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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

7/31の日経

2014年07月31日 | 今日の日経
 昨日の鉱工業生産は、ひどかったね。日経も「予想以上」とするしかなかったようだ。減産をしたのに、それ以上に出荷が減り、在庫が急増しているのだから、各社とも「想定外」に見舞われていたことになる。「想定内ですか?」という主観的なアンケート調査が当てにならないことがよく分かっただろう。

 今日の日経に、4-6月期の民間推計も出ていたが、-7%で済んでいるのは、輸入減と在庫増がかなり大きいためだ。それらがなかったら、軽く2桁のマイナス成長で、かなり重症だよ。7-9月期の民間予想は強気に見える。実質賃金の低下からずと、反動減からの戻しの余地は、あまりないように思う。今日は毎勤も出るし、この辺は、また週末に。

(今日の日経)
 VWが世界首位射程。米、年率4%成長、住宅・賃金に不安。水産・早い者勝ちと決別。企業の電気代2割増。鉱工業生産6月3.3%低下、民間推計4-6月GDP7.1%減、増税後の「谷」予想以上。配偶者控除は高所得ほど恩恵・財務省調査。経済教室・ロボ兵器規制・岩本誠吾。

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消費は「鍋底」ではない

2014年07月30日 | 経済
 シュールレアリズムで有名な画家のルネ・マグリットに、リンゴを大きく描いておきながら、「これはリンゴではない」というタイトルを付け、違和感を誘う作品があるが、今日の日経が「鍋底型」の消費支出の図を掲げて、「消費回復 緩やか」という見出しを付けているのには、シュールなものを感じたよ。

 図は、日経と同じく、昨日公表の家計調査における、二人以上世帯の季節調整済指数の消費支出(除く住居等)である。鍋の縁のように急落し、平らな底をはう形だから、昔は「鍋底型」と言ったものだ。確かに「緩い回復」はウソではないが、この調子では、駆け込み前の2月に戻るだけで10か月もかかる。

 筆者のざっと見た感じだと、4-6月期の消費は、前期の伸びの倍を超える落ち込みになり、駆け込みの「貯金」を使い果たして底を割ることになるのではないか。4-6月期の経済成長は、年率で-9%にもなるかもしれない。なお、日経は「雇用改善が下支え」だが、6月の労働力調査の季節調整値の就業者数の伸びはゼロであった。



(今日の日経)
 空き家率最高の13.5%。みずほ4割減益。ホンダ最高益。最低賃金16円上げ、生活保護との逆転解消へ。消費回復 緩やか。景気は夏以降に上向く。大機・どこへ行く経済白書・横風。経済教室・多数者の専制・石川健治。
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7/29の日経+追記

2014年07月29日 | 今日の日経
 「中長期試算」の分析はいかがだったかな。実は、論考に書いていない部分にかなり時間を使った。それは、いわば、内閣府がどのように税収を試算しているかの「リバース・エンジリアニング」だ。本当は、それを公開してほしいのだけどね。ほとんどの人は、チンプンカンプンだろうけど、筆者の想定も記しておくよ。

………
 まず、今夏と冬の試算の税収を比較し、2015~17年度の税収の上ブレが各々0.2、0.3、0.5兆円にとどまることを確かめ、この間に出てきた情報である2013年度の税収上ブレ1.6兆円に比して小さいことから、ベースを上げていないだろうと判断した。

 次に、2015~17年度の税収に関しては、消費増税について、1%で2.7兆円の増収となり、うち69%が国の税収として一般会計に計上されるとの前提で、3%増税分は、2013年度に4.5兆円増、2014年度に残り1.1兆円増を計上した。2%増税分は、2014年度の増収は、2013年度の前例である「4.5兆円」の2/3の税率で半年分だから1.5兆円と計上し、2015年度は残り2.2兆円とした。増収は2016年度まで遅れる可能性が高いが、便宜的に0と設定した。

 すると、成長に伴う、2015~17年度の税収の自然増は、「中長期試算」の前年度からの税収増から前記の消費増税分を差し引き、3.0、2.9、2.1兆円となった。前の2年間が高めであるが、リーマン前の名目GDP513兆円を超えるまでは、高めの税収増があると考えれば、頷けなくもない。ちなみに、2012から13年度の決算間の自然増収は3.1兆円だった。

