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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

11/30の日経

2022年11月30日 | 今日の日経
 10月の商業動態・小売業は、前月比+0.2にとどまった。値上げ前の駆込みの反動があったかもしれないが、CPIの財で除すと-0.7になってしまう。名目はともかく、実質では沈滞している。労働力調査は、失業率が2.6%と変わらず、就業者数が前月比-7万人となり、横ばい状態が続いている。新規求人倍率は前月比+0.06ではあるものの、コロナ禍前の水準をなかなか詰められずにいる。景気は足踏み状態である。

(図)



(今日までの日経)
 企業「インフレ手当」相次ぐ。CO2削減へ企業に課金。首相「防衛費2%、27年度」。円、一時137円台半ば 3カ月ぶり高値。

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呪われた未来は、君達がその手で

2022年11月27日 | 社会保障
 9月の人口動態速報は、出生が前年同月比-3.9%となり、これで、1-9月期の前年同期比は-4.9%となった。合計特殊出生率なら1.27人くらいになる水準で、過去最低の1.26の一歩手前まできた。本当にマズいよ、これは。次回の公的年金の財政見通しでは、人口推計の出生率が下がって、所得代替率が50%を割る可能性が高い。加入期間を40年から45年に延ばして、税も投入しつつ、負担と給付を増やそうという話が出てくるのもそのためだ。

………
 合計特殊出生率は、2015年に1.45人まで回復してから、ズルズルと後退して、コロナ禍を経た2021年には1.30まで下がり、今年は、過去最低の瀬戸際だ。少子化対策をしっかりやり、出生率を下げていなければ、財政を追加で年金に投入する必要がなかったものを、戦略なしに進めて、完全に後手に回り、結局は、後始末という形で財政を使わざるを得ないところに追い込まれてしまった。

 加入期間の延長も悪くないが、期間が12.5%伸びるから、代替率も同じくらい上がるだけのことで、年金財政の収入と支出の規模に大した変わりはない。代替率を上げるなら、2019年の財政検証でオプションAとして示された1050万人の適用拡大を推したい。もっとも、負担の重い低所得層に広く適用拡大するのが困難だからこそ、加入期間延長のオプションBを滲ませているのだろうけどね。

 それなら、低所得層の負担を軽減しつつ、オプションAを採ったらどうか。標準報酬表の第4等級までは半額を補助し、第5~第10で漸減させてゼロにする。これに必要な財源は、健康保険も含め、およそ1.1兆円だ。これで適用拡大が実現すれば、安いものだろう。だって、国の税収は、この2年で9.3兆円も増えているし、少子化対策にわずかしか割かない補正予算は28兆円もあるのだから、やろうと思えばできるんだよ。

 だけどやらない。低所得層への再分配なんて、及びもつかない未来だからだ。成長戦略に巨額の予算を割き、設備投資を促進したところで、再分配で消費を安定的に増やしていないと、売上げが見込めずに、設備投資なんて出て来ないという現実を分かっていない。再分配を通じて少子化を緩和することが、支出以上に大きな経済効果をもたらすことを知らないからでもある。

(図)


………
 人口崩壊という呪われた未来を残すことになろうとは、とても残念だ。私達には、もう無理である。あとは、次の政治経済を司る君達がその手で変えていってほしい。ここまで現実が顧みられず、単純な思想に囚われて、政策が空回りを続けるとは、思わなかった。この国に生まれたこと、この時代で生き続けること、そのすべてを愛せる様に、せめて、目一杯の祝福を送ろう。


(今日までの日経)
 食品「廉価版」、節約志向に的。外食売上高、コロナ前超え。子育て予算、人口減にらみ「倍増」。中国ゼロコロナ、移動制限4億人。韓国、通貨防衛か景気か。

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11/24の日経

2022年11月24日 | 今日の日経
 9月の建設総合指数は、季節調整値にしてみると、住宅が前月比0、公共が-0.1%、企業が+0.2と、小動きにとどまった。これで7-9月期は、住宅が前期比-0.3%、公共が+2.4%、企業が+2.5%となり、住宅は不調だが、公共と企業は、4-6月期に続いて、高めの伸びとなった。今回の補正予算では、公共は、昨年並みの水準が措置されている。ただし、建設資材が高騰しているので、実質では割り引いて見る必要がある。

(図)



(今日までの日経)
 防衛力整備、10年計画に。出産で収入6割減「母の罰」。年金3年ぶり増額改定へ 来年度1.8%増の試算。瀬戸際の介護 需要爆発、備えはあるか。50基金に8.9兆円支出 過去最大、半導体支援など新設。子ども持つ壁「家計苦」7割。

