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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

2/27の日経

2015年02月27日 | 今日の日経
 日経センターの予測は、2015年度が実質1.5%成長か。政府見通しと同じだけど、政府が公的需要の寄与度を-0.6としているのに、センターが-0.0としているのは、補正予算が組まれることを前提にしているかな。政府は、緊縮財政の代わりに、設備投資を5.3%増と、センターの倍にしているのが特徴だ。

 実質1.5%成長というと、まあまあに見えるんだが、前年度が消費増税で落ち込んだがために、良く見えていることは、認識しておかないといけない。暦年に直すと、2014年のゼロ成長に続き、2015年は0.7%成長くらいにしかならない。消費増税の悪影響は、かなり尾を引くものなんだよ。


(昨日の日経)
 自動運転車の技術を共通化。緩和マネーで世界株高。公務員年金も国内株25%に。FT・新たな危険の筆頭は中国。経済教室・物価上昇の減速・渡辺努。

(今日の日経)
 ヤマハ発が四輪者。経済教室・消費主導で回復へ・竹内淳。
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2/25の日経

2015年02月25日 | 今日の日経
 ラインハート教授の論考は示唆に富むね。何がノーマルなのかは、歴史が照らすところだ。金融抑圧がなされていた時期は、ピケティの言う平等化の時期でもある。資産課税の一翼となっていたわけだ。金融取引の自由には反するが、いつも自由が効率的で、正義に適うとは限らない。少なくとも、中央銀行が大量の国債を保有せざるを得ない現実は認めざるを得なくなっている。出口を焦るより、いかに安全に同居するかを考えるべきかもしれない。

(2/23の日経)
 火力新設に省エネ規制。エコノ・求人統計に景気とズレ、ウォッチャーに脚光。経済教室・長期金利が示すもの・福田慎一。

(昨日の日経)
 ANAがスカイ支援。経済教室・長期金利が示すもの・倉都康行。

(今日の日経)
 銀行規制17年ぶり転換。年金毎年抑制を断念。財政健全化に複数目標案。経済教室・長期金利が示すもの、金融抑圧再び・カーメン・ラインハート。
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公的年金は1.6兆円の緊縮財政

2015年02月22日 | 社会保障
 年明けに予算案が国会に提出されても、大きく報じられたりはしない。年末の予算編成の際に概要が明らかになっていて、新たな内容は少ないからである。しかし、一つ重要な情報が含まれている。これで緊縮の度合いが確定するのだ。2015年度の年金の特別会計の緊縮は1.6兆円であった。前年度補正0.8兆円、国の一般会計4.4兆円、地方財政1.2兆円と合わせ、8.0兆円となり、前年の3%消費増税に匹敵し、原油安メリットを丸ごと吹っ飛ばす規模に及ぶことが判明した。

………
 経済運営は、国、地方、社会保険の三部門すべてを見て行うのが基本だ。全体的に管理しなければならないなんて、常識でも分かる話だが、日本は、これがなっていない。財政再建の議論のベースになっている『中長期の経済財政に関する試算』に、社会保険が含まれていない一事をもっても、明らかであろう。

 この弊害は甚大だ。日本は、1997年に消費増税を中心とする過激な緊縮財政を行い、デフレ経済へ転落した。実は、当時、社会保険が大き目の黒字を出しており、全体的には焦る必要は何もなかった。ところが、国の赤字だけを見て異様なほどの緊縮を敢行し、成長を壊してしまった。それで、本物の財政危機に陥ったのだから、愚行も極まれりである。

 悪癖は、いまも変わらない。一つひとつをバラバラに決め、あとで合わせてみると、驚くような事態となっている。現場はスゴいが、戦略はお留守という、いつもの日本的な構図である。1997年の反省で設けられた経済財政諮問会議は、財政再建のボールを追いかけてばかりだ。政治やマスコミといったチェックする側もタテ割りに慣れ切っていて、総合的見地から批判する者がいない。

………
 さて、愚痴はこのくらいにして、数字を見ていこう。基になるのは、『平成27年度予算及び財政投融資計画の説明』の特別会計の章である。今回は、紙幅の関係から、厚生年金勘定に絞って説明する。ここが緊縮の規模を把握するポイントと考えるからだが、一般の方は、これだけでも煩雑に感じられるかもしれない。

