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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Original Album Classics / Fleetwood Mac

2021年07月04日 | ブルーズ

Original Album Classics / Fleetwood Mac (2010)

自分の中でフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)といえば70年代に大ヒットを飛ばした女性2人が居るポップ・バンドという印象だったので、ずっとしっかり聴いたことが無かった。最近スティーヴィー・ニックス(Stevie Nicks)を聴くようにはなったが、バンドの方は全然。それがジューダス・プリースト(Judas Priest)を聴くようになり、初期に彼らがカヴァーした「The Green Manalishi (With the Two Prong Crown)」の原曲を聴いてみようとこの「Original Album Series」を購入。このブログではお馴染みのこのシリーズ、いつもは5枚組だが、こちらは3枚組。ピーター・グリーン(Peter Green)が在籍していた初期のフリートウッド・マックのオリジナル・アルバムは少ないのでこの3枚組(うち1枚はコンピレーション盤)でいいはず。収録されたアルバム3枚は以下の通り。

・Fleetwood Mac (1968)
・Mr. Wonderful (1968)
・The Pious Bird Of Good Omen (1969)

ブリティッシュ・ブルーズのバンドは大好きなのに、どうして今まで彼らを聴こうと思わなかったのかが不思議。エルモア・ジェイムス(Elmore James)を彷彿とさせるドンピシャのエレクトリック・スライド・ギターから始まる。アンプリファイド・ブルースハープもピーター・グリーンが演奏しているようだ。後のフリートウッド・マックとは全く違うバンドと言って差し支えない。ファーストの再発時にはわざわざ”Peter Green's Fleetwood Mac”と改題されたのだとか。収録曲のうち4曲がブルーズ・レジェンド達のカヴァー。思ったより自作曲が多いのが意外だった。3枚目はシングル曲、B面曲、エディ・ボイド(Eddie Boyd)のバックを務めた音源などで構成されている。3枚とも、正直言ってどれも商業的には成功しなさそうな”黒い”曲が並ぶ。素晴らしいエレクトリック・ブルーズ・バンドだけれど、どうしてバンドはこのままのスタイルで存続しなかったのか詳しい歴史は知らない。このスタイルで68年というとちょっとだけ”遅かった”のかも。実は届いた後に気付いたが、肝心の「The Green Manalishi (With the Two Prong Crown)」が収録されていない(苦笑)。しっかり確認していなかった…。不覚。(→原曲はこちら

ネットにて購入(¥900)

  • Label ‏ : ‎ EPIC
  • ASIN ‏ : ‎ B0030BCCB6
  • Disc ‏ : ‎ 3
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Gold / The Allman Brothers Band

2020年07月15日 | ブルーズ

Gold / The Allman Brothers Band (2006)

今までいくつも購入している「Gold」シリーズ。各アーティストのキャリアを俯瞰したベスト選曲を2枚に収めたCDシリーズで、他の企画盤をそのまま使う場合もあるが概ね真っ当な選曲(と思われる)だし、音質やヴォリュームも良好なのでよく購入している。今回はオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)。自分は彼らの歴史を順に辿ってきた訳ではなく、名盤の誉れ高いライヴ盤「Live At The Fillmore East」と編集盤ボックスを所有しているのみだった。若い頃はどちらかというと彼らの音楽スタイルは苦手だったかナ。それがスワンプ勢や、テデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)を聴くようになって、最近また改めてしっかり聴き始めたというところ。特に早逝したギタリスト、デュアン(デュエイン)・オールマン(Duane Allman)が、ソウル・ミュージックを含む数々のセッションで名演を残していたこともあって、それらを含めてどんどん気になり出した感じ。もちろんデュアンのアンソロジー(Vol.1のみ)は所有済み。

この2枚組ではライヴ・ヴァージョンを含む30曲を収録。1969年のデビュー・アルバムから1979年までの約10年間に発売されたアルバムから選曲されている。もちろん一旦解散する70年代半ばまでが中心。そもそもデュアン個人への興味からこのバンドを聴くようになったので、彼の死後のアルバムや曲は一部を除いてほとんど聴いてなかったが、こうして聴いてみるとどの曲もクオリティーが高く、正直今までピンと来なかったグレッグのヴォーカルもなかなかいい(←エラそうに)。自分の勝手なイメージと違って後期の音楽性もデュアン存命時と大きく変わっていないのが意外だった。ボックスをほとんど聴いてなかったということか…。彼らのディスコグラフィーも揃えることになってしまうのかも…(←多分やるナ…)。