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7-9月期GDP1次・マイナス成長より心配なこと

2022年11月20日 | 経済
 7-9月期のGDPは、思いがけず、前期比-0.3%のマイナス成長となった。輸出の寄与度が+0.4もあったのに、輸入の寄与度が-1.0にもなったたためである。国内需要で見れば、+0.35%のプラス成長だから、まずまずの結果であり、心配には及ばない。懸念は、未だ低水準にありながら、動きの鈍い消費であり、2期連続で牽引してきた設備投資の衰えである。28兆円もの大型の補正予算を組みながら、成長が加速すると思えないのが残念なところだ。

………
 家計消費(除く帰属家賃)は、前期比+0.3%で、239兆円となり、コロナ禍前の2020年1-3月期をわずかに超えた。それでも、10%消費増税前の2019年4-6月期とは7兆円もの差がある。正直、ギャップが大き過ぎ、いつになったら埋められるのか、予想もつかない。ただし、名目では、252兆円になっており、2019年4-6月期の水準を超えている。使うお金の水準は戻ったが、物価上昇で実質が伴っていない。 

 他方、国の税収は、2021,22年度で、9.3兆円も増えており、これを、どう還元して消費を回復させるかが重要な課題だが、課題とも思われていない。補正予算では、設備投資の促進を念頭に置く成長戦略に巨額が投入される。しかし、設備投資は、既に好調であるし、しょせん、需要に従って行われるものだ。今回の設備投資が前期比+1.9%と良かったのは、輸出が3期続いて大きく伸びたことが要因だ。

 そうした好調ぶりも、世界経済の陰りから、輸出の更なる伸長は難くなっており、また、輸出と住宅から導かれる予測値とのギャップも埋まってきていて、早晩、衰えてくるだろう。経済対策としては、設備投資の更なる促進より、消費の浮揚を図るべきであり、それが設備投資を引き出すことにもなる。消費を伸ばさず、設備投資だけを伸ばそうとする単純な発想の戦略には無理がある。

 消費を伸ばすには、消費性向の高い低所得者に、いかに再分配をするかになる。賃上げをしても、税・保険料で半分が抜かれる構造にしてしまったのだから、なおさらだ。とは言え、コロナ禍でも苦しんだ、制度的なインフラのなさによって、またも、代替的な手段を用いるはめとなり、電気・ガスやガソリンの価格抑制を行うことになった。これらの需要が維持されたところで、設備投資をしようとはならない。

(図)


………
 立民党の枝野元代表が「消費減税は間違い」という発言をしたことが話題になったが、日本が必要としているのは、時計の針を戻すことではなく、米国の勤労所得税額控除や英国の勤労者タックスクレジットといった「負の所得税」を導入することである。ポピュリズムによって支持を拡大するにしても、課題の発見が必要だ。政権が取れずとも、そうした主張は、与党にも影響を与え、日本を良くすることにつながる。

 時事によれば、政府は、自営や非正規に出産後給付を検討しているようだ。月2~3万円の案だが、出産で仕事ができなくても、生計が成り立つくらいでないと、人生設計への認識を一新して、行動を変えることにならない。財源の問題だろうが、少子化の緩和には、財政負担を軽くする効果もあるのだから、中途半端では却ってムダになる。児童手当を合わせた月額15万円を1歳になるまでで8000億円だから、1500億円くらいで済まそうということか。今年の出生率は、過去最低になる危機なのだがね。


(今日までの日経)
 住宅市場、世界で変調。物価、40年ぶり3.6%上昇。防衛財源、法人税を軸に。メモリー生産、急ブレーキ 米マイクロン2割減産。
 ※GDPの輸入を動かすほどの経営コンサルの広告費支払いとは何なのかな。

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11/17の日経

2022年11月17日 | 今日の日経
 9月の機械受注は、民需(除く船電)が前月比-4.6%となり、7-9月期は前期比-1.6%だった。非製造業は一進一退、製造業は頭打ちといった状況だ。世界経済には陰りが出て、半導体にはコロナ禍でのブームの反動が出ている。コロナ禍での需要の偏りやコロナ禍からの供給の立ち上がりの遅れによる一時的なインフレが過ぎるとともに、戦争による物価高騰が景気を抑制しているのだろう。米国が引き締めたから、景気が減速したというのとは、ちょっと違うように思う。

(図)



(今日までの日経)
 防衛費増、法人税など財源。米金利上昇に一服感。台湾半導体 深まる悲観論。国内建材需要に停滞感。中国、今年3%成長に失速見通し 米欧は後退予測広がる。店頭物価6%高、消費に影。訪日旅行ためらう台湾人 旅費の割高感否めず。上場企業、2年連続最高益 4~9月。厚生年金の加入要件「企業規模問わず」。

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経済対策は何をするものなのか

2022年11月13日 | 経済
 第2次補正予算が閣議決定された。予備費分を除いた国債の増額は18.1兆円であり、名目GDP比で3.3%にもなるので、全部が直ちに需要に上乗せされたら、日本経済が暴走しかねない規模である。しかし、いつものごとく、誰も、そんなことは心配しない。安心できると言うか、甲斐性がないと言うか、効きの悪い経済対策は何のためにしているのかなと、毎度、考えさせられるのである。

………
 経済対策の効きの悪さは、理由の一つは所得移転の多さだ。電気・ガス、燃料油の値上がり分の一部を補填するのに6.1兆円が充てられる。値上がりで実質所得が削られるのを軽減し、現状の低所得層の消費や高所得層の貯蓄を減らさないようにするだけだから、効いてはいるけど、見えにくい。これが国債増額分の1/3を占めており、需要の上乗せでなく、維持なので、成長が加速されるものではない。

 次に目立つのは、投資の促進で、6兆円ある。直近のGDPの民間企業設備は89.9兆円になっているから、その6.6%にあたる。政府経済見通しの7月の年央試算では、2022年度は、民間企業設備は、実質で前年度比+2.2%となっている。これに、今回の経済対策が設備投資にそのまま上乗せになったら、異様な高水準の投資になる。経済対策の効果が2か年に分散するとしても、スゴイ高さだ。

 しかも、去年の補正予算だって、マイナポイントを除いても、成長戦略に4.4兆円を投入している。それでも、誰も急成長が起こるとは思わない。熊本のTSMCに最大4760億円の補助金を出し、8000億円の設備投資を実現したりしてはいるが、巨額の予算を投入しても、全体的な設備投資は、下支えされるくらいだろう。成長戦略の予算は、ワイズスペンディングに分類されるようだが、こうしてみると虚しく感じる。

 他方、少子化は、過去最低の出生率に落ちる危機的な状況だが、今回の補正予算では1600億円が措置されるだけである。物的投資には、効きが悪くても、巨額の予算が投入されるにもかかわらず、人的投資には、それが福祉と位置づけられ、ワイズじゃないと思われるせいか、わずかに配分されるだけである。少子化が克服されれば、年金の国庫負担が10兆円も不要になるという、大きなリターンが見込まれるにもかかわらず。

………
 10月の景気ウォッチャーは、「現状の水準」が前月比+1.8の47.0と順調に回復してきている。ただし、飲食・サービスの上昇に引っ張られてのもので、企業動向は停滞し、雇用は5か月連続の低下で50を割る寸前だ。「先行きの方向性」が前月比-2.8と大きく下げているように、景気は弱まっている。経済対策が必要とされる状況ではあるが、2021,22年度に税収が6.2、3.1兆円と伸びているのだから、どう還元するかも考えるべきだろう。

(図)



(今日までの日経)
 アジア、膨らむ小麦リスク。世界の企業、減益 金融・ITが急減速。円急伸、138円台 一日で7円上昇。年金・健保の適用拡大 全世代会議。奨学金出世払い「年収300万円」軸。次世代半導体を国産化。尾身氏、コロナ「第8波に」。工作機械受注、2年ぶり減少。防衛費財源、増税論が大勢。5兆円差益、企業どうする。

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11/9の日経

2022年11月09日 | 今日の日経
 9月の統計局CTIマクロが公表になり、+0.8ではあったが、7,8月の反動増の範囲であり、7-9月期の前期比は+0.2にとどまった。やはり、7-9月期の消費は横バイ状態にある。日銀・消費活動指数に至っては、9月は+1.4の大幅増にはなったものの、7-9月期の前期比は-0.5とマイナスになっている。また、毎月勤労統計は、7-9月期の常用雇用が前期比+0.4と着実な回復を見せてたが、現金給与総額が+0.1にとどまり、遅々としている。

(図)



(今日までの日経)
 2次補正、28.9兆円決定。超富裕層に増税検討 「1億円の壁」是正。「棚ぼた課税」は愚策か。歳出規模、コロナ前まで抑制・中里透。消費減税公約「間違いだった」枝野氏。マイナンバーの呪いを解け。