………
 「中長期試算」の肝は、足元の自然増収などの影響で、どの程度、上方へシフトするかである。筆者は、国と地方の税収上ブレの2.5兆円分をシフトさせたわけだが、それがいくらになるかは見解が分かれるところだろう。 

 しかし、大事なのは、参考ケースの実質1.3%を超える経済成長率なら、かなり先になるかもしれないが、いつかは必ず基礎収支の赤字がゼロになるということである。国債が発散しないことを示し、信用を守るには、増税で早く収支を改善することでなく、成長を落とさないことが決定的に重要だ。消費増税というのは、赤字ゼロの時期をどれだけ早めるかという意味しかない。

 「中長期試算」を見て、財政当局が示唆するままに、2020年までに更に消費税を4%上げるしかないと思考を狭めてはいけない。「中長期試算」が示している本当の意味を、与えられたものでなく、自分で読み解くだけのリテラシーが求められるのだ。

(今日の日経)
 高利回り投資過熱、緩和マネー流入。海外ツアーまた値上げ。円ドル取引半減。家電6週ぶりプラス。経済教室・地方議会・砂原庸介。

※昨日の「日銀に輸出と投資の分離論」が良かったね。ペントアップはあるのか。
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財政の中長期試算のごまかし

2014年07月27日 | 経済(主なもの)
 この国の経済財政の運営は、これが基礎になるわけかい。企業の場合、事業計画は、足元の数字を固めた上で、現勢なら目標をいつまでに達成できるか確かめる。これは基本中の基本だろう。足元がいいかげんで、黒字化の時期が不明という計画書を持って来ようものなら、そんな事業部長は無能の烙印を押される。7/25公表の「中長期の経済財政に関する試算」は、これに類するものとしか思えなかった。

………
 本コラムは、「中長期試算」について、これまでも、かなり厳しい評価をしてきた。それは、経済財政を運営する上で、極めて基礎的かつ最重要の資料であり、その改善が日本経済の復活に必須と考えるからである。まあ、「愛の鞭」だね。そのせいか、今回は、一点だけ改善がなされている。それは、係数表に(注1)が追加されたことで、「国の一般会計の姿のうち、2013年度は決算に、2014年度は当初予算による」とある。

 昨夏の「中長期試算」では、この部分の税収が前年度より少なくなっていて、いかにも不自然であることを指摘した。前年度の税収上ブレを反映してないことが見えみえだったため、産経論説の田村秀男さんに突っ込まれる次第となった。今夏は、消費税の4.5兆円もの増収があるため、前年度より少ないという無様な形にはならず、素人目には分からないものの、不整合を質されないよう、予め「言い訳」を用意しておいたのだろう。

 しかし、「当初予算で決められたものだから、それをベースにするしかありません」みたいなことを聞かされても、実態として、前年度の国の税収が1.6兆円も上ブレし、ベースが上がっていることは確実なのに、それを反映しない中長期の見通しを示されて、どう判断せよというのか。加えて、地方の税収も、7/13に指摘したとおり、1.1兆円程度の上ブレになっているはずで、実態との乖離は相当にある。

 仕方がないので、ノーチェックの諮問会議になり代わり、2014年度以降について、税収上ブレの2.7兆円分、GDP比で0.54だけシフトさせた黄線を加えた図を作成した。こうすると、3%の消費増税がある2014年度の収支改善よりも2015年度の改善が大きいために生じる「不自然な線の折れ曲がり」も直ることが分かるだろう。そして、ついでに、2025年度までの2年分を、直前のトレンドで伸ばしておいた。さて、そうすると、驚くべきことが分かる。

(図)


………
 今回の「中長期試算」が公表された際の各紙の反応は、「2015年度の基礎的財政収支の赤字半減の目標は達成できそうだが、2020年度の赤字ゼロの目標には程遠い」というものだった。むろん、「その達成には更なる消費増税が必要ですよ」という財政当局の思惑に乗せられているわけである。「中長期試算」は、経済財政の戦略を考える資料ではなく、増税の目論見を正当化する単なる宣伝材料にされている。

