goo blog サービス終了のお知らせ 

経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

8/31の日経

2017年08月31日 | 今日の日経
 家計調査・消費水準指数(除く住居等)が前月比+1.2、商業動態・小売業が+1.1なのだから、7月の消費も高めの伸びだったと言える。前期と比較すると、前者は+1.2、後者は+0.6の水準になっており、間をとって考えると、7-9月期の消費も、前期比で年率2%台後半が期待できる。すなわち、景気は極めて好調ということだ。

(図)



(今日までの日経)
 幼稚園2歳児受け入れ。法科大学院、半数が撤退。日本のサービスは米より質高い。苦肉の金利ゼロ融資。対外投融資 邦銀が突出。鳥貴族28年ぶり値上げ 人件費増。円、先高観くすぶる。学力テスト 地域差、縮小傾向に。忖度しすぎ? シルバー民主主義。街の飲食店の人手不足、中小の食品機械が救う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現実が思想を変容させるとき

2017年08月27日 | 経済
 人は死せる存在で、時間が限られるゆえに、リスクを取り切れず、期待値に従って利益を最大化するよう行動できない。したがって、「神の見えざる手」は、需要が安定している状況という限られた条件の下で働くに過ぎないのが現実だ。しかし、企業が利益を最大限に追求できれば、世の中のためになるという思想は、持てる者には捨てがたい魅力がある。なにせ、緊縮財政、金融緩和、規制改革を正当化できるわけだから。

………
 苅部直著『「維新」革命への道 「文明」を求めた十九世紀日本』は、歴史書だし、思想史だしということで、リアルなことしか興味がない者には、縁遠い一冊かと思いきや、江戸期の経済発展が明治維新を用意したという連続性を丁寧に説明する。特に、福澤諭吉の『文明論之概略』を引き、「王政一新」にとどまらず、「廃藩置県」まで至ったのは、「文明」により「智徳」が進み、「門閥を厭うの心」がペリー来航を機に爆発したとするのは説得的であった。

 江戸期の封建制の身分社会は、天下泰平の下の経済発展に伴い、身分上では一番下の商人が力を持つようになり、才覚ある者が富を得る現実は、生まれや身分によって地位が決まる社会制度に矛盾を感じさせていた。近代化は外から持ち込まれるにせよ、それを良きものと受容できる社会意識の下地が既にあったのである。統治体制においても、封建制の世襲の家臣が担うのではなく、郡県制の下で能力を発揮できるようにするのが当然の流れとなる。

 こうして眺めると、やはり、なかなか思想は変わらないという感慨を覚える。世の中に合わなくなり、歪が溜まっても保たれ続け、遂には耐えられなくなって瓦解するものらしい。開国の衝撃がなかったならば、どのような統治体制へ変化したのかと思うと同時に、現在の「神の見えざる手」の思想が耐えられなくなるのは、どんな局面に至った時で、それは近いか遠いかなど、想像は尽きない。 

 また、本書では、享保の改革の緊縮財政に対して、批判する言辞も現れていたことが紹介され、山下幸内という兵法家から、「金銀」が天下の全体に「融通」することが重要で、倹約によって流れを滞らせれば、容体はますます悪化して、万民が困窮に陥るという意見書が出されていたという。もっとも、この意見書には、吉宗も注目したものの、政策として採用されることはなかったとされる。いつの時代も、緊縮には、思想上の特別な魅力があるようだ。

………
 人は期待値で行動できす、リスクの前では不合理だなんて、気づいてしまえば、何ということはない。能力主義も、古代においてすら、中央集権の郡県制と官吏登用の科挙によって、認識されてはいた。ただ、それを実際に社会思想として適用できるかは、別の問題だ。秩序を変えるとは、正しさの更新だけに、容易ならざることになる。それでも、「追加的需要で景気は分かるよ」とうそぶきつつ、漸進あるのみである。

(図)



(今日までの日経)
 上場企業 一段と業績拡大。閑古鳥鳴く官民ファンド。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8/25の日経

2017年08月25日 | 今日の日経
 6月毎勤の確報が発表になり、予想どおり大幅な上方修正となった。この結果、現金給与の季調値の6か月移動平均は前月比微減、実質賃金は微増となった。本コラムは、5月を以って、賃金は上昇を開始したと診断していたが、これは維持される。人手不足でも賃金は上がらないとされてきたが、次の局面に移っている。賃金が上がれば、物価へも波及する。1989年から90年にかけて実質0%台から一気に3%になった例もあり、始まると速いかもしれないので、要注意だ。

