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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

緊縮速報・結論ありきのような中長期の試算

2022年07月31日 | 経済(主なもの)
 7/29に公表された「中長期の経済財政に関する試算」では、「2025年度に財政再建を達成するには5000億円ほど足りないから、歳出抑制に努めましょう」というのがメッセージのようだが、ベースになる2022年度の税収が前年度より-1.8兆円と減る設定なのでは、まるで現実味がない。ごく普通に税収が伸びるとして計算すると、2025年度には6.9兆円もの過剰達成になる。結論ありきにしか見えない試算をしているようでは、闇雲な緊縮の過ちを惹起し、成長を失速させることになる。 

………
 「試算」における税収は、名目成長率で伸びるというのが基本の設定だが、2022年度の名目成長率は+2.1%になっているのに、国の税収は-2.7%とマイナスに逆転している。これは、昨年末に決めた予算の数字のまま放置したせいで、この夏に判明した2021年度の税収実績が大きく上ブレしたことで歪なものになった。この一事でもって、「試算」は意味をなさなくなっている。これから大幅なマイナス成長にでも転落すれば、話は別だが。

 そこで、2022、23年度の税収について、所得税は名目成長率、法人税は企業業績見通しの経常利益増加率、消費税は名目消費増加率、その他税は物価上昇率で計算すると、国の税収は、70.5兆円と73.0兆円となる。地方の税収も、同様にして、46.7兆円と48.0兆円だ。そうすると、下図の緑線のように、基礎的財政収支は上方へシフトし、2024年度には財政再建の目標を軽々と超え、2025年度には7.1兆円の過剰達成となる。

 このことは、財政再建の「旗」を降ろさずに、新たな施策を行えることを意味する。危機的な状況にある少子化を打開するため、非正規に育児休業を給付するも良し、新しい資本主義どころか、欧米に劣後している定額給付制度の創設で保険料を軽減し、非正規の勤労者皆保険を実現するも良し、それでも、まだ余るほどだ。緊縮で消費をいじめ抜いてきたから、再分配は成長にも資するはずである。 

 まあ、現実は、実態に合わない「試算」を振りかざし、闇雲な緊縮に走り、循環を堰き止め、成長の足を引っ張り、伸び悩むゆえに、税収も思ったほど上がらず、結局、財政再建の達成は、逃げ水のようになるというのがオチだろう。どのくらい締めているのかを計量することもなく、成り行きでしか財政を運営できず、何だか分からないまま、デフレを続けるというのが、これまでだったわけだから。

(図)


………
 まともな「試算」をしようよ。状況に応じた財政の調節をやろうよ。どうして、この程度のことができないのか。財政は成長には一時的な影響しか与えず、リフレこそが成長を導くと信じ込んでいるからかね。需要を安定的に増やしてもらわないと、いくら金融緩和をされても、リスクを感じて国内に設備投資なんかできない。そのあたりの現実感覚の有無が行く末を分けている気がする。


(今日までの日経)
 出生率反転、波乗れぬ日本。財政収支、25年度なお赤字 政府試算で黒字目標届かず。円急騰、1週間で6円 一時132円台、米利上げ鈍化観測で。米、2期連続マイナス成長 4~6月GDP0.9%減。

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7/28の日経

2022年07月28日 | 今日の日経
 7/22公表の5月の人口動態速報は、出生が前年同月比で-5,249人減、-7.5%と大きく減少し、1-5月の累計の前年比でも-4.1%と、かなり低調だ。むろん、出生率で言えば1.2人台に陥るペースである。こうした傾向は、昨年9~12月に婚姻が少なかったことから、しばらく続くと思われる。さらに、1,2月にプラスになった婚姻が、3月以降は、3か月連続で、再びマイナスになっており、心配が募る状況だ。対策が必要な喫緊の課題は、物価高だけではないよ。

(図)



(今日までの日経)
 FRB、0.75%利上げを連続実施。韓国、出生率0.81の袋小路。コロナ新規感染、日本がG7最多。米金利 3.5%の天井。欧米に最低賃金見劣り。今年度成長、2.0%に下げ 内閣府試算。

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アベノミクスにおける「消費抑圧」

2022年07月24日 | 経済
 アベノミスクは、異次元の金融緩和と機動的な財政出動の二つが特徴として語られがちだが、徹底した「消費抑圧」も、公言されることのない政策の柱である。それゆえ、消費が弱く、物価が上がらず、売上が高まらず、賃金が伸びない仕儀となった。黒田日銀がいくら「金融抑圧」をかけ、痛いほど円安にしたところで、抑圧される消費を超えるような輸出の増加でもなければ、2%物価目標をクリアしてのデフレ脱却とはならないのである。

………
 7/22に家計可処分所得の1-3月期がGDP速報の参考系列として公表され、2021年度の数字が判明したこともあり、これで推移を見てみよう。まず、アベノミクスでは、雇用者報酬が伸びた。質はともかく、量が増大したのは、立派な成果であり、リーマンショック後の減少と低迷からの脱却に成功している。ところが、家計消費は伸びなかった。所得が増せば、消費も増えるという「法則」に反する異常事態である。

 そこで下の図から分かるのは、家計消費は、雇用者報酬には似ていないが、可処分所得には重なるという事実だ。つまり、雇用者所得は増えたが、税や社会保険料が引かれる可処分所得は、あまり増えておらず、それに従い、「法則」どおり、お金がないので、消費に使えないというわけである。公言されない政策が大いに効果を発揮し、円安でもたらされた景気回復の成果を帳消しにしていただけなのだ。

 なお、消費税は可処分所得に反映されないので、増税の影響は、物価上昇分として、実質化する方法で見ることになる。当然ながら、実質の可処分所得は目減りしてしまう。ただし、2019年の増税の際は、幼児教育の無償化が行われたため、差し引き、物価は上昇していない。もちろん、大半の家計にとっては恩恵がないので、教育費以外の物価上昇によって、消費は抑圧される。

 アベノミクスを「積極」財政と勘違いする向きは多い。確かに、2013年に大型の補正予算を組み、景気回復局面なのに、「機動的」財政出動を行い、成長の加速に成功したが、それとて、15か月予算の枠組みで比較すれば、前年に東日本大震災の補正があった関係で、財政規模は縮小している。端的には、アベノミクスは金融抑圧と消費抑圧の組合せであって、宣伝文句を勝手に誤解してはいけない。

(図)


………
 最新の1-3月期の可処分所得は前期比+1.3%だった。給付金の類がマイナスに戻る中、雇用者報酬などの伸びが支えた。前期比+1.0%だった名目の家計消費の動きとも整合的である。もっとも、実質だと+0.0%になってしまうけれども。これから、アベノミクスの教訓を活かすとすれば、GDPの過半を占める消費をこんな状況にしておいて、なぜ成長しないのかと悩まないことだね。何らかの改革が必要という思い込みから早く脱却すべきだよ。


(今日までの日経)
 新型コロナの国内感染、初の20万人超。円、一時135円台に上昇。子ども食堂、6000カ所超に。物価の二極化鮮明に サービスは下落。社会保障費、自然増5000億円台半ば。電気代、前年比3~4割高。欧州中銀、0.5%利上げ。冬の電力確保へ総力戦。SK、工場増設計画凍結。日清食品、アプリ自前開発 25時間で完成。日銀埋蔵金は使えるのか。

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7/20の日経

2022年07月20日 | 今日の日経
 5月の建設総合指数は、季節調整をかけると、住宅が前月比+0.1%と緩やかな上昇となり、3月に底打ちしていた公共が+1.5%と高めの伸びを見せ、企業も+0.5%と順調な回復が続く。経済対策の手抜かりで、2021年1-3月期をピークに、下がりどおしだった公共がようやくの反転である。こうした建設投資の反転は、鉱工業出荷の建設財の4,5月平均が前期比+3.0となっているのとも整合的だ。資本財や消費財の出荷が低落していることを踏まえると、景気には、ありがたい動きになる。

(図)



(今日までの日経)
 銅価格急落、景気不安映す。景気の谷「20年5月」。ZHD、文系もAI人材に。新興国のインフレ退治。社説・増えた税収のバラマキは禁物。米景気 財政の崖生んだ刺激策。外食、人手確保へ待遇改善。

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高まる財政の自由度を活かせるか

2022年07月17日 | 経済
 日経の扱いは小さかったが、2021年度の地方の税収が43.3兆円だったことが公表された。地方財政計画からの上ブレは3.7兆円に及ぶ。国の当初予算からの9.6兆円の上ブレに続くもので、これらが素直に反映されれば、中長期の経済財政の試算は上方へシフトし、2023年度にはプライマリーバランスへ近接し、2025年度には5.2兆円の過剰達成に至ると見込まれる。この余裕を、危機的な状況にある少子化の緩和に充てたいところだ。

……… 
 地方の税収の総額43.3兆円は過去最高であり、前年度決算比は+1.6兆円であった。内訳は、個人住民税が前年度決算比でほぼ横バイ、法人二税(含む特譲税)が+0.8兆円で11.2%増、地方消費税が+0.7兆円13.8%増という内容だった。個人住民税は、国の所得税の11.4%増と比べると目立って小さく、法人二税も、国の法人税の+21.4%増より小さい。地方消費税は、かなり大きく国の前年度並みという状況だ。

 2021年度の実績をベースに、GDP成長率や企業業績の見通しを使って、2022年度の決算を予想すると46.5兆円、+1.9兆円の増、ついでに、2023年度も計算すると47.7兆円、+1.1兆円の増といったところだ。他方、国の税収は、2022年度が70.5兆円、2023年度が72.4兆円と見込んでいるので、「中長期」の上では、2023年度にプライマリーバランスへ近接し、2025年度には5.2兆円の「黒字」に至る。

 つまり、財政再建の目標は堅持したまま、「黒字」の分だけ、経常的な支出を増やすことも可能というわけだ。ひたすら債務縮小に向かって勤しむという道もあるにせよ、深刻化する少子化を放置して、社会の存続が危くなっているのに、財政収支だけきれいにしても仕方あるまい。非正規へ育児休業給付を拡大しても0.8兆円、低所得者の社会保険料を軽減して勤労者皆保険にするのでも2兆円で済む。

 半年後の来年2月頃には、新たな将来推計人口が公表され、出生率の下方修正により、年金の給付水準の50%割れが物議を醸すだろう。負担の押し付け合いにならない前向きな解決方法は、少子化を緩和するとともに、皆保険で加入を増やすしかない。答は見えているけれども、「成長に伴う税収増は、すべて財政再建に使う」という隠然たる論理に阻まれて、出口にはたどり着けないだろう。

(図)


………
 景気も消費も低迷が続いているが、企業収益と物価上昇に伴い、税収は好調である。企業は収益を賃金に還元せよと言われるが、財政は指摘されることさえない。ウクライナ戦争の影響で、防衛費の増加が叫ばれる中、守られるべき次世代は激減していく。若い世代が疲弊し、人口崩壊を起こしていても、政府債務の大きさばかり気に病み、財政再建のメドが立って自由度が増していることも分からぬまま、目先の課題に忙殺され、時は流れる。


(今日までの日経)
 新型コロナ国内感染、最多11万人。中国、4~6月、ゼロコロナ政策で0.4%増どまり。小売り・外食6割、純利益回復。DRAM、下げ加速。夏ボーナス最高85.3万円。ユーロ圏、成長予測下げ 今年2.6%。米物価高、ピーク見えず 6月9.1%上昇。

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7/13の日経

2022年07月13日 | 今日の日経
 5月の機械受注は、製造業が前月比-9.8%という結果だったが、4月が高かった反動であり、上昇傾向は続いている。他方、非製造業(除く船電)は前月比-4.1%と、減が小さめでも水準がまだ低く、上昇に転じたと言うには早い感じだ。ただし、4-6月期の見通しの段階では、マイナスであったので、それからは、随分、マシな状況である。世界経済には陰りが見えるので、局面の転回は近いかもしれない。

(図)



(今日までの日経)
 東京の感染1万人超、全国旅行支援先送り。不動産投資、円安で活況。半導体変調、身構える台湾。米経済「ハリケーン」の気配 物価高で個人消費減速。「黄金の3年」決断力問う。自民大勝、単独で改選過半数。

※「黄金の3年」というより、東洋経済(7/4発売号)が特集で指摘するように、少子化と年金が大問題になるだろうね。

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キシノミクス・コロナが収まっても停滞続く

2022年07月10日 | 経済(主なもの)
 5月の経済指標が概ね出揃ったが、景気は停滞したままだ。鉱工業生産が大きく減退して、中国のロックダウンによる一時的なものとされてはいるものの、昨年6月をピークに、低下傾向は1年に及ぶ。コロナの行動制限が緩和され、消費は正常化してきたが、物価高、原材料高が圧迫するようにもなっている。これから、中国が持ち直せるのか、インフレ対策の金融引締めで米国が景気後退になるのか、うまく渡り切れるか心配なところである。

………
 5月の鉱工業生産は、前月比-6.8とネガティブサプライズであった。自動車だけでなく、生産用機械、汎用機械も落ちている。6,7月の予測は+12.0、+2.5と大きいが、原指数で見ると6月は前年並みで、7月がやや高めといった程度になる。資本財(除く輸送機械)は、前月比-1.6の減となり、こちらも6月の予測は+9.5と大きいものの、やはり原指数では前年並みだ。予測値を含む4-6月期の前期比は+0.1と、前期に続く横バイ状態である。

 他方、消費については、5月の商業動態・小売業が前月比+0.6と順調に伸び、4,5月平均の前期比は+2.1にもなるが、CPIの財で割り引くと+0.6まで縮んでしまう。また、5月の統計局CTIマクロは、5月は-0.2だったものの、4,5月平均の前期比は実質で+1.3である。同じく、日銀・消費活動指数は+2.1と更に高い。家計調査の消費性向を見ると、5月は前月の反動で低下したものの、緩やかな上昇傾向が続いている。

 雇用については、5月の失業率は2.6%に上昇し、雇用者数は-24万人となったけれども、前月が高かった反動の範囲内である。ただし、女性の雇用者は伸びている一方で、男性は横バイ状態のままだ。また、5月の新規求人倍率は2.27倍と前月比+0.08だった。こちらは順調に回復が進み、2017年のレベルに来ている。産業別では、卸小売業、宿泊飲食業の増が進み、製造業は増勢にやや陰りが見える。

 6月の意識指標では、消費者態度指数が前月比-2.0と低下した。特に、物価高の影響を受ける「暮らし向き」が-2.6と大きかった。景気ウォッチャーも前月比-1.1となり、サービス関連以外が軒並み低下した。コメントを見ても、物価高、原材料高の悪影響の言及が多い。先行きについては、前月比-4.9と更に厳しいものになっている。これでは、4-6月期の消費の伸びは縮みそうである。

(図)


………
 7/1公表の日銀短観では、大企業製造業が原材料高で3月調査から-5となり、大企業非製造業は+4という、やはり、強弱が交差する結果であった。確かに、コロナの収束によって、サービスを中心に消費は回復しているが、物価高、原材料高が圧迫するようになり、輸出と生産は、停滞が続いて上向かない。とりあえず、4-6月期のGDPは、消費の伸びでプラスになっても、先行きは、なかなか厳しいものがある。


(今日までの日経)
 安倍元首相、撃たれ死亡。米雇用、予想上回る力強さ。世界のコロナ感染、2週で3割増。米住宅価格、高騰続く 不動産ファンドが買い占め。商品相場、景気懸念で変調。

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7/6の日経

2022年07月06日 | 今日の日経
 5月の毎月勤労統計は、実質賃金の低下が注目されているが、それはCPIの公表時に半ば分かっていたことである。物価上昇には追いついていないにせよ、賃金も伸びてきている点にも注目したい。常用雇用×現金給与総額の4,5月の平均は前期比+0.5となっており、共通事業所の4,5月の現金給与総額の前年同月比の平均は+1.3となっている。加速感はないけれども、着実に回復を遂げている。あとは、金曜に公表の家計調査の消費性向も注目だ。