 厚生年金勘定の主な歳入は、保険料収入、一般会計受入、基礎年金受入の三つであり、主な歳出は、保険給付費、基礎年金繰入の二つである。この差を、積立金の取り崩しと、積立金を運用するGPIFからの収入で調整する形を取っている。あとの雑多な項目は、簡単化のため、残差として割り切ることにした。なお、2015年度からは、共済年金との一元化のため、実施機関の拠出金・交付金という項目が追加されている。

 リーマンショック前の2008年度から2015年度までの推移を示したのが下の表である。2015年度の主な歳入の小計は、名目成長率を背景に、高めの伸びとなっている。他方、主な歳出の小計は、特例水準の引き下げもあり、抑制的と言えるだろう。そして、大事なのは、この差の4.2兆円の赤字であり、前年度より1.6兆円縮小した。これを公的年金の緊縮の大きさとしている。

 こうした収支の改善で、今年度は、「積立金よりの受入」という名の取り崩しが前年度より2.9兆円も少ない。また、GPIFにおける高運用を期待し、0.8兆円の納付増を見込んでいることも特徴である。収支の改善は、年金財政としては結構なことだが、それは、民間のお金を吸い上げ、景気の好循環にブレーキをかけていることも意味する。

(表)



………
 今年の景気を占う上で、最も注目を集めているのは、原油安による事実上の「減税」効果である。1/23の月例経済報告では、原油価格の50%下落で、輸入金額が7兆円減り、名目GDPを1年目に5.6兆円、2年目に8.2兆円押し上げるとされている。これだけのボリュームがあれば、持てはやされるのも当然であろう。

 一方、これと同じくらいのインパクトがあるのに、緊縮財政の実態は、指摘されることもない。年金はともかく、国と地方の財政については、公債金の減額の大きさとして、それぞれ公表されているにもかかわらずである。そして、トータルでは8兆円と、消費税3%の8.1兆円に匹敵し、原油安の効果を丸ごと吹っ飛ばすような大きさになっている。

 税収の見積もりは、いつも控え目であり、実際は、予算の数字以上の緊縮になるであろう。保険料も、これまでの決算の傾向からすると、予算より上ブレしがちである。結局、原油安のメリットは、緊縮財政が食い尽くしてしまい、あとは、賃上げと雇用増がどのくらいになるかで、今年度の経済成長が決まることになる。

 なるほど、政府経済見通しの民間消費は、前年度比2.0%増と、2012暦年の2.5%、2013年暦年の2.1%よりも小さい。これだけ原油安のメリットがあるのに、変わり映えがしないのは、そういうことなのだろう。やはり、アベノミクスの実態は金融緩和と緊縮財政の組み合わせであり、成長は民にお任せのようである。


(2/20の日経)
 日経平均15年ぶり高値。2014年の賃金18年ぶり伸び率、女性と非正規も改善。電力が4月値下げ。原油安で家計一息。家計簿データを協力世帯に還元。大機・論壇で消費税は腫れ物扱い・カトー。
 ※おっしゃるとおりですよ、カトーさん。

(昨日の日経)
 新エコカー燃費40キロ。諮問会議での日銀総裁の隠された直言。1月-0.7%コンビニ復調の兆し。年金抑制はデフレなら停止。ウォルマート賃上げ。

(今日の日経)
 社外取締役を2人以上に。ギリシャが4か月延長に合意。
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2/19の日経

2015年02月19日 | 今日の日経
 中長期試算の金利下げは、国債GDP比のピークを足元に置くという意味かな。これを上げない程度の緊縮にとどめるという発想かもしれないね。ミストさんは「まずPB」とするが、争点はPBへの道筋なり期間だよ。長期金利が成長率を上回っても、国内消化である限り、利子課税強化で対応可能だし、日銀保有分は短期金利水準で済むかもしれない。

 ベースライン試算の意味は、成長率が1%あれば、PBは悪化しないということ。それ以上なら、達成は遠くとも、いずれPBには行き着くわけだ。さらに、緊縮にも膨張にもならないよう、社会保障費の増加に合わせ、2年ごとに1%の消費増税としておけば、十分に信任は得られるはず。焦っての緊縮は逆効果だろう。財政再建には、まず最低限の成長の確保だ。