 6月確報に伴い、内閣府・総雇用者所得も改定され、4-6月期の実質前期比は+0.8である。今期は出来過ぎかもしれないが、消費主導で2%台後半の成長が実現するところまで加速してきたと見ることもできる。未だに、「消費のためには将来不安の払拭を」という主張がなされたりするが、消費増税で消費は減退し、見送りで力強く伸びて来た事実を無視してはいけない。また、生産性向上は、人手不足に伴う自動たこ焼き機の導入だったりする。先端技術は魅力的だが、消費が成長を加速させる側面も見逃せない。

(図)



(今日までの日経)
 経済教室・内需主導の成長道半ば・佐々木仁。国内生産回帰じわり、逆輸入1年半で13%減。自動たこ焼き・うどん製麺機 外食、苦肉の省力調理。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8/23の日経

2017年08月23日 | 今日の日経
 前回コラムの解説 … 設備投資と消費がパラレルなのを見ると、普通は、設備投資が増えると、景気が良くなって、消費が増えるという因果関係を考える。では、設備投資と追加的需要の関係はどうか。住宅・公共・輸出が増えると、その供給のために設備投資が増えると考えるのが自然だ。逆は、ありそうにない。すなわち、需要を見て、設備投資をしていることになる。そうなると、消費が増えると設備投資が増えるという因果関係の存在の予想もつく。

 需要に従って投資をするのは、経営者にとっては、まごうことない事実だが、教科書的な経済学は否定している。なぜなら、需要と投資が相互に作用するとなれば、景気が過熱したり、沈滞したりという不合理な状況が現出するからだ。むしろ、それが現実に近いような気もするが、資金と労働をムリとムダなく使うはずという、経済学の大原則である利益最大化の行動がなされていないことになってしまう。

 つまり、経営者が需要を見て投資するという考え方は、神の見えざる手を否定し、個々が自由に活動するだけでは、経済は上手く行かないという帰結になる。これは、主流の社会思想に刃向かうものであるため、現実はどうあれ、決して受け容れられない。現実から遠いエリートほど、思想の虜になるため、何度、失敗を重ねても、需要の安定と妥協ができず、緊縮財政・金融緩和・規制改革の教義を直せないのである。


(今日までの日経)
 大機・金融所得課税1%増で2000~3000億円。企業年金債務、8年ぶり減。習氏の一喝でGDP-20%。船がきた客は来ない。パート賃上げ率最高。エコノ・持ち家の経年劣化を考慮。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4-6月期GDP1次・成長力の覚醒と解放

2017年08月20日 | 経済
 緊縮なければ、成長する。さすがに、年率4%成長に届くとは思わなかったがね。第一生命研の新家さんも指摘するように、過去1年の最終需要は、2016年7-9月期+2.9%、10-12月期+2.5%、2017年1-3月期+2.1%、この4-6月期+3.8%であるから、潜在成長率がゼロ%台と言うこと自体が現実にそぐわなくなってきた。日本経済は、2%後半の成長力を持ち、それを実証して見せた。成長力の覚醒と解放と呼ぶにふさわしいではないか。

………
 一体、日本経済に何が起こったのか。昨年後半から成長戦略が機能しだしたと主張する人は皆無だろう。あれほど成長に必要と叫ばれながら、これと無関係に成長は始まった。要は、成長戦略など、どうでも良かったのである。それどころか、目玉の国家戦略特区は、経済成長より政治腐敗を実現してしまった。産業政策には癒着が付きものという、昔からありがちな成り行きである。

 成長起動の主因が輸出にあることは、大方の一致するところだろう。それも、円安の価格要因ではなく、世界経済の回復の下での需要要因で得られたものだ。つまり、異次元緩和のお陰ではない。もっとも、そこまで言い切ると反発も出ようから、流れに逆らわなかった功はあったとしておこう。いずれにせよ、「輸出は為替より需要」という従来から言われてきたことを再確認しておきたい。そうでないと、「金融緩和で緊縮財政を補う」などという世迷言を口にしかねないのでね。

