ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Best Of Cutting Edge 1965-1966 / Bob Dylan

2017年01月01日 | クラシック・ロック

The Best Of Cutting Edge 1965-1966 / Bob Dylan (2016)

昨年発売されたボブ・ディラン(Bob Dylan)のブートレグ・シリーズ第12弾「The Cutting Edge 1965-1966」の2枚組ヴァージョン。とうとうこの時期のアウトテイクがまとまって発売。コレクターズ・エディションは何と18枚組(!)、デラックス・エディションでも6枚組の超絶ヴォリュームで発売されたこの作品は、ディランがロックに舵を切った1965年から1966年という最重要時期のレコーディングの様子を収録しているとあって発売前から話題沸騰。対象アルバムは「Bring It All Back Home」、「Highway 61 Revisited」、「Blonde On Blonde」のいずれ劣らぬ名盤3枚。それまでにも断片的に音源は発表されていたが、18枚組って…。以前の自分なら最低でも6枚組の方を買っただろうと思うが、もう買う前からお腹いっぱいで、結局購入したのは「The Best Of~」と銘打たれたこの2枚組のみ。あまりの物量に、このブートレグ・シリーズも途中からコンプリートは諦めてしまっている。

ここに収録されたディランのアウトテイクを聴くとかなりまとまって聴こえるが、それはもちろん「ベスト・オブ」だから。ちら聴きしたデラックス・エディションなどでは完奏すらままならない形のものも多いようだ。「せーの」で録音し、ディランがどんどん曲を発展させていき、ミュージシャンはそれになんとか追走してテイクを重ねていく感じ。それほどディランの創作意欲というか、吐き出しはただならぬ事になっていたようだ。しかも世間ではまだディランはフォーク歌手。ここで聴けるようなロックな演奏はまだ世に出ていない訳だから、その完成度に驚く。この時期のディランの写真集まで持っているが、佇まいといい、服装のセンスといい、紡ぎ出す音楽といい、完璧と言っていい。その本の邦題が「時代が変る瞬間」だったが、まさにそんな感じ。

思わぬノーベル文学賞受賞で時の人となったが、「先約があるので」と授賞式を断ったり(笑)、全く取材を受けず、ただただツアーを続けるディランは、相変わらず。もう稼ぐ必要なんて全く無いだろうに。ただただ音楽の為だけに走り続けている。ファンはいつだって、あの時期がいいとか、この時期は低迷したとか、このアルバムはどうだとか、色々な分析を続けているが、本人は50年経っても全く変わっていないのだろう。アーカイヴはもうお腹いっぱいなので、ディランの”今”が聴けるライヴ・アルバムを発売してくれないかなァ。

 amazonにて購入(¥1,710)

  • CD (2015/11/6)
  • Disc : 2
  • Format : CD, Import
  • Label : Sony Legacy

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 光村 (2) @名古屋市北区... | トップ | 大野屋 @愛知県一宮市 »

コメントを投稿

クラシック・ロック」カテゴリの最新記事