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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

スガノミクス・緊急事態の解除後に向けて

2021年02月28日 | 経済(主なもの)
 このところ、消費が弱まっている。感染拡大の影響はあるにせよ、米国の動きを見るにつけ、「だから仕方がない」で済ませられないように思う。関西圏などで緊急事態が解除され、3/7には全面的な解除もあり得るところまできた。そうして感染が収まってくれば、彼我の違いが明らかになってくることになろう。米国が金利を急騰させずに財政出動で内需拡大に成功するとすれば、それが日本の失敗と裏表になるのは皮肉である。

………
 金曜に公表された1月の商業動態小売業は、3か月連続の減少で、前月比-0.5の100.2となった。特に、百貨店などの各種商業や衣料身の回り品の低下が大きく、非常事態宣言に伴う不要不急の外出自粛の影響が出ていると思われる。他方、自動車はプラス、機械器具はマイナスでも水準は悪くない。消費は、10月をピークに減退が続いており、この感じだと1-3月期は-0.5程度のマイナスになってしまうだろう。

 1月の鉱工業生産は、比較的高めの伸びを見せ、前月比+3.9の97.7だった。この水準は、コロナ禍前に近いものだ。2,3月の生産予測を含む1-3月期は前期比+2.5であり、3期連続の増となりそうだ。特に、資本財(除く輸送機械)は、前期比+4.6の高い伸びになると見られる。これに対して、建設財はマイナス、消費財は若干のプラスにとどまる。輸出の好調さと内需の停滞がうかがわれる内容だ。

 建設財の動向に関わる住宅着工は、1月が66,757戸と前月比+2.2%となったものの、前月からの反動増が大きく、10-12月期の水準と比べると、ほぼ横ばいである。持家は上向いているが、貸家の減少傾向が止まらない状況にある。建設投資は、公共が順調に増加しているのに対して、住宅が横ばい、企業が弱く、全体として停滞が続く。国土強靭化による景気対策も減退を押し止める程度である。

(図)


………
 緊急事態宣言については、首都圏を除き、2/28までで解除されることが決まった。リバウンドを懸念する声もあるが、北海道のように宣言なしで抑えられている例もあるのだから、行動抑制のリスクコミュニケーション次第である。解除後に「会食」を増やさないことが鍵であり、飲食店の営業時間が21時までに「対策」が緩められたからといって、それまでに会食をしてしまおうと勘違いされないようにする必要がある。 

 言い換えれば、夜間だろうと、既に家庭内でリスクを取っている同居者間や孤食での外食を制限する意味はなく、他方、昼間に二人でお茶するだけでも、マスクを外しつつ会話をすれば、感染してしまう。営業時間を短縮する対策は、自主的に行動を抑制できない人に、物理的に「会食」できなくする手段であって目的ではない。不要不急の外出自粛も、人に会いに出歩くのがリスクでも、電車やバスに乗ったり、買い出ししたりが危いからではなかろう。

 感染の多い若者への「対策」も言われるが、若者とてマスクをしない人はまれだ。年齢で言い立てず、行動に焦点を当て、仲間を大事にするあまり「会食」したくなるのを我慢するよう諭すことが大事だ。「対策」に気を取られがちであるが、目的は特定の行動の抑制であることに立ち帰り、効果的な感染防止の戦略を練らなければならない。また、感染防止のために高齢者施設での検査を重点的にするというのであれば、ワクチン接種も入所者を優先するのが戦略として整合的だろう。

………
 コロナ禍では、いち早く回復したモノの消費がここに来て弱まっている。むろん、1月は緊急事態宣言の影響もあるが、経済対策の減退もある。米国の様に、大規模な現金給付の対策を打つどころか、巡り合わせとは言え、消費増税で税収を拡大し、消費と住宅を痛めつけ、対策と言えば、GoToは最も苦しい感染拡大時には縮小せざるを得ない。今後、米国で消費が拡大すれば、米国には不本意だろうが、貿易赤字が増し、日本の輸出が伸び、景気が引き上げられることになる。それは、内需不振で物価の上がらないこの国が、またも超低金利の資金供給源になるということでもある。  


(今日までの日経)
 米、過熱覚悟の経済対策。緊急事態宣言、首都圏除き月末解除決定。日経平均1202円安 世界的な金利上昇に動揺。減る新卒人口、改革迫る。高齢者向けワクチン供給、6月完了。ベトナム、国産ワクチン急ぐ。

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2/26の日経

2021年02月26日 | 今日の日経
 東京の感染確認数は順調に減り、1週間平均は280人まで低下した。一時的に減り方が鈍っていたが、再び、一週間25%減のペースを取り戻した。どうも、祝日があると1週間から10日後に増えるように思える。緊急事態宣言の期限も近くなってきているが、休日に増えがちな会食の機会をいかに増やさないかがリバウンドを防ぐカギになろう。

(図)



(今日までの日経)
 全市町村配布4月中に ワクチン。ドイツ製造業が急回復。出生数、最小の87万人、婚姻、70年ぶり減少率。米景気回復、DXが寄与。世界裂く「K字」の傷。緩む自粛効果 ランチ客急増、緊急事態宣言前上回る。
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GDP10-12月期1次・コロナだけでない消費の弱さ

2021年02月21日 | 経済
 10-12月期の実質成長率は、年率で12.7%の高成長となり、コロナ禍前の2019年10-12月期と比較して99%の水準まで回復した。コロナ禍が完全に収まっていない中で、ここまで回復できたのだから、やれやれというところである。問題は、消費増税前の7-9月期と比較すると97%の回復でしかないことだ。つまり、日本経済には、コロナ禍より消費増税の打撃が重いのである。これが課題とも思われてないところに、病の深刻さはある。

………
 今回の10-12月期の家計消費(除く帰属家賃)は、コロナ禍前の2019年10-12月期と比較すると7.6兆円少ない。そして、消費増税前となる、もう1期前の7-9月期とは17.3兆円もの差が開く。要するに、コロナ禍より消費増税の打撃が大きいということだ。他方、今回は、政府消費の増加も特徴であり、コロナ禍前より5.3兆円多いのは、GoToなどのコロナ対策が取られたためである。同様に公共投資も1.3兆円のプラスだ。

 こうして見れば、コロナ禍に対しては、ショックを埋めるべく、相応の対策がなされていることが分かる。しかし、その分、消費増税の打撃に対しては、何もしてないに等しいことにもなる。コロナ禍に気を取られてしまって、その実、何に苦しんでいるのかが紛れているのだ。もし、コロナ禍がなかったなら、増税後、低迷が続く消費に関して、怨嗟の声が渦巻いていただろう。

 図で分かるように、日本経済は、消費増税をするたび、増加トレンドが寝てしまっている。10%消費増税の後は、コロナ禍のために傾向が分からないが、一層、増加トレンドが衰えて、平常でも、ほとんど増えない状況に陥っていると思われる。これに対抗するには、社会保険料還元型の定額給付制度を整備しなければならないが、制度がなくて困ったコロナ禍の経験を活かすことなく、ITだ、グリーンだと、設備投資を伸ばす産業政策に血道を上げている。

(図) 


………
 今回のGDPの特徴は、前期比二桁の輸出の大きな伸びである。それでも、水準としては、2019年10-12月期の94%にとどまり、更なる回復の余地がある。実際、1月の日銀・実質輸出は、前月比+3.7と上昇し、115.8という水準は、これまで最高だった2018年1月を上回る。そして、輸出と連動性の高い設備投資は、その水準が2019年10-12月期の97%と、輸出以上に好調である。これには、公共投資の増加も影響していよう。

 設備投資の先行きを占う機械受注は、10-12月期の民需(除く船電)が前期比+16.8%と高い伸びになった。水準としても、製造業だけでなく、非製造業も概ねコロナ禍前を取り戻すところにきている。12月の建設総合指数を見る限り、企業の建設投資は未だジリ貧状態だが、住宅投資は、消費増税による下降局面をようやく脱し、徐々に増えてきている。この面でも設備投資は進むだろう。

 今後、足下の1-3月期については、輸出が回復し、設備投資が好調なのであるから、普通なら、景気は上昇するという判断になる。残念ながら、コロナへの1月の緊急事態宣言により、飲食や宿泊に強い抑制がかかって、消費が下押しされる。しかも、10-12月期に政府消費を押し上げたGoToが執行不能になっている。産業支援ばかりを発想し、所得再分配を忌避する咎めがここにも現れる。


(今日までの日経)
 長期金利0.1%に上昇 2年3か月ぶり。海外勢、景気敏感の日本株に。コロナ下でインフレの芽 需要回復、供給追いつかず。コロナワクチン接種、首都圏の病院で開始。

※先週は、地震の影響で休載したものです。お気づかいただき、ありがとう。

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2/17の日経

2021年02月17日 | 今日の日経
 12月の第3次産業活動指数は、前月比-0.4と2か月連続の低下となった。小売業は+0.6と横ばい状態が続くが、生活サービスは-4.5と大きく低下した。むろん、感染拡大に伴って、宿泊業や飲食業が落ち込んだことによる。特に、パブ居酒屋は、8月並みの対前年同月比4割まで低下した。しかし、ここまで低下しても、感染は収まらなかった。おそらく、緊急事態宣言の1月は更に低下し、4,5月の対前年同月1割に近づくことになろう。

(図)



(今日までの日経)
 ワクチン接種ようやく始動。日経平均3万円回復。所得連動型現金給付・小林慶一郎。福島・宮城 震度6強。自分の顔、赤ちゃんも知る。10都府県の宣言継続 改正特措法施行。円高招かぬ長期金利上昇。バイト時給1.2%高 1月三大都市圏、ワクチン関連増。

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2/10の日経

2021年02月10日 | 今日の日経
 12月の毎月勤労統計は、現金給与が前月比-1.5と大きく低下した。これは、コロナ禍の下での特別給与、すなわち、ボーナスの低下によるものが大きい。常用雇用は前月比+0.1と7か月連続の増加だった。2020年の平均を見ると、現金給与は前年比-1.1、常用雇用は+1.1である。雇用が伸びたというよりは、前年からの発射台の高さを維持できたというところだ。消費の土台となる、現金給与と常用雇用を掛け合わせたものは、前年から横バイである。

(図)



(今日までの日経)
 世界の企業、業績コロナ前回復。日経平均30年ぶり2万9000円。街角景気、二番底鮮明に。緊急事態、前倒し解除探る。


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消費拡大と感染縮小に必要なのは戦略

2021年02月07日 | 経済
 12月の消費指標が出て、コロナ禍の2020年は、統計局CTI実質で見ると、前年比-6.3と記録的な減少となった。むろん、年前半に大きく低下し、年後半に戻すという経過であったので、足下の10-12月期は96.4と、前年同期と比べれば、-2.0の低下である。リーマンショック以上とされるコロナ禍にあって、意外に減ってないと思われるかもしれない。それは、コロナ禍の影響は、一部の業種に偏って甚大な影響を与えているからだ。

………
 2020年の消費について、商業動態・小売業をCPI財で除したもので見ると、前年比-3.9とマイナス幅がかなり縮む。そして、10-12月期の前年同期比となると+2.7に逆転する。忘却の彼方にあるかもしれないが、1年前に消費増税で大打撃を受けていたからだ。消費増税の影響のない2019年4-6月期と比較すると、足下の10-12月期は-1.4低いだけなので、8%から10%になった消費増税の重さからすれば、コロナ禍を脱しているとさえ言える。

 もちろん、モノの消費だからという面もあるが、サービスについても、第3次産業活動指数を見ると、10,11月の平均は、全体が前年同月の98%となっており、極端に悪いわけではない。そうした中、宿泊業は76%に過ぎず、飲食業は、食堂・レストランが88%と低く、最悪のパブ・居酒屋は60%でしかない。ただし、飲食業でも、マックの好業績に象徴されるように、ファーストフードは100%だ。

 宿泊業や飲食業が悪いのは、感染拡大を防ぐために仕方がないが、それ以外は、コロナ禍を脱しており、重荷になっているのは、消費増税の影響である。2020年度は、半年分の増税効果が現れ、前年度の0.7兆円に続き、約1兆円の増収になる。不幸な巡り合わせであるにせよ、戦後最大の経済ショックの中で、消費を抑圧してきたことになる。コロナ対策や産業政策とは別に、消費拡大の戦略が必要なのである。

(図)


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 他方、新型コロナの感染は前週比7割に減り、収束へと向かっている。この第3波の過程では、感染拡大の防止の戦略で、いくつか反省すべき点があると思われる。2/3の日経社説が「感染を抑え込むには行動を制限するしかない。経済活動と両立させるため、効果的で納得感のある行動指針が求められている」としたとおりである。危機の最中での指摘は避けていたが、事が済んだ今は、今後ために必要であろう。

 一番、拙かったのは「マスクで会食」を唱えたことだろう。春の第1波が「夜の街」の指摘で潮目が変わり、夏の第2波が飲食店の営業自粛で収まったことを踏まえれば、いかに会食を削減するかが感染防止の鍵だったにもかかわらず、「注意すれば会食をしても良い」というメッセージを送ることになった。それも、おざなりになりがちで実状にそぐわないと、多くの人が感じるような注意だったのである。

 その後、年末年始に会食の機会が増大する状況で、「会食が急所」などと言っても遅かった。東京都は10時までの営業自粛をかけたものの、その時間内に忘年会をするのは十分に可能で、「夜の街」を抑えれば済んだ春や夏のようには止められず、緊急事態を宣言して、飲み会をしがたい8時までの規制を、一気にかけざるを得なくなった。会食の削減に戦略を絞れないまま、年末年始の会食の活発化に対応できず、後手に回ってしまったのである。

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 戦略とは、何をするかの絞り込みである。目標達成のために何でもやるというのは、よく聞くセリフだが、やる力量には限りがあるので、何に重きを置き、何を省くかを考えないと、何も成し得ない結果になる。感染防止も、経済成長も、あらゆる手段を尽くそうとするのは貴いけれども、リーダーには、鍵になるものの探求が必須である。それは、手段を選ぶ必要のある回復期において、ますます重要となる。


(今日までの日経)
 五輪観客「来月にも判断」 コーツIOC副会長。コロナ下 予算委に全閣僚。CATL、車電池5倍増産 1.5兆円投資。コロナ対策 飲食店に時短要請続く 感染防止 検証は道半ば。健保負担、従業員に二重苦 半数で割合上昇。総人口、最多の42万人減 昨年概算。

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2/3の日経

2021年02月03日 | 今日の日経
 緊急事態宣言が延長されたが、東京の感染確認数は急速に減少している。このトレンドが続けば、週平均が500人を切るのは2/9頃であり、2月末には200人を下回ることになる。大阪については、昨日、300人を切った。宣言の区域にかぎらず、どの県でも、年末年始に急増し、その後に減少する傾向が見られる。やはり、会食の機会数に応じて、感染も増減するということだろう。

 北海道では急増前の水準に近くなるにつれて減少傾向が鈍っているので、東京も鈍ってくると思われるが、1週間程度の前倒しでの解除の可能性も十分ある。大事なのは、解除後にぶり返さないために、会食の機会数をいかに増やさないかである。万能薬のごとく外出自粛を訴えて済ますのでなく、外食も孤食・黙食や同居者食なら良いが、家での仲間や親族との会食はダメというような明確な行動規制が求められる。

(図)



(今日までの日経)
 緊急事態延長を決定 栃木除く10都府県、来月7日まで ステージ2まで時短は段階縮小。飲食店支援 1兆円規模に 予備費で対応。ミャンマーでクーデター。

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