(昨日の日経)
 郵政が豪物流を買収。低くて高い2.5%社債。家計調査・2014年2.9%減。政策減税・2013年度の利用は9%増。鉄鋼は値下げ免れる。経済教室・米緩和は株バブルで出口へ・櫻川昌哉。
 ※さすが櫻川先生は読ませますなあ。

(今日の日経)
 車・電気のベア昨年超えへ。海外マネーが日本株回帰。ガソリン7か月ぶり上昇。金利異変・中長期試算は2016-18年度の金利下げ。国債利払い費2.4倍に。1月訪日客29%増。大機・まずPB・ミスト。
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相当に悪い10-12月期GDP

2015年02月17日 | 経済
 2/1に「10-12月期GDPは3%を割るかもしれない」としていたが、心配していたとおりになったね。鉱工業生産の消費財出荷が前期比でマイナスであることを踏まえると、需要側統計が強くても慎重にならざるを得ないと思っていたら、案の定だ。直前に出た消費総合指数の前期比+0.8は何だったのだろう。

 民間消費の前期比の伸びは、7-9月期と同じ+0.3%しかない。2012-13年の平均は0.5%超であったから、消費増税によって屈曲したかもしれない。せっかく、アベノミクスで登り調子だったのに、何てことをしてくれたのか。他方、法人減税で期待の大きかった設備投資は、原系列の前年比を見ると、2.6%、1.6%、0.5%と低下の一途をたどっている。

 内需の寄与度は0.3に過ぎず、しかも、在庫増が0.2を占める。つまり、成長力は極めて弱いのに、多かった在庫が更に増しており、次の1-3月期GDPを押し下げる可能性があるということだ。これは痛い。このままだと、2014年度の成長率は、政府の経済見通しの実績見込みである-0.5%を大きく割り込み、-0.9%くらいまで傷口が拡がる。

 今後、民間消費が従来の平均で順調に伸びるとしても、消費増税前の水準を取り戻すには、2016年1-3月期までかかる。今秋の消費増税は、回避して、本当に良かった。「原油安だから、上げられた」と言う人の気がしれないよ。次回増税の直前に当たる2017年1-3月期の水準ですら、十分とは言えず、反動減で再び3%増税前の2013年10-12月期を割りかねない。

 多くのエコノミストが明るい兆しとして、「賃上げが、輸出が、設備投資が」とするが、消費増税前にも、同様のことを言っていなかったか。確かに、原油安の押し上げ効果は大きい。しかし、エコノの「増税なし」は大甘であり、原油安を帳消しにするくらいの「いつもの緊縮財政」が敷かれている。予算案の国会提出で新たに判明したことについては、週末、改めて書くつもりだが、勝った気になるのは、まだ早い。

(表)



(昨日の日経)
 正社員化で人材囲い込み。経済教室・長期停滞は貨幣流通速度に謎・小林慶一郎。

(今日の日経)
 景気回復の歩みは緩やか・10-12月GDP。名実逆転17年ぶり。日経平均18000円7年7か月ぶり。金利異変・家計の味方か。日韓通貨協定打ち切り。ドバイ原油58ドルに上昇。経済教室・財務戦略より利益を・宮川壽夫。エコノ・増税なし、原油安が追い風。

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2/15の日経

2015年02月15日 | 今日の日経
 予算編成時の経済見通しと、国会提出時の経済見通しは、ほとんど同じでも、一つ異なる点がある。それは、公的固定資本形成が明示されることだ。出し惜しみをせずともと思うのだが、公共事業費が確定するまでは伏せるという、お役所の形式主義である。これで改めて分かるのは、その減が-0.7も成長の足を引っ張ることである。

 成長率は1.5%だから、公的資本が前年度並みなら、単純な加算では2.2%になっていたことになる。同じく名目成長率なら3.4%だ。こうして見ると、潜在成長率が低いと言って悲観するまでもないように思える。どのくらい成長できるかは、その時にならないと分からないところがある。目の前の成長に全力を尽くし、これに見合う財政再建をすることが大事だ。

