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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

緊縮速報・資金循環1-3月期

2024年06月30日 | 経済(主なもの)
 1-3月期の資金循環によれば、一般政府の資金過不足は、GDP比の4四半期移動平均が-3.6%となった。前期からは-0.6の不足拡大となった。中央政府は横ばいだったが、地方と年金が-0.3ずつ拡大したことによる。1-3月期は、低所得者向け給付があったので、こんな形かと思う。財政再建は緩やかに進んでいるが、次の4-6期では定額減税があるので、一時的に悪化することになろう。

(図)



(今日までの日経)
 温暖化ガス、止まらぬ排出増。円下落、一時161円台 日本の購買力3分の1に。円、対ドルで37年半ぶり安値。主要企業の経常利益「5.0~6.9%増」 証券3社の今年度予想。少子化への対応に冷静な議論を・中里透。

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6/26の日経

2024年06月26日 | 今日の日経
 4月の人口動態速報の出生は、前年同月比-1.3%とマイナス幅は縮んだものの、3月に-10.2%も下がった反動だろう。過去1年間の前年同月比は-5.2%で、出生率では1.15人のレベルだ。パートへの適用拡大は必要だが、低所得者の負担を重くして、出生に悪影響を与えないか気掛かりだ。年金の財政検証が出るようだが、出生の現状は低位推計の1.13人に近く、しかも、下げ止まっていない。このままでは、年金改正がなされる来年には低位推計も突き破ってしまう。低位推計の1.13人ですら、子世代は親世代の55%しかおらず、9割増しの負担になる。今は危機感がないが、将来は政治的にも経済的にも耐え切れず、「棄老」に追い込まれないか心配である。

(図)



(今日までの日経)
 パートらの厚生年金加入、企業規模要件を撤廃。氷河期世代の低年金を危惧。将来の年金、来月3日公表。
 
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骨太方針は十年一日の同工異曲

2024年06月23日 | 経済
 骨太方針2024が決定され、目玉は「全世代型リ・スキリング」と「半導体等の大規模投資の支援」だ。10年前の2014では、「人材力の充実・発揮」と「イノベーションの促進」だったので、やっていることに大して違いはなく、基礎的財政収支の黒字化を進める方針も同じだ。労働改革と投資促進に財政再建という同工異曲ぶりであり、不甲斐ない十番煎じの戦略であっても、それ以外は考えつかないということだろう。

………
 成長を高めるには、輸出で所得を増やし、その所得が内需を拡げ、内需向けの投資が盛んになって、マクロの投資率が上昇する構造改革に至る。1997年以降の日本は、内需が拡がる前に緊縮を始め、投資を阻害するので、改革は失敗続きである。それどころか、消費税を上げるたびに消費の水準と速度を低下させ、とうとう子供を持つという「消費」を諦めさせ、人口崩壊で地球環境に貢献する構造改革を実現した。

 アベノミクスを見れば、円高是正で輸出を伸ばし、設備投資を高めたのに、消費が伸びなかったことが成長低迷の理由と直ぐに分かる。消費が伸びなかったのは、緊縮で可処分所得を抑制したからで、素直に見れば、緊縮が行き過ぎで、そうならないよう調節するのが戦略のポイントだと気づくはずだが、経済学の枠組がきつ過ぎて、普通に見えるものが見えないのである。

 労働問題も、低所得の非正規に、いきなり重い保険料がかかるために、供給が制約されて生産性が上がらないことが最も問題なのに、軽減なんて非常識と見られていて、貧乏人に重い負担を課す無理が、とうとう極端な少子化を招いてしまった。欧米では、負の所得税がとっくに実現しているのに、マネが得意なはずなこの国は、個人の努力による労働移動で貧困は解決できるという古典的思想から一歩も出られない。

 骨太方針は、成長のための戦略というより、無意味な経済思想を発露する場でしかなくなっている。戦いに勝ちたいのなら、現実を受入れ、その上に戦略を立てなければならないのであって、勝つには、これしかないとばかりに思想にしがみつき、同じ戦略で、同じ失敗を繰り返すのでは、骨太方針の真の目的は、勝つことではなく、「ダメなら以て瞑すべし」とばかりに、思想に殉ずることではないかと疑わしめるのである。

(図)


………
 この十年の経済戦略で受け入れた教訓は、異次元の金融緩和をしたところで、ロクに成長しないということだけだった。異次元緩和は、米国の金融政策の方向に合わせ、極端なことをすれば、思った方向に為替を動かせるという経験を残したものの、今は極端なことができないために、為替の方向性を変えられず、物価高に苦しんでいる。そもそもは、経済戦略が統制されておらず、日銀任せになっているからで、この点は十年前と変わらない。

 経済戦略も、ここまで来てしまうと、目的をすり替えることで美化するしかないと思う。緊縮を見逃していて、国を衰亡させましたというのでは、間抜け過ぎて格好がつかないので、実は、地球環境を救うために犠牲になったという美しい物語に仕立てるのである。「撤退」ではなく「転進」であり、「敗戦」ではなく「終戦」である。美しい墓碑銘を捻り出すことがこの国に残された最後の課題だ。


(今日までの日経)
 首相「電気・ガス8~10月補助」。増配企業今期4割、過去最高 家計に3.6兆円流入。バングラ、工場ラッシュ。訪日客、3カ月連続300万人 宿泊業 省人化投資・賃上げ急ぐ。都知事選、公約発表 少子化対策競う。揺らぐ「1%まで利上げ」説。

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6/18の日経

2024年06月18日 | 今日の日経
 成長をイノベーションに頼り過ぎる失敗は、2009年のシャープ堺工場が一つの例だ。革新的でも売上の取れない設備投資がいかに経営に危険かを示している。エコポイントと地デジの後で内需で売れず、外需では厳しい競争になった。高度成長期なら内需が支えになって、致命傷にならずに済んだろう。高度成長期では、物価高にもかかわらず、財政がお金を堰き止めずに還元した。大して評価されない政策だが、今からすれば大事だったのである。成長戦略を呼びかけ、設備投資をさせたところで、緊縮で消費を削り、売れないよう仕組まれたら、企業はハシゴを外される。そんな司令塔の政策に乗るわけがない。

(図)



(今日までの日経)
 同床異夢の財政目標復活。家計の「円売り」はや前年超え。「動けぬ日銀」160円試す市場 円安圧力なお。大機・財政赤字の縮小のスピードが速すぎるリスク。

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1-3月期GDP2次・成長とイノベーション

2024年06月16日 | 経済
 1-3月期GDP2次速報では、名目成長率の前期比が+0.1%からゼロ成長に下方修正された。寄与度では、設備投資が-0.0から+0.1に上がり、在庫が0.2から0.1に下がっている。2次では総資本形成の内訳が分かるが、輸送用機械だけでなく、その他の機械設備等も下がっており、知的財産生成物だけが坦々と伸びている状況だ。自動車生産のアクシデントがあるにせよ、輸出も消費も低調で、正直、伸びる要素がない。
………

 今週の経済教室では、日本経済復活の条件ということで、吉川洋先生や福田慎一先生が登場したが、お二人ともイノベーションに頼りすぎだと思う。成長率を高めるには、設備投資率を高める必要があるが、外需が輸出産業の設備投資を高め、輸出で稼いだ所得が消費を増やし、消費増が内需産業の設備投資を高めることで実現する。デフレの日本は、輸出が稼いでも、早々に緊縮で消費を抑制し、内需産業の設備投資を妨げてきたのが原因である。 

 設備投資は、イノベーションによってなされるというのは大切な要素だが、需要を満たすべく供給力を高める平凡な設備投資も不可欠である。そもそも、設備投資は、売れると見込まれる分しかなされないものであり、そのため、低成長では低投資、高成長では高投資が続くことになり、金融政策や産業政策では動かせない。外部から与えられる需要だけが設備投資率を高め、成長を加速するのである。

 デフレの日本では、せっかく外需があっても、緊縮で内需の波及を阻んだので、低成長が続いたし、今の米国は、コロナ後の積極財政で勢いがついてしまい、金利を大きく高めても、抑制できたのは引上げ時の住宅だけで、設備投資は高く維持されている。ゼロコロナで成長を落とした中国は、政治的に輸出ドライブを阻まれ、バブルが弾けて住宅で需要を作ることも難しく、苦境から抜け出せないままだ。

 経営者にとっては、リスクが取れないので、需要が見込める分しか設備投資をしないのはごく当たり前の現実だが、それは、利益を最大化する経済学の基本原理に反しているので、経済学者にとっては、まったく見えない現実になる。ゆえに、イノベーションに期待し過ぎてしまう。イノベーションは必要だが、それだけで十分ではなく、イノベーションを体現する設備投資を、需要のリスクを感じずにできるようすることが重要なのだ。

(図)


………
 低金利でも設備投資の出ない日本、高金利でも設備投資が収まらない米国。そういう現実を目の当たりにしても、経済学の枠組みでは、金利に調整力がないとは思い至らず、効き目のある財政を調整しようという発想にならない。日本では、金利高騰による財政破綻を恐れ、低所得の若者の負担を重くし過ぎ、極端な少子化を招いて社会を持続不能にしてしまった。役に立たない金利のために、何でも犠牲にしてしまうのである。


(今日までの日経)
 日銀、国債減額「相応の規模」。児童扶養手当、11月に拡充。遠のく利下げ、FRB誤算 金利据え置き。日銀、緩和転換第2段階へ。給食費、自治体3割無償化。

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6/12の日経

2024年06月12日 | 今日の日経
 5月の景気ウォッチャーは、前月比-1.7と3か月連続のマイナスだった。なんで、こんなに悪くなるのかね。まずは、「判断理由」のコメントにあるように、物価高だろう。10-12月期に財が高まって下がり、4,5月にまた高まって二段落ちというところだ。東京都区部では家賃まで上がりだしている。とは言え、4,5月は賃上げがあり、少しは抵抗できそうなものだ。

 しかし、家計調査を見ると、負担増で可処分所得が抑えられているのだから、世話はない。6月は定額減税で少しはマシになるのか。その定額減税は、骨太方針が2025年度に黒字化というと、今年限りのようだ。こうして、手加減なしに緊縮をするから、成長が加速しないんだよ。金融政策では、ちょっとの引締めでも騒ぐのに、なんでそう緊縮にばかり思い切りがいいのかね。

(図)



(今日までの日経)
 財政、拡張路線に転機 骨太方針「基礎収支25年度黒字化」復活 金利ある世界意識。厚生年金のパート適用拡大、企業規模要件「撤廃を」 厚労省懇談会。

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出生率の低下は経済的なもの

2024年06月09日 | 経済
 2023年の日本の出生率は1.20人となって過去最低を大きく更新した。こうした大きな低下は、中国、韓国だけでなく、フランスや米国でも見られる。こうした共通性があると、文化や社会の問題というより、経済の問題だろう。生活苦によって、低所得の若者が結婚や出産から脱落したというわけである。むろん、水準に違いがあるのは、社会的にどれだけ支えられているかによる。

………
 日本の出生率の低下は、まだ続いていて、2024年には1.15人まで落ちると見られる。直近のピークだった2015年の1.45人からは2割も減る。子世代は親世代の55%になる計算で、子のない者を支えることにはムリがあり、子のない者の老後は、相当に悲惨なものになろう。社会保障が破綻するわけではないが、供給力の制約で大きく下げざるを得ず、他人の子供の温情にどれだけ縋れるかになる。

 子供を持つことは、投資であり貯蓄でもあるので、子供を持たない選択は、蓄えなく老後を迎えるのと同じで、働けなくなった時は死ぬ時と覚悟しなければならない。そんな覚悟で選択している者がどれほど居ろうか。カネに頼ろうとするなら、年金と医療で収入の23%ほどを積み立てる必要がある。結婚が難しい者がとても負えるものではなく、それができるくらいなら結婚していると思うはずだ。

 日本は、低所得の若者でも、税と社会保険料で収入の5割の負担をしている。近年は、奨学金の返済も加わった。これが結婚に影響していないとは、到底、思われない。他方、少子化対策は、子育て支援に大きく予算を割かれている。既に生まれた子供に出しても、その数は増えないので、効果はない。子育て支援は、これから生まれる子供だけを対象にしても、効果は同じであり、そうすれば、当面の予算は、ほとんど必要ない。

 ところが、日本は、効果の薄い政策を選択した。他方、そのための負担は、すぐに低所得の若者にもかかってくる。効果の高い非正規の育児休業給付や乳幼児の保育無料化は見送られてばかりだ。これらをこれから実現するにも、今回の負担増が政治的なネックになる。この失敗は、この国の将来を分けるような取り返しのつかない過ちになった気がして、深く憂慮している。

(図)


………
 4月の家計調査では、勤労者世帯の名目の消費支出は前月比-1.6となり、可処分所得の-1.1に引きずられた形だった。賃上げを背景に、実収入が+0.4だったのに、負担増が帳消しにしている。6月からは、定額減税が始まって、こうした状況は変わるのだろうか。そして、来年は、どうする。減税の代わりに、低所得の若者の社会保険料を実質的に減免して、勤労者皆保険を実現し、非正規の育児休業給付を実現するなんてことになるのだろうか。結婚は政策的に増やせないとか言われるが、効果の薄いものばかりを選んでいる。そうなるのは、少子化は生活苦の問題だとは認めたくない心理なのかもしれない。


