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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

大荒れの家計消費の行方

2014年03月30日 | 経済
 2月の家計調査の結果は、季節調整済の実質指数で前月比-1.5だった。基礎的な消費を示す「除く住居等」は-2.4にもなった。世間的には、2月の落ち込みは、大荒れの天候があったからで納得しているようだが、1月の急伸のときは、駆け込み需要を理由にしていて、月替わりで「大荒れ」の要因が違っている。そんな調子では、なかなか信頼が置けない。

 セオリーは、まず収入、次に物価だ。2月の勤労者世帯の前月比は、名目実収入が-1.4、実質実収入-1.6であるところ、実質消費が-1.1である。従って、落ち込みは、収入で説明がつく。むしろ、収入が下がった割に、消費は落ちなかったというところだろう。物価は、実収入の名実差が0.2だから、着実に削がれている。前月は差が縮んでいたものが戻った形だ。

 収入が下がり、消費も落ちた関係で、平均消費性向は75.9%と、前月からの高い水準が維持された。大荒れの天候ではあっても、しっかり駆け込み需要はあるということだろう。前々年までの平均消費性向が74.0前後だったことを思えば、かなりの高さで、背伸びした消費であることがうかがえる。これが元に戻るだけで、かなりのインパクトだ。

 収入は、名目で見ると堅調でも、実質では、物価高のために12月までジリ貧であった。それが1月に上向いたかに見えたのだが、残念ながら、2月は、それを打ち消す結果となった。消費者の感覚では、収入の堅調さに安心し、高めのものを買って、盛んに消費をしているつもりかもしれないが、その実、消費は低調である。

 1-3月期の消費は、1月の伸びで高水準になりそうだったが、2月で相殺された。3月は駆け込みが非耐久財にも及ぶために読み難い要素はあるが、前期比が意外に伸びない可能性が出てきた。輸入増を踏まえると、GDPは更に伸びないだろう。それで4-6月期の反動減が軽く済むのなら良いが、実質の実収入が伸びない消費の低調さが駆け込み需要で底上げされているのだから、増税はかなりこたえると思われる。それに見通しの暗転による消費性向の低下まで加わると、恐るべき事態となる。

………
 蛇足になるが、景気対策が必要となった場合、一番効くのは、1/12に「2兆円でできる社会」で示した社会保険料の還元であろう。公共投資の積み増しは供給が逼迫していて無理があるし、金融緩和は円安を招いて益々消費の足を引っ張るからだ。しかし、選択されるのは、前年度の税収上ブレ分を財源にした法人減税だろう。

 これと引き換えに10%への消費増税が決断されるというのが、最もありそうなシナリオである。基準が収入額で定まる社会保険料の還元は、名目成長率が上がれば自動的に縮小されるが、逆に法人減税は将来の税収回復の可能性を大きく失わせることになる。成長低下と財源毀損の先には何が待つのか。まあ、あまり先を読んでも仕方ないね。

※ところで、ちょっと都合があってね、2週間くらい休載になります。ナニ、また元気に復帰するつもりなので、ご心配なく。

(昨日の日経)
 女性・高齢者に働く機運、非労働力人口22年ぶり減。消費者物価1.3%上昇、駆け込み・円安色濃く。初のマイナス金利。ロシア停滞・資金流出、物価も上昇。中国潜在成長率6.2%に。

(今日の日経)
 イオンが格安スマホ。消費回復は緩やか予想、輸出期待・エコノミスト見通し。若手を応援、待遇も給料も。かつてシイタケはマツタケより高級品。爪を隠す外交の終えん。読書・楽観主義者の未来予測。
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3/27の日経

2014年03月27日 | 今日の日経

(昨日の日経)
 再入院での病院の乱用防止。トヨタ・賃上げで240億円増、値下げ緩和100億円。経済教室・海外所得テコに雇用創出・黒坂佳央。

(今日の日経)
 駅にコンビニ500店。車10社配当9000億円超、トヨタ自社株買い3600億円。賃金上昇が物価に圧力、サービス価格21年ぶり伸び、人手不足強まり。アベノミクス・官邸の法人減税へのこだわりは海外マネー。ミャンマーは脱中国依存。炭素繊維1分内に加工。新年度収益展望・自動車は鈍化も18%増。船・トラックの不足深刻。経済教室・対外資産・岩本武和。

※トヨタの賃上げコストは240億円。結局、労働需給が逼迫しなければ、還元はないということ。倫理の問題ではない。消費者の負担した円安デメリットは、こうして外国人を含む株主に分配されたのだから、不況下の法人減税の虚しさが分かろう。※労働力はナマモノなので、急には供給が増えない。削り込んでいたところで需要増があると、サービス業ではすぐに逼迫し、賃上げも要る。それが景気回復の好循環につながる。増税リスクがなければ、賃上げや投資増には、もっと積極的だろう。増税後、一気にパートが整理されるようだと、もう消費は戻らないから、アベノミクスも終わり。決着は早いよ。せっかくここまで来たのだがなあ。
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3/25の日経

2014年03月25日 | 今日の日経
 7-9月期が実質2~3%成長なら、消費税を10%に上げるつもりのようだね。水準が100で成長しない経済があるとして、2013年10-12期までが100、駆け込みで2014年1-3月期が103、反動で4-6月期が97、元に戻る7-9月期が100とすると、まったく水準は上がっていないのに、7-9月期は「前期比」で2~3%成長しているように見える。つまり、実態はゼロ成長でも増税はできるということだ。まともな判断基準とは思えないが、数字に疎い人に「7-9月期が2~3%成長なら増税」と繰り返し、刷り込んでいくのだろうな。「前年同期比」で経済を分析しないと意味がないことを忘れないようにね。

(今日の日経)
 ロシアをG8から除外。日本企業に際立つ回復力。夏の成長「10%」の条件、実質2~3%なるか、腰折れ懸念も。大機・もう一つの内閣府見直し論・横風。経済教室・クリミア問題・中谷和弘。

※マクロ経済に需要管理は不要で、金融政策と産業政策だけで良いというのなら、内閣府の経済財政部門は無用の存在。そうしたい人達が居たということだよ。まっとうな経済の分析など、日本には邪魔なだけなのだろう。
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年金における努力の拡大

2014年03月23日 | 社会保障
 少子化が進んで年金財政が苦しくなるから、支給開始年齢を引き上げたり、保険料納付期間を65歳までに長くすべきだという議論を聞けば、もっともなように思うかもしれないが、それでイメージされることと、実際の意義とは乖離がある。それが分からないまま、議論を続けても時間の浪費で、本当に為すべきことを遠ざけることになる。有為な議論のためには、ムダは省かねばならない。

………
 まず、少子化については、腹を括ることが大事である。特に、団塊ジュニア世代は、40代となって、自分らを支える子世代の員数がほぼ確定したので、もうジタバタすべきではない。団塊ジュニア世代は、自分達の6割しか子世代を作らなかった。よって、最悪の場合、自分達が払った保険料の6割の保証しかないと覚悟を決めれば良い。逆に言えば、日本国が続く限り、6割はもらえる。そう思えば、気が休まるのではないか。 

 むろん、実際の制度は、そこまで減らないように、積立金と税で支えて、払った分は還ってくるものにしてある。それぞれが2割ずつ支える計算だ。おそらく、今年行われる年金財政の検証の際には、積立金の運用収入の見通しの想定について、高過ぎるという批判が喧しくなると思うが、しょせんは2割である。「想定を下回ると年金制度が破綻する」といった無用な不安は持つべきではない。

 積立金の運用収入がどうなるかは、経済動向次第になるので、正直、誰も見通すことなどできない。成長に努力し、あとは結果を受け入れるしかない。もし、想定を下回ったとしても、取り得る手段は、18.3%を上限としている保険料率を引き上げるか、税の投入を増やすかになるので、議論するだけ虚しい。これをかわせる上手い抜本的な改革があると期待するのは、かえって不幸なことになる。

………
 唯一、希望があるのは、少子化を緩和することである。子世代の員数は決まったが、孫世代を増やすことはできる。理論的に言えば、10人の団塊ジュニア世代を、6人の子世代だけで支えるには、1.67倍の負担が必要であるが、孫世代が10人に復元されたとすると、子世代は1.67倍の「給付」を受けることができるので、高負担・高給付が可能になって、「損」をなくすことができる。これならば、子世代も高負担で支えようという気持ちにもなるだろう。 

 孫世代を復元するには、出生率を1.4人から3.4人まで引き上げる必要があり、戦後のベビーブームが4.3人だったから、不可能とは言わないまでも、あまり現実的ではない。それでも、出生率の向上の重要さは分かるだろう。しかも、少子化対策は、「雪白の翼」で示したように、年金制度を工夫すれば、財源を心配することなく、大幅に充実させられる。これは、老後にもらう年金を、乳幼児期の最もお金が必要な時期に、前倒しで受給できるようにするだけのことだからだ。