 そして、大事なのは、輸出から所得と消費へ波及させたことである。せっかく、輸出で需要が得られても、緊縮財政で所得を吸い上げていたら、そこで終わり。輸出には波があるので、引けば景気も消えてしまう。今回は、消費増税の先送りによって、自滅することなく、消費が中心の成長へ進めた。こうした需要が耐久財や運輸などでの労働需給を引き締め、省力化などの設備投資を促してもいる。

 ここで、教科書と現実の違いを肝に銘じておくべきだろう。教科書では、金利を下げ、利潤を厚くし、設備投資を促すと、成長することになっているが、実際には、成長してから、投資が出てくる。すなわち、輸出や公共事業のような追加的な需要が起点となり、所得と消費が伸び、そうした需要に促されて設備投資がなされる。これが更なる需要となり、設備投資を呼ぶ循環が生産性を高め、成長は加速していく。

………
 ここで、GDP速報を眺めてみよう。追加的な需要の指標として、住宅、公共事業、輸出の半分の三つを足し合わせたものを作ると、下図のように、家計消費や設備投資とパラレルに動いていることが分かる。住宅、公共、輸出の三つは、バラバラに変動しているのに、不思議にも、一つにすると消費や投資と変動が同じになる。こうなる理由は、普通の経営者の視点に立てば、すぐに分かる。

 需要を見つつ、設備投資を進捗させているのだ。常識的ではあるが、経済学の教科書とは異なり、経営者は、利益率に従うのではなく、需要リスクに強く支配されている。これを踏まえると、異次元緩和や法人減税・規制改革に効果がなく、緊縮財政で需要を抜いたりしたら、景気が低迷するのは当たり前だろう。金融緩和の効果は、円安で輸出や外国人旅客を得たり、建設投資を促したりの間接的なものに限られる。ゆえに、経路が途切れての空振りも少なくないのである。

 経済のメカニズムは、追加的な需要が増すと、設備投資が増え、これらで所得も得られて、消費も伸びるシンプルなものだ。実際、消費増税に備えるとして、法人減税やら投資減税やらの成長戦略を打ったが、やはり、設備投資は失速し、直近で3需要が上向くまで停滞した。諸々の規制改革に至っては、元から成長「戦術」でしかない。日本人らしい改善運動は否定しないけれど、需要管理という「戦略」なき総動員体制は、この国の伝統芸なのかね。

 細かく3需要と消費の関係を見ると、直近の10-12月、1-3月期は消費が弱い。これは一過性の物価高によるものだ。この局面で、家計調査が極端に弱かったにもかかわらず、筆者が強気を打ち出したのは、3需要を見ていたからだ。逆に、2015-16年の冬に失速を唱えたのは、3需要も弱かったためである。このように複合的に読めば、景気の局面は的確に分かる。では、先行きはどうか。住宅堅調、公共一服、輸出漸進であるので、消費も伸びると見る。

(図)



………
 アベノミクスに限らず、緊縮財政・金融緩和・規制改革の組み合わせは、日本が20年やり続けてきたことである。円安で外需を得られれば、そこそこ行くが、ムリが溜まって円高へ揺り戻しては、元の木阿弥になるのを繰り返してきた。一時は上手く行くだけに、なかなか捨てられない、エリートの見果てぬ夢なのだ。それが、選挙に勝ちたい一心で、「世界経済はリーマン前に似た危機」との屁理屈で消費増税を先送りしたところ、世界経済の回復に巡り合い、一気に2%後半の成長である。緊縮財政の拘束具が外れれば、日本経済は、ここまで力を発現させるものなのか。エリートの教条の暗澹と、民主主義の皮肉を感じるよ。


(今日までの日経)
 米労働市場に異変 働き盛り男性の参加率、主要国最低 薬物まん延。夏野菜、長雨で高値。企業型保育所7万人に追加。成長率、夏以降も底堅く。クレディセゾン、全従業員を正社員に。地方を潤す3つの逆転・エコノ。児童扶養手当2か月ごと。

※高坂哲郎さんの「旧日本軍の悪弊と重なるPKO情報軽視」は読ませる。文書管理の問題が叫ばれるが、意思決定の歪みが文書管理に投影されただけで、本質は別にあり、財務省や文科省の一件と同様、正当化しがたい政治判断の隠蔽が根源とはね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8/13の日経

