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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

7/28の日経

2021年07月28日 | 今日の日経
 昨日の東京の感染確認数は2848人と過去最高を記録した。オリンピックの4連休開けで膨らんではいるが、それを除いても2200人位のレベルだと思う。問題は、今日明日に3000人超になるかどうかだ。そろそろ、7/12以降の緊急事態宣言の「禁酒令」の結果が現れる頃であり、重症病床使用率もステージ4を超えているので、今週をピークに下降へ向かってくれると良いのだが。

(図)



(今日までの日経)
 雇用保険料、22年度にも引き上げへ。米欧で感染再拡大 集団免疫にハードル。女性皇族、結婚後も皇室に。加速する少子化。

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緊縮速報・オリンピックまでにしたかったこと

2021年07月25日 | 経済(主なもの)
 日銀副総裁となって「リフレ」によるデフレ脱却に取り組み、2%の物価安定化に失敗した岩田規久男先生は、新著『日本型格差社会からの脱却』の中で、緊縮財政が金融緩和を相殺したとして、赤字縮小を急ぐなとする。これは、言うのは簡単だが、相当な意志を持ち、数字を把握し、戦略的に政策化しないと、とても防げない。あえて特別な対応をしないと、景気回復の芽を摘むほどの急速な緊縮に陥る構造を、日本は持っているからであり、それが、1997年以来、繰り返されてきた歴史でもあるからだ。

………
 需要管理の基本は、税収を的確に把握することだが、7/21に公表された「中長期の経済財政に関する試算」では、2022年度の国の税収を61.4兆円としていて、前々年度から+1.0%しか増えていない。この間の名目成長率は5.6%、企業業績見通しの経常利益が2年連続2桁増の予想であることを踏まえると、いかにも少ない。これらを基にすると、国と地方を合わせた税収の上ブレが年9~10兆円にも及ぶ計算になる。

 その後の税収を名目成長率で伸びると想定したものが下図である。ご覧のように、財政再建の目標を1年早く、過剰達成してしまう。そもそも、低成長率のベースラインケースが示すとおり、収支がGDP比-1%程度なら、国・地方の公債等財高のGDP比は安定するため、緊縮を焦る必要は、まったくない。加えて、公的年金は、既にGDP比0.7%程の黒字だから、一般政府全体で見ると、もっと収支は良いのである。

 急速な緊縮になるのを防ぐには、税収の上ブレを還元する必要がある、その手立てが補正予算だが、3~4兆円は例年の規模であり、これを超えないと支出が縮小してしまう。税収上ブレで緊縮にならないよう上乗せすると、景気復調と思われている中で、常識外れの規模にせざるを得ない。結局、常識的な対応で緊縮がなされ、成長にブレーキがかかり、デフレから脱却できなくなるのである。

(図)


………
 岩田先生は、新著の中で様々な政策提言をしているが、デフレと格差からの脱却の焦点となるのは、適正な需要管理をする財政の戦略である。補正予算だから一時的なことにしか使えないと、毎年、恒久的にバラ撒くのではなくて、日本の経済社会の持続可能性を取り戻すために、格差を埋めて出生率の回復に直結するよう、若い非正規への育児休業給付や社会保険料軽減を実現しなけれはならない。

 前者は、わずか0.7兆円でできるし、後者も、たった2兆円である。補正予算を割り当てるでも良いし、税収上ブレを財源にするのも良い。要するに、補正は消え物だけ、税収増は全部緊縮という財政当局の手前勝手な拘束から脱し、社会の再生と経済の成長に欠かせない使途に充てるわけである。こうして、再分配の制度を整えない限り、需要管理をバラ撒きに頼らざるを得ない。

 東京オリンピックが開幕したが、そこに見せたい日本はあるのか。7年前、「ニッポンの理想・2兆円でできる社会」を記し、若者が将来に希望を持てる社会にして、2020年を迎えようと訴えたが、現実には、十年一日の緊縮財政で、再分配の仕組みも整わぬうちにコロナ禍に見舞われ、呻吟するはめとなった。今、平和の祭典を眼前にして、無為に流れた時間を思うのみである。