(オークションにて購入¥755)

  • CD (2006/9/22)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import, Original Recording Remaster
  • Label : Mercury
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Original Album Classics / Stevie Ray Vaughan And Double Trouble

2020年05月20日 | ブルーズ

Original Album Classics / Stevie Ray Vaughan And Double Trouble (2013)

スティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)の「Original Album Classics」簡易紙ジャケ5枚組CD。全てボーナス・トラック付きで、83年のソロ・デビューからのオリジナル・アルバム4枚に加えて彼の死後に未発表曲集として発売された91年の1枚という内容。収録アルバムは以下の通り。

・Texas Flood ('83)
・Couldn't Stand The Weather ('84)
・Soul To Soul ('85)
・In Step ('89)
・The Sky Is Crying ('91)

初めて聴いたのは、かつて東海地方で深夜に洋楽ロックのPVを流していたCBCの「Rock-A-Vision」という30分番組(覚えている人居るかな…)で見た「Cold Shot」(2枚目のアルバムに収録)のPV。そのヴィデオは面白かったが、当時は彼らやロバート・クレイ(Robert Cray)のようなモダンなブルーズはあまり得意ではなかった。その後、自分も持っていたデヴィッド・ボウイ(David Bowie)の83年の大ヒット・アルバム「Let's Dance」に参加していることを知る(←クレジットしっかり見てなかった)。ヒットしたシングルのPVではギターを持っているのはボウイ自身だが、実際のギター・ソロはスティーヴィーが弾いていた訳だ。その後のワールド・ツアー「Serious Moonlight Tour」にも当初ギタリストとして参加する予定だった事も後から知った(現在はスティーヴィーが参加したリハの音源がブートで聴ける)。もし参加していたら自分も名古屋国際展示場で観られたのに…。

その後も断片的には聴いていたが、まるっきりジミ(Jimi Hendrix)の生き写しのようなギターに聴こえたのであまり関心は上がらないままだった。もちろん本人は影響を隠してはおらず、というかリスペクトしまくりで、ジミの曲をカヴァーしたり、ジミがカヴァーした曲をそのままのアレンジでカヴァーしたりし続けていて、その様子はこのセットでもよく分かる(ボーナストラック含む)。随分と最近になってからベスト盤を中心にポツポツと聴き出した訳だけれど、若い頃あれだけしっくりとこなかった彼の音楽が不思議と最近スッと入ってくるようになった。当時は50~60年代初期ぐらいの古いブルーズを中心に聴いていたので”綺麗な音”のブルーズが体に入ってこなかったのかも。そういえばクラプトン(Eric Clapton)だって80年代の音は最近まであまり好きではなかったナ…。お陰でここのところ、この5枚のアルバムがヘヴィー・ローテーション中。これを機にもう少し丁寧に聴いてみようっと。

オークションにて購入(¥1,370)

  • CD (2013/6/25)
  • Disc : 5
  • Format: Box set, Import
  • Label : Sony Legacy
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Even Mo' Funky Blues : New Standards - Various Artists

2020年04月26日 | ブルーズ

Even Mo' Funky Blues : New Standards - Various Artists (2000)

2000年にPヴァイン(P-Vine)から出たタイトル通りファンキーなブルーズを集めたコンピレーション盤。タイトルからいくとシリーズ3作目ということだろうか。こういう音楽関係のイラストを描かせたらピカイチで楽しいJERRY氏によるジャケがいい。さすがにこの辺りの音源の宝庫であるPヴァインだけあって、マニアックな中にも気持ちの良い聴き易さがある。肝心の収録アーティストと曲はこちら。

