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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

アベノミクス・2%成長へ前進

2016年12月31日 | 経済(主なもの)
 景気の屈曲点、すなわち、いつ下降に転じ、いつ底入れし、いつ加速するかを、事前に予測するのは困難である。それどころか、足元がどういう状況に在るのかすら分からず、半年も経って、ようやく屈曲点を過ぎていたと気づくのが普通だ。そうした中、本コラムは、昨秋からの失速、2月頃の底入れ、そして、この秋の加速を、ほぼリアルタイムで読み取ることに成功した。これは、「不況下では、追加的需要が決定的役割を果たす」というアプローチによるものである。

………
 11月の経済指標は、供給側が極めて好調であった。まず、商業動態の小売業は前月比+0.2と小幅上昇だった。前月が+2.6と非常に高かったのに、反動もなく上乗せできた意味は大きい。天候不順による生鮮食品の高騰で、財の物価指数(下図・淡青線)が跳ね上がったため、11月の実質がマイナスに変わるなど、かなり割り引かれるものの、それでも10,11月の平均は7-9月期を+0.8上回る。日銀の消費活動指数は、商業動態に近い動きをするので、11月は低下するにしても、10-12月期に2%成長を期待できる範囲に収まるだろう。

 鉱工業指数については、報道されているように、大変、良い結果だった。生産は前月比+1.5、出荷は+0.9、そして、在庫は-1.6である。生産予測指数も12月+2.0、1月+2.2と強い。10-12月期の生産は、7-9月期の前期比+1.3を上回ることは確実だろう。各財に目を移すと、消費財出荷の10,11月平均は、前期より+3.4と高く、設備投資の目安となる資本財出荷(除く輸送機械)は+3.9、建設投資を推し測る建設財出荷は+2.0となった。いずれも、2%成長が期待できるレベルだ。ただし、在庫減が大きく進んだことから、これがGDPのマイナス要因になるおそれはある。

 一方、11月の住宅着工は、季節調整済の年率換算値が-4.3万戸となり、10,11月の平均は、7-9月期と比べ、-2.2万戸となった。高水準にはあるが、駆込み需要前の水準を既に超えており、ここから更に伸びると考えるのは無理がある。今後、住宅は景気の牽引役からは降り、建設需要は企業や公共向けが担う形となろう。建設業の人手は逼迫しており、それが無理のない成長の姿でもある。

(図)



………
 こうした中、需要側の11月の家計調査は、生鮮食品の高騰により、攪乱を受けたようだ。今回ばかりは、消費支出の低下をお天気のせいにしても構わないだろう。二人以上世帯の実質消費支出は、10月の前月比-1.0に続き、11月も-0.6だった。対前年同月における実質減の寄与度は、食料が2か月連続で最大項目となっている。勤労者世帯の前月比が10月-2.9、11月+2.2であったことからすると、無職世帯への影響は深刻だったようだ。消費総合指数は、家計調査の影響を受けるため、消費活動指数より低下幅が広いと考えられるが、こちらがGDP速報の消費に近いこともあり、どのくらいに収まるかが注目される。

 需要側と供給側の食い違いについては、ソフトデータでもみられる。消費動向調査と景気ウォッチャー調査は、10、11月に、前者が悪化、後者が改善と、連続して方向が逆であった。おそらく、需要側の消費者にとっては、生鮮食品の高騰に伴う物価上昇が強く意識され、実質値的に捉えているのに対し、供給側のウォッチャーは、名目値的に売上げが伸びていると感じられ、このズレが映し出されていると思われる。

 次に、雇用だが、11月の労働力調査の失業率は3.1%へ上昇し、就業者数は前月比-11万人、雇用者数は-27万人となった。男性は、減少する中でも、後方6か月のトレンドを上回る水準にとどまったが、女性は、これを下回る減少となった。また、有効求人倍率は、前月比0.01の上昇でも、新規求人倍率は、「フル」が横バイ、パートが-0.04の低下である。雇用は非常に好調な状況にあるものの、こうした揺らぎが敏感な家計調査に影響しているのかもしれない。

………
 さて、とかく批判の多い異次元緩和であるが、改めて図を眺めると、サービス価格については、まっ平らだったものが、わずかながら上昇傾向にあることが分かる。円高や原油安の関係で、財の価格が低下基調にあることで相殺されて、物価全体では横バイになるが、サービス価格の上昇は、デフレ脱却に向けて、非常に大切な要素である。サービスの「原料」は労働だから、人間の価値の高まりを示唆する。サービス価格を上昇させつつ、食料などの財の価格を安定させることが、生産性を向上させ、経済を成長させる道となる。

 こうした観点からは、ひたすら金融緩和をやり、円安にするほど良いというものではないことが理解できよう。日銀に国債を買わせ、金利を下げて国債費を節約し、円安による輸出増で緊縮財政を補うのが「最善」という大蔵官僚的な価値観では上手く行かない。今や、日本は若くなく、二人以上世帯の1/3は無職である。穏健な財政で需要を安定させ、内需の圧力を高めつつ、輸入物価が消費を冷やさぬよう、購買力平価を踏まえ、頃合いの為替水準を模索すべきである。 

 昨秋からの景気失速は、異次元緩和で円安にしていたにもかかわらず、世界経済の停滞で輸出が失速したのに加え、消費増税の翌年まで緊縮財政で臨むという無策によるものだった。今年に入り、円高に振れたのに、輸出は底入れし、建設需要も民間の支えで盛り返したことにより、2月頃を底に景気は回復に向かった。そして、この秋には、未だ公共の低迷が続く中、回復が鮮明になり、消費に滲み出して、景気が加速してきている。

 不況下では需要管理が決定的に重要と達観し、追加的需要をつぶさに追えば、正確に景気の現状を把握できる。人はリスクを恐れるがゆえに、金利や金融ではなく、需要や財政に期待が動かされる。これが証明された1年であった。惜しむらくは、こうした需要管理を中心に据えたアプローチは、現実を見通せても、正しさを分かってもらえないことだ。価値ある見方ほど理解され難いというのは、宿命のようなものではあるが。新たな年には、誰でも明快に先が読める好調一方の経済となってもらいたいね。では、良いお年を。


(今日までの日経)
 人民元、対ドル6.6%下落、資本流出を警戒。黒田日銀総裁「緩和、まだまだやれる」、構造改革と緩和、一体で成長期す。生産回復が加速、3期連続上昇へ 10~12月鉱工業生産。消費 まだら模様。野菜、今年は高かった。知財収入伸び盛り 10年で5倍、黒字2.4兆円。

※今年もご愛読ありがとうございました。今年の自薦ベストは、底入れを判定した(3/6)かな。閲覧は少なかったけどね。新年の更新は1/8の予定です。
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12/25の日経

2016年12月25日 | 今日の日経
 今日の社説は『出生数100万人割れが示す危機に向き合え』であるが、どういう意味なのか。少子化に実効性のある手を打てなかったのは、財政再建を優先させたからだ。そちらが人口崩壊より大事だったのであり、社会保障を効率化してから、高齢者への負担を実現してから、税の抜本改革をしてからと、あれこれ条件をつけ、少子化対策を小出しにしてきたがゆえに、今の惨状となっている。「政策に優先順位をつける意味でも、リーダーシップは大切だ」としつつ、少子化対策より優先すべき事項を自分で書き並べている矛盾に気づいてないようだ。「危機」と言っても、その程度のものなのだろう。

(今日の日経)
 日本株、日銀が最大の買い手 今年4兆円超 海外勢の売り吸収。24時間営業は限界か。
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2017年度はスキあらば緊縮予算

2016年12月24日 | 経済(主なもの)
 2016年度の大規模な緊縮財政は、無残であった。この反省なくして、2017年度予算は語れまい。財政再建は大事だが、一歩ずつ進めるべきで、2016年度のような「一気に緊縮、景気の陰り、反動でバラマキ」をしていたら、財政も、経済も、社会も、おかしくなってしまう。日本の財政の問題は、赤字や膨張ではなく、緊縮至上の無謀な独善にある。頑なに全体を見ようとせず、面前の課題だけに拘る有様は、この国の宿痾なのか。

………
 2016年度当初は、国、地方、年金の総計で-5.8兆円の緊縮であった。2014年度の-4.4兆円、2015年度の-7.9兆円に連なる、3年続きの野心的な再建策だった。しかし、予算編成時の2015年12月頃には輸出の失速が表れており、10-12月期、翌1-3月期の景気低迷ぶりに慌てることになる。そこで早々に景気対策が叫ばれ、2次補正で2.8兆円の建設国債を追加し、緊縮は-3.1兆円へと変わった。そして、今回の3次補正では、1.8兆円の赤字国債の発行により、結局、緊縮は-1.2兆円で終わる。

 これなら、最初から子育て支援でも増やしておけば良かったではないか。2017年度より、ようやく保育士の処遇改善がなされるようだが、1年遅れである。折しも、2016年の出生数は、ついに100万人割れと報じられている。つまり、使うべきところをケチり、締め過ぎて景気を陰らせ、少子化を進めてから後手を打つという具合で、こうして、財政も、経済も、社会も、おかしくしている。募るのは閉塞感ばかりだろう。

 2017年度予算の公債金等の増減は、国が-600億円、地方が+2600億円で、+0.2兆円の拡張財政である。日経によれば、外為特会からの繰入率を上げて0.7兆円ほどを確保したようなので、これもカウントすると、+0.9兆円と言うこともできよう。ただし、年金の緊縮が現時点では判明しておらず、おそらく、これを相殺する規模になると思われる。したがって、来年度の財政は、ほぼ中立から若干の緊縮といったところである。

 その際、注意したいのは、「税収が当局の見積もりどおり」が前提であることだ。日本の財政当局は、税収の過少見積もりを常習とするので、その場合、緊縮度が先の計算より大きくなる。すなわち、税収の上ブレの可能性をチェックしつつ、必要に応じて、その分を補正予算で民間に還元するようにしないと、いつの間にか緊縮が進んでしまう。「スキあらば緊縮」とは、そういう意味だ。いずれにせよ、大緊縮だった2016年度当初よりは、随分とマシである。

………
 それでは、税収の上ブレはどのくらい見込めるのか。おそらく、2016年度が0.8兆円弱、2017年度が1.0兆円程で、合わせて1.8兆円弱と見ている。推計方法は、至って単純で、前年度決算をベースに、所得税とその他の税は、経済見通しの名目成長率で、消費税は、同じく民間消費増加率で、法人税は、証券各社の企業業績見通しで伸ばしただけである。興味深いのは、当局の見積もりは、法人税で強気で、それ以外は弱気なことである。

 2016年度補正予算の法人税は、前年度決算比+2.9%であり、企業業績見通しが-1.2%の状況では強気と言える。足元の円安が続き、企業収益が上ブレするという予想なのだろう。また、2017年度予算の前年度補正からの伸びも11.3%と、企業業績見通しを若干ながら上回る。他方、2016年度補正予算の消費税は、前年度決算比-3.6%だ。消費低迷とは言え、前年度の予算額さえ下回る。10月までの税収の進捗が前年度より7%近く低いことの反映と思われるが、どうして、こんなに落ちるのか、理由が分からない。 

 2016年度は、円高に振れた結果、企業収益が低下し、税収減に結びついたが、反面、輸入物価が低下し、実質の消費を押し上げるように働いた。いわば、税収減は、消費減税のような役割を果たしたわけである。裏返せば、2017年度に、円安を背景として、法人税収が高まるならば、消費が圧迫されてもいることになる。そのため、税収増をいかに還元するかが求められよう。本予算でケチり、景気が振るわず、補正でバラ撒くことを繰り返してきたが、社会の改善に有効に使えるよう、一体的な予算編成に改革すべきである。

(表)



………
 日経社説は、社会保障の選別と消費増税を訴えるがごとき主張だが、財政批判でなすべきは、「好景気が天から降ってきて、いつか補正をやめられる」という当局の幻想を打ち砕くことだ。見果てぬ夢を捨てられず、吝嗇、不振、浪費の悪循環を繰り返している。補正の常態化という現実を認めさせ、少子化対策や若者支援に充てることに、政治的難しさはない。官僚的な建前主義、実態から遊離した悪慣行の是正こそ、社会の木鐸の役割であり、「国民生活の基礎たる経済の民主的発展を期す」とする社是の発現であろう。


(今日までの日経)
 伊3位行に公的資金。構造改革なき歳出増 17年度予算案、最大の97兆円。社説・3党合意の次の一体改革の検討に入れ。国債減額に「奥の手」 外為特会、苦肉の投入。出生数、初の100万人割れへ。景気判断を上方修正・12月月例報告 。非正規格差是正促す 政府「同一賃金」へ指針。日銀総裁、景気判断「一歩進めた」 「円安、驚く水準でない」。政府経済見通し 実質1.5%成長。

※メリー、クリスマス。国に安らぎを、民に喜びを。来年は好景気で世の中が明るくなるといいね。
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12/20の日経

2016年12月20日 | 今日の日経
 昨日出た11月の貿易統計は、好調だったね。10-12月期の2%成長に向かって、さらに一歩前進だ。また、7-9月期の日銀の資金循環統計も公表されたが、政府部門の収支は順調に改善している。世間では財政赤字ばかり気にして、年金「黒字」は眼中にないけれど、第一生命研の星野卓也さんがレポート(12/19)で指摘するように、社会保障基金(主に公的年金)の改善ぶりは目を見張るものがある。政府部門の収支が今のペースで改善すると、2018年度中に赤字解消になる勘定だ。財政再建派は少し喜んだらどうかな。

(図)



(今日までの日経)
 輸出、持ち直しの傾向 11月。エコノ・格差グローバル化のせい?。
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潜在力を解き放つということ

2016年12月18日 | 経済
 今時の高校生はYDKと称して、「やればできる子」を指すらしいね。潜在能力が有るのか無いのか、まあ、やってみなければ分からない。日本経済も同じで、一応、潜在成長率は計算できるのだけど、実績をベースにしているので、やった結果次第で、実は能力が高かったと評価が変わることが起こる。少なくとも、やる前から諦めていては、人作りと同様、可能性を生かすことはできない。

………
 本コラムでは、以前、潜在成長率は、足元の数字が変われば、上がり得るものだとして、ニッセイ研の斎藤太郎さんの『日本の潜在成長率は本当にゼロ%台前半なのか』(8/31)を紹介した。そして、新たなレポート『GDP統計の改定で1%近くまで高まった日本の潜在成長率-ゼロ%台前半を前提にした悲観論は間違いだった?』(12/14)が出された。こういう展開を待っていたよ。

 悲観論が拙いのは、低成長に在って、「金融・財政政策はもう限界、構造改革しかない」という発想に陥り、「成長が望めない以上、増税でしか財政再建できない」となって、緊縮財政で成長を抑圧し、悲観論の低成長を自己実現してしまうことである。潜在成長率の算定のカギになる全要素生産性は、好況期に高まる傾向があるので、自ら望みを捨てるなど、浅はかなことでしかない。

 改定後、1%近くになった潜在成長率は、十分、納得できるものだ。なぜなら、別のアプローチである、先週のコラムで示した消費の長期トレンドも同じくらいだからだ。リーマン後は変動が大きく、均して見ることは難しいが、ショック後の加速を踏まえると、トレンドは生きていると考えられる。むしろ、ショックがあって、金融・財政政策が積極化すると加速することからすれば、成長率を引き上げる余地があるようにさえ思える。

 1997年の消費増税後の財政の特徴は、景気が上向くと緊縮に走る「摘芽型」なので、それをしていなければ、どれだけ成長が加速していたかと想像される。おそらく、いきさつを知らない後世の人々は、2013年に2.0%成長(改定後)まで行けたのに、なぜ、翌2014年に消費増税で潰すようなことをしたのか、不思議に思うだろう。それも、労働組合が支持するリベラル政権が仕込んだものなのだから、なおさらだ。

 昔、戦後日本の経済政策を検証したことがあり、その際は、池田勇人首相の高度成長路線も、大したものに思えなかった。単に時流に乘っただけという見方もできるからだ。しかし、デフレの20年を経験し、潜在能力を活かすのが、どれほど難しいかを思い知ることになった。時宜に合った経済運営をし、余計なものに惑わされず、最大限に成長を確保するには、非凡な見識が要るのである。

………
 さて、今週月曜に10月の消費総合指数が公表されたが、水準補正と基準年変更もあって、日銀の消費活動指数と大差ないものになった。とりわけ、9月の戻りの悪さが直され、そこから10月が+0.4となったことで、7-9月期水準に対して+0.6となった。日銀指数は+0.7であるし、やや気は早いが、10-12月期は、消費を中心に、潜在成長率を大きく上回る2%成長が望める。消費増税の傷が癒えるのを待っただけが功績であるにせよ、成果は上がっている。

 成長が加速する中、人手不足が深まり、外食産業は24時間営業をやめるらしい。需要が日中に集約され、労働生産性の上昇につながるだろう。景気回復によって、賃金、殊に条件の厳しい部分が上がり、労働力の「薄利多売」をせずに済むようになる。これこそが景気回復を通じての、「改革」とは別物の生産性上昇である。経済は、成長すると潜在力が解き放たれ、生産性が向上する不思議な性質を併せ持つ。

 一点、気がかりは、円安が進んでいることだ。円安が輸出増にあまり効果がなく、輸入物価の上昇で消費を圧迫したことは、異次元の「実験」で得た重要な教訓である。それを忘れ、株高を喜んでいる場合ではあるまい。円安は、企業収益を押し上げ、税収を増大させる一方、家計を犠牲にするので、形を変えた緊縮財政になりかねない。時宜に合った水準とするために、日銀は一定の長期金利の上昇も容認すべきと思うが、いかがだろうか。


(図)

※活動指数は、総合指数より、消費増税後の戻りが早く、2015年後半の後退が緩やかという違いがある。両指数とも、多くのデータを統合して作られるが、家計調査と商業動態を足して2で割るという昔ながらの手法でも、方向は読み取れるようだ。


(今週の日経)
 労賃を上げれば人手は増える・大林組社長。領土帰属、進展せず。長期金利0.100%巡り攻防 日銀苦心。日経平均、7日連続年初来高値。中国 不動産バブル抑制、前面に。改正年金法が成立。景況感、世界経済回復で薄日 日銀短観。国債想定金利、最低の1.1%。アパート融資 過熱警戒 金融庁。円、1カ月で15円下落。

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12/16の日経

2016年12月16日 | 今日の日経
 少し遅くなったが、10月の第三次活動指数は、こんな感じ。前月の低下の反動もあるけれど、対前月比+0.2だった。10月の鉱工業生産指数も+0.1だったし、全産業指数も、順調に上げてくるのではないか。正直に言うと、第三次は、もう少しほしかったところだ。第三次は、とても安定した指標で、これが加速してこないと、物価も上がって来ないのでね。

(図)



(今日の日経)
 米利上げ、時期政権にらむ。円一時118円台。外食、24時間営業縮小。新規国債減額へ。
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GDP改定・消費増税の偶然と必然

2016年12月11日 | 経済
 GDPが2008SNAへの基準改定により大幅に変更され、2016年7-9月期は実質で523兆円から535兆円へと上方修正された。これにより、「増税から2年半後の今年7-9月期になって、ようやく、過去最多だった駆込み需要時の2014年1-3月に並んだ」という認識が、「早くも1年後の2015年1-3月期には並んでいた」に変わった。「やっぱり、消費増税の悪影響は一時的だった」と、財政再建派は喜ぶかもしれないが、家計消費が増税のために大幅に減り、低いままにある事実は変えようもない。

………
 今回の改定で各需要項目がどう動いたかは、内閣府のHPを参照してもらうこととして、本コラムは、家計消費(除く帰属家賃)に着目する。下図は、重ね合わせのために、改定前の値を平行移動させたものである。これで分かるのは、改定後は、小泉政権期から東日本大震災までの値が相対的に高くなるとともに、消費増税後については、上昇傾向に更新されたことである。

 緑線の消費の長期トレンドは、1999年7-9月期から2008年1-3月期までの前期比の平均値であり、年率で言えば約1.1%成長になる。改定前は、同様に計算した長期トレンドがリーマン後や大震災後のピーク近くを通って、緑線と紫線が重なる美しさがあった。改定後も、リーマン後の紫線の下方シフトはあるにせよ、この程度の成長力があると見なしても良かろうと思う。

 紫線は消費増税をしていなかった場合の仮想の消費であり、現実との差は11.8兆円ある。つまり、消費増税分8.1兆円を家計から政府に移すために、その1.5倍の消費を捨てたことになる。政府の取り分を増やすため、経済をパイを小さくしてしまったのだから、経済より財政が優先されたと評せざるを得まい。消費増でGDPが大きくなっていれば、その1/3は国民負担として政府のものになることを踏まえれば、増税は更に虚しく映る。

(図)



………
 今回の改定で、増税後の消費の動向は、より鮮明なものになった。素直に眺めると、2014年は反動減からの「戻り」、2015年は「下降」、2016年は「回復」という変動が見受けられる。改定前は、増税後は長らく低迷という印象が強かった。2014年の「戻り」は、長期トレンドを上回る伸びなので、もし、これが続いていたら、リーマンや大震災と同様、消費増税の悪影響も、取り戻し得る一過性のショックと言えたかもしれない。

 現実は、逆に「下降」へと変わった。その原因は、輸出の失速と公共の減退にある。住宅は底入れしたものの、補い切れなかった。そうすると、「輸出さえ好調なら、消費増税は成功していた」と早合点する向きもあろうが、それは甘い。異次元の金融緩和で円安を狙っていての結果だからだ。むしろ、輸出は海外需要次第であって、通貨安で確保できると思うのは危いという教訓を得るべきである。

 戦前の昭和恐慌は「嵐に向かって窓を開けた」とされ、1997年の消費増税の際はアジア通貨危機に見舞われた。これらを「不運だった」で済ましてはいけない。海外経済の状況次第で暗転するような経済政策は、愚行なのである。特に、世界的な金融緩和が進んでいる近年は、どこでバブルが弾けるか分からない。2015年に、落ち込みまで行かず、失速で済んだのは、幸運だったかもしれないのだ。

………
 さて、11/20のコラムでは、消費の動向は、住宅、公共、輸出を足し合わせたものに似ていると指摘した。今回の改定で、相似は更に強まった。まるで修正を予想していたかのようである。緊縮財政によって飢餓状態に置かれる経済では、景気は追加的需要に敏感に反応する。今回も、そうなのだ。むろん、普通にしていれば、自律的に拡大するものなので、今後は、これを期待したい。幸い、11月の景気ウォッチャー調査は大きく伸び、良い側が悪い側を上回る50の節目を11か月ぶりに超えた。

 今回の消費増税から得られる教訓は、輸出以外にも多くある。経済にショックを与えず、円滑に行うには、①公共事業は、増税前を抑制し、増税後に拡大すべきこと、②住宅は、駆込みと反動をなくすため、対象外にしたり、時間差課税にすべきこと、そして、そもそも、③一気ではなく、増税幅を刻むべきことなどが挙げられる。

 裏返せば、公共事業は、増税機運を高めようと、増税前から出動していたり、諸外国にない住宅課税に拘り、駆け込みと反動のうねりを作ったり、成長力をまるで考慮せず、大規模な増税を打ったりだったということである。輸出の失速のタイミングは偶然だったかもしれないが、通貨安を続けていれば、必ず反動は起こるし、公共事業や住宅は明らかな戦略上の失敗で、消費の屈曲は必然と言える。

 それにもかかわらず、「悪影響は一時的」と囃すのみでは、2019年10月の再増税を無防備なまま迎え、同じ困難に見舞われるだろう。実は、1997年の消費増税の際も、「戻り、減退、回復」の過程をたどり、成長を再開し、増税「後」の水準を更新するのに2年超を要した。今回も同様で、「二の舞」を演じたわけである。そして、前回は、増税「前」の水準への復帰に、3年近くかかったが、今回は4年に及ぶだろう。残された傷は、より深刻なのである。


(今日までの日経)
 OPEC・非加盟国、15年ぶり原油協調減産合意。福島原発の廃炉・賠償、想定の倍の21.5兆円。名目GDP31兆円増、設備投資80兆円超す。街角景気、11月も改善。
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12/8の日経

2016年12月08日 | 今日の日経
 日銀の消費活動指数+は、前月比+0.7と大きく伸びた。商業動態が高かったし、家計調査でもサービスはまずまずだったので、当然ではある。これが、このままGDPの消費になれば、今期の2%成長は堅いとなるのだけれど、GDPと連動性の高い内閣府の消費総合指数は、どこまで行けるかな。人手が足りないのだろうが、いつ発表か不明なのはつらい。

 昨日、公表された景気動向指数は、判断が2年半ぶりに「足踏み」から「改善」へと変わった。ちゃんと、景気の節目を迎えたわけだ。先行指数のグラフをみれば、2015年後半の下り坂、2016年2月からの回復は明確。それが一致指数ではボヤけ、遅行指数では平坦になる。感度によって、景気の見方は違い、どれも正しいということだ。


(今日までの日経)
 下請け代を現金払いに 政府が中小資金繰り改善後押し トヨタ、先行実施へ。10月の消費活動指数0.7%上昇 消費増税前の水準回復。
 ※これは、とても良い試みだね。
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12/7の日経

2016年12月07日 | 今日の日経
 前回のコラムは、かなり閲覧が多かったようだね。自分としては、分析は、これまでの延長だし、評論も、年寄りの繰り言みたいだったので、不思議なものだ。世間の人々が見たいと思っていた「ニュース」になったのかもしれないな。むろん、私も、景気が良くなることを願っているわけで、希望的観測にならないよう自戒しているところではある。

 さて、10月の毎勤は、予想どおり、常用雇用、給与総額とも着実に積み上げられた。実質賃金の低下は、野菜高騰に伴う物価上昇による。他方、ソフトデータとは言え、消費動向調査は、かなりの低下だった。物価上昇で暮らし向きの悪化は仕方ないにしても、雇用まで引きずられるとは。家計消費状況の支出総額も低下だが、まあ、こんなもの。今日は日銀の消費活動か。


(今日までの日経)
 激震イタリア発 不良債権問題、振り出し。赤字国債増発1.9兆円前後に 財務省、税収下振れ分。消費者心理 11月も悪化 2カ月連続 野菜高騰が打撃に。需要不足0.4ポイント改善 7~9月需給ギャップ。地方交付税「歳出特別枠」縮小・廃止へ 財務・総務省が攻防。
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アベノミクス・消費ついに動く

2016年12月04日 | 経済(主なもの)
 10月の経済指標は、消費が大きく伸びていることを示唆する内容だった。景気は一つの節目を迎えたと言って良いだろう。7-9月期に続き、今期は、消費を中心に代え、2%成長を達成できるかが焦点となる。そうなって初めて、経済は起動したことになり、自立成長が始まる。この間、何か新しい政策がなされたわけではない。そう、不作為という大功績によって、成長が実現しつつあるのだ。

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 10月の商業動態の小売業は、前月比+2.6と大きく伸びた。財の物価指数で除しても+1.2で、実質でも十分に大きい。また、鉱工業指数の消費財出荷は、前月比+3.7となり、これに伴い、生産が+1.0になった上、在庫が-7.2の大幅減となった。鉱工業は全体としても好調で、出荷が+2.1、生産が+0.1、在庫が-2.3となり、11,12月の生産予測指数も+4.5、-0.6と高い。単純に予測どおりなら、鉱工業の10-12月期の前期比は+3.7にもなる。鉱工業の全産業に占める比率は2割程でしかないが、成長を強く牽引しよう。

 消費を裏打ちする雇用状況については、10月の労働力調査で、男性の就業者数は4か月ぶり、雇用者数は5か月ぶりに今年最多を更新した。女性の就業者数はトレンドより若干少なかったものの、雇用者数は引き続き今年最多を更新した。また、10月の職業紹介の新規求人倍率は2.09と5か月ぶりに更新を果たした。パートは頭打ちでも、「フル」が着実に積み増している。この分なら、来週公表の毎勤の賃金も大丈夫だろう。雇用は好調が持続して来たけれど、この4か月程は足踏みがあったことは心得ておきたい。こうした動きが消費に陰りを与えた可能性もあるからだ。少なくとも、消費を悪天候にばかり結び付けるのは、考え物である。

 他方、10月の家計調査は供給側とは食い違う内容であった。二人世帯の実質消費支出(除く住居等)は前月比-1.5も低下した。ただし、世帯人員や世帯主年齢を調整した消費水準指数は-0.5にとどまっており、加えて、勤労者世帯の実質実収入は-0.3で、消費性向が70.9とかなり低いことからすれば、フレ過ぎと考えられる。消費性向の低さは、伸びる力を秘めていることも意味する。こうした数か月もの消費性向の低下は、2006年の7-9月頃以来10年ぶりで、珍しいが過去になかったわけではない。その際は一時的なもので済んでいる。

(図)



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 今回の景気回復の局面を振り返ると、4-6月期は住宅と公共がGDPを持ち上げ、7-9月期は輸出が主導した。そして、10-12月期に消費が伸びれば、追加的需要から所得と消費へ波及するという自然な形の景気回復となる。住宅の回復は、消費増税の反動減からの戻りであり、公共に至っては、緊縮が底を打っただけだ。純輸出の緩やかな回復は、輸入の減退によるところが大きい。

 つまり、何かをしたから良くなったというものではなく、敢えて言えば、余計なことをしなかったから回復したとなる。もし、民主党政権の計画どおりなら、ゼロ成長状態だった2015年10月に消費再増税をしていたはずだし、2017年4月への延期後であっても、未だ消費増税前より家計消費が8兆円も少ないまま、更に4.6兆円兆円も抜く事態に突入していただろう。回復はおろか、地獄へ落ちかねなかったわけだ。

 逆に言えば、自然体であれば、日本経済は成長するということでもある。改革好きの皆様には、力の抜ける現実だろう。成長の原動力は、個々の企業、一人ひとりの創意・工夫の膨大な営みの積み上げである。所得を吸い上げ、売上を取り上げるという将来不安を煽る政策をすれば、どのような負の創意・工夫がなされるか、よくよく考えるべきだ。「カネを留保するにしくはなし」と思わせてはダメなのである。


(今日までの日経)
 個人消費の把握、需給両方の統計活用を 内閣府が分析結果。米失業率9年ぶり低水準 雇用増11月17.8万人 月内利上げ強まる。 日経平均が年初来高値 OPEC、8年ぶり減産合意で。予算案 揺らぐ国債減 税収、7年ぶり下方修正。
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