(今日までの日経)
 東京五輪 開幕 コロナ下 大半無観客。五輪の旗印 漂流映す。東南ア経済 コロナで打撃。飲食5割超、時短応じず。無観客は不可避だったか。

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7/22の日経

2021年07月22日 | 今日の日経
 6月の日銀・実質輸出は前月比+0.6となり、これで4-6月期が前期比+3.9の116.0まで達して、過去最高だった2018年4-6月期の112.4を大きく上回ることとなった。製造業の設備投資が伸び、業績が急回復しているのもうなづける。また、5月の建設総合は、住宅が前月比が+0.4%だったものの、公共が-0.6%、企業が横バイだった。それでも、4-6月期は、住宅、企業ともに前期比プラスになりそうである。景気を牽引する民間投資は好調だ。

(図)



(今日までの日経)
 財政収支黒字化、27年度に 最高税収で前倒し。人民元、国際化へ「円超え」も。 マンション発売77%増 コロナ前水準に。所有者不明地の活用促進 再生エネ・防災に。

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財政出動はなぜ効かないと言われるのか

2021年07月18日 | 経済
 7/16に2020年度の地方税収入決算見込額が公表され、前年度比-0.7兆円であることが判明した。コロナ禍にもかかわらず、増税に伴い地方消費税が+0.6兆円、個人住民税が+0.2兆円だったのに対し、地方法人二税と法人譲与税が合わせて-1.5兆円だったことによる。ただし、この減少は、計上年度のズレによるもので、今後、国税と同様、大きく伸び、緊縮が強まることになる。

………
 「金融政策は効かない」と言うと、「財政出動だって効かない」と、突っかかって来る人がいるのだが、金融政策には使い方次第のところがあるように、財政出動も規模やタイミングによって、効くかどうかが決まってくる。日本の場合、「どうして、こんなにダメなんだ」というくらい下手を重ねてきた。この拙劣さこそが膨大な国の債務を積み上げる結果にもなっている。

 成長の原動力である設備投資は、需要リスクに強く支配される。経営者は、金利や産業政策など気にかけず、需要がどれだけ出て来るか、すなわち、売上げが立つかだけを考えて設備投資を判断する。実際、日本の設備投資は、1997年のハシモトデフレ以来、嫌になるくらい、輸出・住宅・公共の需要を追ってなされている。これだけで完全に予測ができると言って良いくらいだ。

 裏返せば、投資が投資を呼んだり、消費ブームが起こったりという、市場経済にありがちな現象が見られなくなった。なぜなら、経済危機の際には、大規模な財政出動を行うものの、一服後の回復期に、急速な緊縮に走って、需要リスクを与えてブレーキをかけ、需要の循環で成長が加速するのをさえぎってしまうからである。十分に加速せず、デフレにくすぶるようでは、かえって財政再建も進まない。

 そして、コロナ禍でも、2020年度の国の税収は増税で過去最高になり、ここから、景気の回復に連れ、21年度は+3.2兆円、22年度は+3.1兆円と伸びて行く。当然ながら、税収規模が国の7割の地方も、21年度は+1.9兆円、22年度は+1.8兆円と増す。他方、成長による増収は、高齢化に伴う0.7兆円弱の自然増以外は、すべて財政収支の改善に充て、所得を吸い上げ、デフレを保つというのが、「空気」のままなされる経済運営の「ウラの大戦略」である。

(図)


………
 今年は、総選挙後の秋にも補正予算が組まれと思われるが、3~4兆円の追加では、例年並みであり、これに国と地方の5兆円の税収の増加分を加えて、ようやく、財政は中立に至る。こうした規模とタイミングは、「常識外れ」とみなされ、それだけにデフレからは、いつまで経っても脱せない。これほどの規模となると、産業政策や公共事業での執行も難しく、ちゃんとした再分配の制度を用意する必要がある。

 少子化や非正規の貧困で苦しんでいても、再分配の制度がないために、消費に結びつけられないまま、その時限りのバラ撒きで、いくら産業政策をしても、設備投資は出で来ない。むしろ、企業は、次世代の先細りを感じ、海外へと流出する。需要の動向を把握しつつ、それに即した経済運営をするという、ごく基本的なことも分からず、衰退の道を転げて行く、それが日本の姿である。


(今日までの日経)
 東京の感染、半年ぶり水準。東南ア、デルタ型猛威。高齢者、1回目接種8割到達。米欧の財政支出、脱炭素・ITに集中。小売り、コロナ前上回る 3~5月純利益。最低賃金3%上げ930円。

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7/14の日経

2021年07月14日 | 今日の日経
 5月の機械受注は、民需(除く船電)が前月比+7.8%と伸び、4,5月の前期比は+3.9%となった。製造業が好調で、非製造業も底入れし、いずれも更に上に伸びる余地がある。基調判断が「持ち直しの動きが見られる」へ上方修正されたのもうなづける。他方、東京の感染確認数は加速し、今日にも1200人、オリンピック開会式の頃には1500人になると予想される。既に重症者も増え始めている。「禁酒令」を解いた他の地域でも増加に転じており、飲み会が増えると感染が増すのは明らかだ。

(図)



(今日までの日経)
 酒制限、政府・与党が混乱 「金融機関働きかけ」中止。 地方税収、4年ぶり減少。 デジタルのジレンマ 崩れる分配、消えた500億ドル。移動自粛、接種者も対象 東京に4度目緊急事態。

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金融政策はなぜ効かないのか

2021年07月11日 | 経済
 2021年度は、1500億円しか社会保障費を増やしていないのに、税収が前年度決算から3.8兆円も伸びる。一時的なコロナ対策から抜ければ、それだけ財政再建が進捗することになる。2022年度も、社会保障費の自然増は6600億円のところ、税の増収は3.2兆円にもなるはずだ。こうしたデフレを促進する緊縮財政を併用していては、弱い力しかない金融政策が効奏するはずもない。21世紀の経済政策は、全体を見なければならない。

………
 経済学の2本柱は、需要と供給を調節する価格メカニズムと、貯蓄と投資を調節する金利メカニズムなのだが、遺憾なく力量を発揮する前者と違い、後者は存在を疑うほど脆弱だ。なぜなら、設備投資は、需要リスクという別の力に支配されているからである。常識的にも、企業は需要を見ながら投資を決めているし、消費者も金利を見ながら消費と貯蓄の割合を決めたりしない。柱なのに、現実味の乏しい「理屈」なのだ。

 金利メカニズムが機能するためには、企業は期待値に従って行動する必要がある。期待される収益率が金利よりも高いのに投資しないのは、経済学的に不合理だ。ところが、現実には、それをしてしまう。期待値がプラスであっても、投資に一定以上の大きさの損をする可能性が含まれている場合、敢えて収益の機会を捨ててしまうのである。経営者には、損得を繰り返して期待値にたどり着けるほどの時間がないからだ。

 設備投資の決定は、低利を使って利益を最大化しようという力と、収益の機会を捨てても損を避けようとする力がせめぎ合うことなる。だから、複雑な動きになるし、需要リスクは強力だから、日銀の金融政策など、ものの数にならない。結局、金融緩和と同時に、せめて消費を抑圧する緊縮財政をやめなければ、とてもデフレ脱却は無理である。デフレとは、消費の弱さが生み出す実物的現象なのだ。

 金融緩和は、昔から「ヒモで押すようなもの」と言われ、設備投資を促進し、成長を加速させる力は乏しいと評価されてきたのであり、「異次元緩和でリフレ」と叫ばれても、にわかに信じられるものではない。ただし、通貨安、資産高、住宅増に結びつくことは知られていたので、それらで実需が動けば、需要リスクも緩和され、景気が浮揚し、ひいては、デフレ脱却に至る可能性はあった。

 アベノミクスの場合、大幅な円安に成功したが、米国への手前、おおっぴらに「自国通貨安で景気浮揚」とは言えない。そこで「リフレ」という良く分からない説明になった。かくして、輸出で成長は高まったが、リーマン後の円高で痛い目を見た企業は、期待されたほどは国内投資を増やさず、消費増税をオーバーライドできないまま、デフレ脱却とはならなかった。金融緩和の力は過信されていたのである。

(図)


………
 リーマンでも、コロナでも、危機の時には、大規模な財政出動がなされるが、そこから脱していく過程では、大規模に実施しただけに、早すぎる緊縮に走り、成長にブレーキをかけてしまいがちだ。米国のバイデン政権は、リーマン後のオバマ政権の失敗に学び、十分な速度まで持って行くべく、このタイミングでの財政出動に踏み切った。しかも、内容を将来世代向けとしつつ、法人や資産への増税も打ち出して、赤字増大への不安も払拭しながらである。またぞろ、インフレ懸念の批判も出ているが、消費増税でなら一発で鎮められると、日本の経済学者は教えてやれば良い。バイデン政権が成功を収めるなら、これが21世紀の経済政策の標準となろう。


(今日までの日経)
 法人課税で「歴史的合意」。米国競争政策、半世紀ぶり転換。金利抑え民需主導で財政健全化。五輪、4都県は無観客。GDPコロナ前水準 年内回復。クジラが動かす欧米金利。都に緊急事態再発令へ 酒は一律停止。NHK(7/7)・酒出る会食、感染リスク約5倍。

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7/7の日経

2021年07月07日 | 今日の日経
 5月のCTIは実質の前月比が-1.4と大きく下落した。ただし、4,5月の平均は前期比+0.7と、1-3月期がかなり低かったこともあって、プラスを維持できている。6月については、緊急事態宣言が解除され、消費者態度が上向いているので、4-6月期は、なんとか2期連続の前期比マイナスを免れるかもしれない。内容的には、4月の交通・通信が、おそらく自動車の購入ために、大きく効いており、全般的には不調である。

(図)



(今日までの日経)
 変異株、接種後も感染 重症化は予防。まん延防止、延長へ調整 1都3県で。 国の税収、最高の60.8兆円 剰余金4.5兆円も最多。来年度の社会保障費、自然増6600億円。

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スガノミクス・まっさきに税収が回復

2021年07月04日 | 経済(主なもの)
 2020年度の国の税収は、2年前を上回り、過去最高の60.8兆円になった。コロナ禍で名目の家計消費(除く帰属家賃)が2年前より-8.2%も減っているのに、消費税収は+18.7%の増である。むろん、10%への消費増税によるもので、民のカマドを顧みず、しゃにむに財政再建を進めるニッポンの面目躍如たるところだ。これでも、消費が不振で物価が上がらないのは、日銀の金融緩和が足りないせいなのかね。

………
 5月の鉱工業生産は前月比-5.9と大きめの低下となったものの、6,7月の予測は+9.1、-1.4という高水準になっている。これにより、4-6月期は前期比+2.5と、1-3月期の+2.7に続き、順調に伸びる見通しで、コロナ前の水準を回復する。なかでも、資本財(除く輸送機械)は、4-6月期の前期比が+10.7と2桁に達する勢いだ。遅れていた建設財も、4-6月期には前期比が+3.3と、回復は加速していく。

 しかし、消費財は、1-3月期の前期比が+0.2と低調だった上に、4-6月期は前期比-1.5と逆戻りする様相である。コロナ禍の影響が少ないはずなのに、モノの消費まで低迷が続く。5月の商業動態も前月比-0.4と続落しており、4,5月の平均は1-3月期より-3.3も低い。物価は上がっているから、実質はもっと下がる。来週の統計局CTIの結果待ちだが、これでは、4-6月期の消費も、前期に続いてマイナスになる公算が高い。 

 消費の基となる雇用は、5月の労働力調査で失業率が3.0%へ上昇し、4,5月の就業者の平均は、1-3月期より、男性が27万人、女性が14万人も少なくなっている。5月は求人が大きく減っており、消費が振るわないのも当然である。他方、6月の消費者態度は、前月比+3.3の34.7だった。未だ30台ではあるものの、コロナ禍では最も高い。4-6月期の最後の6月については、消費の反動増がありそうだ。

(図)


………
 2020年度の税収を2年前と比較すると、名目GDPが-3.6%の減となる中で、所得税が-3.4%の減、法人税が-9.0%の減となっており、これらは、経済の動向に合ったものと言えるレベルである。これに対して、消費税の+18.7%の増がいかに異様かということだ。「上振れは法人税が思いのほか伸びたから」という解説もあるが、よく実態を表していない。所得税や法人税の復元は、これからなのである。

 すなわち、2021年度の税収は、名目GDPと企業業績の見通しで単純に伸ばすと、64.5兆円まで行く。予算からの上振れは、2020年度が5.7兆円、2021年度が7.1兆円になる計算だ。これをまるまる国債の減額に充てるのか、どの程度、民間経済に還元するかが経済運営の焦点となる。少なくとも、過去最高の税収を上回る分の4.2兆円については、財政再建とも両立できる範囲である。

 再分配を通じた成長の加速を目指す本コラムとしては、税収の上振れは、補正予算で産業政策に蕩尽するのではなく、社会保障の特会に組み入れ、低所得層の社会保険料の定額還付に使うべきと考える。日銀の金融緩和は、円安を通じて輸出企業に恩恵をもたらす一方、財政による徹底した消費抑制策は、デフレを長引かせている。いつも言うことだが、日本経済は政策どおりの結果になっているだけである。


(今日までの日経)
 雇用流動化、若者けん引。デジタル課税、10兆円規模。日銀短観・製造業、先行きは不透明に 非製造業は宿泊など薄明かり。税収、コロナでも最高60.8兆円。高齢者8割、月末に接種完了見通し。

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