01 Hound Dog Taylor - She's Gone 
02 Jerry McCain - Soul Spasm 
03 Johnnie Mae Matthews - Gonna Send You Back To Georgia 
04 Bobby Patterson - Quiet! Do Not Disturb 
05 Bobby Rush - Bowlegged Woman, Knock-Kneed Man 
06 The Carter Brothers - Roast Possum 
07 Ted Taylor - Something Strange Is Goin' On In My House 
08 Barbara Carr - Good Woman Go Bad 
09 Ike & Tina Turner - Mississippi Rolling Stone 
10 Cash McCall - Hard Attack 
11 Bobby Patterson - Right On Jody 
12 Syl Johnson - Different Strokes 
13 Magic Sam - What Have I Done Wrong 
14 Luther Allison - Put Your Money Where Your Mouth Is 
15 Buddy Guy - You've Been Gone Too Long 
16 Magic Slim - Teardrop 
17 Hound Dog Taylor - Let's Get Funky

こういう”ファンキー”括りの企画盤では出番の多いハウンド・ドッグ・テイラー(Hound Dog Taylor)が2曲も選ばれていて、ここでも鋭くかっこいいブギー・スタイルのギターを掻き鳴らしている。現在活躍するブラック・キーズ(The Black Keys)らに直結するスタイルと音色。左手の指が6本あったというテイラー(ホントの話)。コンピ盤でしか聴いたことがないけれど1度アルバムを買ってみようかな。こうなってくるとブルーズ、ファンク、ソウルの音楽的垣根なんて低いもんだなと思う。あとは歌詞か。前2作も探してみよう。

オークションにて購入(¥685)

  • CD (2000/12/10)
  • Disc : 1
  • Label : P-VINE
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Jimi Hendrix Classics / Various Artists

2019年12月08日 | ブルーズ

Jimi Hendrix Classics / Various Artists (1993)

Pヴァインから出ていた「Classics」シリーズ。一番最初はストーンズ(The Rolling Stones)版だったと記憶するが(←受験の時に原宿にあった専門店「ギミーシェルター」で購入)、アーティストがキャリアにおいてカヴァーした曲を集めた編集盤で、今でこそ色々な企画物が出ているが、レコードがCDに取って代わった当時(80年代中後半)にはまだカタログが少なく、もちろんブルーズのアナログ盤を集めるのは田舎では至難の業だったので、そのマニアックな内容もあってとても重宝したシリーズだった。他にはツェッペリン(Led Zeppelin)、クラプトン(Eric Clapton)、ジャニス(Janis Joplin)、などを所有しているが、このジミヘン(Jimi Hendrix)版を見落としていたかなと購入。収録曲とアーティストは以下の通り。

  • 01 Howlin' Wolf - Killing Floor  
  • 02 Chuck Berry - Johnny B. Goode  
  • 03 Muddy Waters - I'm Your Hoochie Coochie Man  
  • 04 B.B. King - Rock Me Baby  
  • 05 Elvis Presley - Hound Dog  
  • 06 Elvis Presley - Blue Suede Shoes  
  • 07 Robert Petway - Catfish Blues  
  • 08 Elmore James - (My) Bleeding Heart  
  • 09 Earl King - Come On  
  • 10 The Leaves - Hey Joe  
  • 11 The Troggs - Wild Thing  
  • 12 Don Covay - Mercy Mercy  
  • 13 Chris Kenner Land of 1,000 Dances  
  • 14 Big Jay McNeely - There Is Something On Your Mind  
  • 15 Jackie Wilson - Doggin' Around  
  • 16 Little Richard - Tutti Frutti  
  • 17 Guitar Slim - The Things That I Used To Do  
  • 18 Jimi Hendrix - The Star Spangled Banner

ジミのカヴァー演奏はブートレグでしか聴けないものもあるが、彼がカヴァーした重要な曲はほとんど押さえられている。デビュー前のドサ廻り期(でも重要)のカヴァー曲や、アメリカ国家まで収録されている。さすがPヴァイン。こうして並べてみると思いのほか直球カヴァーが多かったんだなと再認識。本当はここにディラン(Bob Dylan)の曲が入るとグッとクオリティーが上がるが、それらは聴こうと思えば簡単に聴けるし、権利関係もあって見送られたのだろう(当時)。もちろんジミのギターでの解釈もカッコイイが、オリジナルのアーティスト達もやっぱり充分にカッコイイ。昔は随分とジミを掘り下げて聴いていたので、懐かしいなァなんて思いつつCD棚のひとつにしまおうとすると…、あっ! あった(またやってしまった…)。このシリーズ好きだもの、そりゃ買ってるに決まってるわな…。

オークションにて購入(¥517)

