3月の人口動態速報の出生は前年同月比-2.9%で、今年の出生率は1.11人に向って転落中だ。一世代で人口が半減するスピートで、賦課方式の年金で言えば、支える子のない人の給付をゼロにするか、全員を半減にするかという恐るべきものだ。積立金の流用とか、増税の不安だとか損得論の醜い争いをやってる場合ではないんだよ。
厚生年金の積立金は、1996年度に120兆円を超え、2011年度に120兆円に戻るという経過をたどっている。すなわち、積み立てたのは、30年前に50代だった世代以前の人達であり、使う権利のある人達は、ほぼ年金をもらい終わっている。つまり、積立金を流用するなと叫ぶ者らは、団塊ジュニア以降の各世代で遺産の取り合いをしているわけだ。
積立金は、賦課方式の年金に本来は不要のもので、使うとすれば、少子化によって制度が縮小する場合になる。今回の年金改正の趣旨は、いわば、各世代で痛みを分かち合おうというものであり、今のままだと痛みが氷河期世代に強く出てしまう。結局、計算高さは道を誤り、優しさが正しさに導いてくれる。生き方とは、そういうもの。
くだらぬ争いより、目下の地滑り的な少子化をくい止めねば、大変なことになる。低所得の若者の保険料を半減して、勤労者保険に皆が入れるようにしてやろうよ、非正規の女性にも育児休業給付を出して助けてやろうよ。カネがもったいないなどと、優しさのないことを言っているから、出生が激減して、社会は破滅するのである。
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(今日までの日経)
備蓄米の売り渡し半値に 小売りと随意契約。財源なき消費減税に世論慎重。年金底上げの判断は5年後 与野党合意、残る財源不安。