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キシノミクス・ど真ん中を外す政策

2022年11月06日 | 経済(主なもの)
 欧米の景気に陰りが出てきた。金融引締めの効果があったのか? いやいや、住宅投資を別とすれば、6か月はあるとされるタイムラグからすると早すぎる。やはり、物価高で購買力が削られたためだろう。むしろ、コロナ禍からの回復局面で、賃金の上昇が伴っていたことが例外的で、それをインフレと見誤り、中立金利を超える無用な金融引締めに慌てて走ったというのが、本当のところだろう。

………
 門間一夫さんの『インフレ対応に見るこの世の不条理』は、またまた面白かったね。財政が需要削減と再分配で対応すべき事柄を、低所得層に犠牲を強いる金融引締めで対応してしまうことの不条理を説いている。学術界の認識と異なり、金融政策の効きの悪さを熟知する者なればこその見識だと思う。それを、政治は、薄々分かっていながら、勝手の良さと責任逃れのために、使ってしまうのだった。

 真正面からインフレに対抗するのなら、消費増税においてしくはない。次いで、社会保険料のアップだ。実際、コロナ前に増税をしていた日本は、欧米に比べると、大いに物価安定に成功している。米国も、ドル高で世界に迷惑をかける金融引締めでなく、これらをやれば良かったわけだ。ただし、日米ともに家賃には消費税がかからないので、家賃高騰に苦しんだことにかんがみれば、ここに掛けることがポイントになる。

 他方、日本は、米国と違い、低所得層への定額給付の制度がないので、需要削減と並行して行うべき再分配ができない。今回の経済対策、第二次補正予算でも、ど真ん中の政策を打てずに、難渋している。円安と物価高で、税収は、大いに上がって、需要を削減し、補正では3.1兆円もの上方修正になるのに、旅行支援により、人手不足で供給がネックになっている業界に注ぎ込むなど、還元は歪になっている。

 それもこれも政治である。ガソリンや電気ガスに補助金を出すより、低所得層に社会保険料を定額で還元して、生活費を助ける方が効果的だが、やめられなくなることを危惧して、官僚は外してくる。制度創設が社会的、経済的な課題だったのだから、やめるまでもないし、GPIFはコロナ禍の金融緩和局面で37兆円も積立金を膨らませており、政治的な意志があれば、制度設計はできるのである。

………
 さて、9月の商業動態・小売業は前月比+1.2と伸び、7-9月期が前期比+1.3となったものの、物価上昇を勘案すると、ほぼゼロになってしまう。家計調査などの公表は来週になるが、7-9月期の消費は、横バイと見ている。他方、設備投資は、鉱工業出荷の資本財(除く輸送機械)が前期比+13.8にもなり、企業の建設投資も上向いているので、7-9月期は高めになりそうだ。ただし、鉱工業生産の予測指数の10,11月の平均は前期比でマイナスになっており、景気の牽引もここまでだろう。

(図)



(今日までの日経)
 住宅ローン膨張220兆円。2次補正の半導体支援策、日米研究拠点に3500億円。2次補正 国債増発22.8兆円。訪日客増へ人手不足の壁。GPIF、3四半期赤字、米利上げ響く。海運、運賃7~8割安、景気懸念、荷動き停滞。飲食、値上げの波乗れるか。米金利、5%超え視野。移住仲介機能の再構築を・是川夕。

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11/3の日経

2022年11月03日 | 今日の日経
 9月の鉱工業生産は、前月比-1.6だったが、7-9月期は前期比+5.5の98.6と大きく伸びた。予測指数の10,11月平均の前期比は0.0である。7-9月期の水準は、コロナ前の2019年10-12月期の98.0を上回り、コロナ禍での落ち込みを取り戻した形である。復元の過程が終わったと思えば、10-12月期の停滞も納得であろう。コロナ禍では、在庫も大きく低下していたが、こちらもコロナ前の水準に至っている。輸出も頭打ちになっており、生産でも成長の動きが見られないのは、残念である。

(図)



(今日までの日経)
 FRB、0.75%利上げ 今後は「引き締め効果の時間差考慮」。国の予算、2割過大 20、21年度の公共事業、3割繰り越し。米、対中半導体規制に追随要求 日本など同盟国に。ユーロ圏、7~9月年率0.7%成長 物価高で減速。厚生年金、適用拡大へ議論

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