  • CD  (1993/12/25)
  • Disc : 1
  • Label : ブルース・インターアクションズ
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A Ass Pocket Of Whiskey / R.L. Burnside

2019年06月26日 | ブルーズ

A Ass Pocket Of Whiskey / R.L. Burnside (1996)

以前に英音楽雑誌「MOJO」の付録CDで初めて聴いてぶっ飛んだR.L.バーンサイド(R.L. Burnside)の、付録CDに入っていた曲を含む1996年発売のアルバムを購入。このアルバムの製作には当時注目されていたジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(Jon Spencer Blues Explosion, 以下JSBX)が関わっていて、5曲を共作していて、演奏も彼らが担当している。自分はR.L.バーンサイドがどういう人物で、ブルーズ界でどういう立ち位置のアーティストか全然知らなかったのだが、60~90年代まではパート・タイム・ミュージシャンとして働いていたようで、デビューは随分と遅く80年代に入ってからのようだ。このアルバム当時で70歳。

アルバム全般で、当時洋楽に詳しくてクールな人はみんな持っていたJSBXの「Orange」(’94)(←もちろん持っている)と同じテイストの演奏が繰り広げられている。つまりぶっといギターと即興に近いブギー・スタイルの、ジョン・リー(John Lee Hooker)を思わせるようなブルーズ。どういう経緯で一緒にやることになったのか知らないが、JSBXの音楽を聴いてピッタリだと思って引き合わせた人が居たのかな。それともJSBXの方から…。R.L.バーンサイドは歳はとっているがいきいきとしていて、演奏途中でのジョンらとの掛け合いも”らしい”。ド迫力のヴォーカルが太いギターの音に負けていない。当時の写真を見ると野球帽を被ってヨタヨタのジャンパーを着たその辺のオッサンなのだが…。彼の少し前の音源を探してみたのだが、音楽スタイルはずっと一貫していたようだ。カッコイイ。

オークションにて購入(¥522)

 

  • CD  (1996/6/25)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Matador Records
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Blues Deluxe / Various Artists

2019年05月09日 | ブルーズ

Blues Deluxe / Various Artists (1996)

ずっと前に中古店の棚にあったLPサイズ大で分厚い大きなボックスを手に取って、どんな内容だろうと気になっていたブルーズの10枚組ボックスセット。ボックス外側には内容が明記されておらず購入を見送っていた。後から調べても内容がなかなか分からなかったのは一般流通品ではなく通販専用の商品だからのようだ(ちなみに当時の値段は¥1,980×15回払いだとか)。ずっと忘れていたが、ある日オークションに出品されているのを見つけ、入札しておいたら安価で落札出来た。箱を開けるとテーマ別に分けられたCDが10枚、それにとても詳しい解説書が付いている。監修・選曲は憂歌団の内田勘太郎氏だ(中の写真が若い)。 

通販だと侮るなかれ(いや通販だから出来た?)レーベルを超えた凄い内容で、CDはそれぞれに専用ジャケットと歌詞(対訳付)が付いて、レーベル面には有名レーベルのレコードレーベルがデザインされているなど、手が込んでいる。膨大な量の音源は有名アーティストだと何曲か収録されており、ブルーズとひと言で言ってもその音楽スタイルは多岐に渡る。ちなみにテーマごとに収録されているアーティストは以下の通り。

01.<CHICAGO BOUND> ブルース・バンドの黄金時代

  • Muddy Waters
  • Little Walter
  • Jimmy Rogers
  • Chuck Berry

02.<DOWN AND OUT> ディープ・サウスの咆哮

  • Howlin' Wolf
  • Sonny Boy Williamson
  • John Brim
  • Elmore James

03.<AFTER HOURS HOP> ブギからシャッフルへ

  • T-Bone Walker
  • Amos Milburn
  • Charles Brown
  • Pee Wee Crayton
  • Smily Lewis
  • Fats Domino
  • Dave Bartholomew

04.<TALKING VOICE> カントリーブルースの遺産

  • Robert Pete Williams
  • Fully Lewis
  • Snooks Eaglin
  • Baby Tate
  • Sidney Maiden
  • Lonnie Johnson
  • Blind Gary Daves

05.<STOMPIN' AND JUMPIN> 西海岸ブルースバラエティ

  • Frankie Lee Sims
  • Clifton CHenier
  • Joe Liggins
  • Roy Milton
  • Percy Mayfield
  • Dan And Dewey
  • Guitar Slim
  • Roosevelt Sykes
  • Mercy Dee

06.<WESTSIDE SHUFFLE> シカゴサウンドリヴュー

  • Sleepy John Estes
  • Big Joe Williams
  • Sunnyland Slim
  • JB Lenoir
  • Otis Rush
  • Jimmy Johnson
  • Eddy Clearwater
  • Robert Jr. Lockwood
  • Carey Bell
  • Junior Wells
  • Bonnie Lee
  • Magic Sam

077.<WILD BEAT TOUCH BOOGIE> テキサスギタリスト列伝

  • Ike Turner
  • Johnny Guitar Watson
  • Lowell Fulson
  • Smokey Hogg
  • Hadda Brooks

08.<GREAT TRACKS> ブルースの巨人たち

  • Elmore James
  • John Lee Hooker
  • Lightnin' Hopkins
  • BB King

09.<LIVING LEGEND> 甦る伝説のブルース

  • Mississippi John Hurt
  • Skip James
  • Robert Pete Williams
  • Bukka White
  • Reverend Pearly Brown
  • Son House
  • Mississippi Fres McDowell
  • Jesse Fuller
  • Big Bill Broonzy

10.<GOOD TIMES> モダンブルースの夜明け

  • Gatemouth Brown
  • Louis Jordan
  • Junior Parker
  • Big Mama Thornton
  • Bobby Bland
  • Johnny Ace

いや凄いナ、コレ。ブルースインターアクションズの製作なので内容はお墨付きだが、これだけバラエティに富んでいて、しっかりとした情報(←これ重要)に加えてヴォリュームもあるブルーズの編集盤は他に見当たらない。加えてLPサイズ140ページの解説書にはブルーズの用語集から、名盤紹介、影響を受けた日本のアーティストへのインタビュー、独自のエッセイ、内田氏らによる全曲解説、アーティストの来日履歴などと、ブルーズの土地と文化から遠く離れた日本で編纂されたとは思えない程の微に入り細に穿つ詳しい内容。日本人のブルーズ好きは有名で、シカゴなどのブルーズ・クラブは黒人と日本人ばかりなんて聞いたこともあるが、それにしてもこれだけの内容の製品は本国アメリカでもなかなかお目にかかれないだろう。痛快なのは各曲の日本語訳。この一部に口語の大阪弁や九州弁を当てはめているものがあるのだが、これが何とも面白い。例えば有名なマディ(Muddy Waters)の「Hoochie Cooche Man」は、

占い師のおばちゃんがお袋にこうゆうた/わしが生まれる間際にや/「この子、男の子やわ/手ぇつけられへんようなるよ/かわいい女の子/キャーキャー言わせるわ/どないなってんねんて/世界中大騒ぎや」/わしや/みんな、わしやでぇ/わしが噂のフーチクーチー・マンや/みんな知ってるやろ

同じくマディの「Got My Mojo Workin'」は、

例のおまじない使ってんけど/なんでや、効けへんわ/わし、使ったのに/全然効けへんやんけ/モノにしたくてたまらへんのに/どうしたらええんやろか

~なんていう調子。大抵ブルーズの日本語訳詞では「~なのさ」とか「~しておくれよ」なんていうちょっと気取った清志郎が言いそうな言葉が使われていることがほとんどだが、この泥臭い感じがいかにもハマっている。もちろん例えばシカゴのマディに大阪弁(訛り)は妥当か?とか、言葉遣いはこれでいいのか?なんて議論の余地はあるだろうが、比喩や隠喩の多いブルーズの歌詞がこれほどすんなりと日本人の頭に入ってくる試みは快挙と言っていい。こういう手があったか…。ちなみに訳詞を担当しているのは個人ではなくグループ(マックスカンパニー)のよう。

製作にどれだけの期間を要したのか知らないが、通販オンリーだったというのがもったいないくらいの素晴らしい内容。CDの紙ジャケットの世界を見ても分かるように、こういうマニアックな追及の仕方は日本人のお家芸だが、アジアの片隅で言語を異にする日本人がこれだけブルーズの理解を深めていると知ったら本場のブルーズメンもびっくりするだろう。

オークションにて購入(¥3,058)

  • 製作:ブルースインターアクションズ
  • 発行:日本音楽教育センター
  • 選曲・監修:憂歌団 内田勘太郎
  • ブルース完全解説書(140ページ)付き

 

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Rising Sons featuring Taj Mahal & Ry Cooder / Rising Sons

2019年03月24日 | ブルーズ

Rising Sons featuring Taj Mahal and Ry Cooder / Rising Sons (1992)

若き日のタジ・マハール(Taj Mahal)とライ・クーダー(Ry Cooder)によるバンド、ライジング・サンズ(Rising Sons)の音源をまとめた作品。シングル発表曲を除いて92年までお蔵入りしていたこれらの音源は、92年に3曲(18、19、20)ほどタジによって改めて歌入れされ発売されたもの。録音は1965~66年というから、ビートルズ(The Beatles)を始めとするブリティッシュ・インヴェイジョンの熱気も冷めやらず、まだ世界を席巻していた頃。この頃になるとアメリカでも西海岸のヒッピー文化を象徴するサイケデリックなバンドが台頭し始めるが、それもまだ萌芽期と言える。ライ・クーダーはまだ10代だし、タジだってまだ20歳過ぎた頃。そんな若い2人がこんなマニアックなブルーズ曲を独自の解釈でカヴァーしていたりしているのが凄い。しかも当時まだ珍しい白人黒人の混成バンドだ。ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)だって1枚目の「The King Of Delta Blues Singers」こそ発売されていたが、世間に知れ渡るのはストーンズ(The Rolling Stones)等のメジャー・バンドがカヴァーし始めた60年代後半になってからのはずだし。

何でこんなにまとまった音源が、しかも後に彼ら2人が有名になってからも発表されなかったのか分からないが、どの曲の完成度も意外なほど高く、ただのカヴァーのみならずしっかり独自でアレンジも施されていたりしてアイデアたっぷり。時代を反映して、ディラン(Bob Dylan)のカヴァーや、ビートルズのサウンドを彷彿とさせるヴォーカル曲も入っているのが楽しい。自分がライ・クーダーを知るようになるのはストーンズとのコラボ(搾取?・笑)の頃(1969年)のアルバム「Let It Bleed」や、サントラ曲「Memo From Turner」からだが(もちろん後追い)、それらで聴ける印象的なライ・クーダーの端正なスライド・ギターの音色をすでにここで聴くことが出来る。レコード会社の販売方針や、バンドとしての方向性が定まらなかったとか言われているが、骨までしゃぶり尽くすレコード業界において、こんな良質な音源が長いこと放置されていたのは不思議。「Corrina Corrina 」など、後に彼らが単身でカヴァーする曲も含まれているのでアレンジの違いなども興味深い。

中古店にて購入(¥500)

  • CD (2008/3/1)
  • Disc : 1
  • Format: CD, インポート
  • Label : Sbme Special Mkts
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80 / B.B. King & Friends

2018年06月28日 | ブルーズ

80 / B.B. King & Friends (2005)

2005年に発売されたB.B.キング(B.B. King)のアルバム。タイトル通り80歳を記念して作られたアルバムで、フレンズ(ゲスト)が誰であれ右チャンネルから聞こえてくるギターは御大の演奏だそう(ま、あの独特のトーンなので聴けばすぐに分かる)。収録曲と参加したアーティストは以下の通り。収録曲はB.B.のレパートリーに加えて他の人の曲を演っていて、何といってもフレンズの面々が豪華そのもの。

01 Early In The Morning  (Van Morrison)
02 Tired Of Your Jive  (Billy Gibbons)
03 The Thrill Is Gone  (Eric Clapton)
04 Need Your Love So Bad  (Sheryl Crow)
05 Ain't Nobody Home  (Daryl Hall)
06 Hummingbird  (John Mayer)
07 All Over Again  (Mark Knopfler)
08 Drivin' Wheel  (Glenn Frey)
09 There Must Be A Better World Somewhere  (Gloria Estefan)
10 Never Make Your Move Too Soon  (Roger Daltrey)
11 Funny How Time Slips Away  (Bobby Bland)
12 Rock This House  (Elton John)