 ところが、実態に即した図が示すのは、基礎的財政収支の赤字ゼロは、何もしなくても、2025年度には達成できるという予測である。それなら、どうして2020年度に固執し、増税による成長の失速という危険を犯して、更なる消費増税を敢行しなければならないのか。おそらく、誰も、5年早める必要性を見つけられないだろう。

 そもそも、基礎的財政収支の赤字は、リーマン・ショック前の2007年度には、GDP比で-1.0%程しかなかった。つまり、特別の改革をせずとも、経済を回復させるだけで、そこまでは戻せるということだ。あとは、毎年1兆円の社会保障費の自然増に合わせ、景気を壊さぬよう、2年に1%の緩やかなペースで消費税を上げて行けば良いだけだった。

 それを、根拠不明の「2015年度に赤字半減」という急進的な目標を立て、一気の消費増税を余儀なくし、成長を危険にさらす一方、代わりに成長を高めると称して、管政権の法人減税で1.2兆円もの税収の穴を開け、安倍政権の2年分の企業減税で0.9兆円も落とし、財政再建の道を複雑なものにした。収支改善カーブの緩急を成長に適合させるよう考えるという、まともな中長期の展望を持たず、消費税を上げることばかり考えるからこうなる。

………
 残念ながら、目下の消費増税後の実質賃金の落ち込みぶりでは、とても今年度の政府見通しの1.2%成長は難しく、アベノミクスによる「経済再生ケース」は成らないだろう。本コラムが提言していたように、1%、2%、2%の緩い刻みで消費税を上げていれば、何ということはなかった。それで2025年度に赤字ゼロへ到達することが変わるわけでもない。むしろ、急進的な消費増税こそが成長を失速させ、財政再建のメドを失わせる。

 それもこれも、足元を最新の数字で正し、その延長線上で、いつ頃、目標に至るかを考えるという、計画作りのイロハを怠ってきたからである。まっとうな事業計画も作れないのに、「とにかく早い黒字化を」とわめき、売れ行き低下も考えず「値上げすればいい」とうそぶく、そんな事業部長に、日本は、大事な経済財政の運営を委ねている。その程度の物言いには乗せられないくらいの見識は、身に付けておきたいものである。


(昨日の日経)
 カジノ20年度までに3か所。人手不足が業績圧迫。木材大国への道。エルニーニョどこに。中長期試算の成長率2%に民間は「強すぎる想定」。消費税10%判断12月上旬。事業税の上乗せ撤廃で地方に衝撃。英経済「リーマン前」超す。

※成長のためなら何でもやるのかね。※だから設備投資がなされる。※内閣府の「消費税率引上げ後の消費動向等について」の7月平均は今週になっても6月を下回ったまま。エルさんは消費不振の犯人にされなくて良かったね。

(今日の日経)
 ミャンマー小売自由化。増税後の地方景気・6月下旬から失速「まずいんじゃないか」。中国式民活は台湾に習わず。読書・ローマ帝国の崩壊、納得の老後、日本の雇用と中高年。

※サイフが寂しいことに後で気づいて、消費は冷え始める。ラグを知らずに、天気のせいにしてはいかんよ。増えたボーナスは駆け込みの払いに消えたのかな。
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7/23の日経

2014年07月23日 | 今日の日経
 今日の日経は、若干の下方修正がなされた政府経済見通しについて、「政府予測は消費回復に強気、今年度0.3%増、民間はマイナス」としている。5月の家計調査の実質実収入は、前年度平均より3.9%も低いし、5月の雇用者報酬の前年比は-1.9%である。それなのに消費がプラスになるというのだから、どういうメカニズムなのかね。民間の-0.64だって厳しかろう。

 いつも思うのだが、夏の政府見通しは、4-6月期GDPが出た後の8月中旬にすべきではないか。四半期ごとの経路の数字も示すべきだし、政策目標的な要素は分けるべきだと思う。もっとも、今年に限っては、急落が必至の4-6月期GDPの後では、とても出せまい。足元の数字は下記のような具合だしね。

(今日の日経)
 教育贈与の非課税を延長。6月スーパー売上高2.8%減、落ち込み幅広がる。コンビニ1.9%減。電子部品の受注が鈍化。パソコン出荷14%減、XP一巡。6月粗鋼生産1.8%減。紙・板紙6月1.1%減。ガラス値上げ、出荷減もフル生産。経済教室・供給能力の天井・柳川範之。

※ガラスのようになると、普通は設備増・人員増となるのだが、見通しが悪いとね。
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7/22の日経

2014年07月22日 | 今日の日経
 稲田先生のモデルでは、4-6月期のGDPは-6.9%か。1997年の前回増税時の-3.7%を下回り、大震災時の-6.9%に匹敵するとの予想だ。バークレイズの-7.3%という予測もあるし、ESPフォーキャストの市場コンセンサスからは大きく下ブレしそうだ。1-3月期の成長率+6.7%を吐き出すかが一つの目安だね。

(今日の日経)
 預金保険料を2000億円下げ。パートバイト不足7割。社会保障抑制へ数値目標。無人効率化に世界の知恵。アサリ成長の早さ1.5倍に。論文抄録を無料検索。経済教室・増税後の消費減大きく・稲田善久。
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景気はL字に、民需総崩れ

2014年07月20日 | 経済
 7/17に政府の月例経済報告があって、6か月ぶりの基調判断の上方修正となった。古傷をえぐるようで悪いが、1998年度の経済見通しを思い出したよ。消費増税から9か月たち、民需が総崩れになる中で、翌年の実質成長率の見通しは1.9%。結局、1年後には-2.2%へと改めざるを得ないはめとなった。

 基調判断は、消費総合指数が5月にバウンドしたことを根拠にしているようだが、筆者には「急落では死んだ猫さえ弾む」ようにしか見えない。各種指標がいかに深刻かは、三菱UFJの片岡剛士さんの7/17「L字型を示唆する消費税増税後の回復過程」をご覧いたたければと思う。今日のタイトルは、ここからいただいた。

………
 その消費総合指数だが、これは家計調査などの需要側の統計に、販売統計など供給側の統計を総合して作られる。5月は販売側が良好だったので、前月に続き低下した家計調査よりもマシな結果となっている。家計調査は、二人以上の世帯であり、多少のゆとりがあるせいか、駆け込みと反動が強く出ているようだ。そのあたりは、家計消費状況調査の動きからもうかがえる。

 したがって、家計調査には、まだ戻す余地があると考えられるのだが、政府が頼る消費総合指数はどうか。5月の消費総合指数の106.4というのは、駆け込み前の2月の108.9と比べて2.5ポイント低い。実は、家計調査の実質実収入の2月と5月の差-2.7とほぼ同じなのである。つまり、消費総合指数は、既に、増税による実質的な収入の低下を差し引いたくらいのレベルには達しており、戻す余地は少ないということである。

 6月の消費については、今月末の家計調査などの発表を待たねばならないが、消費総合指数は横ばい程度になる可能性が高い。内閣府の「消費税率引上げ後の消費動向等について」を見ても、5月より6月が良くなったという感じはなく、7月は更に悪い。そこで、6月が横ばいと仮定すると、4-6月期の平均は、前期より-5.2も少ない105.9にとどまる。

(図)


………
 消費総合指数は、GDPの家計消費と同様の算出方式とされ、これを予想するのによく用いられる。これが-5.2となると、消費はGDPの概ね6割なので、GDPを3%も引き下げてしまう。年率にすれば-12%だ。その一方、在庫増や輸入減がGDPを押し上げることは確実だが、消費の落ち込みはあまりに大きく、年率2ケタのマイナス成長への転落さえなくはない。そんな恐るべき状況である。

 片岡さんは「7月ESPフォーキャスト調査の予測値総平均4.9%減を超える実質GDP成長率の落ち込みが生じる可能性が高まっている」としているが、それは、こうした状況にあるからだろう。万一、本当にそうなると、「想定外」は誰の目にも明らかで、景気に対する見方が一変することが考えられる。それは1997年にも起こったことである。

 おっと、先走りが過ぎたようだ。取り越し苦労をしても仕方がない。半月ばかり静かに答を待つとしよう。今回の片岡さんの論考は、先行きを考える上で大いに役立ったが、最も興味深かったのは、雇用者報酬の動きである。1997年5月は、前年比が名目で3%、実質でも1%あったのに対し、今年5月は、実質が-1.9である。これだけのギャップを埋めるのは絶望的にさえ思える。