 経済財政諮問会議は、年間でGDP比0.5%の緊縮を加重することを画策しているが、2015年度は、公的寄与度が-0.6だから、既に実現しているとも言える。「景気回復これしかない」を掲げつつ、こんなことをしても平気なのは、原油安に恵まれたからである。もっとも、そこまで考えずに、結果として、こうなっただけの気もするが。

 過去の実績の延長である低い潜在成長率を基に、何が何でも財政再建目標を達成しようとして、過度な緊縮の計画をはめてしまうと、低成長を自己実現することになる。緊縮財政で経済を縮小均衡させるのは、意図的に経済破綻を実現するのと変わらない。緊縮頼みも、財政再建にとって、危うい賭けなのである。

 経済が悲惨になっても仕方がないと諦め、ひたすら緊縮すれば、財政均衡は確実に達成できる。これに対して、成長を通じての財政再建は不確かなものだ。人間の心理として、確実な計画に寄りかかりたくなるが、そこを強い気持ちで耐え、あくまで合理的な裁量性を貫けるかが成功の分かれ目である。

(今日の日経)
 上場企業の3割が増配で過去最高7.4兆円5280億円増。上げ潮頼みは危うい賭け・高橋哲史。食品スーパーなぜ好調。貧しい子は勉強しても追いつけない・大島美緒。読書・昭和の迷走、人の心は読めるのか。
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中長期の経済財政試算の正しい読み方

2015年02月14日 | 経済(主なもの)
 普通、「中期」と言えば5年を指し、「長期」なら10年を意味する。ところが、2/12に公表された『中長期の経済財政に関する試算』は、8年後の2023年度で途切れている。形式主義のお役所が半端なことをするには、何かウラがあると疑わなくてはならない。実は、試算を2025年度まで2年分延長すると、基礎的財政収支の赤字をゼロにする目標を、自然体で達成できることがあからさまになってしまうのだ。どうも、このことを隠したかったようである。

………
 政府試算を、トレンドに従い、2年分延長すると、下図の黄線のようになる。人間とは不思議なもので、こう描くと、2020年度にゼロを達成できないことより、2025年度に目標に到達していることの方へ、目が向いてしまう。ここから得られる認識は、「13%への消費増税が必要だ」であったものが、「自然体でも構わないんだ」へ180度変わることになる。

 いずれ、税収の上ブレで、こうなることは、昨夏に本コラムで指摘していたところだ。財政当局も、補正予算で税収を上方修正した以上、それを反映した形に試算をシフトさせないわけには行かない。あとは、半端と言われようとも、試算範囲を8年分にとどめ、国民の目をごまかすしかなくなる。こんな姑息な印象操作が罷り通るとは、随分、甘く見られたものだ。

(図)


………
 もう少し詳しく図を眺めてみよう。赤線の前回2014年夏の試算と比較すると、消費再増税を見送ったために、2016~18年度は前回試算を超えていないが、再増税の効果が発現する2019年度以降は、税収上ブレの影響が明らかとなって、前回試算を上回るようになる。そして、2020年度以降は、自然体で、基礎収支が毎年GDP比で0.3ずつ改善するから、2025年度には赤字はわずか-0.1となり、ほぼゼロに到達する。

 今回の試算で明確になったのは、足元で税収の上ブレがあると、試算は上方へシフトする性質を持つことである。そうすると、ベースになっている2014年度の税収見込みが更に大きくなれば、もっと上方へシフトすると予想がつく。補正後の税収51.7兆円は堅めの数字であり、おそらく、1兆円ほど膨らむことになろう。地方の税収も同様とすれば、今夏の決算発表時までに、GDP比で+0.3上方へのシフトが判明すると考えられる。

 つまり、ゼロ到達が2024年度へ1年前倒しされるということだ。そして、2015年度も、景気が順調に回復していけば、やはり、税収は上ブレして、もう1年、前倒しになるかもしれない。名目成長率を上回る税収の伸びがあれば、そんな調子となる。さすがに、2020年度までの前倒しは難しいが、その数年後には到達する可能性は高い。どうしても2020年度と言うなら、管民主党政権が実施した法人減税を元に戻すなら、出来なくもないが。