(図)



(今日までの日経)
 食品の6割、値上がり うち半数で販売額減。国の予算、使い残し28兆円 中小支援など過大。日銀当座預金 1年で40兆円増。自動車の国内生産は危機的水準 3年で185万台消滅。沈む英ポンドの警告 景気不安、来年利下げも。

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緊縮速報・2021年度はGDP比+3.1%の改善

2022年07月03日 | 経済(主なもの)
 1-3月期の資金循環統計が公表になり、2021年度の結果が判明した。一般政府の資金過不足は名目GDP比-6.6%となり、前年度比+3.1%の改善となった。2020年度が-9.8%もの深さであったから、順当ではあるが、早くもリーマンショック後の水準から脱して、アベノミクスのスタート時の2013年度に近くなった。2021年度は36.0兆円の補正を組んでもこうなので、2022年度は一気に-2.0%程度の「正常」な水準まで戻る可能性は十分にある。

………
 2021年度の一般政府の中身を見ると、中央政府はGDP比-7.8%とリーマン後並みの赤字になっているが、リーマン後とは違って雇用が比較的安定していたため、社会保障基金には大きな悪化が見られず、+0.6%の黒字になっている。こうした違いがあるため、財政赤字を考える場合には、国・地方の財政だけでなく、公的年金などの社会保険の収支までレンジを広げて見ないと、状況の把握を誤ることになる。

 2022年度は、まだ2.7兆円の補正を組んだだけで、前年度より33.3兆円も少なく、税収等は2022年度での増が、国・地方・年金で6.4兆円程が見込めるので、これから、10兆円規模の補正を追加したとしても、2015~19年度にかけて到達していたGDP比-2.0%程度の「正常」な水準へ戻ることになる。そして、次の2023年度に、補正が剥落すると、財政再建の目標の2年も前に、一般政府の黒字化はできてしまう。

 次に、部門別の状況を確認すると、2021年度の資金過不足は、非金融民間法人がGDP比+1.6%で、同-0.4%の減だった。コロナ禍で一時高まった資金超過が落ち着いてきている。家計は、家計は+5.8%と、-2.0%の減で、大きく下がったものの、前年度が異常に高かったため、平常時のレベルからは相当高い。そして、海外は-2.3%で、0.7%の増となり、経常黒字が縮んできたことがうかがえる。

 部門間の過不足については、リーマン後は、非金融民間法人と一般政府がウラハラの関係で推移したが、コロナ禍では、家計と一般政府がウラハラとなっている。感染防止の行動制限が解除され、今後、サービスを中心とした消費が回復すれば、政府が経済対策で補うまでもない。もっとも、家計が貯蓄超過を減らすウラハラは、資源高にある海外ということにもなりそうである。

(図)


………
 2021年度の国の税収のリークがあり、各紙は約67兆円と伝えている。本コラムの予想より低めとなったが、それでも、2025年度の財政再建の目標は、7.5兆円の過剰達成になる計算だ。これを再分配、とりわけ、出生減が危機的な少子化対策に充てたいものだ。朝日は、「非正規労働者などにも育休給付」(7/1)と独自に報じた。むろん、焦点は、法人税が急伸する下で、財源の企業負担をどうするかである。伸びた法人税を、育休給付のほか、低所得者の社会保険料軽減に充て、非正規への勤労者皆保険を実現することは、企業収益を賃金へ還元するのと同じだ。それとも、財政再建で一人占めするのか、参院選後の検討の行方が注目される。


(今日までの日経)
 香港変貌、中国の「財布」に。サハリン2、日本排除も。中小の価格転嫁に遅れ。GPIF、10兆円黒字 21年度。国の税収、昨年度67兆円に 過去最高を更新。韓国の最低賃金5%増 時給1010円、日本の大都市級。

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