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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

緊縮速報・厚生年金は5200億円の緊縮

2024年01月31日 | 経済(主なもの)
 金融政策は、たった0.1%の利上げでも注目されるのに、財政の緊縮度合いは関心の外、とりわけ社会保障ともなると存在すら怪しい。しかし、2024年度の特別会計予算案によれば、今年も厚生年金は5200億円の緊縮だ。具体的には、保険料収入+一般会計・基礎年金受入と保険給付費+基礎年金繰入の差の前年度からの変化を見る。もうこれだけで、一般の人には、何がなんだか分からない。しかも、予算の段階では1300億円の赤字だが、決算の段階になると1.7兆円もの黒字が見込まれる。えーと。これでも、消費の低調は将来不安によるものなのかね。

(図)



(今日までの日経)
 地方での資金需要、急拡大。TSMCがやってきた「新たな夜明け」。社説・結婚や子育ての希望かなえる前提整えよ。値上げ度胸ない店は苦戦。

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緊縮速報・中長期試算の読みがたい税収と今後の目標

2024年01月28日 | 経済(主なもの)
 2024年冬版の中長期の経済財政の試算が公表された。今回の特徴は、2023年度から2024年度にかけての基礎的財政収支の緊縮幅がGDP比2.1%と抑えられていることだ。これは、2024年度に3.2兆円の定額減税などが行われるためである。あとは、例によって、実際の税収が、政府の控えめな見積りより、どれだけ伸びるかで緊縮幅が決まるが、今年は見通すのが難しくなっている。

 2023年度の国の税収は11月分まで出ており、累計の前年比が-7.2%と異様に少ない。名目成長率が高く、大きな減税もないことを踏まえると不自然で、2022年度の税収が多めだったことから、収納年度にズレがあるようだ。そこで、2021年度の税収をベースに、マクロ数字を使って予想すると、税収の上ブレにより、財政収支は、2023年度がGDP比1.0%、2024年度が1.3%、上方にシフトすると見ている。

 これにより、2025年度に基礎的財政収支をゼロにする財政再建の目標は、楽に達成されるわけだが、政府の試算であっても、目標までGDP比-0.2%しかなく、財政支出を物価上昇率より抑制することは難しくないので、目標には届くと思われる。むしろ、論点は、税収の上ブレによって、2024年度限りとされた定額減税を続けても、目標に届くので、2025年度も続けるのか、あるいは、少子化対策などで再分配をするのかになろう。

 いずれにせよ、永らく目標とされてきた基礎的財政収支が達成されると、次に何を目標にするのかが焦点となる。これからも、ひたすら緊縮を進めていくのだろうか。財政は、どんどん健全になって行っても、社会は、少子化が加速して、破綻へと向っている。目標が達成されたとき、財政は、一体、何のためにあるのかという根源的な問いに答を出していかなければならなくなるのである。

(図)



(今日までの日経)
 中国、余る住宅1.5億人分。米IT、終わらぬ人員削減 コロナ下大量採用の反動。米経済、軟着陸軌道に。韓国1.4%成長 25年ぶり日本下回る公算。

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1/25の日経

2024年01月25日 | 今日の日経
 11月の人口動態速報が公表され、出生の11月時点の過去1年間の前年比は-5.4%となった。これだけ減ると、2023年の合計特殊出生率は1.20程だろう。過去最低だった前年をさらに0.06も下回ることになる。2018年の1.42からはつるべ落としの低下だ。1.45だと子世代は親世代の7割だが、1.20だと6割弱となる。10人を7人で支えると43%増しの負担増だが、6人弱だと73%増しと30%も拡大する。この5年の変化は危機的で、1.42に戻すだけでも大きな意味があるのだが、みんな分かっているのかな。

(図)



(今日までの日経)
 日本の輸出先、23年は米国が4年ぶり首位。平均賃金、昨年2.1%増 29年ぶり伸び率 若手に厚く。サウス台頭「旧秩序」突く 「南南輸出」急増。介護危機、打開策はあるか・高野龍昭。

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デフレのノルムとは何だったのか

2024年01月21日 | 経済
 大幅な賃上げは、昨年、突如として始まった。それまで、収益が上がろうと、物価高になろうと、賃上げは鈍かったのに、売上げが伸びたことで実現した。それも、名目だけで、数量では伸びていないにもかかわらずである。正直、驚きだった。売上げが伸びる状況なら、賃上げをしてても労働力を確保して取りに行くのは、経営者としたら当たり前ではあるが、現実を目の当たりにしないと、思い至らなかったわけである。

 名目の売上げが増したのは、消費者が値上げを受け入れてくれたからである。消費増税のときのように、名目を伸ばさず数量を減らすことをしなかった。背景には、コロナ禍で温存されていた所得が充てられたことが挙げられる。可処分所得があれば、実質の消費水準を維持しようとするわけである。裏返せば、アベノミクスでデフレ脱却ができなかったのは、可処分所得を政策的に削り続けたからだった。

 今年の春闘では、昨年を上回る賃上げが予想されている。そうなれば、金融緩和も正常化することになる。異常な金融緩和を続ければ、デフレから脱却できるはずだったのに、強固なノルムに阻まれたことになっているが、ノルムも何も、消費を抑制する政策を取っていれば、物価が上がらないのは当然で、心理を持ち出すまでもない。結局、身も蓋もない現実が見えないと、経済学は心理学になってしまうのである。

(図)



(今日までの日経)
 「正社員の壁」人手不足でも。公的年金、来年度2.7%増 0.4%分目減り。訪日消費、最高の5兆円。観光地の人手不足2割超 バイト時給、一部東京超え。最強・米経済の「心理不況」。中国の若年失業率14.9%。

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1/17の日経

2024年01月17日 | 今日の日経
 11月の輸出数量指数は前月比-6.0で、10,11月の前期比は-2.8だった。輸入の前期比は-3.4と減りが鈍いので、10-12月期のGDPの純輸出はマイナス寄与になりそうである。地域別では、アジアが低調で、EUは更に悪いという状況だ。しょせん、日本経済は輸出次第だが、低調なのに、足下の景気が良いのは、実は珍しい。ところで、この数量指数は、内閣府が季節調整値をオープンにしてくれるようになった。季節調整は、誰でもできるにしても、手間がかかるし、共有できると議論がしやすい。現場の労苦には感謝したい。

(図)



(今日までの日経)
 労働需給の現在地は シニア就労、まだ増やせる。物価上昇の主役交代 企業向け、12月横ばいに鈍化 サービスはじわり高く。「炭鉱のカナリア」欧州警告。ドイツ、マイナス成長。デジタル小作人、貢ぐ5兆円。マンション建築費最高。日本のGDP、4位の公算大。

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「司令塔を作れ」という病

2024年01月14日 | 社会保障
 重大な問題に対処するのに、司令塔を作ることは大切だが、それだけで、司令塔が必要な施策を立案して解決してくれるわけではない。必要な施策を特定し、広く支持を集めることがカギになる。「人口戦略会議」が若者世代への支援推進や人口戦略を扱う司令塔機能を内閣に設置することなどを求めたとの記事を読んで、そう思った。

………
  昨年、岸田政権は、「異次元の少子化対策」の策定に取り組み、3.5兆円分の施策を用意したが、正直、失敗だったと見ている。実施は、これからだから、成否が分かるのは先のことかもしれないが、「これで世の中が変わる」という感覚が表れて来ないままであり、それなしに、若い人の結婚や出産への行動の変容は期待できないからである。

 変わった感がないのは、結婚をしやすくする若者への経済的な支援が乏しいためである。筒井淳也先生が『未婚と少子化』で指摘するように、少子化には総合的かつ持続的な取り組みが必要であり、複数の条件が揃わないと出生は向上しないのに、欠けているものがあるのが現状だ。

 その欠落が若者への支援だが、漠然としていて、必要な施策が特定されておらず、広い支持どころではない。出生率が1.75だった1980年には、厚生年金の保険料は今の半分で、消費税もなく、大学の授業料も半分だった。低所得の若者について、保険料を軽減し、消費税分を還付し、奨学金の半分を免除するとなったら、大仰な感があるだろう。

 まさに、そんな感覚があることが少子化の理由である。若者の経済的な苦境は、30年間のデフレ期に非正規化を通じてジリジリと進んできたもので、欧米のように失業率が高くないゆえに可視化されていない。よく言われる「茹で蛙」状態である。本当の「茹で蛙」は、「茹で蛙」になっていると騒ぐことすらしない。

(図)


………
 長年、少子化対策は財源がネックだとされてきた。ところが、デフレを脱却し、税収増を還元できるようになっても、若者への支援を外し続けている。結局、指令塔は、何を思うのか。若者への支援というと賃上げの促進くらいだったが、実現しつつある。これを目の当たりにしても、デフレ期に結婚を阻害してきた制度を修正する発想には至らないように思う。


(今日までの日経)
 値上げ、小売り潤す 営業益はコロナ後最高。中国、内需不足で「低体温」。円安招く「戻らぬマネー」。新NISA、円安要因に。中国、響かぬ「出産奨励」。社説・人口危機に立ち向かう戦略策定を急げ。サービス価格の硬直性 顕著・上田晃三。「2%」定着へ所得補填強化を・渡辺努。未婚者への支援の必要性・増田幹人。

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1/10の日経

2024年01月10日 | 今日の日経
 11月の統計局CTIマクロは名目で前月比+0.2と順調だった。これで10,11月の平均は前期比+0.9である。もっとも、実質だと横バイというのは相変わらずで、前期比+0.1にとどまる。12月のCPI東京都区部のコアコアは前月比+0.1と緩んできており、それでも消費が順調に伸びるかが注目点になる。そうした中、12月の消費者態度・雇用は前月比+0.6と2か月連続の上昇であった。