(今日までの日経)
 「低地に人・企業」誤算。ふるさと納税 消える税収5000億円。初任給上げ8割超で最多。地方は女性が稼げる環境を。ECB、4年9カ月ぶり利下げ。出生率1.20で最低 昨年、東京は1割れ。予算累計66兆円超でも続く少子化。社説・人口急減の克服へ社会の変革急げ。

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6/5の日経

2024年06月05日 | 今日の日経
 1-3月期の法人企業統計は、売上高が製造業で前期比-1.7%、非製造業で+0.2%という結果だった。営業利益は、製造業が横ばい、非製造業は+2.8%である。人件費/売上高を4期移動平均で見ると、今期は、製造業、非製造業ともに上昇した。人件費の増もさることながら、売上高が鈍っており、上昇は景気減速のサインでもあるので気掛かりだ。それにしても、自動車の生産制約は終わらないね。

(図)



(今日までの日経)
 次世代半導体の量産後押し。スポットワーク、メルカリの計。車認証不正、トヨタなど5社に立ち入りへ。個人向け投資不動産ローン 復調。原油、供給過剰の観測。円の警告 人材・防衛…そがれる国力。少子化の意識を問い直す。

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キシノミクス・不況なのに物価高

2024年06月02日 | 経済(主なもの)
 1997年にデフレになる以前は、不況のときだって、物価も賃金も上がっていた。景気が良いはずなのに、実質マイナス成長なのは変だなどと思うのは、デフレに慣れ過ぎて、本来の不況の姿を忘れてしまっているからかもしれない。機械的に景況を表す景気動向指数は、「下方への局面変化」になっていて、5月に「下げ止まり」になるかというところだから、今は不況なのだと言っても、あながち、おかしくはない。

………
 4月の商業動態・小売業は、前月比+1.3だったものの、前月の-1.4を取り戻せず、この1年、停滞が続いている。実質では、CPIの財が前月比+0.6と高かったこともあって、半分も戻せておらず、この1年は低下傾向にある。消費が名実ともに停滞しているのであれば、自動車の生産制約があるために、売るに売れないという特殊事情があるにせよ、百貨店以外は名目でも停滞しているのだから、それは不況ということになる。

 4月の鉱工業生産は、自動車が復帰しているはずなのに、前月比-0.1と予想外の低下となった。ボーイングの生産停止の影響らしいが、生産は、半導体の制約に始まって、特殊要因続きであり、特殊が常態化している。要因はともかく、じり貧だったものが、昨年秋から一段と減少傾向が強まっていて、これって不況じゃないの?ということになる。建設財に至っては、2年渡って、ひどい下がり方である。

 4月の労働力調査は、失業率は2.6%と横ばいではあったが、雇用者が前月比-4万人と2か月連続の減で、男性の停滞傾向は相変わらずながら、女性が-11万人と大きく下がった。新規求人倍率も2.17に落ち、前月の反動もあるにせよ、2022年1月以来のレベルである。業種別では、製造業と建設業では、生産が振るわないことで想像がつくように、求人数が昨年を下回り続けている。

 4月の住宅着工は、7.3万戸と4か月ぶりの上昇だった。住宅着工も、物価高が始まった2022年以来、低下傾向になっていたが、これで底入れしてくれればと思う。同様に鉱工業の建設財にも兆しは見える。こうした低下傾向からの底入れは、設備投資に結びつく資本財(除く輸送機械)にも見られ、実質輸出にもうかがわれるところだ。まさに、不況にあるがゆえに「下げ止まり」といった風情なのである。

(図) 


………
 人手不足で就職には困らないし、特に若手は賃金も上がっている。それでも、出生が崩壊しているというのは、要するに不況で生活が苦しいからである。今月から物価高対応として定額減税が始まるが、本当に必要なのは、低所得者の社会保険の適用拡大と軽減だ。不況なのに物価高と思ったり、大して取ってない所得税を軽くしようとしたり、問題の本質が分かってないというのが辛いよね。


(今日までの日経)
 年金はもらえるのか「100年安心」は改革次第。老いる日本経済、今は昔の貿易大国 円の警告。社説・定額減税の押しつけで消費は目覚めるか。定額減税、実感乏しく 物価高・エネ補助終了、負担増 年収800万円超で相殺も。米消費株、インフレで低調。

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