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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

きよめ餅総本家 名鉄神宮駅前売店 @名古屋市熱田区・神宮前

2016年08月08日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

前回、「藤団子(とうだんご)」を目当てに店に行って、初めて毎月15日しか販売しないことを知って落胆した「きよめ餅総本家」。意外と早く15日に近くに居るチャンスが巡ってきて迷わず途中下車。この日は名鉄・神宮前駅から至近の「名鉄神宮駅前売店」へ(と言っても本店と250mくらいしか離れていないが)。こちらは喫茶室を併設している。隣には「神宮小路」という風情を残す細道があったが、片側が取り壊され、一部が駐車場に変わっていた。この辺りも変わっていくなァ。年季の入った店に入ると、古いガラスショーケースの中に商品が並べられている。目当ての「藤団子」は…、あった。(商品写真:通販サイトより拝借) お土産用にもいくつか購入して持ち帰る。

 

包装紙に包まれた藤団子は、丸く円状に成型されていて、桃、白、黄、緑、紫の5色が細紐で括られている。思ったより小さい。だんごと言うからにはある程度柔らかいのかなと思っていたが、触ってみると硬めで、砂糖が練り固めてある感じ。原材料を見てみると、上白糖はもちろんだが「寒梅粉」と書かれている。寒梅粉とは餅で作られる「みじん粉」をさらにふるいにかけたものだそうだ。まだパキッとは割れないが、ひとつをつまんで口に入れる。上品な砂糖の甘さは予想通り。やはり”だんご”とは言えず、干菓子の類だが、こんなのがお茶請けに出て来たら、とても品があって気分が上がるネ。残しておいた分を次の日にいただくと、硬さを増してまた別の食感に。(勘定は¥200/個)

本店の記事はこちら

喜与女茶寮の記事はこちら

この後の記事はこちら (2

 きよめ餅総本家 名鉄神宮駅前売店

愛知県名古屋市熱田区神宮3-4-12

 

( 神宮前 じんぐうまえ 熱田神宮 あつたさん 尾張銘菓 尾張名菓 藤團子 とうだんご 藤だんご きよめもち 干菓子 和菓子 )

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井善 @名古屋市熱田区・伝馬町

2016年07月14日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

熱田神宮の南、伝馬町の駅からすぐの天ぷら割烹「井善」。創業は明治6年(1873)とのこと。あつたさんの近くとあって木々が多く、周囲は落ち着いた雰囲気。昼営業時間ももう終わろうかという時間にお店を訪ねた。路肩と店の前に控えめな看板が出ているだけで奥ゆかしい。遅い時間なのですでに客も捌け、店に入ってすぐのカウンター席に先客は無し。腰かけて品書きを眺める。割烹と名乗るだけあって、夜は一品料理も良さそうだ。昼食向けには色々な丼ぶりがあったが、その中から「かき揚げ丼」を選んだ。主人は粛々と、そして手際良く天ぷらを揚げる準備を始めている。天ぷらを揚げる鍋は厨房の中のようで残念ながらその様子は見えない。

しばらくして丼ぶりが運ばれた。天丼だけでなく、小鉢(筍と椎茸の煮物)が付いているのがうれしい。かき揚げは海老と野菜。野菜はかぼちゃや茄子が入っていて、細かく刻まれている。サクサクに揚げられていて、口に入れるとかぼちゃ由来の甘みが感じられる。海老の調子はとても良く、プリッとした歯応えが感じられて旨い。つゆはとても上品であっさりしている。三角に切られた柚子皮の香りがアクセントになっていて、サクサクだった衣もだんだんとふやけてご飯と一体となっていく。それも旨い。香の物と浅蜊の味噌汁(こういう時に貝の味噌汁だとうれしいナ)もいただいて、ごちそうさま。夜に一品料理で酒を呑んだ後にひとつづつ揚げてもらいたいなァ。(勘定は¥1,300)

↓ 外観とお店のマッチ(写真下右)

 

天ぷら割烹 井善

愛知県名古屋市熱田区神宮2-10-11

 

( 熱田 あつた 熱田神宮 あつた神宮 神宮前 伝馬町 てんまちょう いぜん 天ぷら 天婦羅 天麩羅 天丼 かき揚げ丼 かき揚げ天丼 かきあげ丼 )

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きよめ餅総本家 @名古屋市熱田区・神宮前

2016年06月26日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

熱田神宮へ行った際に道路を渡って「きよめ餅総本家」へ。熱田神宮にもともとあったという「きよめ茶屋」(創業天明5年・1785)が起源らしいが、こちらの店舗の創業はよく分からない。風格あるこの大きな建物は昭和30年代に建てられたものだとか。ガラス引戸を開け中へ。シンプルにショーケースが並ぶ店内には店員さんがひとり。実は本で見た「藤団子(とうだんご)」という干菓子を目当てに行ったのだが、これは毎月15日のみに発売されるものなのだとか。知らなかった…。残念。という訳で基本の「きよめ餅」と好物の最中「丸八最中」を購入した。

羽二重餅にくるまれたきよめ餅はこし餡で、ふわっとした柔かい手触り。肌理の細かい餅に「きよめ」と焼印が押してある。口に運ぶと餅の伸びが素晴らしい。丸八最中は薄めの皮(最中種・もなかだね)。詰めたてなのか、こういうものなのか、サクッといい食感。こし餡、つぶ餡、抹茶餡の3種があったが購入したのはつぶ餡。口に入れると小豆の食感がしっかりと口に残って、これも旨い。次こそはなんとかして「藤団子」を買ってみたいが、都合良く15日に買いに来られるだろうか…。(勘定は各¥120/個)

この後の記事はこちら

 

 

↓ 熱田神宮の中にある「龍影閣」(明治11年・1878・建造、移設)。元々は大須に品評所として建てられ、明治天皇の休憩所(便殿)としても使われた。その後、庄内公園~熱田神宮へと移設されたのだそう。国の登録有形文化財。

↓ 南下すると名鉄の線路脇にある「名古屋市上下水道局熱田ポンプ所」(大正12年・1923・建造)。10~15年周期で機器の更新を行い、今なお現役なのだとか。表側も見てみたいナ。

 

きよめ餅総本家

愛知県名古屋市熱田区神宮3-7-21

( 熱田区 あつた 熱田神宮 あつたじんぐう 神宮前 きよめもち とうだんご もなか モナカ 和菓子 干菓子 近代建築 有形文化財 名古屋市水道局 )

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大黒亭 @名古屋市熱田区・伝馬町

2016年06月20日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

何かで店先の写真を見て、その佇まいに目が釘付けになった熱田神宮横の洋食屋「大黒亭」。何とか行ける機会はないかと思っていたが、やっと訪問することが出来た。こちらの創業は大正8年(1919)だとか。せっかくなのでと熱田さんにお参りした後に店を目指す。地図で見るとちょうど熱田神宮南のへこんだところに店がある。店先に立つと、戦前、あるいは戦後すぐぐらいまでに開業した洋食屋特有の何とも言えない雰囲気。「西洋料理」と書かれた看板に心躍る。引戸を開けて中に入るとなかなかの客入り。土間のテーブル席に着いて年季の入った壁の「お献立」に目を通す。品数は基本の洋食といった感じで多くない。”おすすめ”と書いてあった「上カツ」と「ハヤシライス」とで欲張ってみた。老夫婦でやっていらっしゃるが時分どきとあって忙しそうなので、立って厨房に声を掛けて注文を通した。

女将さんが水と三角紙ナプキンとフォーク、スプーン、ナイフを運んで下さる。小上がりには新入社員を連れたと思しきサラリーマンの姿も。渋い店に連れてくるなァ(笑)。あとから入ってくるのは通い慣れたサラリーマンや、タクシーの運転手らしき1人客が多かった。しばらくして両皿共に登場。まずはトンカツ。ナイフがあるので包丁は入っていない。つけ合わせはキャベツの千切りとポテサラ。あらかじめかけられたソースはデミグラス・ソース。一緒に並んだハヤシライスの色からすると元は同じソースのよう。これが酸味少なめでマイルドな口当たり。サクサクのカツとの調和は見事。旨い。そしてハヤシライス。少しとろみがあり、大振りに切った玉ねぎの食感が良く、もりもりと食べ進む。2品は多いかなと思ったが、やさしい味付けなのでお代わりも出来るくらいすんなりと胃袋に収まった。次は「メンチボール」か何かを単品を取って「黒ビール」か「清酒」で一杯やりたいなァ。(勘定は¥1,150)

この後の記事はこちら (2)(3)(4

 


 

↓ 食後に歩いて訪問した「魚半別邸」(大正13年・1924・建造)。洋館は住居。タイル壁に厳めしい鉄製の折り畳み雨戸。錆が落ちて見た目は良くないが、何かに使われているのかな?