………
 経済財政諮問会議は、2020年度の目標達成に向け、夏までに、消費再増税に加重する緊縮財政を画策するようである。しかし、政府試算を「正しく」読み取るなら、数年の差で目標を達成できる見通しが立つのであるから、焦りは禁物である。甘利経済相も言うように、緊縮で成長を壊してしまえば、元も子もないからだ。

 実際、今回の試算は、前回の試算より、各年の名目GDPが小さくなり、税収も下がっている。これは、3%消費増税のショックで、思うように成長率が伸びなかったせいである。財政再建には、名目GDPの伸長が絶対に欠かせないことは言うまでもない。それには、いかに経済にショックを与えず、財政再建を果たしていくかが重要となる。

 この観点からすると、2017年度に予定する2%消費増税にも慎重であるべきだ。成長のためには、1%ずつに刻み、2年の間隔をおき、2019年度と分ける方が合理的である。それでも、2020年度には間に合う。こうするなら、社会保障費が毎年1兆円ずつ増加することを踏まえれば、緩やかな緊縮で済むはずである。

 その上で、2019年度に続き、2021年度、2023年度と、順次、1%ずつ引き上げて行けば良い。団塊の世代が医療費の嵩む75歳以上の後期高齢者になるのは2023年前後である。この頃のピークを迎えるには、財源が必要である。世間には、財政当局の受け売りをして、2020年度のゼロ目標を金科玉条とする人や、逆に、消費増税には絶対反対という人もいるが、いずれも現実的でないと考える。

………
 経済運営の要諦は、需要の過不足を的確にコントロールすることだ。それが成長を最大限に実現することにつながる。財政均衡は二次的な目標に過ぎず、「王より飛車を大事にする」ようではいけない。何ら経済的な根拠なしに決められた期限を絶対視するのは危く、成長を阻害するような公約は却って信用を損なう。諮問会議の本来の役割は、財政再建でなく、成長の実現であり、役所が持ち込む計画に無理がないかを見抜くことであろう。


(2/12の日経)
 トヨタが新興国車を刷新。経済教室・貧困解決へ広く負担・阿部彩。会津大がスパグロに。
※阿部先生の主張は傾聴に値するね。

(昨日の日経)
 日経平均7年7か月ぶり高値。がん検査100円。財政再建に年2.5兆円必要、基礎的収支20年度黒字化へ提言。2015年度予算提出。機械受注1-3月は1.5%増の見通し。スマホ液晶はや消耗戦。大機・責任ない監査・鵠洋。経済教室・根拠に基づく戦略・乾友彦・中室牧子。

(今日の日経)
 車の安全基準を日欧で統一。社説・財政健全化は堅めの想定で。
※「試算」に地方財政の表が追加されたことからすれば、争点は社会保障でないことは分かりそうなものだが。堅めの想定で緊縮を強めれば、低成長を自己実現してしまうよ。
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2/10の日経

2015年02月10日 | 今日の日経
 1月の消費動向調査は微増で、雇用と耐久財の指数がブラス。1月景気ウォッチャーも微増で雇用関連が強い。このところの家計調査と似た傾向だ。雇用は遅行というのが常識だが、最近は、雇用や消費が景気と同時に動く感じだね。非正規化が進んで、雇用は調整されやすくなっているということかな。

 したがって、消費増税をすると、粘りがなく、所得や消費がドンと落ちてしまう。その代わり成長への切り替わりが早い。消費率の変動による反動減からの回復とは異質のものだ。そうすると、原油安への反応も早いかもしれないね。大機で富民さんが言うとおりであり、余計な金融緩和でメリットを失わないようにしたい。

 今は、消費税も社会保険料も高く、経済の好循環の発揮に対して、自動ブレーキがかかる構造にある。これを乗り越えて行けるだけの力があるかがポイントだ。福祉国家になると、成長のチャンスに加速できるかが勝負の分かれ目になるが、機動的に財政を使うどころか、逆に、緊縮財政主義が強すぎて、みすみす逃すことが多いからね。

 基礎的財政収支が9.4兆円赤字とは、税収の上ブレで前回試算より1.6兆円改善したことを意味する。記者は、ここを報じないと。前に本コラムで指摘したが、やはり、「何もしなくても2025年度にはゼロ達成」へ順調に進んでいるようだ。「20年度」と焦らず、増税の好機を見極める余裕を持つことが肝心。