2017年08月13日 | 今日の日経
 最終的には、こども保険も、出世払い奨学金も、年金制度に統合されることになる。それが合理的だからだ。すなわち、本コラムが6年前の「雪白の翼」や3年前の「ニッポンの理想」で示した形となる。行き着く先は見えていても、人々の考えはゆっくりとしか変わらないから、紆余曲折を経る。今は、「年寄り向けの年金が、なぜ、子供や奨学金に結びつくの?」という段階だが、「年金は、働ける時期のお金を、若年期や高齢期などの働けない時期に使えるようにする仕組」だという本質を知るようになる。

 出世払い奨学金の返済は、厚生年金の保険料に上乗せする形で徴収するのが手間がかからない。所得によって返済額を変えるようにするなら、なおさらだ。そうすると、財源を教育国債に求めるのではなく、本人の将来の年金の受給権を担保にすれば良いと気づく。しかも、厚生年金は、さしあたりの資金を積立金という形で、たんまり持っている。こうなると、奨学金というより、将来所得の保険制度になるんだね。

 こども保険も、乳幼児を育てている働けない時期に、将来の受給する年金を前倒しで得られるようにすれば、安んじて子供を持てるようになる。3歳になって保育所に預けて仕事に復帰すれば、使ったお金は、すぐに取り返せるし、夫婦共働きなら、年金水準は高めになるので、制度ができてしまえば、なぜ、今までできなかったのか、不思議にさえ思えるだろう。それほど、人々の考えを現実に適合させていくには、時間がかかるということさ。

 残念なのは、人々の考えが変わるまでに、相当、人口減少が進んでしまうことだ。正直、団塊ジュニアが中年になった今は、もはや手遅れだ。それでも、早くするに越したことはない。こうなる前から、声をからして訴えたが、一昔前は、少子化対策を口にすると、「戦前の産めよ増やせよだ」と批判される始末だった。それが消えたのは、人々の考えも、ゆっくりとではあるが、変わってきた証しだ。時代の先を読める能力はありがたいけれど、なかなか信じてもらえないのは、けっこう辛いものがあるよ。


(今日までの日経)
 大学授業料 出世払いで、教育国債で政府が新構想、こども保険とセット。国保業務、民間委託進む。日銀総資産FRB超え。欧州客 消費の主役・エコノ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金づくり・人づくり・社会づくり

2017年08月12日 | 社会保障
 日本の名目GDPは537兆円で、消費はその56%の302兆円。1.5%成長を確保するには、4.5兆円増やさないといけない。そこで厚生年金が1.2兆円も家計から所得を抜いていては、消費が振るわず、デフレから抜けられないのも致し方あるまい。人口減を持ち出して、宿命を嘆くまでもない。今度の新内閣の看板は「人づくり革命」になるらしいが、今まで実際にしてきたのは「金づくり」。これでは人口も減るだろうよ。

………
 8/10に厚生年金の2016年度収支決算の概要が公表になり、フローの収支は1.2兆円の改善と判明した。毎度のことだが、公表資料のままでは、一般の人には、何が何だか分からない。そこで、保険料収入+一般会計受入+基礎年金勘定受入をフローの収入、保険給付費+基礎年金勘定繰入をフローの給付とし、収支差を計算すると、前年度より1.2兆円も改善していると分かる。「改善」とは言っても、家計の立場からは、払いと貰いの差が1.2兆円少なくなったわけで、負担増である。 

 負担増の最大の要因は、保険料が5.9%増えたことである。そのうち、保険料率が引き上げられた分が0.5兆円程、景気回復で加入する労働者が増えた分が1.1兆円程だ。保険料収入は、景気回復に伴い、2014年以降、大きく伸びている。社会保障にとっても、景気回復こそが効くのである。他方、フローの給付は、前年度より+0.4兆円にとどまり、6年前と比べ、1.8%多いだけだ。支給開始年齢の引き上げなどで抑制されており、この間、収支差は5.7兆円も改善している。

 次に、ストックの側面から積立金の状況を確認すると、2016年度は、簿価ベースで+3.1兆円の110.3兆円となり、時価ベースだと+10.5兆円の144.4兆円となった。アベノミクス前の2012年度と比較し、簿価は5.3兆円、時価は26.5兆円も増えた。2013年度までは、積立金を取り崩して給付に充てていたが、収支改善で2014年度には不要となり、2015年度からはGPIFの運用収益も入れずに済ませている。いわば、貯金もでき、円安株高で含み益も得られたのである。

