつを抜かすのではなく、需要管理をしなければならない。

 財政当局が「誇大表示」を行うのは、悪意からではなく、見え難くしなければ、政治が放漫をするという不信感があるためだ。政治が経済的な根拠なしに「10兆円」と言い出したとき、現状の需要不足の大きさや前年度予算との連続性から、適切な規模を意見した者はいなかった。かように、日本の財政管理、需要管理は成熟していない。まして、社会保障まで視野に入れ、4月の年金支給年齢引き上げがデフレ要因になると言及するのは、本コラムくらいのものであろう。

 このままでは、またぞろ「財政出動は効果がなかった」という言説が膾炙しかねない。財政当局は嬉しいのかも知れないが、それは政権にとっても、国民にとっても不幸である。こんな不透明な経済運営をしているのは、日本ぐらいではないか。安倍政権は、金融緩和の一本槍であり、野田政権下の緊縮状態からは変わったものの、さして積極的な財政運営はしてない。このことを諮問会議は知らしめるべきである。

………
 安倍首相は、前回、政権を担った当時、日銀が引き締めに転じるのを許したことを後悔しておられるようだが、2006年度予算で4兆円の国債減額という緊縮財政を仕掛けられたことは、意識に上っていないようだ。当時、金融緩和によって円安バブルが発生し、輸出は盛んだったが、これに緊縮財政を組み合わせたために、内需への波及は断ち切られた。その結果が、輸出型大企業の高収益と、賃金の低迷の組み合わせによる「格差批判」の破裂である。

 現状は、それに似たところがある。需要管理が疎かでは、必然的に同じことが起こるのだ。もし、今回のアベノミクスがダメになり、またも参院選に敗北すれば、法改正は難しくなって、景気が今一つでも、来年4月の一気の消費増税が避けられなくなる。まさか、そこまで財政当局は意図してはいまいが、恐るべきことになりかねない。

 先日、「北欧モデル・何が政策イノベーションを生み出すのか」という本を入手した。そこには「経済合理性と透明性」の追求がポイントだと記されている。そして、政策・制度間のリンケージをさせつつ、試行錯誤の努力を続けていくが大切とし、平時の政治への信頼が要であるとする。誠に凡事である。しかし、凡事を貫くことが、今の日本にとっていかに難事であるか、ここまで読まれた方は痛感されるだろう。


※今日のコラムは英訳無用だな。外国人が実態を知って円安株高になったら、かなわんからね。これでも筆者は愛国者だよ。

(昨日の日経)
 再生エネは価格維持へ。進む円安90円台。一般会計93兆円超、税収数千億円増。地方公務員の給与削減分を防災財源に。国富4年連続マイナス、地価株価下落で。生活保護3%削減。中国は労働力減少局面に。ウォン高急加速。出店は郊外から駅前へ。電子部品悪くなる23%。低温排熱で自家発電。樹脂値上げ円安転嫁。

(今日の日経)
 アルジェで邦人志望の情報。研究開発の控除上限30%。社説・人口減が問う中国の成長。かんぽ・日生は保険料上げず。相次ぐ口先介入に落とし穴。米株上昇は緩和頼み。戦う諮問会議・高見浩輔。嫌欧に傾く英の葛藤。
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