………
 さて、年金の支給開始年齢の引き上げだが、保険料率は既に18.3%を上限に固定されているので、引き上げたからと言って、負担が軽くなるわけではない。なぜ、これをするかと言うと、経済が想定より低迷した場合、年金の給付水準が現役時代の所得の50%を割る事態になっても、耐えられるようにするためである。

 所得代替率が50%を割ったからといって、保険料率を上げるわけにはいかない。どうしても、50%に拘るなら、支給開始年齢を66歳に遅らせるしかないことを示すものなのだ。むろん、支給開始の年齢は、個々人が選べるようでなければならない。要するに、50%に拘るなら、66歳まで我慢し、65歳からもらいたければ、50%はあきらめるという、選択肢を与えるものなのである。

 保険料の納付期間を60歳以上へと長くすることも同じ趣旨である。それで、若い世代の負担が軽くなったり、年金財政が黒字に向かったりするわけではない。長く保険料を払った人には、給付も後で増えるからである。裏返せば、払う人にとって、「負担」や「損」になる話でもない。これに意味があるのは、やはり、給付の代替率が50%を切った場合に、「それが嫌なら、長く保険料を納めましょう」と選択肢を与えるからである。 

 給付の代替率については、長寿化が進むことによって支給期間が伸び、その分だけ、月当たりの給付が薄くなり、50%を切ることも考えられるが、これに不満を鳴らすべきでもないだろう。この場合、生涯の給付総額が減らされているわけではないからである。あとは、長寿を喜びつつ、細く長く暮らす工夫に努めるよりほかない。慎ましく暮らしているのは、年金を支える若い人達も同様なのだから。

………
 年金の議論と言うと、負担と給付の問題に関心が向き、公平か否かで白熱しがちだが、本当に大切なのは、一人ひとりの努力の余地を拡大することである。低成長のために給付水準が下がるようなら、1年でも長く働き、より多く保険料を納め、より遅く受給を始めるしかない。子供を持ちながら働き続けられるよう、乳幼児期の少子化対策を充実させることも欠かせない。パートでも厚生年金に加入できないのでは、努力のしようがない。こうした観点から、議論すべきなのである。
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3/21の日経

2014年03月21日 | 今日の日経

(今日の日経)
 保険料納付65歳まで、パート加入拡大。1兆円の逆風こなして最高益・トヨタ。パナソニック8割増益、住宅と車が好調。来春にも利上げ・FRB議長。地価・賃料が上がる前に移りたかった。中国車大手の販売急減。経済教室・世界貿易・浦田秀次郎。

※その住宅と車を消費増税が直撃。当局は電機潰したいに違いない。※こうした「早めに」がバブルの原動力。必ずしも強欲ではない。※中国の成長鈍化で限界企業に影響が出たね。
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3/20の日経

2014年03月20日 | 今日の日経
 日本の財政当局は国民に自然増収を隠していたが、経済界にはお見通し。増収分で税率を下げろとやられてしまった。最初から自然増収を組み込み、消費増税を後ろ倒ししていれば、こうはならなかっただろう。増税の欲をかいたために、税制に穴を開けられた。不幸なのは国民だ。正直さが強いのは、現実に則すからである。現実をごまかす狡猾さなんぞ脆いもの。日本のエリートには、こんなところから説かねばならんのかね。

 それにしても、日本人にとって、法人減税は「宗教」の域に入ってきたようだ。他策との比較をしなくなれば、戦前の「満蒙は日本の生命線」と叫んでいた頃と何も変わらない。他国もしているからという理由は、日本人には絶対的なのだろうな。「植民地は儲からず、世界貿易にこそ利あり」と損得を比較した石橋湛山は、今でも異端者なのだろう。「この道しかない」と殉じることは美学に過ぎない。リアリズムとは対極にあるものだ。

(今日の日経)
 ソニーが部品メーカー選別。法人税下げ15年度から。賃上げ・横並びの呪縛。中国バブル崩壊の予兆、不動産会社が破綻。地価・担保価値増で借りやすく。新車販売15%減見通し。工作機械、中国底打ち。販売員正社員か広がる、ユニクロ1.6万人。マンション供給息切れ。経済教室・農業関税・木村福成。インド工科大。

※需要が底打ちして景気が上向くと、地価が上がって信用も伸び、人材確保を狙って正社員化も進む。これが好循環というもの。中国は逆の局面であり、日本は元を断つ方に行く。
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3/19の日経

2014年03月19日 | 今日の日経

(今日の日経)
 ロシアがクリミア編入。三代都市圏の公示地価が6年ぶり上昇。重力波を観測、インフレーション宇宙論を裏付け。金融庁・中小の転廃業を促す。厚年基金の解散加速。液晶1000億円新工場。増配企業の株高目立つ。経済教室・終末期ケアに基準を・川口洋行。

※終末期をどういうものにするかは大きな問題だ。提言と議論を繰り返して国民的なコンセンサスを作るには時間もいる。生きる以外の望みを持って迎えたいものだ。
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3/18の日経

2014年03月18日 | 今日の日経
 
(今日の日経)
 預金口座にマイナンバー。予算執行に数値目標、増税後の下支え。トヨタの賃上げ減額回答。人民元が11か月ぶり安値。エアコン生産を国内回帰。経済教室・診療報酬・鈴木亘。

※公共事業は執行難になっているのに、前半に集中させようとはね。こういう財政当局だから、日本のマクロ管理は無茶苦茶。まあ、リップサービスだろうけど。※中国も通貨安を仕掛け、欧州は危うしか。プラザ合意のように、下落が止まらないようにならなければ良いが。

※KitaAlpsさん、コメントありがとう。設備投資は乗算過程ですから、そこからは対数正規分布が導かれます。これに多少の増幅が働くとべき分布に向かうという理解です。設備投資には需要のフィードバックが働いて増幅されるメカニズムがあるという認識を持つ人は多いので、これを共有する者にとっては、「リスクに対して合理的に行動できない」という結論が得られると思っています。設備投資にべき分布が発見できれば一番良いのですが、増幅メカニズムの存在で代えるというわけです。また、対数正規分布にあるとしても、分散が大きくなると、現実的には合理的に行動できませんし、対数正規分布だと思っていても、稀な現象を観測していくうちに、後でべき分布だったと気づくこともあり得ます。いずれにせよ、べき分布の蓋然性がある事象について、それを増幅する政策を無闇にしてはいけないということですね。
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リスクが従う二つの分布

2014年03月16日 | シリーズ経済思想
 ガラス板を破壊すると、破片は幾つかの大きなものと無数の粉々のものになり、その構成がべき分布になるというのは、よく知られていて、べき分布の典型例として挙げられることも多い。ところが、それは高いエネルギーで破壊すると、そうなるのであって、低いエネルギーであると、対数正規分布になるそうである。

 また、べき分布と対数正規分布は、裾野の部分を除いて似通っており、裾野も分散が大きくなると、べき分布に近似して、見分けがつかないようになるらしい。対数正規分布をべき分布にするには、対数正規分布の基となる乗算過程(変化量が現在量に比例する)に、増幅する作用をもつ項を加えることで可能になるようだ。どうも、べき分布と対数正規分布は「地続き」であり、これは経済のリスクを考える上でも非常に興味深い。

………
 有名な話だが、オプション価格を算出するブラック・ショールズ方程式では、株価変動の分散が対数正規分布に従うことを前提としている。対数正規分布は、変数の対数を取ったものが正規分布に従うのであるから、当然、分散の計算が可能だ。しかし、実際の変動は、もっと激しく、分散が無限大であるべき分布になると批判され、今では、リスクを大き目に設定する形に改良して使われている。

 2/23のコラムで、ケインズやナイトの言う「不確実性」は、論理的な必然性から、一般のリスクとは次数が異なるものとして、べき分布のリスクと解釈すれば良いということを述べた。分散が無限大の「不確実性」となれば、合理的期待も持ちようがなかろうというわけである。仮に、対数正規分布だとしても、リスクを大き目に設定すれば、その分だけ不効率が生じ、これに相互作用が働いて増幅されれば、容易にべき分布に発展すると想像がつく。

 設備投資に関する、経営者の需要に対するリスク感覚として、安定していれば、金利プレミアム程度のリスク、変動がある下では、対数正規分布の有限の分散のリスク、変動が大きくなるにつれ、分散は拡大し、ついには、無限大のべき分布の分散リスクに至るということになろうか。要するに、需要の変化に対して、急速にリスク感覚が強まるのである。

 むろん、分散が有限であるうちに「超」合理的にリスクを取ると仮定すれば、リスクの発展はないかもしれないが、それは破れやすい構造にある。他者も裏切らずに「超」合理的に行動するとか、自身も分散に必要な十分に長い持ち時間があるとかの「強い」仮定が必要になる。結局、べき分布のリスクがあるとの疑いが生じた途端、その発生が避けられなくなるという悩ましさがある。

………
 需要に対して、本当にべき分布のリスクがあるかどうかは、GDPデータは四半期だから、分析できるだけの情報量が不足していて、なかなか実証に至るのは難しいと思う。ただし、もし、それが真実だとして、ここから導き出される経済運営の要諦は、需要にショックを与える一気の増税のようなことは避けるという常識的なものだから、政策コストが高いわけではない。政策は、実証を待たず、蓋然性でもって判断せざるを得ないことが多い。そういう場合のリスクとコストのバランス感覚こそが大切であろう。

※参考:國仲寛人・小林奈央樹・松下貢「複雑系に潜む規則性-対数正規分布を軸にして-」(物理学会誌2011.9)

(今日の日経)
 攻めの借金事業拡大。人民元変動幅2%に。第3子給付手厚く・諮問会議。性同一性障害特例法。中国、ニコンを標的。東芝の漏洩でも切れぬ提携。ケーズ社長・駆け込みで説明できないものも。建設職人はなぜ消えた・流動化で賃金高騰・志田富雄。

※性同一性のような一隅を照らす立法こそ議員の役割だね。※志田さん、いいね。人材流動化は成長するときには足枷になるものだ。
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経済政策を見る観点

2014年03月14日 | 経済
 利益を最大化しようと思えば、木を伐るだけで、苗を植えないのが一番だ。むろん、それでは次世代の得るものがなくなるが、現世代にとっては合理的な行動だ。ならば、若者や女性を安く使い、子供を持てなくすることはどうか。極めて合理的な企業の行動であるが、移民でヒトを輸入しなければ、持続不可能になる。こうした長期的には利益を最大化しない不合理を是正することに、経済政策の意義はある。

 法人減税を叫ぶ人は、成長を高めることを根拠にするが、少しばかりなら、他にいくらも政策はある。そうした「一点突破」では話にならない。設備投資の促進であれば、それに絞った減税の方が費用対効果が高いのは論理として明らかであり、政策の比較をせずに声高に主張するのは、「他面展開」する別の意図があると考えるのが普通だろう。

 例えば、株価を短期的に上げるのには効果的だろう。市場関係者が歓迎するのも当然だ。上場企業の3割を占めるまでになった外国人株主も配当増が期待できるし、海外に投資をしたい経営者や設備投資が成長の源泉ではない金融業にとっても好都合である。彼らに設備投資減税は意味がなく、欲しいのは法人減税だろう。声高には言えないにしても。

 企業負担を軽くする政策なら、法人税ではなく、社会保険料を軽減する方法もある。法人減税派の大好きなドイツも、社会保険料を抑えるために財源を投入し、同時期に経済成長という「成果」を上げているから、一も二もなく賛成してくれるに違いない。残念なのは、外国人株主、海外投資派、金融業者には、あまりメリットがない点だ。

 具体策は、1/12の「2兆円でできる社会」で示したとおりである。パートの大半が厚年・健保に加入できるようになり、130万円の壁もなくなる。若者や女性を中心に底上げがなされることで、少子化の緩和にも効果があるだろう。この政策の最大のメリットは、設備投資の促進に「失敗」したとしても、負担軽減自体に社会的意義があることだ。そして、日本経済を持続可能にもする。政策は、本来、こういう観点で選ぶべきものである。

(今日の日経)
 原発ゼロが夏にも解消。イオンがアジア投資倍増。香川県・求人1.4倍の裏側に高齢化。起業向け融資7年ぶり高水準。戸建てに長引く反動減。大機・経常赤字削減は財政再建には的外れ・カトー。日銀貸出支援基金の効果は不確か・大村敬一。ATM売却・勝ちて和す。

※起業は好況でこそ。不況が生むわけではない。※収入見通しが住宅には大事。※カトーさんが理路整然と説いても、当局は双子の赤字の恐怖で押しまくるのだろうな。「赤字は悪」と叫ぶことほど「分かり易い」ものはないからね。下らない主張は、当局が言っても報じないようにできないものか。
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