 

↓ (写真下右)隣接する日本家屋が旧「料亭魚半」の建物で昭和初期の建築(昭和3年・1928・建造)。こちらは塀も新調されて「宮の駅交流サロン」他として整備、利用されている。中にも入れるらしいが、この日は休み。自転車も借りれるらしいから、今度借りて近辺を走ってみようか。

 

 


 

大黒亭

愛知県名古屋市熱田区神宮2-1-16

 

( 熱田 あつた 熱田神宮 神宮前 伝馬町 てんまちょう 洋食 西洋料理 だいこくてい 戦前 トンテキ カレーライス ハンバーグ 近代建築 料亭魚半 宮の駅交流サロン)

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一力 @名古屋市熱田区・西高蔵 (※閉店)

2015年09月06日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

仕事で熱田区の名古屋国際会議場に用事があり、その前の腹ごしらえとして寄ったのが麺類食堂「一力」。地下鉄名城線の西高蔵駅を出て、伏見通を南へ歩くと、路地を曲がった正面にこじんまりとしたこの店の姿が見える。それがなんともいい感じ。控えめなのに存在感はあり、綺麗な白い夏暖簾が目を引く。創業は昭和17年(1942)だとか。「夜寒町(よさむちょう)」って何だか風流な名前の土地だね。引戸を開けて中に入ると、土間にテーブル席、その奥が厨房になっている。先客は男ひとり客ばかり3名。外は湿度が高くてかなり暑かったが、笑顔が素敵な女将さんが冷たい水を置いてくれた。紙に書いた品書きがずらりと壁にあり、その中から「天南丼」を小うどんとのセットで注文。麺は「きしめん」で。冷たいのも出来ますよと言われたので、冷たいのをお願いした。少しだけ茹で場が見える席だったが、木の蓋の乗った大釜で茹でられている。七輪もあるし、ご飯も釜で炊いているみたい。後ろ姿しか見る事は出来なかったが、調理はご主人のよう。

しばらくして、丼ぶりときしめんが一緒に盆の上にのって運ばれた。さっきは冷水だったが、今度はちゃんと熱いお茶も。気が利いている。たぶん初めて食べる天南丼。天ぷらと南蛮(=なんば=葱)、それに花麩とかまぼこが入っている。さすがに海老は小さいが、衣と葱と花麩にたっぷりつゆが浸みて、それがご飯を侵食し、旨い。これはいいなァ。葱が多いのもいい。きしめんはセットの小さいもの。麺の幅も厚さも標準的。締めたこともあって、しっかりとした食感で、熱い喉に冷たいつゆがたまらない。つゆの甘さは控えめな感じ。あんな大釜を使ったらさぞかし燃料費も…なんて思うが、どの品もほとんどがワンコイン以下ばかりという安い値付け。このセットでさえ…。よくやっていけるなと感心する。水やお茶が減るとすぐに足してくれる女将さん。何から何まで素晴しい。勘定は¥480)

※残念ながら閉店されたようです(平成28年1月現在)

一力 (いちりき)

愛知県名古屋市熱田区夜寒町7-18

( 熱田 西高蔵 日比野 一力うどん店 よさむちょう 手打麺類食堂 手打ち麺類食堂 大衆食堂 手打ちうどん )

 

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不朽園 @名古屋市中川区・尾頭橋

2014年07月16日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

名古屋のターミナル駅である金山から西へ行った尾頭橋(おとうばし)。ある休みの日にこの付近を自転車でウロウロしていたら、午前中だというのにやけに歩いている中年男性が多い。最初は何故だか分からなかったが、すぐにお馬さん関係の人達だと分かった。皆さん達者ですな。自分にはこの近辺は「ナゴヤ球場」のイメージしかなかったが、その昔は遊郭だったそうで、その名残りもあるのだとか。今回は見て廻らなかったが、花街近辺にはつきものの和菓子屋の老舗があるので行ってみた。

Photo

現在はすぐ横(というか上)を名古屋高速の高架が通り、佐屋街道と交わる交差点に店を構える「不朽園」。創業は昭和2(1927)年との事。大須・不老園の系譜なのだとか。風格ある店構えと歴史を感じさせる木看板。この建物は昭和30年の建築だそう。歩道に面した店のガラス引戸を開け、中へ。多くの女性店員さんがいらっしゃって客に対応している。店の横には小さなイートインスペースがあり、この日はまだ開いていなかったが、アイスクリームなども販売しているようだ。この店と言えば有名なのは「菊最中」。他にもいろいろな和菓子がショーケースに綺麗に並んでいるのだが、迷わず「菊紋最中」を注文した(後から「菊最中」と「菊紋最中」が違う商品だと知る…)。

菊の花の形をした最中種(もなかだね=皮)は溝があるためやや硬めの食感。その硬さがパリッとしていていい。実際に作業を見えた訳ではないが、注文があってから餡を詰めるのだとか。時間が経ったものはだんだん餡との一体感が増し、それもいい。餡はしっかりと詰まっていて、甘味が過剰ではなく、バランスがいい。さすがに最中を筆頭の菓子に挙げるだけあって旨い。これ少し炙ってもいいだろうな。嫁も気に入ったとの事。よかった。けれど「菊最中」と「菊紋最中」の違いが気になって、気になって…(また行かなくちゃ)。(勘定は¥120/個)

この後の記事はこちら (2)(3)(4)(5

 

不朽園

愛知県名古屋市中川区尾頭橋3丁目4-8

 

(ふきゅうえん きくもなか きくもんもなか) 

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