自分は若い頃からブルーズをよく聴いているものの、シカゴ・ブルーズから入っていて、マディ(Muddy Waters)やハウリン・ウルフ(Howlin' Wolf)、リトル・ウォルター(Little Walter)なんかが中心で、迫力のある汚い声(失礼)や演奏に慣れていたので、正直B.B.のような流麗な声と歌、それに滑らかな”ルシール”のトーンは苦手だった。もちろん聴いたことはあったし、コンピ盤や企画盤では持っているアルバムもあったけれど、オリジナル・アルバムは1枚も持っていないはず。

B.B.が亡くなるのは2015年で、このアルバムの後は1枚のみなので晩年と括っても間違いではないと思うが、びっくりしたのは声の艶が衰えていないこと。この時期にどういう活動をしていたのかはあまりよく知らないが、豪華なゲスト陣に負けない存在感も健在。一緒にスタジオに入ったのか、別で録音してミックスしたのかは分からないが(12のみライヴ)、ヴォーカルの掛け合いも元気いっぱいといった感じだ。フレンズの誰もがB.B.と共演出来る機会が少なくなるだろうことは承知だったろうから気合が入ったんじゃないかな。ギター・スタイルでB.B.から大きな影響を受けただろうクラプトンを始め、世代を超えた各々のB.B.に対する慈愛に満ちたリスペクトが感じられるトリビュートとなっている。

オークションにて購入(¥468)

CD (2005/9/13)

  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Geffen Records
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The Roots Of The Doors / Various Artists

2018年05月03日 | ブルーズ

The Roots Of The Doors / Various Artists (2009)

タイトル通り、ドアーズ(The Doors)がカヴァーしたり、インスパイアされたオリジナル曲を集めたCD。ドアーズといえばやはりシカゴ・ブルーズを連想してしまうが、その他にもジャズやオールドタイムのロックンロールに影響されていて、自分の知る限り彼らが演(や)ったうち、かなりの曲が網羅されている便利な1枚。もとより好きなアーティストのルーツを探るのが大好きなのでこういう類の編集盤は数多く所有しているが、このレーベルのシリーズを購入するのは意外にも初めて。他にも色々なアーティストのルーツ音楽を収録した盤を発売しているようだ(このシリーズ、内容はいいのにアートワークがいまいち…)。収録曲は以下の通り。


01. Slim Harpo - I'M A King Bee
02. Little Junior Parker And His Blue Flames - Mystery Train
03. Muddy Waters - Don'T Go No Farther
04. Little Willie John - Fever
05. The Viscounts - Harlem Nocturne
06. Billie Holiday - Summertime
07. Bertolt Brecht - Alabama Song
08. Joe Williams' Washboard Blues Singers - Baby Please Don'T Go
09. Leadbelly - House Of The Risin' Sun
10. Robert Johnson - Cross Road Blue
11. John Lee Hooker - Crawling King Snake
12. Arthur 'Big Boy' Crudup - Rock Me Mama
13. Muddy Waters - Got My Mojo Working
14. Elvis Presley - Heartbreak Hotel
15. Muddy Waters - Close To You
16. Bo Diddley - Who Do You Love?
17. Chuck Berry - Carol
18. Robert Johnson - Me And The Devil Blues
19. Josh White - St. Jame Infirmary
20. The Shelton Brothers - Aura Lee
21. Sara Martin - Strange Lovin' Blues

ドアーズの面々はストーンズ(The Rolling Stones)らのブリティッシュ・インヴェイジョンの連中らよりは少しだけ若い世代に当たると思っていたが、調べてみたらジム・モリソン(Jim Morrison)はミック(Mick Jagger)と同い年だし、レイ・マンザレク(Ray Manzarek)に至っては3つも上。なので影響を受けているアーティストの面々が大して変わらないのも納得。でも米西海岸出身のドアーズだから、英国の連中が台頭してその音楽的影響を一般に披露してからはまだしも、それ以前はいくら自国の音楽とはいえ(特にブルーズは)ほとんど忘れ去られた状態だったはず。やはりどこにだって一部には好事家が居たということだろうか。もちろんそういう一世を風靡した英国のバンドに影響されてもいるのだろう(実際ゼムの「Gloria」とかもカヴァーしているしね)。どうしてジムがブルーズと違う07のような曲に関心を持ったのか分からないが、完全に自分達の物にしてしまった名カヴァーだった。

オークションにて購入(¥482)

  • CD (2015/5/19)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Imports
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