 今週の日経ビジネスは、今更ながら「消費回復、ベア効果は期待はずれ」としているが、実質賃金がプラスになるためには、円安に伴う物価上昇で1%、消費増税で2%の計3%が必要だったのであり、今年の賃上げで、それが実現できない高さであることは、消費増税を決めた頃から分かり切っていた。マイナス成長を避けるには、増税幅の圧縮しか道はなかったのである。

(昨日の日経)
 人民元決済が世界で拡大。設備投資の減税1.4兆円申請。米・有望企業に先端研究。百貨店売上高4.6%減、7月上旬も6%減で推移。バイト時給前年比0.8%高、時給上昇に天井感。

(今日の日経)
 待機児童1年で1割減、17年度ゼロは遠く。理論も導く「日中冷和」。

※訂正(7/22) 旧-5.7→新-5.2
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経済の長期停滞説を考える

2014年07月16日 | 経済
 3回にわたった経済教室の「長期停滞」シリーズだが、さすが岡崎哲二先生の論考は読ませるね。日米の過去100年の投資率と実質金利のグラフは、示唆に富むよ。掲載用に縮小した図では分かりにくいが、日本は今でも米国より投資率が高かったりする。それなのに米国より低成長なのは、なぜなのかな。

 長期停滞が疑問に思えるのは、「投資は金利に従ってなされる」、「金利は低いのに投資がなされないのはなぜか」というパラダイムによるものだ。筆者は、「設備投資は金利より需要リスクに強く影響される」という考え方なので、ある意味、疑問が生じない。本当の問題は、パラダイムに潜んでいるというのは、ままあることだ。

 もし、消費増税がなかったら、賃金増→消費増となっていて、人手不足と需要増の見通しが設備投資を強く刺激していただろう。それは企業を儲けさせることにもなる。これが更なる賃金増と消費増へと転がれば、長期停滞とはサヨナラだ。他方、金融緩和に消費増税を組み合わせると、投資は、実物や国内ではなく、資産だの海外だのに行ってしまう。

 そうなると、当然、物価は加速しないし、低金利も持続する。文脈は異なるのかもしれないが、岡崎先生の「消費増を軸に突破を」というのは、的を射ていると思う。そして、現実には、消費増「税」を軸にしているのだから、終わりの見えぬ長期停滞というコナンドラムは、エリートの首を捻らせつつ、庶民の首を絞め続けることになるだろう。

(今日の日経)
 水素ステーション100か所。レセプトにご当地ルール。建設費21年ぶり高騰。少子化で非常事態宣言。賃上げの波が中小にも、前年比1.1%、飲食1.8%。対中投資は上期半減。工作機械国内受注27.1%増。経済教室・長期停滞・岡崎哲二。子供の貧困率が最悪・国民生活基礎調査。

※21年ぶりでも2009年頃と大差ない。※中小はこんなもの。人手不足の飲食ですら。※貧困も非常事態。少子化も当然だよ。
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消費税1%分の税収上ブレ

2014年07月13日 | 経済(主なもの)
 7/12の日経によれば、景気回復で米国の財政赤字は急速に縮小しているようだ。高い法人税率、富裕層への増税、モデレートな歳出削減の成果である。こうした「成功」があると、それは「正しい」政策とされていく。対照的に、日本が試みる、法人減税と過激な緊縮財政という一つ前のモデルの失敗が反面教師ともなって、実に説得的になるだろう。

 戦前の日本は、植民地の争奪に遅れて乗り出し、これに取り憑かれて損得を見失い、国家存亡の淵に立たされた。足元では、国・地方とも、税収が大きく上ブレする結果となったが、こうなるのは、消費増税を決める前から分かっていた。勘定に従っての修正ができず、主義に殉じがちな体質は、今も脈々たるものである。