(今日の日経)
 農協60年ぶり改革。街角景気2か月連続改善。衆院選アダムズ方式で。経常収支は輸出から海外配当へ。基礎的財政収支20年資産は9.4兆円赤字。インドGDP7.5%増で中国上回る。OPECが需要を上方修正。ワタミが値上げで客離れ。幸福感を名札センサーで。合成生物学でポリ乳酸。大機・原油安生かそう・富民。国産小麦の安さが需要喚起。景気指標・預金増。
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経済政策の対象における非対称性

2015年02月08日 | 経済
 日経ビジネスO.L.(2/6)に掲載された「T・ピケティ先生×吉川洋先生の対談」は、なかなかの傑作だったね。日本人がどうしてこんなに消費増税にこだわるのか不思議でしょうがないのだろうなあ。確かに、1997年にハシモト・デフレをやらかすまでは、所得税も法人税も高かったから、消費税となるのは分からなくもなかったが、その後の減税によって選び得るようになっても、路線を変えることができないでいる。

 しかも、日本は、消費不足でデフレにあり、企業の資金は膨張しているのだから、課税を強化するなら、消費ではなく資本というのは自然な発想だ。それなのに、この逆を何としてもやりたがるのだから、訳が分からないに違いない。デフレから抜け出たいなら、保育や介護といった公的部門の賃金を上げたらどうか、人口減という最大の問題への対応も大事と言われても、日本人は、できない理由をあれこれ並べるだけである。

………
 財政赤字を解消するには、それと一対になっている企業の過剰貯蓄も同時に減らさないといけない。ところが、成長戦略と叫んで、お題目は並べても、それで設備投資を十分に増やせるとは、誰も思っていない。財政再建では、2020年までに基礎的財政収支の赤字をゼロにする数値目標は金科玉条だが、それに見合った設備投資を増大させる政府計画はない。本当は、こちらの実現を確かめてから、財政再建を進めなければならないはずだが。

 結局、設備投資の促進は適当に済ませ、財政赤字の削減に突進することになる。これで需要を削減してしまうと、企業はリスクを感じて、ますます設備投資が出て来なくなる。こうしてもたらされるのは、経済の縮小均衡である。日本の名目GDPが20年近くまったく更新できないのも当然だ。このような、債務の問題には一生懸命でも、債権の側の在り方は放置するという「政策対象の非対称性」が経済的な困難の根本にある。

 おそらく、その背景には、ナイーブな経済観がある。財政赤字を削減すると、金利が低下し、自動的に設備投資を増やしてくれる、こうした初等教科書そのままの認識だ。金利がゼロに近い日本で、どうしてそれが妥当すると思うのかは謎であるが、日本の財政当局の人材は、ほとんど法学部出身で経済学は撫でた程度らしいから、教科書と実態との違いに疎いのも仕方がないのかもしれない。

………
 こうした「非対称性」は、古くて新しい問題である。かつて、金本位制は、国際収支に均衡をもたらすとして崇められたが、金を減らす貿易赤字国には、緊縮を迫るものとして有効に働いても、黒字国に拡張を義務付けるようには機能しなかった。この不全が金融政策の自由を奪うことにつながり、赤字国に塗炭の苦しみを与え、しまいには、金本位制自体が崩壊することになった。 

 現在のギリシャの問題も、これに類する。ギリシャ人も、「働いて返せ」と言われるならまだしも、緊縮財政で働き口を奪われたままでは、どうしようもないだろう。飢餓輸出を強いるのでなければ、貸し手が返し方を考えてやらねばならない。借り手責任を追求するばかりでは解決しない。今週は、ECBが融資特例を撤廃し、ギリシャの金利が急上昇したが、中央銀行が敢えてリスクを拡大するなんて、呆れたものである。

 取るべき道は、ドイツ副首相だったJ・フィッシャー氏の指摘(日経ビジネス2/9号掲載)のように、ドイツが公共投資を推進し、欧州全体の経済を押し上げることである。ドイツは、世界最大の経常黒字国であり、2014年は過去最高を更新しようというのであるから、この不均衡も非難されるべきである。これを放置しておいて、ギリシャに経常収支の改善を求めるのは無理がある。

………
 個人の家計とは違って、マクロ経済では赤字と黒字は一対であり、双方を同時に解決する必要がある。しかし、人々は赤字ばかりに目が行き、黒字が問題とは考えない。ここに悲劇が起こる素地がある。強引な赤字の削減は、経済全体を縮小させ、誰のためにもならない。むしろ、先に黒字を削減する方が成長には有効だろう。

 為替レートについては、硬直的な金本位制が正しいとは、もう誰も思わない。為替レートが変化することで、債務が調整されることは、既に受容されている。ギリシャの問題は単一通貨圏内だからであり、それがなければ減免されるものだと達観し、経済再建に寛容でなければならない。これが経済政策の歴史から得られる知見である。

 他方、財政赤字への対処法については、これからである。国内に過剰貯蓄がある以上、仕方がないと達観し、それがいかに大きくても受容しつつ、安全に管理する方策を見つけるべきであろう。中央銀行が大量に国債を保有することは、今は「禁じ手」でも、昔は為替レートのフロートがあるべきものでないと思われていたように、経済運営に不可欠で日常的なものに変化するかもしれない。

 資産格差が大きいなら、財政赤字は、それが是正されるまでの次善の策と位置づけることができる。これを安全に管理するのに、利子配当への課税は、金利上昇に伴う利払いの増加に対処する装置となる。インフレには、機動的な消費増税を割り当て、資産高騰には、融資担保の掛け目を迅速に抑制する制度を用意しておく。そうなる歴史の途上に、今はある。


(2/6の日経)
 上場企業、今期最高益に、伸び率3%程度。ECBが融資特例を撤廃、ギリシャ金利急上昇。経済教室・移住の障壁撤廃こそ・八田達夫。

(昨日の日経)
 農協改革は大筋決着。米雇用1月25.7万人増、12、11月は大幅上方修正。景気上昇局面に12月一致指数、上昇幅は小さい。

(今日の日経)
 電子納税使いやすく。海外収益の還流、16%増で初の4兆円規模。世界の中銀が緩和ドミノ。検証・イスラム国人質事件。読書・科学で勝負の先を読む。

※検証は昨日の報道特集が卓越。米国の圧力の下での外交とは厳しいものだ。
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2/5の日経

2015年02月05日 | 今日の日経
 今日の経済教室は冨山和彦さん。日本経済をGとLに分ける考え方は分かりやすい。Gは法人減税と消費増税を求める。昔の経済界が景気回復を求めていたのとは大違いだ。それで需要を抜かれたら、 対面サービス(流通、運輸、社会福祉、飲食、観光)が主力のLの生産性向上の努力なんて、ひとたまりもない。サービス業の生産性向上の意欲は、人手不足を感じてこそである。生産性が上がらなければ、賃金が上がるはずもなく、人手が余っていれば、ブラック経営は易々と成功する。

 第一生命の熊野英生さんが2/3に「賃金上昇が中小企業に行き渡るには」で書いているように、中小企業には、小売、サービス、建設が多く、消費増→賃上げの経路だ。それで早々に消費増税で需要を抜かれたら、賃上げになるわけがなく、困難はLの世界に強く表れる。冨山さんは、「PDCAを回せ」で、現場に解決させようとするが、需要管理の戦略がこれではカバーし切れない。厳しい環境では優勝劣敗が激しく、チャンスを与えれば、敗者は知恵や努力が足りないせいとなる。こうして問題の本質から目をそらす。これも統治の在り方だ。

(今日の日経)
 トヨタが最高益2.7兆円。賃金・4年ぶり増加、昨年0.8%、実質2.5%減。オリエンタルランド・人手不足感強く契約社員800人を正社員に、入園料上げ。経済教室・地域産業の稼ぐ力・冨山和彦。

※賃金は消費増税がなければプラスになっていたかもしれないな。口ではともかく、やっていることは、デフレ脱却より財政再建が優先ということ。増えた所得から負担を求めるのではなく、所得は関係なく負担させようというのが日本のやり方。

※サービス業の生産性向上とは入園料を上げること。それには需要が必要だ。それとも、従業員がショーを前より面白くしたので高値が可能になったのかな。需要次第で企業の勝ち方も変わる。
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