 民間提言だけど、人口8000万人で「野心的」ですか。安倍政権の2015年頃、目標は1億人だったから、下がりましたね。若年層の所得向上や非正規雇用の正規化といった雇用改善が最重要項目ですか。かけ声ばかりですね。非正規への育児休業給付、若い低所得者の保険料軽減、雇用者皆保険、一体、いつになったら実現するんでしょう。10年経ったら、目標は6000万人になるのかな。

(図)



(今日までの日経)
 人口減抑制、野心的目標を 「8000万人で成長力」民間提言。少子化対策を検証する(4) 経済的支援の効果は限定的。

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異次元緩和の暫定評価

2024年01月07日 | 経済
 元旦に大地震とは辛い。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げる。
 この年明けは、思わぬ形で円安になったが、2024年は、円高基調の中で、どう経済を舵取りするかが焦点になるだろう。年末年始に、西野智彦さんの『ドキュメント異次元緩和-10年間の全記録』著を読み、いつもながらの綿密な取材による濃厚な筆致に感服しつつ、あれこれと考えることが多かった。

……… 
 『全記録』でうかがえるのは、黒田総裁は、やはり信念の人だったということで、状況に応じて実利を得ようとするリアリストではなかったことだ。官僚らしさは、部下に任せるマネジメントやデマケへの感覚に表れていて、それらは政策を形成する重要なファクターともなっている。2022年からの円安局面において、首をかしげるような拘りは、「財務省の仕事」だったわけである。

 『全記録』はドキュメントとは言え、何を書くかで価値観は出るので、巻末に「暫定評価」が置かれたのは良かった。その中で、通貨安への誘導を素直に功績としている点は、まったく同感だが、膨張したバランスシートを罪とし、構造改革と財政健全化が不可欠とする点は、議論があろう。異次元緩和の当初は危惧を抱いていたが、終わってみると、金融政策を制約するにせよ、財政リスクの軽減には資するようにも思える。

 いずれにしても、金融政策を財政と切り離して評価することは難しい。そこは、『全記録』で、リフレ派が金融政策だけでデフレ脱却ができると豪語した主張を変えていったところに端無くも描かれている。それが消費増税を悪者にするだけでは済まないのは、リフレ派に限らず、当時のほとんどのエコノミストは、緊縮の打撃度も、輸出の浮揚力も、正しく計量ができていなかったところもある。

 そして、古くから「ヒモでは押せない」との経験が語られているのに、金融政策の信奉者が絶えないのはなぜなのか。論理があまりに美しく、効果がゼロでないだけで、魅了されるからだろうか。少なくとも、裏に実利を隠して、標榜するだけのものでないことは確かである。愚者ですら経験に学ぶというのに、やはり、ケインズが語るように、恐るべきは思想というべきであろうか。

(図)


………
 1/5公表の12月の消費者態度は前月比+1.1と、秋の低下を取り戻し、夏のピークに帰った。物価の落ち着きからか、暮らし向きが改善している。12月の百貨店の売上は、インバウンドもあって好調だったようだ。円安でも、モノの輸出は停滞しているが、サービス輸出にはプラスに働いている。米国の金利低下も一服して、円安に進み、これなら、金融政策の「正常化」も順調に進められそうだ。


(今日までの日経)
 能登地震、死者126人。東京都、「私立中10万円助成」拡大 所得制限を撤廃。半導体、4~6月に需要好転へ AIやEVけん引。職探すシニア 10年で2.2倍。日航機と海保機、羽田で衝突し炎上。石川・能登で震度7 死者57人 広範囲で津波。ドイツに迫る「日本化」。


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1/3の日経

2024年01月03日 | 今日の日経
 11月の商業動態・小売業は前月比+1.1と、前月の低下の6割を取り戻し、なんとか増加トレンドを保った形である。11月のCPIの財は、石油製品の低下もあり、前月比で-0.4と久々に下がり、実質の小売業の押し上げはしたが、まだ底ばいといったところだ。着実に売上げが伸びていけるかが、今年の賃金や物価を占うポイントになる。続く12月の消費者態度は、1/5の公表である。

 今年も、日経は改革志向だね。それなりに上手く行っていた昭和の成長を改革したことでデフレ期が始まったのを分かってない。景気が上向いたところで、緊縮で売上げを抑制していたら、普通のイノベーターは生き残れない。景気対策を急に減らさない、税収増を適度に還元するというマクロ政策上の課題に、それなりに答を出した岸田政権の評判は、人心のつかみが下手でガタ落ちだ。日本はね、イソップの「りっぱなつののしか」なんだよ。

(図)



(今日までの日経)
 昭和99年 ニッポン反転(1)解き放て。停滞打開へ、失敗と教訓。イオン、パート7%賃上げ。18歳新成人、最少106万人。
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