………
 2013年度の国の税収は、補正予算から1.6兆円上ブレした。復興法人税の上ブレも加えると1.7兆円になる。地方の税収は、7/11に公表された「地方税収入決算見込額」を分析すると、0.9兆円の上ブレである(地方税+法人譲与税の地財計画からの差)。つまり、合わせて消費税1%相当の上ブレがあったということだ。きちんと見積もっておけば、消費増税を2%に圧縮していても、財政赤字は変わらなかったことになる。裏返せば、消費増税1%分の「予定外」のデフレ圧力が財政から経済にかかっているわけである。

 2013年度の地方税の上ブレについては、本コラムでは12/29に0.85兆円としていたから、予想通りの結果である。ただし、詳細を言うと、個人関係が予想を上回り、法人関係が下回るという中身だった。2014年度の地方税の上ブレについては、同様の手法を用いて再計算したところ、地財計画を1.1兆円上回り、38.3兆円になるという予想となった。

 再計算の概略は、2013年度決算見込みをベースに、個人関係を6.7%伸ばし、法人関係を7.5%伸ばしたものである。後者の伸びは、2013年度の法人税のそれを使ったが、個人関係は所得税の伸びをそのまま使わず、特殊要因を除くよう調整した数字とした。12/29の予想より0.6兆円少ないのは、法人税の伸びが7.5%にとどまったことが主因である。

 なお、7/12の日経は「14年度は37.3兆円を見込む」とあるが、これは総務省の今回の公表内容に含まれないもので、予算編成時の地財計画そのままの数字である。いわば、ベースが上がっている情報の中に、古いベースの情報を混ぜる形で報じていて、誤解してしまう。こういう書き方は、デスクでよくチェックして直してほしいところだ。

 どうも日経は、税収増をもって、法人事業税を下げたいようだが、地方税収が増すと、地方税の不足を補っている国の負担が減らされることになるので、地方財政が必ずしも潤沢になるわけではなく、法人事業税を軽くできることに直結しない。地方税収の増加は、国の「歳出削減」につながるものだと捉える方が適当だ。すなわち、自然体でいるだけで、米国のような形になるわけである。

………
 さて、今週は、各種指標が相次いだので、備忘のつもりで、日々、コメントをつけておいた。いずれも、先行きを不安にさせるような内容である。内閣府の「消費税率引上げ後の消費動向等について」の7月第1週の結果は、飲食料品、家電とも、5月より悪かった6月の平均さえ下回るありさまだ。天気が悪いせいであり、消費増税は関係がないのかもしれないが、いつから、日本経済はお天気次第になったのかと思う。

(昨日の日経)
 米携帯4位買収。2013年度の地方税収は1.2兆円増、2014年度は更に0.6兆円多い37.3兆円を見込む。中国家電にブレーキ、テレビ減、住宅低迷で飽和感、人件費高騰。

(今日の日経)
 子どもNISA創設。
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7/11の日経

2014年07月11日 | 今日の日経
 日経の記事に「想定外」が登場したね。外と内に分かれた家計調査と販売統計も前月比でみれば、それほど違うわけでもない。設備投資の年度末の盛上りは一時的かもしれないと、筆者は見ていたし、輸出の伸び悩みを予想していた人は多数派ではないにしても、結構いた。意外だったのは、昨日公表の消費者態度の「雇用」が良かったこと。「収入」はボーナス増が言われる割に、こんなものかという感じだ。6月の家計調査は少し戻してくれそうだ。

 景気全般については、鈴木淑夫先生が「楽観許さぬ本年度の経済成長」をHPにアップしているので、参考にしてほしい。筆者も、まったく同感で、消費を叩き落としておいて、設備投資と輸出が伸び悩んだら、どうやって成長を確保するつもりなのか、危ぶんでおるよ。日銀短観の設備投資計画も必ずしも良くなく、大企業と中小企業の差が問題だ。法人減税と消費増税を組み合わせると、こうなるのかと思うね。

(今日の日経)
 投信残高が最高に。回復景気指標に強弱、想定外と想定内。生存者リスト、対象拡大を要求へ。マイナス金利が日本に波及。協会けんぽの黒字減。国民年金納付の実態は40%。合板減産広がる。H型鋼の在庫は減産も高水準。経済教室・社会事業に投資マネー・原田勝広。

※「誤報」と否定されて、なお続報とは見上げたもの。※ソーシャル・インパクト・ボンドというのはおもしろいアイデアだね。
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