Miami Pop Festival / The Jimi Hendrix Experience (2013)
まだまだ出るジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)の過去音源。オフィシャル・ブートレグ・シリーズを含めると膨大な数になってきた。今回は1968年5月に行われたフェスティバルでの音源。オフィシャル・リリースとあって音はなかなか良い。もちろんベースはノエル・レディング(Noel Redding)だ。ジミがエクスペリエンスの終焉をアナウンスするのが6月だから、クリーム(Cream)と並び最強と思われた(少なくともファンには)3ピース・バンドの末期の演奏だ。過去にはブートレグ(海賊盤)でサウンドボード音源が出回ったらしいが自分は未聴。晴れてエディ・クレーマー(Eddie Kramer)の仕事により45年の時を経て甦ったとの事。
当時のフェスなんて写真を見ると、ステージは急造もいいとこで、周りは人がうろうろしているし、環境的には最悪の状態だ。まだPAが確立されていない時期だけに演奏者にとってもつらい状況だったろう。それに写真でみるジミは(実際にこの時の写真なら)精彩を欠いているようで、この頃の風貌はたしか昔のアナログ・レコードの「Loose Ends」で初めて見てゾッとした覚えがあるが、白髪なのか染めなのか、ものすごく老けて見える。最初はミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)のドラムがバタバタとなんだか乗れない感じで、全体のまとまりがない。演奏もはっきり言って絶好調ではないのが分かるが、それでも十二分に聴けるレベルなのがすごい。長尺の「Red House」ぐらいになるとがぜん熱を帯びてくる。でも以前のライブにあった疾走感はやや希薄(でもなぜかボーナス・トラックの昼公演は結構凄かったりする)。こうして音を聞くだけではノエルとの確執など、煮詰まった感はあまり感じられないが実際のところどうだったのだろう。
脚光を浴びてからの活動期間がたったの3年。それが伝説となり、今になって未発表スタジオ音源だのライブだのが毎年のように発売される。でもあまりクオリティ(音じゃなくて質)が一定レベルに達していないものまでが掘り起こされ、乱発されることで有難味が無くなってきているのも事実なんだよな…。
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