 庶民感覚では、貯蓄増大は歓迎だろうが、マクロの場合は、そう単純ではない。将来、年金の積立金を取り崩し、需要を満たすには、供給力が形作られている必要がある。少子化によって、供給に当たるべきヒトが足りていなければ、お札はタダの紙切れになってしまう。現状は、低所得の若年層にも、同じ率の社会保険料を課し、経済的に結婚や出産を難しくしている。人的には明らかに投資不足にあり、むしろ、厚生年金は「金づくり」に励んでいるとさえ言える。

(図)



………
 アベノミクスの下、景気回復があったにもかかわらず、法人税収は、2012年度の9.8兆円から2016年度の10.3兆円へ、たった0.5兆円しか増えていない。厚生年金の保険料収入が5.3兆円も増えたのとは対照的だ。これは法人減税が一因で、消費増税後の設備投資を促すとして行われたが、残念ながら、増税後から昨年度後半に輸出が増すまで、停滞を続けた。結局のところ、人づくりを阻害する社会保険料を重くし、法人税を軽くするという「金づくり革命」を敢行したものの、見るべき成果を挙げられずにいる。 

 新内閣が「人づくり革命」を標榜するのは結構だが、千億円程度の少子化対策の拡充にとどまるなら、「革命」も単なるレトリックでしかない。もし、膨らむ積立金を活用し、将来もらう年金給付を、乳幼児を育成している今、前倒しで受給できるようにすれば、数兆円規模の少子化対策になる。人的投資に使えるよう年金制度を改造するなら、真の意味での社会づくりの「革命」だ。もっとも、世界的にはありふれた話でしかない、憲法に国軍を規定することの方に、この国は政治的エネルギーを注ぐのだろうがね。


(今日までの日経)
 機械受注残高 高止まり。年金積立金、最高の153兆円。医療費、膨張に歯止め 16年度は14年ぶり減少。長期失業19年ぶり低水準。街角景気7月0.3悪化。たまる円高マグマ。消費活動指数1.1%上昇4-6月。就労寿命 伸びる未来は・原田亮介。AI・産業構造を一変・松尾豊。M字カーブ落ち込み最小は青森県。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8/6の日経

2017年08月06日 | 今日の日経
 7月の消費者態度指数は、順調に推移している。「暮らし向き」や「収入の増え方」も渋く増勢を保つ。他方、6月の毎月勤労統計は、大企業でのボーナスの伸び悩みのせいか、現金給与総額が前月比-1.3と、思ったより大きな低下だった。もっとも、中小の回答が加わる確報では、12月の時のように、上方修正される可能性がある。なお、現状でも、6か月平均は最低ラインの95.7は維持している。

 世の中には、消費増税が消費の低迷を招いたのだから、逆に消費減税をすれば良いという人もいるが、これは、経済的にも、なかなか難しい。例えば、減税方針を決めた途端、買い控えが発生し、減税時には需要が急増する。その後は、ダラダラと落ち続けるだろう。増税時とは逆向きの、需要変動の波に揉まれるのである。需要の追加が必要なら、低所得層の社会保険料を軽減するなど、別の方法を用いるべきだ。 

 国の税収については、企業業績が好転しているので、今後、法人税の上ブレが十分に考えられるものの、6月までの一般会計の実績は2016年度決算並みにとどまる。決算値より多く見積もっている2017年度予算の税収を上回るか、まだ見通せない。裏返せば、上ブレに伴う自動的な緊縮のおそれは少なく、補正予算で還元しなければならない事態にはなっていない。むしろ、引き締まりが心配なのは、雇用が増大している社会保険だ。

 今週は、内閣改造があったが、「人づくり」を掲げ、内閣改造で人心一新を図るというのは、安倍政権が初めてではない。55年前に池田勇人もしたことである。ただし、池田の「人づくり」は、能力開発よりも公徳心の涵養に重きがあった。高度成長で豊かになる中、伝統的価値観が希薄化することへの危機感が背景だった。公私混同を批判される今の政権では、公徳心を口にできるはずもない。

(図)



(今日までの日経)
 米雇用20.9万人増。上場企業、7割が増益4-6月。借家着工20か月ぶり減。人手不足 経済を動かす、25歳以下手厚く、営業短縮で増益。バイオマス発電いつか来た道。生命科学、再現できず90%。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする