goo blog サービス終了のお知らせ 

経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

9/29の日経

2022年09月29日 | 今日の日経
 7月の人口動態速報は、出生が前年同月比-8.3%だった。これで1-7月の累計は前年同期比-3.3%まで下がり、過去最低の合計特殊出生率1.26人に、また一歩近づいた。2022年の数字は、概数の公表が翌年6月上旬になるけれども、このペースだと割ってしまうね。先行指標の婚姻も同様に-3.8%に落ちてしまっており、これは厳しい。育休給付の非正規への拡大は、まったなしだよ。

(図)



(今日までの日経)
 電気代の負担増「直接緩和」。金利上昇、世界揺さぶる 米10年債、12年半ぶり4%乗せ。国民年金「5万円台」維持へ。育休給付、非正規へ拡大案。円買い介入3兆円規模か。減税策受け、英国債利回り急騰。湾岸諸国に200兆円流入。人手不足、コロナ後最大。悩む外食、冷凍食品に活路。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

緊縮速報・財政赤字は2期ぶりに改善

2022年09月25日 | 経済(主なもの)
 4-6月期の資金循環が公表され、一般政府の資金過不足は、4四半期移動合計で見ると、名目GDP比-5.6%となり、2期ぶりに0.7の改善となった。2021年度補正は36兆円と巨大だったが、2020年度補正の73兆円よりは小さいし、2021年度税収も前年度比6.2兆円の増と好調だったのだから、当然ではある。今後、どのくらいのテンポで改善するかが、成長へのブレーキ具合という意味で、焦点となる。

………
 一般政府の内訳を見ると、中央が名目GDP比-7.1%、地方が+0.6%、社会保障基金が+0.9%となっており、国はコロナ対策で大赤字だが、地方と社保がそれぞれ黒字を計上しており、全体では、2014年頃と同じくらいの水準になっていて、危機的状況からは既に脱している。地方と社保は、前期から横バイで変化がなかったが、社保の中では、医療の収支が改善し、年金が悪化したようである。 

 資金過不足を部門別で見ると、非金融民間法人の移動合計が名目GDP比+0.9%と前期よ1.0の低下、家計は+5.0%と0.6の低下、海外は-1.7%と0.6の上昇となった。家計は、異例の超過が収まり、法人もコロナ前の水準に近づいた。海外は、名目の輸入増を反映し、7年ぶりの不足の少なさになっている。そのため、法人の超過と政府の不足は、対称的な形となるのがいつもだが、海外の不足が小さい分、政府の不足が大きくなっている。

 さて、今後だが、次の2022年度補正は、さすがに、前回2021年度の36兆円まではいかないだろう。感染防止策などに20.3兆円も使っていたからで、その繰り返しはないからだ。あとは11.4兆円だから、このあたりが目安になる。感染防止策などの分、GDP比3.7%の財政赤字が縮小するわけだから、補正予算の縮小だけで、今期くらいのペースで改善が進み、1年も経つと、コロナ前のGDP比-2.0%前後の財政赤字に戻ることになる。

 他方、2022年度は、国の税収が3.6兆円増えると予想され、地方は1.6兆円、年金は0.6兆円の収支改善が見込まれるから、これらをどう扱うかが焦点となる。そのままなら、GDP比で約1%の緊縮となり、コロナ前の水準以上に財政再建が進捗する。GDPは、10%消費増税の前の水準に戻るのに、まだ2年はかかりそうだから、経済より財政の再建の方が早く達成されるわけだ。

(図)


………
 円安が145円台まで進み、24年ぶりに円買い介入が行われた。黒田・日銀の金融緩和の本音は円高の是正にあると見ていたから、円安が行き過ぎるなら、マイナス金利などの始末をつける良い機会とばかりに、修正すると思っていたので、これほど頑なに緩和を続けるとは意外だった。もっとも、ここまで日米で金利差がつくと、たとえ、日銀が金融政策の方向を変更し、政策金利を0.25%上げたくらいでは、円安は戻るまい。

 米国の引締めに負けず、円安を大幅に戻すくらいの利上げをするには、日本の物価なり賃金なりが米国並みに上がらないといけない。そこは、財政で消費にブレーキを踏んでいるわけだから、あり得ない話であって、家計は緊縮と円安で苦しむのみとなる。米国とズレの目立つ経済運営をすることの辛さを感じるよ。「米国では」などと言って、マネをしていた方がなんぼか楽かもしれない。


(今日までの日経)
 10月1日 厚生年金、中小従業員も対象。NY原油、80ドル割れ。政府・日銀、24年ぶり円買い介入。米住宅契約、キャンセル急増 価格上昇鈍化。日本、危機後の回復遅れ 顕著。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9/21の日経

2022年09月21日 | 今日の日経
 8月の消費者物価指数は、総合が前月比+0.3と10か月連続での上昇で、この間に+2.8pt高まったことになる。同じく、財が+5.4ptも高まっているのに対し、サービスは+0.4ptでしかない。ただし、8月は、サービスでも、運輸通信、外食、教養娯楽などで動きが見られるので、コスト高は、サービスにも波及してきたようだ。それでも、サービスの1/3を占める家賃は、地価は上がってはいても、まったく変化が状況である。

(図)



(今日までの日経)
 基準地価、住宅地の全国平均31年ぶり上昇。米IT大手4社、設備投資の伸び鈍化。「ガス年60万円」民主主義試す。実質で見る破格の円安「体力」低下著しく。ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ。65~69歳、就業初の5割超え。米中経済、幻と化す逆転劇。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナ後の財政出動はどのくらいが適当か

2022年09月18日 | 経済
 今年は、秋の臨時国会に補正予算が出されるようで、これから、経済対策が作られることになる。補正予算の規模は、3兆円だと平常、5兆円だと積極、10兆円だと大型というイメージだろうが、この2年で、税収が急激に伸びており、大型にしても、増えた税収を還すだけにとどまり、需要を追加するという意味では、財政出動にならない状況になっている。経済運営は、「気分」でなく、計量的に考える必要がある。

………
 まず、2021,22年度の当初予算の一般歳出は、予備費を除くと、合わせて0.7兆円しか増えていない。他方、税収は、2021年度に6.2兆円も伸び、2022年度は更に3.5兆円増となる見込みだ。すなわち、収支が9兆円も改善する。ポストコロナで、予備費や補正予算を使わないようになれば、消費税率にしたら3%超の規模の緊縮が立ち現れることになって、一挙に財政再建の目標へ接近することになる。

 他方、2022年度においては、1次補正後の予備費は7兆円あり、既に1.8兆円が使われ、9月下旬に物価高対策として3兆円半ばが措置される予定だ。これで合計5.3兆円となる。既に財政出動をしている「気分」かもしれないが、この2年の税収の急増を勘案すれば、あと4兆円近くを積み増さないと、緊縮になってしまう。秋になされる経済対策や補正予算では、このあたりが一つの節目である。

 そして、補正予算は、コロナ前には、3兆円規模が恒常化していたから、これを超える分が追加的な財政出動となる。したがって、先ほどの「あと4兆円」に、この3兆円を加えて、7兆円規模の補正予算を組んで、ようやく、コロナ前並みの財政収支になる。つまり、苦難に対応して積極財政をしている「気分」になっても、このレベルでは、特に問題のない平常時の財政をしているに過ぎないことになる。 

 しかも、地方財政でも、この2年の地財計画の一般歳出がほぼ横バイ中で、税収は、2021年度に1.6兆円増えており、2022年度は2.0兆円伸びると予想される。厚生年金も、2021年度に収支が1兆円改善していて、2022年度は更に0.6兆円善くなると予想される。これらを全部足し合わせると、5.2兆円の緊縮だから、全部含めて中立まで持って行くのには、補正予算を12兆円まで膨らませないといけない。

(図) 


………
 この2年は、コロナへの対応で補正予算の規模が巨大だったために、その陰で進んでいた税や保険料の伸びによる緊縮を意識する必要はなかったが、これからは対応を考えないと、思わぬ急峻な緊縮になって、成長を殺ぐことになる。この2年の税収増を、人知れず、すべて財政再建に充てるのではなく、少子化対策のような恒常的な支出でも還元すべきであろう。そうでないと、この国は縮こまるばかりである。

 もっとも、この種の解説は、長年しているところであり、今回も、「なぜ消費が委縮するのか」と不思議に思いつつ、「もっと産業政策を」に行き着く展開だろう。消費が伸びて来ないのに、設備投資に踏み切るなんて、企業にとっては危険すぎて無理なんだけど、投資だけが独走して伸びる奇妙な成長を夢見て、最近ではワイズ・スペンディングとか唱えつつ、経済対策の策定は続くのである。


(今日までの日経)
 一帯一路「問題債権」3倍。中国、深まる不動産苦境。中国家電、在庫膨張2兆円。医療費、再び過去最高 44.2兆円。貿易赤字最大、輸出増鈍く。中国、出生減止まらず。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9/15の日経

2022年09月15日 | 今日の日経
 7月の機械受注は、民需(除く船電)が前月比+5.3%と2か月連続の増加となり、順調に推移している。ただ、製造業は-5.4%となって頭打ち感が見られるのは、気になるところだ。全体のプラスは、運輸業や不動産業の一部の大きな伸びに引っ張られたものである。世界経済の減速は、製造業に現れるから、ここは要注意である。円安になっても、輸出が伸びなければ、メリットにならないからね。

(図)



(今日までの日経)
 ビザなし短期来日を再開へ 個人旅行も解禁。介入準備、苦渋の選択。CPI、インフレ鈍化の期待砕く。バイト時給 再び最高。社説「希望する子ども数」の大幅減に危機感を。デジタル給与、来春解禁へ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4-6月期GDP2次・消費の回復はいつなのか

2022年09月11日 | 経済
 9/8公表のGDP4-6月期2次速報は、大きめの上方修正となり、実質年率3.5%となった。これは、法人企業統計の結果を受けて、設備投資が大きくなり、在庫減が小さくなったことによる。家計消費も、若干、上乗せされ、10%消費増税後の最高だった2020年1-3月期と、ほぼ同じ水準である。これで、コロナ禍からの戻りは完了し、コロナ後の成長がどうなるかというフェーズへと移る。

………
 2014年4月に消費税を8%に引き上げた後は、下図のとおり、消費水準は7兆円以上も下がり、増加速度も年率+0.3%へと鈍化した。そして、5年経っても、ついに消費増税前の水準を取り戻せなかった。それにもかかわらず、2019年10月には、10%への消費再増税を行い、更に消費水準を下げる政策が採られた。その後の増加速度は、コロナ禍のために不分明となったが、更に鈍化していると考えるのが妥当だろう。

 足下では、日本は政策金利を引き上げないと見られているために、急速に円安が進んでいるが、その背景には、欧米と比べると、かなり低い物価上昇率がある。なぜ低いかと言えば、コロナ前の消費増税が消費を減らし、需給ギャップを拡げていたからである。ギャップは8兆円近くもあり、これを埋めるには、増税後も増加速度が鈍っていないと仮定しても、10年以上かかるが、7,8月の消費指標を見る限り、横バイ状態である。

 消費を名目で見ると、この4-6月期は297兆円で、消費増税前の2019年4-6月期の299兆円と、大して差がなくなった。いわば、消費の数量は少ないけれど、以前と変わらないくらいお金を使っているところまで来ており、消費ができるのに我慢している感じは薄れている。したがって、今後、消費が伸びるかどうかは、平常時のとおり、どのくらいのペースで可処分所得が増えるかどうかにかかっている。 

 その際、忘れていけないのは、アベノミクスの間に、税や社会保険料を重くして、賃上げをしても、可処分所得の増加は半分になる構造にしたことだ。また、円安や物価高は、実質的な可処分所得を目減りさせる一方、企業収益や税収を膨らませる。実際、国の税収は2022年度に3.5兆円、地方が2兆円、厚生年金も0.6兆円の増収になると見込まれ、いかに還元するかが消費の行方を決めることになる。

(図)


………
 9/9に予備費による物価対策が決定され、第2次補正予算の編成の表明もなされた。大事なのは、若年層とも重なる働く低所得者への還元を考えることである。高所得なら、賃上げ率が物価上昇率に追いついてなくとも、額はカバーできるが、低所得だときつい。これまで、政府は投資を促進することばかり考えてきたが、消費を政策的に育てなければならない時代になっている。

 折しも、2021年の出生動向基本調査が公表されたが、結婚も出産も希望が大きく下がっており、経済的困難から来るあきらめが内面化されているように思える。2022年は、合計特殊出生率が1.26人の過去最低まで下がりそうな危機的状況だ。日本総研の藤波匠さんが毎日エコノミスト(9/6)で的確に分析しているように、女性人口がまだ多い2020年代のうちに手を打ちたいものだ。


(今日までの日経)
 給食無償化で子育て支援。コンテナ船、米の「渋滞」解消。政府、3兆円規模の物価高対策決定。未婚女性の希望子ども数、初の2人割れ。欧州中銀、0.75%利上げ。来月に総合経済対策。ガソリン補助金を段階縮小へ。円急落1ドル=144円台。全世代型社会保障、議論を再開。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9/7の日経

2022年09月07日 | 今日の日経
 7月の消費は、統計局CTIマクロが実質で前月比-0.2の104.1で、4-6月期と同じ水準だった。停滞感が強いが、10%消費増税の直後の2019年10-12月期並みではある。名目では105.7と、既に消費増税前の2019年4-6月期に近い水準だ。あとは、実質が消費増税前とのギャップを、どのくらいの時間で埋められるかである。ちなみに、2014年に8%消費増税で落としたギャップは、5年かかっても埋められず、それなのに10%消費増税をしたわけだが。

(図)



(今日までの日経)
 円が対ドルで急落、一時143円台に。低所得世帯に秋にも5万円。「住宅」が社会保障になる日。装備品、5割が稼働不可。トラス英次期首相、大型減税で打開図る。中国住宅融資、50兆円が宙に。独、インフレ対策9兆円 エネ企業の超過利益に課税、家計支援。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キシノミクス・コロナ後の冴えない状況

2022年09月04日 | 経済(主なもの)
 8月も終わり、東京のコロナ感染は、ピークだった月初の半分になった。月末に公表された7月の経済指標は、感染が急拡大していた頃のものになる。行動制限はかけられなかったが、冴えない結果だ。やはり、コロナ後になって、外需次第の景気に戻ったというところか。その外需の先行きは、資源高と金融引締めで心配な昨今なのに、国内は、国葬と旧統一教会の問題で、景気どころではない感じだ。

………
 7月の商業動態・小売業は4-6月期とほぼ同じ103.8だった。この水準は、10%消費増税前を上回っていて、コロナ禍を超えて完全に回復している。ただし、名目なので、CPIの財で除して実質で見ると、6Ptもの差になる。消費増には、雇用者報酬がいるが、1-3月期GDPの段階で、2019年10-12月期を名目で上回っており、こちらも既に回復している。家計調査の消費性向は、相変わらず低いものの、消費増税後のレベルには戻った。8月の消費者態度指数は、前月比+2.3でも、水準が低い。消費の伸び悩みは、8月も変わらないのではないか。

 7月の雇用については、就業者数は前月比-2万人とほぼ横ばいだった。男女でくい違い、男性は-10万人、女性は+9万人である。女性は10%消費増税前を超えたのに対して、男性は低迷状態が続く。失業率は、男性が上がり、女性が下がって、全体では2.6%と変わらずだった。7月の新規求人倍率は、求人が増え、求職が減る形で、前月比+0.16の2.40倍となり、有効求人倍率は、前月比+0.04の1.29倍だった。

 7月の鉱工業生産は、前月比+1.0で97.1となった。内容は、汎用機械と自動車が大きく伸びた一方、電子デバイスが大きく減った。機械の供給制約が緩んだのは良いが、電子は需要が一服した可能性がある。生産予測は、8月が+5.5と高いものの、9月が+0.8となって、先が見えた感じがする。日銀・実質輸出は、2020年7月以来、最高を抜けずじまいだったが、期待のままで終わりそうである。

 4-6月期の法人企業統計は、全産業の経常利益の季節調整値は、円安で伸びたようで、営業利益が高水準をキープする中で、過去最高にまで達した。また、設備投資は、製造業が過去最高にあと一歩となり、非製造業は、過去最高とは差があるものの、10%消費増税の駆け込み前と同じくらいには戻した。ここまでは、コロナ禍から復旧であり、ここから伸ばせるかが成長のカギになる。

(図)


………
 7月税収は、所得税が伸びて、一般会計の累計の前年比が+5.9%と好調だ。今の時点では、消費税や法人税の動向は、まだ、つかめないが、物価高による名目の消費増、円安に伴う企業収益増を背景に、好調は続くと見られ、2022年度税収は、過去最高だった前年度を3.5兆円ほど上回るだろう。自然増収で緊縮が強まっており、還元が必要な状況だ。出生率が過去最低の1.26を下回りそうな中で、何をすべきかは明らかなように思う。防衛費の拡大の構想は、様々に議論されているけれども、こちらの方は静かなままである。


(今日までの日経)
 家余り1000万戸時代へ。中国需要減 世界で鋼材安。修学支援、政府が工程表。長射程ミサイルで中国抑止。円140円台、24年ぶり。ドル高、プラザ合意前迫る。車用鋼材、最大の値上げ トヨタが日鉄と合意。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする