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KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 天狗峠~三嶺でコンプリート!

2022年11月04日 | 四国の山
先週は気持ちのいい青空の下で四国のゴールデンルートを歩く事が出来た。今週の

天狗峠から三嶺石鎚山から剣山までの線が繋がるので、先週と同様に最後も晴天の

下で稜線を歩きたいと思い、ずっと天気予報とにらめっこをして水曜日よりも木曜日が

天気が良さそうなので今日に予定を変更。それが功を奏して終日、稜線上は青・青の

空の下を歩く事が出来た。これも日頃の行いが・・・・と言いたいところだが、結局天気

を選んで歩いているだけの事。三人だと気軽に曜日を変更できるところがメリットだ。


フィナーレとなる今日のコースは天狗峠から三嶺へのゴールデンコース。個人的には

2007年に『お帰りなさいKyoさん』と題して、東京の赴任から帰ってきたKyoさんを

エントツ山さん、マーシーさん、REIKOさん達と歩いて以来15年ぶりとなる。

もちろん奥様たちは初めてのコースに、そして最後のコースに胸躍らせていた。


前回は名頃から登って天狗塚登山口へ降りたが、それだと名頃へ戻るのに意外と時間が

かかる。三嶺から北尾根をいやしの温泉郷へ下るコースもあるが、できればもう少し

デポ車への移動時間を短くしたいと考えていたら、国土地理院の地形図には破線は載って

いないが、YAMAPには三嶺北西尾根の点線が載っていた。これだとデポ車への移動

時間を短縮できる。注意書きには『中級者以上向けのルート』となっているが、ルートを

外しても最後は西山林道へ辿り着けば何とかなると安易な考えで出かけてきたが、これが

なかなか・・・・・だった。


いやしの温泉郷に8時に集合。先週よりは1時間遅い時間だがあっちゃんからは『早起き

頑張ります!』とメッセージが来た。『早起きというほどのもんでもないのに』と

ルリちゃんと二人で言いながら今日を迎えた。

先週よりゆっくり目で、通い慣れた国道438号線を一字を過ぎ西山林道へと車を走らせた。

途中の鳴滝はまだ陽が当たらず少しうす暗い感じだが、それでも紅葉がそろそろ見頃に

なってきている。小島峠の手前では、黒笠山から東へ津志岳への稜線の山肌に朝陽が

当たって錦秋色に輝いていた。













小島峠を越えると道筋は紅葉ロード。正面に塔ノ丸のまだ日陰の北面が見える。度々立ち

止まって、眺めては写真を撮るので、早めに着く予定が結構時間がかかっていた。











小島峠から菅生へ出ると、439号線を走って来た奥様たちと、あ・ら・らドンピシャ!

そのまま2台でデポ地点となる西山林道の北西尾根の登山口まで走る。少し路肩が広く

なった場所に1台を置いて、天狗塚の登山口へと走って行く。計画通り移動時間は5分

程度だったが、ただ登山口に既に停めていた車の駐車位置がイマイチで、仕方がないので

下の広場に引き返して駐車する。広場からは木々越しに朝陽が当たった矢筈山が見えた。

その反対を見ると今から登って行く杉林が見えた。伐採地には既に雑木が生えて、その

木々が色付いていた。











登山口の階段を登って、最初は九十九折れの道。尾根の左側は先ほど見えた伐採地。朝陽が

当たって光っているが、登山道が続く杉林の中はまだ陽が届かず薄暗い。

西熊山からの北尾根の山肌では、杉の濃い緑の中自然林が紅葉して矢印のように見える。











杉林から自然林の中の道になるとシロモジだろうか、黄色く色づいた木々が目立つ。

その黄色い林を抜けると今度はカエデだろうかオレンジ色の木々が多くなってきた。











モミジの高木を横目に見ながら、登山道のど真ん中を塞いでいる倒木を過ぎると、

広場から50分ほどで第一ピークに着いた。










第一ピークから一旦鞍部へ少しだけ下る。落ち葉で一面オレンジ色に染まった鞍部からは

また九十九折れの道が続いて行く。次第に足元に背の低いクマザサが現れると、そろそろ

樹林帯から抜け出る。







樹林帯を抜けるとクマザサの中の道になる。所々で掘割のように深く掘れた道では、

前を歩くあっちゃんから浮いた石ころがコロコロと転がってくる。道の右側に本当に牛の

背中のように見える牛の背の笹原が見え始めた。










尾根の手前になると更に深く掘れた道。今度は左に西熊山が見えた。振り返ると祖谷系の

黒笠山から寒峰へと続く峰々。その麓には落合集落が見える。




















久保分岐の道標が見えた。前回地蔵の頭から綱附森方面へと歩いた時はあまり天気が

よくなくガスっていて、天狗塚にも少しガスがかかっていたが、今日は申し分のない

青空、その心配は全くなさそうだ。




ケルンの広場からは思った通りの天狗塚の雄姿。牛の背の背中の向こうには雲海が

広がっている。そして更にその奥には四国中央部の峰々と石鎚山系の山々。一昨日

降った雨で空気が澄んだのか、結構遠くまで見渡せる。













稜線に立った途端に冷たい風が吹き抜けていく。途中で上着を脱いだ奥様たちが、

『寒い!』と言ってまた上着を着こんだ。じっとしていると寒いので、それじゃ

西熊山に向かって歩いて行きましょう!西熊山の奥には今日のフィナーレの地、

三嶺が姿を現した。そしてその右横には先日紅葉狩りで遊んだ次郎笈剣山

さらに右手には綱附森から繋げて来た稜線もくっきりと見える。













天狗峠まで来ると、先ほどの山頂手前で見えたのとは違う形に西熊山が見える。そして

四国のゴールデンルートの全てが見渡せる感じがした。ここまでで約2時間いいペース

できている。ここからコースタイムで三嶺までは2時間20分。お昼ご飯は三嶺かな?







天狗峠からはお亀岩に向かって一旦下って行く。稜線上の木々の葉はもう全て散っている。

三嶺から西熊山にかけてのコメツツジの色も、先週よりも一段と色落ちしているように見える。
















尾根の北側に回り込む場所にはロープがかかっていて、それを降りると苔むした岩。そこを

過ぎて暗部に降りると笹の草原が広がっていた。落合峠から西に・烏帽子山・前烏帽子山・

寒峰そして中津山がその草原の奥に並んでいる。
















1698mの標高点から緩やかに広がる笹原を越えると、お亀岩とお亀岩ヒュッテがある。

周りが白い岩の中にあって黒い色のお亀岩はとても目立つ。また昨年改修工事が終わった

ばかりのヒュッテの赤い屋根も、周りの木々の緑の中にあってよく目立つ。








ヒュッテを眺めながら行動食を口に入れ一息入れた後、西熊山の肩を目指して登って行く。

休憩中にその肩の奥に、先ほど下ってきている三人の姿が見えていたが、この登りで

すれ違う。あまりの速さに驚いていると、やはりその男女の三人はトレラン姿だった。

振り返ると地蔵の頭から久保分岐へのずんぐりとした笹の広尾根が見えた。













スタートから約3時間で西熊山に着いた。時間はまだ少し早かったが、祭日の今日の三嶺

山頂は人が多いだろうと考えて、早めのお昼ご飯にする事にした。

天狗峠からの稜線上に先ほどまで見えなかった天狗塚が、ちょこんと頭を出している。










今日は三人そろってカップラーメン。この季節はやはり温かい麺類に限る。途中の

休憩の度におにぎりを頬張ってたあっちゃんも、まだしっかり食べている。




しっかり食べた後は、しっかり歩いて行こう。三嶺に向かって続いていた尾根道は

次第に尾根の北側をトラバースするように続いて大タオへと下って行く。

この間の三嶺へ続く稜線がこの区間の最大のビューポイントだと思う。













もう少し早い時期だと、笹の緑と木々の紅葉のコントラストが最高だっただろう。

ただそれも贅沢というもの、今日のこの景色も最高だ!

笹原を縦横無尽に走る獣道の中にあって、ひと際濃く続く登山道の線。たおやかな

ピークが幾重にも重なり三嶺へと続き、その登山道の線が三嶺へと導いてくれている。

時間があればここで腰を降ろしてのんびりと一日中でも眺めていたい景色だ。
















大タオからは三嶺への最後の登りとなる。小さなピークを一つづつ乗り越えては

大きく深呼吸して、次の登りへと進んで行く。








そのピークへ少し登って振り返ると、西熊山の北側は緩やかで南側は急峻な対照的な

山肌とその横に小さく地蔵の頭。さらに進んで行くと稜線上に白い岩が点在し、白い

白骨樹が点在した、今までの稜線上にはなかった景色が待っていた。







1754mの標高点の手前のピークまで登ってくると、いよいよ三嶺が目の前に迫ってきた。

思っていた通り山頂にはけっこうな人の影が見える。











標高点の広尾根からはまだ色づきの残ったコメツツジをまとった三嶺。その山頂から

南に続く稜線上には、先週登った天狗岩も見える。山頂手前の青ザレよりその下の

崩壊が大規模で酷い状況に見える。











何回かそのピークを越えて見上げると三嶺から続く大きな肩。

『大きな肩やね』と言うとあっちゃんが『肩って何?』と聞いてきた。コレコレでと

説明すると『三嶺の肩と言うより、大きなお尻ね!』と。相変わらずルリちゃんは立ち

止まることもなく、いいペースで登って行く。あっちゃんに『また太ったわね!』と

言われたへっぽこリーダーは、その増えた脂肪分の重さでスピードは上がらない。

















振り返ると綱附森から地蔵の頭を通ってここまで稜線が続いている。『よく歩いてきたな~

』などと感慨深げにしていると、あっという間に奥様たちは青ザレを越えて先を歩いて行く。

青ザレも近くまで来るとそんなに青くは見えないな~。


















山頂手前のピークにはテキサスゲートがある。あっちゃんにここでもテキサスゲートの

謂れを説明すると『へ~そうなんだ~』と言いながら、私が渡ると『KAZASHIさんは

渡れたね!』と。私は鹿じゃないですから!











そのピークから一旦下るとフスベヨリ谷への分岐。その道標からひと登りで山頂だ。

次第にゴールに近づいて行くルリちゃん!











山頂には十名近くの人が休んでいた。その横でザックから取り出しさっとポロシャツを着る。

真っ赤なポロシャツ。二日後の誕生日に還暦を迎える“ちゃんちゃんこ”の代わりのポロシャツ。

なぜか還暦をとうに過ぎた奥様たちも赤いシャツを着ている。三脚を立てて写真を撮ろうと

していたら、団体さんの内の一人が『お撮りしましょうか!』と声を掛けてくれた。

少し恥ずかしかったが、同じようにザックから石鎚山と剣山と書いた紙を取り出した。

その文字の説明をその男性にすると、YAMAPでフォローしているokeis33さんだった。

するとあっちゃんが『剣山と書いているけどここは三嶺よ』と。『まぁまぁ細かい事は

気にしない』。赤いシャツを着た三人で還暦記念と線で繋ぐ完歩の記念撮影!








せっかくなので石鎚山に向かってのあっちゃんと剣山をバックにルリちゃん!

何だか還暦記念の私の影は薄くなっている?














これで『線で繋ぐ石鎚山~剣山』をコンプリート。達成感と供に一抹の寂しさが漂ってきた。

そんな感じで感傷にふけっている横で、奥様たちのテンションはMAX。いままで歩いた区間で

どこが一番大変だったかと話し合っている。

しばらく賑やかに過ごした後、北西尾根へと下山していく。稜線上の登山道から分かれて

笹原の中の道。道と言うよりはどっちかと言うと周りに見える獣道とあまり変わらない道だ。

















その笹原から一段上がって乗っ越すと正面に矢筈山、そして落合峠や黒笠山の祖谷山系の

稜線が続いているのが見えた。そして笹の斜面の下にはこんもりとした1806mのピーク。

このピークからは樹林帯の中の道になるので、天狗塚からの稜線ともお別れだ。
















ピークからは道が不明瞭になる。といっても今までも獣道のようなもの、YAMAPの

ルート図を見ながらピークの東側を巻いて下って行くが、この辺りからはGPS頼み。

林床がクマザサの急な斜面をひっくり返らないように注意深く下って行く。








スマホを見ながらとにかくルートから外れないようにと下って行くが、斜面が急で

スマホを見る余裕がなくなると、直ぐにコースから外れていく。慌てて修正して

右に左にと下って行くと、圧倒的な緑の世界の苔の森に出た。今まで山犬嶽をはじめと

して、色々な山で苔の森を見てきたが、この場所は苔の密度が凄く圧倒された。













その苔の森を過ぎると、今度はダケカンバの林。幹が細いダケカンバが密集していて

紅葉の頃はどんなに素敵な風景になるのだろうかと想像してみる。そして今度は

小ピークに力つき横たわる大きな大きな白骨樹。その小ピークの先にも背の

高い白骨樹が立っていた。














枝ぶりが良く盆栽が巨大化したような、幹の元が異様に太い木(何の木か?)や幹の

元だけが残って立っている枯れた木を始めとして、特徴的な巨木がこの尾根には立っている。











時々赤テープを見かけるがその間隔は疎らで、直ぐに見失ってしまい、結局やはり

GPS頼み。やはりYAMAPでは中級者以上と書いていただけの事はある。道は無く

コースを外さないように無理やり下って行く感じだ。この北西尾根のコースの丁度中間

地点になる四等三角点 菅生谷 1609.9m










その三角点を過ぎてもまたコースから左に少し外れて下っていた。スマホを見ながらの

修正で急な斜面を横切りながらコースに近づけていく。足元は柔らかくまだマシだが、

これが乾いた斜面ならとんでもなく危ない。











コースに軌道修正できると周りは次第に杉林の中になる。広い尾根では道を外しやすいが、

前をよく見ながら尾根らしい雰囲気を確認しながら下って行く。ただ伐採された木の枝が

そのまま放置されていて、それを避けながら下るので真直ぐには進めない。










その内に荒れた作業道に飛び出した。こうなると最悪、作業道を歩けば西山林道へと

降りられる。ただコース図は作業道は歩かずに西山林道へと続いている。その作業道を

横断してまた林の中へとコース図に従って降りて行くのだが、その取付きには切株の上に

ケルンのように誰から石を載せているのが目印になる。














ここからは何度も作業道を横切るようになるが、その都度切株の上の石を目印に林の中に

入って行くと、伐採された枝で塞がれているような場所もあった。それでも取付きだけでなく

途中もかなりの頻度でその石の目印が置いてあるので、心配なく辿って行ける。










それでも途中で何度か道から外れたが、最後は登山道らしい道になった。そしてデポした

あっちゃんの車が見えた。その場所から二人はまた道を外して西山林道には無理やり降り立った。











『最後の最後に普通の登山道じゃなくて、楽しかったわね!』とあっちゃん。普通じゃない

のはあなたのような気がしますと独り言。デポした場所から登山口まで戻り、二人と分かれた

あと、西山林道をいやしの温泉へと下って行く途中で、三嶺からの彩りの尾根越にもう月が

顔を覗かせ『気をつけて帰れよ』と言ってくれていた。

小島峠を越えての道すがらも、周りの景色に癒されながら帰路についた。

奥様たちとは若干既歩の区間が違うのだが、総日帰り回数28回、総沿面距離325.9km。

良く飽きもせず歩いたものだと我ながら感心すると同時に、後ろからヒイヒイいいながら

付いてくるへっぽこリーダーを見捨てなかった、あっちゃんとルリちゃんに感謝。二人が

いなかったら一人では到底この短い期間で達成は出来なかった事だろう。とは言えもう既に

次の線で繋ぐを考えている二人に、恐れおののくへっぽこリーダーだったのだ。










石鎚山から剣山への軌跡



今日のトラック


『線で繋ぐ石鎚山~剣山』丸石分岐~三嶺

2022年10月27日 | 四国の山
色々と条件が重なってこのところ停滞していた『線で繋ぐ~』をやっと再開できた。

残す所は天狗峠から三嶺と三嶺から丸石分岐まで。丸石分岐から次郎笈・剣山は各々が

過去に歩いているのでトラックが取れている。問題は今日歩いた奥祖谷二重かずら橋から

丸石分岐まで登り、高ノ瀬・平和丸・カヤハゲを経て三嶺へのルート。一台を名頃駐車場に

デポして、奥祖谷二重かずら橋へ移動してスタートする計画。距離にして16km、

行動時間10時間近くなると予想していた。その距離と時間に少しビビっていたのが

ルリちゃんと私。あっちゃんはと云えば、登山の距離や時間ではなく、朝起きる時間が

今までの中で一番の早起きになるのにビビッていたらしい。停滞して1ヶ月が過ぎたが、

その間その早起きの事がずっと頭から張られず気がかりだったそうだ。


その心配も今日限りでなくなった。朝7時に名頃に集合して予定通りのコースで歩いて行く。

自宅から一字を過ぎ、小島峠から菅生への道を走ると次第に空が明るくなってきた。

峠に近づいてくると何度も道に鹿が飛び出してきた。鹿は好奇心が旺盛なのか、よく一旦

立ち止まってこちらの様子を伺ったりするのだが、カメラを取り出しもたもたしている内に

走り去っていくので、なかなか写真を撮る事が出来ない。







名頃の駐車場には既に数台停まっていて、その内の何組かがザックを背負ってスタートして

行った。するとあっちゃんから電話が入ってくる。途中でアクシデントが起き少し遅れるとの事。

気温は5度。少し肌寒いので車の中で待っているとほどなく二人を載せた車が到着した。

直ぐに車を乗り換え二重かずら橋に移動して、予定より30分遅れでスタートする。

朝露に濡れたかずら橋を、踏み外さないように注意しながら渡りきると、右手に折れて

丸石谷川に沿って右岸を歩いて行く。














夏場ならその水の流れの音に涼しさを感じるのだが、この季節になり、まして未だ陽の

当らない道では肌寒さをなお一層助長する。やはりもう手袋が必要な季節になってきた。










30分強でこのコースのランドマークの国体橋に着いた。丸石谷川の左岸へこの橋を渡って行く。










橋を渡ると次第に丸石谷川からは離れ、九十九折れの登坂になっていく。ここから丸石分岐までは

地形図を見ても右に左に何度も折れた破線の道になっている。地形図で破線がここまで折れている

道も珍しい。その地形図の通り道は何度も折り返して続いて行く。先ほどの遅刻を気にしているのか

先頭を歩くルリちゃんが、何かに取り付かれた様に黙々とそしてガンガン飛ばして行く。










登山道はまだだが、見上げた山並みには陽が当たり始めた。周りの紅葉もやはり日陰よりも

陽が当たった方が輝いて見えて綺麗だ。










国体橋を渡ってひたすら登り、少し飽きてきた頃に道は少し緩やかになってきた。

そして1時間40分で丸石分岐に着いた。











分岐から左に丸石避難小屋に取りあえず寄ってみる。7年前に剣山から歩いてきた時は

風が強くてとにかく寒くて、あまりいい印象のなかった丸石避難小屋だったが、

小屋の西側も南に開けていて明るく、以前に比べて印象が随分と違って見えた。







北側の祖谷渓から吹き上げてくる風がとても冷たい。小屋を背に風が当たらない場所で

一息入れる。その小屋から先ずは高ノ瀬に向かって歩き始めると、あっちゃんが『やっぱり

寒い!』と言いながら上着をもう一枚羽織っている。




分岐からしばらくは冷たい風を感じながらの樹林帯の中の道だが、すぐに開けた日差しの

中の明るい道になった。前方に笹原のピークとその横に三角のピークが見えた。

『高ノ瀬はどっちかな?』と三人で話しながら歩いて行く。














丸石分岐との鞍部からその笹原を目指して登って行く。山頂の手前までは樹林帯の中の道。

木々の間から右手に塔ノ丸、そして中東山が見える。













樹林帯の中、標高が上がってくると道には大岩が現れた。その岩の上で何やら物思いにふける?

あっちゃん。露岩が現れるとどこでもそうだが山頂が近づいて来た証。岩の陰には苔むした

岩の日本庭園もあった。












その樹林帯を抜け山頂近くになってくると一気に眺望が開けてきた。次郎笈と剣山の山頂

近くが少し白く見えるのは霧氷?。塔ノ丸の稜線の奥に丸笹山も見える。










笹原と白骨林を見ながら山頂へと登って行く。先ほど見えた手前の笹原が山頂だった。

三等三角点 高ノ瀬(こうのせ) 1740.7m














今まで西に続いていた稜線はここからは南西に振って北側に見える景色が変わってくる。

今まで見えなかった三嶺が姿を現し、今日最終下って行く麓の名頃も見える。

丸石から続く稜線と、その奥の次郎笈と剣山のフォルムが何とも言えずに美しい!











高ノ瀬からは笹と、葉の落ちた木々の間を緩やかに下って行く。三嶺のコメツツジが色付いて

いる様子も見て取れる。一旦下りきると鞍部から石立山分岐への登りになる。














ピークの手前に『オオヤマレンゲ群落』の説明版。その中で四国では最大規模の群落と

書かれている。ネットを張りニホンジカの食害から保護しているが、その個体数は

減少しているという。毎年シーズンにはこのオオヤマレンゲを一目見ようと、ここまで

登ってくる人も多いと言う。










その説明版から西に東祖谷側にはけっこうな距離をネットが張られていた。石立山分岐を過ぎると

三嶺がさらに近づいて来た。平和丸の笹原の左には白髪山。そして右にはカヤハゲから

三嶺への稜線が続いている。そのカヤハゲの奥には天狗塚が近眼の私にもはっきり見える。














道の脇の岩の上で、今から歩く稜線をバックに奥様たちの記念撮影。これぐらいの岩なら

高い所が苦手なルリちゃんでも平気なようだ。











この辺りからは稜線に沿ってではなく、少し南側下にトラバースする形で道は続いている。

下り坂の途中にある大岩にあっちゃんがまた登った。三嶺をバックに笑顔の一枚!

『ルリちゃんも!』と声を掛けるが、この高さになってくると『遠慮しとくわ!』とルリちゃん。











別府峡へと続く谷筋への支尾根の彩りも、もうそろそろ終盤かな?

手前の少し低いピークには白いオベリスクの様な岩が数本直立しているように見える。

道はその尾根の下を横切る様にして続いている。その岩は近づいて見ると尖ったようには

見えず、普通に大きな岩だった。













道は相変わらず稜線をトラバースしながら徐々に標高をあげて行く。小ピーク直下の

石灰岩の岩の間を抜け稜線に近づくと、北側は樹林帯、南側は笹原の歩いてきた尾根から

石立山分岐のピークの奥に次郎笈が見え隠れしている。













1732mの標高点のあるピークは比較的平らなピーク。笹の草原の向こうで三嶺が手招き

している。また一段と近づいて来た感じがするが、まだ距離的にも時間的にも予定の半分に

届いていない。その三嶺と反対に次郎笈と剣山は次第に遠のいて行く。




















1732mの標高点からは急な下り坂が現れた。『勘弁してよ~』と口に出るくらい下って行く。











一旦鞍部まで下り樹林帯の中を登って行く。何だか滑稽な枝ぶりの白骨樹を横目にみながら

樹林帯の中から視界が開けると平和丸に着いた。三等三角点 菅生 1700.7m













時間は12時前。当然ここでお昼ご飯となる。三嶺をバックに贅沢な時間。

さすがに今日は温かいインスタントラーメンが体を暖めてくれた。








昼食は20分ほどで済ませて次のポイントとなる白髪避難小屋を目指す。ここからも

一旦下り坂となる。避難小屋のピークとカヤハゲとの鞍部の向こうに天狗塚。

少し視線を左に移すと白髪山。以前は山麓から4時間近くも掛かるベテラン向けの山だったが

峰越林道が開通してから登山口から40分ほどで登れる気軽な山になった。その登山口に

続く峰越林道もよく見える。











平和丸との鞍部から樹林帯の中を登り返して行くと白髪山への稜線と、正面に白髪避難小屋が

見え始めた。この小屋は丸石避難小屋とほぼ同じような形をしている。











三嶺の小屋泊もいいけれど、ここから三嶺を眺めながら泊まってみるのもよさそうだ。

周りには下草を刈ったテント場もある。外で星空を眺めながらの一杯もいいだろう。










避難小屋から白髪山への分岐までは登りになる。その斜面ではススキが風に揺られ、陽が当たり

眩しいくらいに銀色に輝いている。










分岐の手前まで来ると、振り返ると避難小屋の奥に今日歩いてきた稜線が続いている。

剣山と丸笹との鞍部には見ノ越の建物が見える。







白髪山への分岐からはこの尾根の西側、綱附森が姿を現した。この間緑の濃い時期の

当然勢いのある笹の中を歩いて苦労した山だ。北に視線を向けると三嶺の手前に、少し

山肌の色が違うカヤハゲ。ここから見るとこの場所とほぼ変わらない高さに見える。











このまま水平に道が続いてくれればいいのだが、そうは問屋がおろさない。今日一番の

急坂が待ち構えていた。樹林帯の中から一旦出ると、道はザレてさらに滑りやすくなった。

終盤に差し掛かってここでも『も~お勘弁してよ!』というくらい下って行く。
















鞍部まで降りてくると、先程の分岐からはほぼ同じ高さに見えたカヤハゲが、随分と高く

そびえて見える。まだこれから始まる登りに『ハア~』とため息ひとつ。




カヤハゲへの登りで2組のご夫婦とすれ違った。今日は名古屋から飛行機で来て、白髪山から

三嶺を往復しているそうだ。そういえば石立分岐ですれ違った男性も愛知から来たと言っていた。

その男性もこの四国のゴールデンルートがとても気に入ったと笑顔で話をしていた。

登りの途中にあるにろう越えの鐘を三人がそれぞれ鳴らして、その音の出来不出来を

言い合いながら暫し戯れる。途中からは高知の市街地と太平洋がくっきりと見えた。

















カヤハゲへの登りの山肌も、ススキの穂が輝いていた。高い所が大好きなあっちゃんが

また大岩に登っている。カヤハゲのピークで三嶺をバックにいよいよラストスパートだ!














ここから三嶺まではコースタイムで1時間15分。目の前に迫ってはいるがまだ時間はかかる。

15時を目途にがんばりましょう!(とは言っても足を引っ張っているのは私だが)













ただ無情にもまた下り坂になる。先ほどの分岐からの下りは下草が笹だったが、この斜面は

苔が一面に張り付いている。日陰でもなく日当たりのいいこの場所に、不思議な感じがした。











思っていたより鞍部には直ぐ降りた。さあ~ここからは最後の登り、もうひと踏ん張り!











それでも少しづつ足を踏み出し続けると、山頂との中間部に見えた天狗岩が近づいて来た。

遠目ではそうでもないが、近づくとかなり大きな岩だ。











その天狗岩の右手から鎖を使って登って行く。鎖の苦手なルリちゃんも仕方なく登って行く。

天狗岩を登りきると岩肌のコメツツジとカエデの赤が目に飛び込んできた。

その天狗岩に登って戯れる二人を、決して近づかないルリちゃんが写真を撮ってくれた。














天狗岩の上部からは山頂にかけての絶景が広がっていた。山頂近くに点在する白い巨岩に

赤茶けたコメツツジの色、そしてその裾に萌黄色の笹の山肌が広がっている。

以前にセニョさんと歩いた時は9月だったのでまだ山頂付近は緑一色だった。これだけの

景色は初めてで感動すら覚える。

テキサスゲートではカップルが腰を降ろして休んでいた。

今日は白髪小屋から来て三嶺の小屋泊だそうだ。この時間に白髪の小屋から?と思ったが、

これだけの景色。急いで登り下りする事もない、ゆっくりのんびりと楽しむのも良い。

















山頂に続く景色もいいが、右も左も素晴らしい景気が広がっていた。最後に急登が待ち構えて

いたが、この景色を見ながらなら苦にならない。山頂から西の青ザレと東に見える太郎と次郎。

そしてまた一段と高知の市街地がクッキリと見える。

















最後の岩場は鎖を使わずに登って行ける。その岩場を乗っ越すと最終地点の三嶺到着!














時間は15時10分前。予定より少し早く着いたが、さすがに山頂には男性が二人だけ、

いつもは登山者で賑わう山頂は閑散としていた。その二人も今日は山頂小屋に泊りだそうだ。

大阪から来た初老の男性二人も、四国の山は良いねと褒めてくれた。それにしても今日

すれ違ったほとんどの人が四国外から来た人たちだった。それだけに今日のコースと

この三嶺は、四国外から高い交通費を払ってでも来てみたい魅力のあるコース、そして

山なんだと一日歩いて来て感じた。

それでは最後、名頃まで日が暮れないうちに下って行こう。山頂から小屋への道は今まで

何度も見た景色だったが、急峻な岩肌とコメツツジの山肌が今まで見てきた中では一番の

景色に見えた。それは同じ景色を何度も見てはいるが、今日は奥祖谷のかずら橋をスタート

して7時間以上歩いてきた達成感が、そう感じさせてくれたのだろう。山頂池からの下りは

段差もあり急な坂。最後に転倒しないように慎重に下って行く。
















ザレ場を過ぎると足元も比較的歩きやすくなる。南側の今日歩いた稜線には、そろそろ

低くなってきた陽が当たって、山肌の陰影がクッキリしてきた。最後の大岩を過ぎると

タヌキのかんざし(マユミの木)。以前に比べると緑の苔がまとわりついて、何だか随分と

年を取ってきたように見える。








タヌキのかんざしを過ぎると広尾根を右に左に振りながら下って行く。足元には随分と

落ち葉が降り積もり、頭上の紅葉と同じくらい斜面を染めている。

周りの木々の紅葉も陽が当たらないがそれでもきれいに見える。これだと陽が当たった

状態なら、それはそれは見応えのある素晴らしい景色だっただろう。














奥様たちは山頂から『2時間で下るわよ!』と言って、超特急で下って行っている。

逆に私はと言えば、その周りの紅葉が目移りして度々立ち止まり、なかなか前に進まない鈍行。














すると左手の斜面を駆け下りる動物が見えた。一瞬その音にビビったが、立ち止まったその

動物は可愛い目をした鹿だった。














木に首を挟まれた鹿のように見える倒木。可笑しいなと眺めていると、目の前を横切った

本物がじっとこちらを見ている。










山頂から1時間40分ほどで林道に出た。その間超特急で下りながらもずっとお喋りを続けて

いた奥様たち。今更ながら感心するばかりだが、このペースだと本当に2時間を切りそうだ。











ここ最近ずっと膝の調子が悪く病院にも通っていたあっちゃんが、ジム通いをし始めて

筋肉が付いてきたので、下りでも痛みが出なくなったという。ルリちゃんと二人で

週に何度か出かけているようだが、膝痛がなくなるのは良いが、これ以上鍛えてどんどん

歩くのが早くなってしまわないかと考えてしまうへっぽこリーダー。もう禁煙したぐらいでは

二人には追いつけそうにもない。ト・ホ・ホ~~!!














奥様たちの宣言通りに山頂から2時間を切って駐車場に到着した。陽が当たらなくなった

駐車場からは、夕陽に輝く塔ノ丸の肩が見えた。16,4km、9時間30分の行動時間。

今年に入っては最長の距離と時間になったが、沢沿いの道に始まり、九十九折れの急登。

そして樹林帯の尾根を抜けると笹原の絶景。急坂下りにプチ鎖の岩場と、今日一日で

一般的な登山のほぼ全てのバリエーションを歩く事が出来たと同時に、縦走路ではピークに

登る度にどんどん近づいてくる堂々とした三嶺の姿。しばらく停滞をして歩けずモヤモヤして

時間が長かった線で繋ぐだったが、とにかく天気も味方をしてくれて最高の一日となった。

残す所天狗峠から三嶺。達成に向けて楽しみと同時に終わりが近づく寂しさも・・・・。

何はともあれ最後のフィナーレをまたこの三嶺で迎えようとしている。







今日のトラック


今日は頂きには拘らずに彩を愛でる!

2022年10月21日 | 四国の山
毎月第三週はあっちゃんの都合で水曜日に出かけられない。WOC登山部で一緒に

歩いていた頃は、あっちゃんは第三週の水曜日は毎回欠席していたけれど、ルリちゃん

共に三人で歩くようになってからは、気軽に曜日を変更できるようになった。

『それじゃ~今週は木曜日に出かけましょう!』という事になったが、今度はルリちゃんが

金曜日にバスツアーで1泊2日の遠征に出かけると言う。予定していた丸石小屋から三嶺は

コースタイムで10時間ほどかかる。さすがのルリちゃんも、10時間歩いた翌日に遠征に

出かけるのは無理があると言うので、翌日に疲れを残さない程度に軽めに歩けて、帰りの

時間もいつもより早く帰れたらという連絡があった。なので今週もまた『線で繋ぐ~』の

残すところの2区画は順延となった。

それならせっかくなので今がベストシーズンの剣山の紅葉狩りに出かけましょうと声を掛けた。

昨年も同じ時期にルリちゃんの娘さんと4人で剣山から槍戸山を歩いたが、今回は先週に

アカリプタさんがYAMAPにアップしていた裏次郎の紅葉を見てみたいと思った。

但し剣山と次郎笈の山頂に登って更に丸石分岐近くまで歩くと、時間的に厳しくなるので、

今回は太郎さんにも次郎さんにも登らず、どちらもトラバースして裏次郎が見られる場所まで

歩いてみる事にした。これなら時間的にも疲労度的にもルリちゃんの条件をクリアできる。


今まで剣山方面に出かける時は、道の駅貞光ゆうゆう館の第二駐車場に集合して、そこで

乗り合せをして一台で出かけていたが、それこそ去年に4人で出かけた時に、山に登った後に

帰ってきたら『長時間の駐車禁止』の張り紙をされていた。道の駅たからだの里でも、

あっちゃんが叱られたりして、段々と肩身が狭くなってきた。それ以降は道の駅ではなく、

貞光町から少し南に走った路肩が広場になった場所に車を停めて乗り合わせをする事にしている。

前日にはWOC登山部でも剣山に登っていて、その時の様子がFBにアップされていた。

その写真を見ると色付きはピークを迎えていたし、今日の天気は100%の晴れ!


予想通り見ノ越の駐車場は普段停めている立体の1階の駐車場には停められず、2階の

駐車場に。周りは四国のナンバーより四国外のナンバーの車が目立っていた。

8時45分見ノ越の駐車場をスタート。まだ陽の当らない駐車場は少しヒンヤリとしたが、

歩いて温もってくれば上着はいらない程度の肌感だった。駐車場の奥に見える丸笹山

南斜面には陽が当たって輝いていた。

いつものように劔神社の石段を登りきると既に身体は温まっていた。神社に参拝した後

登山道へと取り付いて行く。簡易宿泊所の横の日陰の温度計は5度を示していた。














劔神社から西島駅までの間は植生も豊かで道の脇には巨木が並んでいる。剣山の北面にあたる

この辺りはまだ陽が弱く薄暗い雰囲気が残っていた。それでも見上げると木々が色づいているのが

手に取るようにわかる。これだと陽が昇ってもっと光が届き始めたら期待できそうだ。










今日は気温の割にはほとんど無風の状態なので、まだ体感温度は高いように感じる。ただやはり

吐く息は白く、立ち止まると直ぐに汗が冷えてくる。笹の斜面に立つダケカンバの紅葉も、

日が当たってまずまず。















西島神社の大岩を過ぎるといつもの定点観測の場所。但し往路ではいつも逆光なので、見た目

通りのきれいな写真にはならない。レンズに陽が入らないように少し位置を変えてみると、

緑の葉が丁度額縁の様になって、山頂直下の紅葉が映える。








西島駅には見ノ越から45分ほどで着いた。予想していた通り青空の下遠くまで見渡せる。

休憩所のベンチの前から見る次郎笈は、稜線の登山道を境に陽の当たり具合で笹の色が

違って見える。三嶺がいつもより近くに見えた。そしてその奥には四国中央部の山々。














リフト駅の横からは右手に丸笹山、そして少し左手には塔ノ丸とその奥に矢筈山










西島駅からは刀掛けの松へではなく、予定通り二度見展望台への道を歩いて行く。

歩き始めると直ぐに、歩いて踏んでしまうのが気が引けるくらいの紅葉の絨毯。













いつになくこちらの登山道を歩く人の数が多い。時々追い越しながらその都度『きれいですね!』

と声を掛けてすれ違う。昨年、ルリちゃんの娘さんのマリリンと四人で歩いた時も、この間の

紅葉は素晴らしかった。今日も陽が当たり始めて益々輝き始めている。











振り返って御塔石の南側の紅葉も見頃の様だ。二度見展望台から次郎笈の稜線と北斜面の

紅葉。葉を落とした木々の中にオレンジ色のカエデの紅葉が目立っている。











二度見展望台から先の登山道でもカエデの色付きが見ごたえがある。そのオレンジ色と

同じ色付きの奥様たち。『ん、ひょっとして意識して今日着てきた?』








剣山山頂との分岐で一息入れる。山頂からも次々と降りてくる人の姿が見える。

ここで今日の折り返し地点の話をすると、時間的には予定より超過するが、

あっちゃんが『丸石まで行ってみましょう!』と。

YAMAPでコースタイムを見ると、ちょうどお昼が丸石辺りになりそうだ。




ここから次郎笈峠までの道は何度歩いても気持ちがいい。足を踏み出すたびに近づいて

くる次郎笈と、その手前で小さなピークに続くくねくねとした道。そして今日は文句なしの

青空と、すそ野に広がる彩。も~~~最高!



















次郎笈峠の手前の大岩が見えてきた。いつもならここから次郎笈峠を越えて山頂までが

踏ん張り所となるが、今日は次郎笈峠から気楽にトラバース。剣山の山肌では、アカリプタさんも

書かれていたが笹が枯れてミステリーサークルのようになっている。

これはササコナフキツノアブラムシの仕業によるものだと書かれていたが、その写真を見ると

まさしく白い粉を噴いたアブラムシガが写っていた。このアブラムシの写真を見てしまうと安易に

枯れた笹の中を歩けないと思ってしまう。







次郎笈峠からは丸石に向かってトラバース道を歩いて行く。次郎笈の北斜面。遮るもののない

笹の斜面からは、北に遠くの山々が見渡せる。東西に続く阿讃山脈が所々で峠で標高が

下がった奥に街並みが見える。東側の街並みは恐らく高松市だろうが、その西側に見える

手前におむすび山とその奥に山頂が比較的平らに見える山とさらに奥に見える市街地。

そのおむすび山と平らに見える山が同定できない。視力が抜群のルリちゃんが言うには、

その市街地にはビルが建っているのが見えると言う。歩いて行くと少しづつ角度が変わって

見える範囲も変わってくるので、度々立ち止まっては、あ~でもない、こ~でもないと

三人で勝手な推測をする。高松市以外でビル群が見えるとしたら丸亀市ぐらいかなと思う

のだが、それにしても平らに見える山とおむすび山が同定できない。

奥様二人は綾歌三座だと言うが、その手前におむすび山?と疑問が残る。こんな時にもっと

ズームの倍率のいいカメラだったらと、次の物欲が湧き始めた。

平らな山は『城山じゃないですか?』と奥様たちに言うと、そうなると『市街地は坂出から

丸亀?』と言う事になった。それなら平らな山の西側に見える市街地にあるビル群も、丸亀

なら肯ける。色々とそんな話をしている内にルリちゃんが『瀬戸大橋が見える!』と言い始めた。

さすが視力バツグンのルリちゃん。私のコンデジのズームより優秀だ。

となると手前のおむすび山は讃岐七富士の高鉢山かな?











その山座同定だけでなく、山裾に広がる彩りを眺めては度々立ち止まり、なかなか前に進まない。














すると登山道の脇に一本の紅葉したカエデの木が見えた。夏場だとほとんど気にならない木だが、

今日は笹の中の斜面にオレンジ色が映えて目立つ。反対方向から歩いてくる人達も、

そのカエデの前で立ち止まっては写真を撮っている。














孤高のカエデを過ぎてトラバース道を回り込むと、西からの次郎笈山頂への分岐に出た。

コースタイムでは次郎笈峠からこの分岐までは15分ほどだが、度々立ち止まったせいで

30分近くもかかってしまった。

ここからは更に西の三嶺への稜線が見渡せる。分岐から少し下がって行くと、今日のお目当ての

裏次郎の紅葉。期待してた通りに山肌のキャンパスに、少し太めの筆の穂先でオレンジ色の

絵の具を散りばめている。


















その裏次郎を振り返っては眺めながら丸石へと歩いて行くが、途中で立ち止まり過ぎて予定

していた12時までには着きそうもない。提案したあっちゃんに『時間がもう少しかかり

そうなので丸石は諦めて、この辺りでお昼にしませんか?』と声を掛けると、もう正午を前に

して当然あっちゃんは『ハイ!』と即答してきた。












丸石分岐に下がる手前で適当に場所を探してお昼ご飯にする。登山道の北側の笹の斜面に

丁度笹が刈られた様になった場所があったのでここで腰を降ろす。腰を降ろしても三嶺までの

稜線が眺められる絶好の場所。ランチタイムの場所としては今年に入って一番だったかもしれない。

今日はコンビニで買った来来亭のカップ麺。『背油こってり』と書かれた文字を見てあっちゃんに

『最近太ってきているんだから、少しは考えないと!』と窘められる。







笹のテラスからは立ち上がると更に絶景が広がっている。中東山から石立山の稜線、もちろん

塔ノ丸と祖谷系の山々そして三嶺!目を凝らすと三嶺の左横には天狗塚も見える。










テラスの後ろには白骨林。明るい空の青と笹の緑そして無機質な白骨林の白色が何とも言えない。

その白骨林の間からは剣山の西斜面。山頂近くから裾野に彩りが広がっている。











景色もお腹も満腹にしたところで見ノ越へと折り返して行く。こちら側から見る次郎笈は

剣山山頂から見る山容とはまた違った姿に見える。
















今の時間反対側からやってくる人たちは、ほとんどの人が三嶺への縦走だろう。見ると背中に

大きなザックを担いでいる。その内の一人の若者にあっちゃんが『どこまで行かれるの』と

声を掛けると、『今日は白髪の小屋までです』と答えてくれた。今日は暑くもなく寒くもなく、

そしてこの青空の様子だと、それはそれは白髪の小屋から見る星空は最高だろう。











昨日のネットにはこの穏やかに見える次郎笈から西側で女性が滑落したとニュースが流れていた。

山頂への分岐から西は滑落するような場所は見当たらない。山頂から分岐までの間で事故が

起きたのかもしれない。残念な事だが決して他人事ではない。特に急な下り坂では十分に

注意しながら下らないと・・・・・。

次郎笈のトラバース道を歩いて行くと、小さな尾根筋を回り込むたびに剣山が近づいてくる。







二度見展望台から派生する支尾根の斜面は、他の山肌とはまた違った色付きを見せている。







次郎笈峠から見る剣山からの道には、まだ結構な数の人が下ってきている人の姿が見える。

今日は山頂からの次郎笈への素晴らしい稜線の景色を、大勢の人が楽しんだ事だろう。













二度見展望台までのトラバース道の紅葉も光の加減で、朝よりもまた一段と色が冴えている。

そして展望台からの次郎笈の笹の山肌も、朝とは違った光沢を帯びた色に見える。














ここから西島駅までの道もオレンジ色に染まったプロムナード。また度々立ち止まってしまう。














そうかと思えば白い石灰岩の御塔石や石灰岩の中の登山道と、また違った顔を見せてくれる。








ここからは途中の紅葉の様子。

これだけ見られれば今年の紅葉狩りは今日で終了でも大満足だ!
















西島駅に着くとトイレ休憩したり、ベンチに腰掛けたりする大勢の人の姿があった。すると

休憩所の横のベンチに腰かけているご夫婦の姿があった。ご主人は下を見ながらデジカメで

写した写真をチェックしているのか顔は見えなかったが、その横に座っている奥さんの顔に

見覚えがある。近眼なので近づいて確認すると間違いない。『Kyoさん!』と声を掛けると

見上げた顔は10年近く前に会ったのが最後だったが、ほとんど変わらないKyoさんだった。

『どうしたん?今日は木曜日やで』と聞かれてたのが最初で、色々と話し込む。

この10年間の間でKyoさんは体調に色々苦労をされた話をしてくれた。そして

話によると来年は讃岐里山倶楽部の20周年になるそうだ。記念にまた集まりたいねと話を

して、また毎年の香川のメンバーでの忘年登山にも呼んで欲しいとも言われた。

せっかくの再開だったのに、残念な事に一緒に写真を撮るのを忘れてしまった。

『西島神社から遊歩道の方の紅葉もきれいだよ!』と教えてくれた後、我々より先に

下って行くお二人。




西島神社まで下って定点観測の場所から雲海荘下の紅葉に別れを告げる。そこから左下に

遊歩道へと下って行くと、Kyoさんと静御前が話をしてくれた通りカエデの紅葉が素晴らしい。

















さらにこの遊歩道はモミジやブナやシロモジなど植生が豊かな道。その分彩りも豊かだ。



















祖谷川源流の谷を過ぎると右手に巨木。上から下までのグラデーションが素晴らしい。

三人で立ち止まって『ハア~』とため息をつく。これを見られただけでも遠回りにはなる

この遊歩道を歩いてきた値打ちがあった。奥様たちも感心してずっと間見上げていた。




















後ろ髪をひかれながらグラデーションの巨木を後に、遊歩道の緩やかな下り坂を歩いて行く。

さすがにもう登ってくる人の姿はなかったが、リフトにはまだ登りのリフトに載っている人の

姿があった。











見ノ越では朝と比べると第二駐車場の車の数が圧倒的に増えていた。私たちもそれほど早い

時間に出発したわけではないが、意外とゆっくりめにスタートした人が多かったのだろう。

沿面距離10kmで予定した時刻を少しオーバーしたが、累積の標高差が700mとあまり

なかったせいで、ほとんど疲れもなかった。これならルリちゃんの明日からの遠征にも

影響はでないだろう。帰りの夫婦池までの途中で、車を停めて太郎と次郎に別れを告げて

今年の紅葉狩りは終了した。





『線で繋ぐ石鎚山~剣山』が終わらぬうちに・・・・。

2022年10月05日 | 四国の山
スマホの天気予報の画面を見ながら『ハア~』とため息ひとつ。

『線で繋ぐ~』の三嶺のゴールデンルートを前に、どうもお空に嫌われているようだ。

水曜日の天気が悪いのなら、まだマシな火曜日なら予定を入れずに出かけられる。

そう思って予定を変更したのに、テンクラ、SCW共に三嶺付近の天気だけが悪い。

仕方がないので丸石小屋~三嶺はまたまた順延する事にして、さてさてどこにでかけよう。

祖谷周辺はダメだが、西の方は天気がもちそうだ。それなら

10月に入ったので石鎚山の紅葉は?と考えたが、週末の三連休にルリちゃんが、娘さんの

マリンちゃんと登る予定にしているという。『線で繋ぐ石鎚山~剣山』が終われば、次に

石鎚山から西の引地山まで線を延ばしてみようと考えていたので、まずは先行して二ノ森

まで歩ければと考えたのだが、ルリちゃんが週末に歩くのではダメだ。ん~ん~それじゃ~と

思いついたのが反対側の皿ケ嶺から東の陣ケ森。さっそくYAMAPで調べてみると、

上林トンネルから陣ケ森・前々司山・うなめごまで歩いている人がいた。うなめごから

更に先の井内峠まで歩けば次へと繋がって行く。さっそく奥様たちにその活動日記のURLを

送って、豊浜に7時に集合とメッセージを送ったのが前日の夜。するとあっちゃんから、

『了解です。水曜日豊浜7時ですね!』と返事が返ってきた。奥様たちはどこでどう勘違い

したのか、火曜日のつもりが水曜日にまた変更になったと思い込んでいた。慌てて『明日です

明日!』と送り返したら『ひえ~え~!』と。

当然奥様たちは準備にバタバタしたようだが、三人での山行だと前日のこんなバタバタな

やり取りでも、何とかなるのが手軽でいいところだ。

高速道路を川内ICで降りて県道23号線を西に、そして209号線を南に上林地区を

通って上林森林公園へと車を走らせると、途中で上林トンネル方面通行止めの看板。

『ありゃりゃ、やばいぞ~』と思いながら森林公園へ着くと、登山姿の男性一人と女性二人が

トイレの前にいたので『すみません、通行止めはどの辺りですか?』と男性に聞いてみる。

『最近そっちへ行っていないから判らんな~』との返事。『まあでもトンネルまで行っても

5分もかからんからダメだったら戻ってきたら』と教えてくれた。

『どこまで行かれるん?』と聞かれたので、『陣ケ森から井内峠までです。』と答えると、

『もうそんな馬力はないな~』と年配の男性が笑って話してくれた。

幸い通行止めは上林トンネルから南にさらに2.2km先だった。トンネルを越えて少し

下った道の脇の広場に車を停めて支度をする。

車を停めた場所からは正面に電波塔のある陣ケ森が『早くおいでよ!』と手招きしていた。











身支度を済ませてトンネルに向かって歩いて行くと、トンネルの脇から東に向かって林道が

続いていた。入り口にチェーンの張られた林道を道なりに歩いて行くが、ここ最近歩いた

林道が台風の影響で荒れていたのに比べて、とても綺麗?で歩きやすい。この道は電波塔

まで続いているので、日ごろから管理が行き届いているのだろう。トンネルの脇から5分

ほどで上林峠の小さな道標があった。その道標に従って道の脇の法面を登って行く。











登山口からは直ぐに尾根に出た。左に上林峠、右に陣ケ森の道標。ここで奥様たちが、

『そうそう、ここ通ったわ!』と行っている。『??』『え!陣ケ森は登った事があるん?』

と聞くと。何かで私が休んでいる時に二人で皿ケ嶺に来たついでに陣ケ森まで歩いたそうだ。







それでも二人はさらに先まで今日は歩けるので楽しみにしていると言ってくれた。陣ケ森に

続く尾根道はきれいに笹が刈り払われて気持ちよく歩いて行ける。







比較的緩やかな登坂。道の南側は人工林、北側が自然林の道が続いて行く。











すると右手にフェンスの中に大きな電波塔が見えた。電波塔を回り込むようにして進むと、

道は二手に分かれていて、そのまま真直ぐ進んで行くと陣ケ森山頂に着いた。分岐から

山頂までは笹が少し茂っていて、雨か朝露か笹に付いた露で直ぐにズボンが濡れていく。

山頂には四等三角点 陣ケ森 1206.8m







陣ケ森からは一旦下ってアップダウンが続いて行く。途中のスズタケは背丈をゆうに超える

高さで、これが刈られていなければ橡尾山どころではないねと、奥様たちと話しながら歩いて行く。











ここから西の皿ケ嶺は松山の方には最も親しまれている山だが、その皿ケ嶺から続くこの道は

所々にある道標や、草刈りなどは誰が整備してるのだろう?(後でわかったがエントツ山

さんのHPには、この道は“さくら山行会”のメンバーが毎年整備していると書かれていた)







今まで全く見えなかった北側の景色が、所々で木々の間から覗ける。

1162mの標高点を過ぎ、更に歩いて行くと1253mの場所に前々司山の山名標が立っていた。

地形図では山名は載っていないが、YAMAPでは山頂ポイントとして山名が載っている。

奥様たち、今日一つ目の山頂ポイントゲット。陣ケ森も初めてだった私は二つ目の山頂ポイント。

ただこの前々司山はその前後の高低差もなく、道の脇に山名標が建っているだけなので、

山頂といった雰囲気は全くしない。













道は前々司山から少し下ってまた登り返しになる。ブナの大木や自然林の中のとても雰囲気の

いい道が続いて行く。この辺りになると道は少し刈った後から年数が経っているのか、少し

笹が道に被っていたが、それでも全然歩きやすい。整備されている人の熱意を感じる。














霞んではいるが遠くに燧灘に浮かんでいる島々が見える。大きく構えた山容は東三方ケ森から

東の山々だろうか。麓に見えるのは井内の棚田が見える。









登り返しの途中で振り返ると皿ケ嶺が見えた。麓の川内から見ると平らに見える皿ケ嶺も、

こちら側から見るとそうでもないな~。ここでも分岐から少し南に歩くとうなめご。














途中の道標に書かれてあった遅越三角点うなめご。ネットで調べてみると善神ケ森

奥全神山とも呼ばれていてややこしい。ただ一応東温アルプスガイドではうなめごになっている。

三等三角点 遅越 1284.08m







このうなめごから井内峠まではコースタイムで50分になっている。時間は10時30分。

そろそろお昼ご飯の場所が気になり始めたあっちゃんが『お昼は井内峠で?』と聞いてきた。

ただ地形図を見るとここからは下り坂になっているのに、峠まで意外と時間がかかるな~と

思っていたら、案の定かなりの急坂が待ち構えていた。










途中の倒木には今が最盛期のキノコが、うごめきそこら中に張り付いている。













途中からは東に眺望が開けているが、遠くに雲がかかっているのが石鎚山だろうか?

峠の雰囲気でもない場所にお地蔵さんが座っていた。このお地蔵さん、随分前には野地峰

お地蔵さんと同じように首無し地蔵だったのが、誰かが首を据えてくれたという。











急坂から井内峠までの間はとても歩きやすい緩やかな下り坂。尾根には町境の杭が続いている。

11時10分井内峠に着いた。ここから東には白猪峠への道がさらに続いている。
















お約束通りにお昼ご飯にする事に。あっちゃんが写真を撮ろうとしたので『ちょっと待って、

お腹をひっこめるから!』と言って撮ってもらう。秋になって初めてカップラーメンを持って

きたが、今日はまだまだ暑かった。あっちゃんからは柿、ルリちゃんからは上高地のお土産を

頂いておいしく食べる。まだ詳しく調べていないので漠然とだが、ここから白猪峠~石墨山

黒森峠~青滝山~堂ケ森~二ノ森、そして石鎚山へと道は続いている。剣山までの線が繋がった

あとは、また楽しみが増えた。





井内峠で30分ほど休んだ後、歩いてきた道を引き返して行く。尾根道はほとんどが広葉樹。

もう少し季節が進んだら、彩の中の素敵なプロムナードになりそうだ。











太い倒木を跨ぐといよいようなめご手前の急登になる。ご飯を食べて直ぐの急登はまた一段と

キツイ!ストックの長さを短くして、まだ湿った地面に足を取られないように注意深く登って行く。











ルリちゃんも『ご飯を食べた後だから・・・・・』と言いながらもグイグイと登っていっている。

途中で『やっぱりあれが石鎚山かな~』などと言いながら写真を撮るもんだから、どんどん

離されていく。最後の方にはロープがかかった場所もある。流石にこの急坂では危なくて

あまり笹も刈られていない。ただこんな急登では笹を握りながら登って行くので、逆に笹が

刈られていない方が都合がいい。さくら山行会の人たちに『元気坂』と呼ばれている急登を

何とか登りきる。














急登を登りきった後はまたアップダウンが続いて行く。時折尾根の北側には井内川に沿った

集落が見降ろせる。収穫を前にした田んぼの色付きが綺麗だ。途中に木の幹にびっしりと

張り付いたキノコの大群。ゾロゾロと幹の上へと登っていっているようにも見えるが、ここまで

密集していると、少し気持ちが悪い。あっちゃん、今夜のおかずにと持って帰ろうとしてるのかな?













遠くにツインドーム重信と10年前に閉館となった屋内スキー場のアクロス重信も見える。




尾根の南側に見える峰々は久万高原町辺りの山になるのだろうが、山座の同定は全く出来ない。

うなめごから前々司山と奥様たちは快調に飛ばして行く。この辺りは尾根の両側ともに自然林

の中の道。木々の間から射しこむ木漏れ日が気持ちいい。














前々司山を過ぎさらに歩いて行くと今度は松山市内が遠くに見えた。奥様たちに『あのビルが

並んだ奥に見える小高い山が松山城です!』と説明してあげるが、さすがに視力抜群の

ルリちゃんでもお城の形までは確認できないようだ。




陣ケ森まで何回か小さなピークを乗り越えていく。そしてのっぽのスズタケの中の道。







今日は花はほとんど見かけなかったが、とにかくキノコがそこらじゅうで目につく。

そして今日最後の陣ケ森への登坂。







陣ケ森の巨大な電波塔の横を通り抜けて、上林峠へと下って行く。この辺りになると右側は

自然林、左側はスギやヒノキの人工林になる。この間で笹に青いスプレーが吹かれているのが

目についたが、いったい何のしるしなのかな?














前を歩く二人のスピードが半端ない。猛スピードで歩きながらも何やら朝ドラの話をしている。

すると先頭のルリちゃんが何かに足を引っかけて転んでしまった。転んで直ぐに起き上がり、

『イテテ!』と言って起き上がりながら、間を開けずに直ぐに朝ドラの話を始めた。その

姿を後ろで見て『凄いな~~』と感心しながら大笑いする。

電波塔から25分ほどで、尾根の分岐に着いた。そして尾根から林道へと下り、上林トンネル

南側の車を停めた広場へとたどり着く。













付け焼刃のようにして慌てて計画した今日のコースだったが、眺望はほとんどなかったが、

地元の人が東温アルプスと呼ぶように、自然林の中の良い道だった。あまり下調べもせず

決めたので、家に帰って調べてみると、東温アルプスはおいわさんが名付けたそうだ。

おいわさんは20年以上も前からHPを開設していて、四国の山の草分け的存在。皿ケ嶺には

足繫く通っている方だ。おいわさんのHP(クリック)

また松山のショップのコンパスの告知で9月10日にさくら山行会の呼びかけで、今日歩いた

コースの草刈りが行われたようだ。松山市内からは気軽に行けて、花も多く自然豊かな

皿ケ嶺周辺の山々。何度訪れても飽きることのない、そして大切にされている山だった。

帰り道、県道から見えた皿ケ嶺はやっぱりお皿のように平らな山容をしていた。そして

その横には電波塔のある陣ケ森にも別れを告げて後にする。





今日のトラック

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 矢筈峠~土佐矢筈山と平家ノ森

2022年09月29日 | 四国の山


今週は『線で繋ぐ~』の残り2区画のうちの、丸石小屋から三嶺を繋ぐ予定でいた。

ただやはりこのところのパターンでどうにも天気が良くない。残りの2区画の丸石小屋~

三嶺~天狗塚は、四国のゴールデンルートと呼ばれていて、四国の縦走路としては一番

見応え歩き応えのあるコース。せっかくなら晴れた青空の下を歩きたい。

と言う事で計画していた区間は晴天を狙って順延する事にして、実は残り2区画と言ったが

ずっと懸案事項の区間があった。

昨年、あっちゃんだけ歩いた事のなかった土佐矢筈山に登った時に、ついでに矢筈峠の方に

様子見で往復で1時間程度歩いてみようと言う事になった。途中まで下って目印になりそうな

眺望のある場所から折り返して京柱峠へと戻って行った。その時は綱附森に登るときに、

序に矢筈峠から折り返し地点まで登って、線を繋げられるくらいに考えていたが、実際に

綱附森に歩いた時に、今度は天狗塚からの距離を考えて、更にその先まで歩いたら、笹の

勢いに体力を消耗して時間がかかったのもあって、とても矢筈峠からまた土佐矢筈山に向かって

登る気力が残っていなかった。

と言う事で、矢筈峠から土佐矢筈山の間の僅か1kmほどが繋がっていなくて、最後の2区画

を歩く前に何としても繋げておかなければならなかった。

といっても矢筈峠までは香川からはけっこうな距離と時間がかかるので、その僅か1kmだけを

歩きに出かけるのも二の足を踏んでいた。

ただ四国中央部もクリアして残り僅かとなってそうも言ってもいられず、天気の悪い今日

出かける事にした。今回の短い区間なら雨が降っても問題なく歩ける。そう思って先週も

一緒に歩いたセニョさんにも声を掛けたら、今回も参加すると言う事で、先週と同じく4人での

山歩きとなった。




豊浜SAに7時に集合して出発。高知自動車道から国道195号線、県道49号線と走って

行くが、矢筈峠には豊浜SAからでも2時間20分ほどかかった。自宅からだと3時間以上

かかったことになる。わかってはいたけどやっぱり遠いな~!




このところ三人の中で話題になっているのが、YAMAPのダシュボードの軌跡マップ。

活動日記の中での軌跡は細かく軌跡が記録されているが、ダシュボードの軌跡マップの

軌跡は大雑把で、拡大してみて見ると歩いた日が違うと折り返した地点での線が繋がって

いない。最初は黒滝山の所だけが繋がっていないのを見つけたので、あっちゃんはもう一度

歩き直すと言っていた。一方でルリちゃんは実際に歩いているから、もういいよと意見が

分かれていたが、よくよく調べてみると他にも結構な場所で線は繋がっていなくて、絶対に

歩くと言っていたあっちゃんも、とうとう諦めた。

その問題点をYAMAPに問合せをすると、そういう仕様になっているので申し訳ありませんと

の返事があった。カシミールやスーパー地形図ではきれいに繋がっているので、私は全く問題

ないのだが、YAMAPしか使っていない奥様たちは、どうにも納得できないらしい。

諦めが悪いのか、オーバーラップして線が繋がる様に綱附森の方へ少し歩いて行くあっちゃん。







駐車場から峠の方に歩いて行くと土佐矢筈山の登山口があった。高知の方はこちらから

土佐矢筈山に登って行くのだろうが、香川の人はほとんどこちら側から登ることはない。











登山口からは1293mの標高点を回り込むようにして登って行く。標高点を回り込むと

木々の間から土佐矢筈山の山頂が見えた。










標高点の小ピークと山頂からの支尾根の鞍部を過ぎるといよいよ本格的に登りになってくる。

今日はセニョさんが先頭を歩いている。しかも初めて見るセニョさんのストック姿。『登りが

キツくなってきたので、ストックを使ってみようと思って』と。














前回の折り返し地点には30分ほどで着いた。目印にしていた立ち枯れた木は、一年経って

なんだか小さくなっていた。本来ならここで折り返す予定だったが、セニョさんが車中で

『どうも土佐矢筈山には登ってないかもしれない』と言ったので、『せっかくなら雨もまだ

降りそうもないので、山頂まで登りましょう!』という事になった。

折り返し地点から登って行くと直ぐに山頂直下の笹原の中の道になる。



昨年の折り返し地点の立ち枯れた木













登って行くにつれ笹の色が濃くなっていく。SCWの天気予想では11時位から三嶺辺りは

雨になる感じだったが、この辺りはまだ大丈夫なようだ。ただ白いガスが次々に流れて行く。










すると先頭を歩くセニョさんが『ウワ~!』と変な声を上げた。身体を持ち上げようと

木を握ると変なモノに触ったと言っている。近づいてよく見ると確かにナメクジを大きく

したような生き物。あっちゃんがストックで少し突いてみてもビクとも動かない。

『山ヒル?』と言ってみたが、こんな大きなヒルは・・・・?



ツリガネニンジン



ガスが流れて時々青空が顔を出す。九十九折れの道の一段上を歩く三人。腰の曲がった

老人会の三人が歩いているようだ!(笑)










支尾根から山頂を左に巻くように歩いて行く。道の脇の笹の中には小さなヤマラッキョが

あちらこちらで咲いている。山肌は少し色づいてきているように見える。
















小桧曽山に続く笹原尾根にも、南側からどんどんガスが駆け上がっている。おおよそ一年ぶりの

土佐矢筈山山頂。駐車場から1時間15分、ほぼコースタイム通りだ。













さぁこれで矢筈峠から土佐矢筈山は間違いなく繋がった。少しづつ怪しくなってくる

空模様を気にしながら下山を開始する。













雨にさえならなければ、こんなガスの中を歩くのも涼しくて気持ちがいい。もう少しすれば

この山ももっと色づいてくるだろう。暑い季節が終わり、いよいよ山歩きにはベストな季節

がやってくる。青い空に緑の山肌と錦秋のコントラスト。頬を撫でる乾いた爽やかな風。

そう少しでそんな季節がやって来る。




















山頂を回り込み支尾根の道になると、また前でセニョさんが変な声を上げた。そろそろかな

と思いながら注意をしていたのに、またさっきの山ヒル?に触ってしまったようだ。ただ

よくよく見ると頭に触覚の様な角がある。やっぱりナメクジかな?












笹原の道が終わると自然林の中の道。前を歩く奥様たちと終わったばかりの安倍元首相の

国葬の話になった。『岸田首相は?だったけど、菅元首相の話は朴訥な感じで凄く良かった』と。











山頂から1時間ほどで矢筈峠の峠道が見えた。沿面距離3.7km、行動時間2時間25分。







朝のスタート時間が遅かったのと、予定していなかった山頂まで歩いたのとで、駐車場で

丁度お昼。ここでお昼ご飯にする。お昼ご飯が終わっての久しぶりにコーヒータイム。





お昼ご飯とコーヒーでゆっくりした後、矢筈峠を後にする。計画では折り返し地点を

ピストンして、帰り道にある琴平山か平家ノ森に登るかもしれませんと案内していた。

ただ物部川に架かる大栃橋まで戻ってくると14時近くになっていた。

取りあえず大栃橋から東に195号線を少し走った所の、トイレのある駐車場に車を停め、

電波が届くようになったのでYAMAPを調べてみると、琴平山が往復で5.8km。

平家ノ森が約4kmと載っていた。現在時刻からして距離的にはやはり平家ノ森。

ただ他の人の活動日記を見ると2時間40分ほどかかっていた。

どうもその時間が気になったが、4kmなら2時間。16時には戻って来られるだろうと

踏んで、『それじゃ平家ノ森に登りましょう!』と三人に声を掛ける。

駐車場横から物部川に架かる赤い明石橋を対岸に渡って行く。










平家ノ森は国土地理院の地形図には山名を載っていない。また地元の人たちからは

天王山・天王の森とも呼ばれているらしい。その尖った山頂部を朝通りがけに目にした

セニョさんは密かに登って見たいと思っていたそうだ。

この『天王の森』(クリック)を四国森林管理局がイラストで紹介しているのがとても参考になる。

また他にも『四国の山々たんね歩記(あるき)』(クリック)として四国3県109の山々が

紹介されているので是非一度覗いて見て欲しい。


REIKOさんのHPから写真を拝借




橋を渡ると突き当りで右と左に道が分かれている。駐車場でYAMAPからダウンロード

した軌跡に従って右に折れて歩いて行く。この平家ノ森は帰って調べてみると、RIKOさんや

むらくもさんも歩いていた。皆さんが書かれていた『バイク道』と呼ばれるこの道。ただ7年前に

むらくもさんが歩いた時はこの上にある天王集落の住人のおじさんが、バイクで行き来していたと

書いてあったが、その当時の面影はなく、オフロードのバイクでもなかなか走るのは難しいと

思うような、道は荒れ地面には杉の枝葉が落ちて積もっていて、歩いていても足を引っかけて

度々転びそうになる。











バイク道には谷側にも山側にも石垣が続いている。石垣に沿って広く平らになった場所には

朽ちかけた民家があったが、道に沿った石垣と石垣の間隔は狭くて、宅地ではなく何か

作物を育てていたような雰囲気がする。奥様たちと『何か作っていたんかな?』などと

話をしながら歩いて行く。『ひょっとしたら高知の事ですからミツマタを栽培していたの

かもしれませんね』と話をする。明石橋を渡ってしばらく歩いたところには作業用の

モノレールもあったので畑があったのは間違いないだろう。

そんな石垣を横目に見ながら今度は私が『最近まったく朝ドラの話をしなくなったね?』と

話かける。『巷では評判があまり良くないみたいですね』と言うと、奥様たちから速攻で、

『そうなの何か山場も無理やりでイマイチなの』と返ってきた。

そしてぞの一つ前の朝ドラの話になったが二人ともその題名が全く出てこない。あれだけ

二人で度々賑やかに話をしていたのに。『あ~う~』と思い出せずに唸っている。

密かにスマホで調べて一つ目ヒントを出すが判らず、二つ目のヒントを出してようやく

正解が返ってきた。『あ~スッキリした!』と奥様たち。













地形図の道は天王集落まで続いていたが途中で土砂崩れでその道は消失していた。

過去に歩いた人の記録を見て見ると、この先に鉄の橋と更に先には集落の立派な石垣が

あるようだが、無理やり渡っても危ないので、左に折れて杉林の中へ続く道を進んで行く。








杉林の中の九十九折れの道を登って行くと天王集落の中に入って行った。立派な石垣が続き、

左斜め上に宅内への入り口の様な石垣が続いていた。そこから先で緩やかに右にカーブした

道を歩いて行くと、今度は竹林の中の道になった。







すると前を歩く三人が立ち止まっている。追いつき聞いてみると真っすぐは道が藪いていて

怪しいと言っている。ここでも左手に折れて竹林の中を登って行くと、お堂らしい建物と

その手前に石祠があった。それにしても取付きからここまで道は迷路のように枝分かれして

いたが、最終的には集落、そしてこのお堂の辺りに続いていた。







お堂からは石垣と石垣の間に道が続いている。その段々畑の様な石垣を登って行くとまた

突き当たってしまった。そこから左に折れて石垣に沿って歩いて行くと今度は右手に踏み跡

が続いていた。ここからは短い間隔で右に左に折れながら急登が続いている。

先頭のセニョさんが『なめとったわ~』と言いながら、ストックを置いてきたのを悔いている。

土佐矢筈山では老人会の団体などと茶化したが、ここではアイススケートのパシュート競技

のように足を揃えて歩く三人に見える。














標高が土佐矢筈山と比べて下がって気温が上がったのと、この急登のせいで額から汗が

したたり落ちる。その内に正面に大きな岩壁が見えた。『あれどうやって登るん?』と

ルリちゃんが入っているが、踏み跡がここまであるなら巻き道があるはずだ。

案の定、岩壁が一段低くなった場所に短いがロープがかかっていた。










そのロープ場から岩壁を乗り越すと岩壁の裏側に出た。そこからは先ほどよりも更に急な

登坂が続いていた。九十九折れの切り替えしも更に短くなり一歩一歩足を持ち上げると

いった感じだ。セニョさんが立ち止まって大きなため息ひとつついた。













その九十九折れを登りきると鳥居が見えた。足元は崩れかけてはいるが確かに参道らしき

石段が続いている。ここからは直登で(参道ですから当然)登って行く。










手水鉢があるのを見ると、やはりちゃんとした神社の様だ。その手水鉢を横目に見ながら

登って行くが、こんな急な石段といい、先ほどの九十九折れの急登といい、以前は参拝していた

人達は果たして平気でここまで登って来たのだろうか?







その石段を登りきると石積みに囲まれた社殿の須賀神社があった。こんな山中によくぞこんな

重そうな石を運んできたもんだと感心する。平家ノ森の山頂はその須賀神社の奥にあった。

キティーちゃんのプレートは経年によって二つに割れていた。セニョさんはそんな割れた

キティちゃんのプレート見ると持参した修理道具で貼り合わせて修理をしていたが、

今日は修理セットを持ってきていないと悔やんでいる。











山頂からは更に奥に進んで下って行く。急坂を下りきった所で地形図に載っている三差路にでた。

ここから北に破線は続いていたが藪ぽい道なので、踏み跡がしっかりした道を左に折れて周回する。







杉林は枝打ちはきれいにされていたが、間伐された木は運び出される事なく斜面に転がっていた。








登りで歩いた道まで戻ってきたが途中からその道を外れて、突然立派な民家の横に出た。

まだ人が済まなくなってあまり時間が経っていないのか、建物は傷んでいなくて、声を

かけたら今にも住人が出てきそうな雰囲気がした。その民家の真下には立派な水場が

あり、管を通して冷たい山の水が途切れることなく流れていた。往路で集落の中を通った時、

あっちゃんが『こんな山の中でお水はどうしてるんかな~』と言っていたが、この高知でも

徳島でも、山間部では水の心配はないようだ。







建物はそうでもなかったが宅地は萱が生え放題で行き先を見失ったが、しばらく探し回った後、

それらしい場所を下って行くと往路で民家の入り口に見えた場所に出た。そこからは地形図の

破線に沿って往路と同じ道を下って行く。駐車場には予定通りおおよそ2時間で駐車場に着いた。













歩行中は危惧していた雨に降られることもなく、車で移動している時だけ雨は降ってきた。

ずっと懸案事項だった矢筈山から土佐矢筈山の区間も繋がり、これで心置きなく四国の

ゴールデンルートを歩いて線で繋ぐのフィナーレとすることが出来そうだ。

それにしても来週も水曜日が天気が悪そう。気持ちよく歩ける晴天の日はいつ来るのだろうか?


今日のトラック




『線で繋ぐ石鎚山~剣山』橡尾山~カガマシ山

2022年09月22日 | 四国の山


やはり9月だなと最近ツクズク。そう思いながら今週も台風情報にずっと耳を傾けていた。

伊勢湾台風以上の強さだという気象予報士の言葉に、刻々と変わる情報を注視していたが、

夜中に風がとても強く吹いていた印象はあったが、幸いにして香川県内に大きな被害は

でなかったように思う。(間違っていたらすみません)

ただ気になるのは台風一過の登山口までの道路の状況。前回の県道272号線が倒木に

よって道が塞がれ、登山口まで行けなかったのが脳裏に浮かんでいた。県内はそうでも

なかったが、大豊町周辺での雨量はどうだったのだろうか?土砂崩れで通行止めになって

いないだろうか?

資料によるとこの笹ヶ峰から工石山にかけての山域の地質は三波川変成帯に属し、その

脆弱な岩石が度々地滑りを引き起こしていたという。GooglMapの航空写真で見ても、

緑の中に白く崩れた場所があちらこちらにあるのが見て取れる。また2018年の西日本

豪雨で高知自動車道の立川橋の橋桁が流失したのは記憶に新しい。県道5号線も笹ヶ峰

隧道を挟んで、北と南側で未だに道路の崩壊の復旧で通行止めになっている。

そのせいで新宮側からのアプローチは難しく、皆さんが歩いている北側から橡尾峠に登り、

カガマシ山、橡尾山、そして笹が峰を周回するコース取りは諦めた。代わりに思いついた

のが先週歩いた立川越からのピストンと、今日歩く南側の仁尾ケ内から取り付いての往復

だった。但し周回コースならば一回で済む橡尾山から笹ヶ峰の間のスズタケ藪を往復

しなければならない。登岐山のスズタケ藪で分かった事だが、スズタケ藪は下りより

登りの方がかなり体力を消耗する。下りきった後にまた戻って登り返すのが・・・・?

エントツ山さんからは『そんなに難敵ではないのでガンバレ!』と励ましをもらったが

果たして我々にとっての藪度はどれくらいだろうか?道路の状況とその藪度が気になり

ながら朝を迎えた。

先週の笹ヶ峰で久しぶりに一緒に歩いたセニョさんに『セニョさん、橡尾山カガマシ山

は登った事がないでしょう』『来週も一緒に歩きます?』とお誘いしたら即決した。

豊浜SAで待ち合わせをして一台に乗り合せした後、高知自動車道を大豊まで走る。ICを

降りて直ぐに県道5号線を北に向かう。片側1車線の道は道路幅もあって快調に飛ばして

行くが、途中から台風の風雨で落ちた木の枝や葉が道路に散乱していた。

立川から西に折れ仁尾ケ内林道を進んで行くと、道路には山から出た水が路面を流れていた。

4km弱進んだところで道の右側にバス乗り場と待合の建物と、分岐になっている道には

真っすぐ進むと工石山の案内板。道は鋭角に右に折れると仁尾ケ内の集落へと続いている。

集落の中をゆっくりと走って行き、2回程カーブを曲がって登って行くと民家が途切れ、

いよいよ林道となる。道はやはり山からの出水、そして風で落ちた木の枝。すると後ろの

席でルリちゃんが『あっ!』と声を上げた。道の先を目を凝らして見てみると前回と同じ

絵面。道の上に斜めに倒れた木が見えた。ガ~ン!またか・・・・!




ただ今回は前回の木に比べると幹回りが細い。セニョさんと二人で抱えながら少しづつ動かし、

何とか車が通れる幅が確保できた。ただその先で路面の状態も悪くなり落ちた木の枝で

これ以上進めないと判断して、予定していた鎖のかかったゲートまで行くのは諦めた。

皆さんに『仕方がないのでここから歩きましょう!』と声を掛け、予定していた場所まで

片道2km弱余分に歩くことになる。

8時25分スタート。先ずは鎖がかかったこちらから登っている皆さんが車を停めている

場所まで林道を歩いて行く。

道にはやはり木の枝が散乱していて車で来るのは無理だったと直ぐに判った。

















香川では風は強かったが雨の量は大したことがなかったが、この辺りは結構雨も降ったようで

コンクリートの橋の上に水が溢れて勢いよく流れていた。ショートの登山靴だった奥様二人は

靴の中に水が入って『キャー』と悲鳴をあげている。車を停めた場所から30分ほどで予定

していた鎖がかかった場所に着いた。













ここから何度かヘヤピンカーブを曲がり、ぐるっと周回になっている林道の分岐から、

左に進むと、伐採地のさらに上で周回路から分岐して左に続く道がある。その道をしばらく

歩くと道の脇に『カガマシ山登山口』と書かれた木の道標があった。






アキノキリンソウ









その道標から斜め上に白い道標が見えた。少し籔いていたがその道標をめがけて藪の中へ

登って行く。藪は直ぐに終わって杉林の中に入って行く。普段なら登山道が続いているの

だろうが、とにかく地面は落ちた杉の枝葉で埋まって踏み跡が全く分からない。

所々にある赤テープが頼り。













2回程細い谷筋を越え、唯一踏み跡が判る場所を数十メートル登って行く。次第に傾斜が緩く

なってきて、しばらくすると橡尾峠に着いた。

















峠に着いた途端に北側から冷たい風が吹きあがってきた。峠から先ずは橡尾山へと歩いて行く。

広尾根も先ほどと同じように一面の落ち葉で踏み跡はほとんど分からない。背の低い笹が道に

広がってくると次第にその背丈が高くなり、腰から下が露で濡れて、ズボンの下の肌に

その濡れた冷たさが伝わってきた。気温も低いのか吐く息が白い。











県境杭とテープを目印に進んで行くと、笹が刈り払われた少し広場になった場所に出た。

三等三角点 栃尾 1222.1m 山名標がなければ山頂だとはまず気づかなかった。

ここから始まるスズタケ藪に備えて水分補給と行動食を口にする。あっちゃん

セニョさんにバナナを勧めると、珍しくセニョさんもバナナを口にする。











さぁ~ここからが今日の核心部。事前にYAMAPで学習して、このまま直進するのではなく、

少し西に戻って山頂を北側に巻くといいと書いてあったので、10mほど引き返すとテープが

あった。北に向かって踏み跡は下って行っていて少し不安になるが、直ぐに右に折れて

山頂の北側をトラバースするようにテープは続いていた。そのテープに従って歩いて行く。










山頂直下を過ぎ北東に続く尾根に乗るとスズタケの尾根になる。尾根に真っすぐに立つ

枯れた木が一本。笹ヶ峰に続く稜線が見渡せた。この辺りまでのスズタケはまだ柔らかく

それほどでもなかったが、立ち枯れた木から先は固い茎のスズタケの藪になった。

背丈を超えるスズタケを掻き分け掻き分け進んで行く。もちろん踏み跡などないがスズタケの

下に獣道だろうか?空間が続いている。その空間があるうちは足元が踏み出しやすくそんなに

苦にならなかったが、どうもその空間が尾根から外れ北に向かって下がって行っている。

仕方がないので尾根に向かって方向を変えるが、その空間は無く、とにかく足がスズタケの

密集した茎に遮られて、前に踏み出せない。足を持ち上げようにも硬い茎は曲がらず踏み越え

られない。にっちもさっちも身動きが取れないので、身体ごと前に飛び込み倒れてスズタケを

倒して行く。今までいろんなところで笹薮を経験してきたが、ダイビングするなんて初めてだった。

後ろから来る三人もけっこう苦戦しているが、とにかく先頭は体力の消耗が激しい。
















山頂から20分強でやっとスズタケ藪を一旦飛び出した。しばらくはスズタケの尾根は続くが

一番密集していたのはこの区間だった。ここからのスズタケは密集度も違い柔らかくて

掻き分けると割とスンナリ進んで行けた。







スズタケ藪が終わると尾根の雰囲気はガラッと変わってくる。時折尾根に突き出すように

大きな岩が現れ、その度に北側に巻いて下って行く。







そして前方が開けた場所に立つ。左には高知自動車道の立川SAが見え、右には

双耳峰の野鹿池山、そして先週も写真に収めた立川越手前の工事現場も見える。










何ヵ所かの大岩はほぼ北側を巻くようにして下る。結構急な場面ではセニョさんも苦労して、

お尻をつきながら下ってきている。











所々でテープもあるが大きな県境杭も目印になる。ライオンの横顔の様な岩では、右も

左も切れ落ちていて、どうも巻けそうな感じがしない。するとあっちゃんが岩の横に

歩いて、『ここから行けるわよ!』と。ただし足元は切れ落ちている。岩に沿って

恐る恐るでスリリング!














スズタケ藪は終わったものの、急な斜面の尾根とトラバースでスピードは全く上がらない。

思った以上に時間がかかっている。







山頂から1時間10分で先週折り返した1029mとの鞍部に着いた。予定ではここから

折返して、橡尾山山頂でお昼にしようと思っていたが、もう既に12時が近かったので、

ここでお昼ご飯にする。先週折返しの目印にした二筋の赤テープも確認できた。

いつもはお昼を食べないセニョさんが、珍しくクリームパンを頬張っている。










シコクブシ



お腹を満たした後は、さてさて今日の仕上げにかかろう。まずは問題のスズタケ藪まで

急登を登って行く。藪漕ぎを想定して橡尾山に邪魔になるストックを置いてきたので、

登りでストックが使えないのが意外と堪える。最初は背の低い笹の尾根だったが、

スズタケが現れると斜度も次第に急になる。ストックの代わりにスズタケの茎を握って

体を持ち上げる。














核心部のスズタケ藪に入る手前で、往路で苦戦した少し尾根から北に外れたコースではなく、

尾根をそのまま直進したら、これが大きな間違いだった。下りでは足元の空間がなくなった

のは最後の数メートルだったが、尾根のスズタケは最初から全くその空間がない。

緑の葉の部分は掻き分けると何とかなるが、足元の硬い茎は密集していてビクともしない。

仕方がないので何度も前方にまたダイブして、身体全体でスズタケ全体を抑えつける。

当然写真を撮る余裕など全くないのに、後ろから来る奥様たちはその踏みつけた後を

来るので余裕の様だ。こうなったヤケクソ。気合を入れて奇声をあげて何度もダイビング!













ヤケクソ、勢いをつけて前方のスズタケに飛び込む瞬間!



幸いにして昨日までの雨風で笹埃はほとんどたたない。これで乾いた笹から埃が舞い上がった

ならほとんど地獄の行進だった。少し藪がマシになった所であっちゃんが先頭を変わってくれた。

目印だった立ち枯れた木からはスズタケの背丈も低くなり、密集度も変わり格段に柔らかく

なって、今までに比べると随分と歩きやすい。途中で北側に見えたのは翠波高原だろうか?
















スズタケ藪が終わり山頂直下のトラバースを登りきると、鞍部から1時間10分で橡尾山の

尾根に出た。スズタケ藪と急な下り坂と登り返しの急登で、登りも下りも時間は変わら

なかった。尾根に出て西に向かってカガマシ山を目指して行く。









シコクママコナ



橡尾峠の手前には石積みが残っているが、何の石積みかは分からない。ここからカガマシ山

までの尾根は北側は急峻、南側は緩やかな斜面になっている。その尾根の際を歩いて行く。













1233mの標高点を過ぎると、少し北側に広がった尾根にブナの巨木が何本も立っていた。

そこから先に北側を遠望できる場所が何ヵ所かあった。普段は近眼で遠目はほとんど

見えないが、一番奥に空と海の境界に半島らしき影が薄く見える。あっちゃんに『ほら

荘内半島が見える!』と教えてあげたのに『え~本当~~』と全く信じてくれない。








1233mとカガマシ山との中間で尾根に露岩が現れた。ここからも北側の景色が見える。

その景色を見ながらルリちゃんが、庄内半島や五岳山が見えると教えてくれた。私の目にも

庄内半島や大麻山や五岳山、天霧山も見えた。『ほらね!』とあっちゃんに。










その岩場をやり過ごすと尾根には笹が現れた。さっきの橡尾山のスズタケに比べれば、

楽勝楽勝!前を行く三人もどんどん進んで行く。この辺りは鹿害で樹皮をめくられた

痛々しい木々が目立つ。











昨年に始めた『線で繋ぐ石鎚山~剣山』はこのカガマシ山を中川峠から繋いだのが

最初だった。それが去年の6月24日だったので、カガマシ山は1年3か月ぶり。

以前に比べて下草が伸びたような感じがする。そのせいでしばらく4人で三角点を

探し回ったが、雑草に隠れた三角点はカガマシ山の山名標の足元にあった。

三等三角点 大戸山 1342.6m





セニョさんはこれで二座をゲット。ピークハンターのセニョさんとしては、橡尾山からの

スズタケ藪は余分だったのに、何とか付き合ってくれた。それじゃ予定より時間がかかって

いるので、急いで引き返しますか!

予定では車を停めた場所に16時30分。最長でも17時までには下山しましょうと声を

掛ける。大ブナを横目に見て、さらに岩場を通過してどんどん下って行く。
















眺望のきく場所では、観音寺の港から七宝山、そして庄内半島が先ほどより良く見えた。

尾根の右側が自然林から杉林になってくると橡尾峠が近い。ルリちゃんとセニョさんは

尾根に沿って歩いて行ったが、あっちゃんが右手に杉林の中へと歩いて行ったので、後ろを

ついて行く。そのまま進むと登山口から峠に出る手前に突き当たる。
















往路の道に飛び出し峠から来る二人を待って一緒に下って行く。道はやはり台風で落ちた

杉の枝と葉で、埋まってしまって道が全く分からない。テープを目印に下って行く。







10分ほど下って行くと道を少し外して、往路で取り付いた登山口から少し外れて林道に出た。







この上の登山口から車を停めた場所まで4km強。スピードを上げて林道を歩いて行く。

この植栽地の杉の木はとにかく立派な高木ばかりだ。中埜林業さんの所有地だそうだが、

きれいに枝打ちされて真直ぐに、そして高く空に向かってすくすくと伸びている。














最初に靴を濡らした奥様たち。替えの靴が車に乗っているので、『エエイ・ままよ!』と

せっかく乾いた靴の中を濡らして渡って行った。上の登山口から1時間10分で到着。

YAMAPでは16.5kmだが、スーパー地形図の沿面距離では18km。その内

林道をけっこう歩いたのと、累積標高がそうでもなかったので、今年に入って最長の

歩行距離と時間の割に思ったより疲れがなかった。やはり昨日から急に涼しくなり、

暑さによるバテが軽減されたのだろう。来週の丸石小屋から三嶺が16kmで10時間を

予定していて、その距離と時間に少し腰が引けていたが、今回で少しは目途がついてきた。

残る問題点はあっちゃが名頃7時集合に間に合うように起きられるかどうかだ。(笑)


これで石鎚山から天狗塚が繋がった(一部残っていますが)。残り2区間。さぁいよいよ

ラストスパートだ!













帰り道、仁尾ケ内林道に沿って流れる立川川は台風の後の増水で、大きな音をたてて勢いよく

流れていた。ただ普通降雨の後の増水では川の水は握っているが、この川は普段と変わらず

青く透き通った川の水の色。地質によるものだろう。立川まで戻ってくると普通の民家に

怪しげな看板。こんな山の中の集落で、どんな女性が出てくるのか?車の中で笑い合いながら

その和風スナックを通過して帰路に就いた。








今日のトラック

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 立川越~三傍示山~笹ヶ峰

2022年09月15日 | 四国の山

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』も四国中央部は残すところあと2区間となって来た。

先週はスタート地点となる立川越に向かう途中で、前日の台風の影響で道路を塞ぐ倒木で

計画を諦めた。一週間経った今週気がかりだったのは、やはりその倒木が撤去されているか

どうか?メンバーの奥様たちも同じ気持ちだったようで、前日までの連絡のやり取りの中で

ルリちゃんも倒木が心配だと言っていたので、もし時間が合ったらご主人と一緒に出掛けて

行って、チェーンソウでその倒木を切っておいて下さいとお願いをしたら、それは無理なので

当日にチェーンソウを持って行きます!なんて話になった。(笑)

そんなやり取りをしていたら、先週末になって珍しくセニョさんからメッセージが届いた。

『三傍示山と笹ヶ峰は既登の山ですが、YAMAPを始める前で、データーが取れていない

ので、参加してもいいですか?』という内容だった。もちろん断る理由もなく、7月の

中津山以来、ご一緒する事になった。

7時30分、道の駅たからだの里へ集合して私の車に乗り合せて先週と同じく先ずは大歩危の

コンビニへと向かう。県内の空は雲がかかっていたが、南下していくにつれ青空が広がって

きた。やはり天気予報通り今日は暑くなりそうな予感がした。





コンビニで行動食を買った後、県道272号線を立川越へと西に向かって走る。気がかり

だった先週の倒木は、この県道272号線から271号線の分岐の手前にあった。その分岐

から先は立川越までは林道なので道の状況は分からないが、倒木のあったヶ所は一応県道

だったので、おそらく1週間経てば撤去されているだろうと予想していたら、案の定途中、

倒木の影も形もなく、すんなりと分岐まで走れた。271号線への分岐から先はやはり道は

落ち葉や落ち枝で荒れたままだったが、途中で草刈り機を持って作業の準備をしている人達の

姿があった。道に被さってきている雑草を刈る作業をするのだろうか、ご苦労様です!

先週車を停めて野鹿池山へと向かった場所から今日もスタートだ。








しばらくは林道を立川越へ西向かって歩いて行く。先週の土捨て場への分岐から先は、道の

両側から萱や雑草が覆いかぶさり、車ではとても走れる状態ではなかった。その分岐から

少し下って行くと、林道布生山線の標識と、三傍示山登山口の立派な道標が立っていた。







その標識から北に向かって林道は続いていたが、既にこの林道は道の体をなしていなかった。

路面は萱が伸び放題で、道が深く崩れている場所もあった。まだ露に濡れた萱を掻き分け

ながら歩いて行くと、事前に見ていたYAMAPの他の人の活動日記に載っていた廃車が

道の脇に転がっていた。







その廃車から先は荒れていた路面もアスファルトが見える状態になり、小さなピークを廻り

込むようにして登って行くと、登山口に着いた。取付きには赤テープがあり、右に続く尾根は

見るからに急な斜面だった。













見た目通り登山道はいきなりの急登。まだ濡れた路面に時折足を滑らせる。『これは帰りの

下りは注意せんといかんね!』とあっちゃん










三傍示山の傍示とは『札を立てて国境を示す事』。三傍示はすなわち三つの国境。愛媛・徳島・

高知の県境なのだ。その傍示に沿って、まずは徳島と高知の県境尾根を歩いて行く。







急登が終わると周りにはシャクナゲ。少しは息切れが楽になったが、それにしても汗が

半端ない。水分をこまめに取っていくが、直ぐに汗になって噴き出ている感じがする。











三傍示山までは登り一辺倒だと思っていたら、少しだけ下るヶ所が二度ほどあった。

さらに登って行くと尾根の真ん中に大きくひっくり返って根の裏がまるまる露出した木。

工石山の天然ひのきの風倒根を小さくしたような感じ。







この区間で唯一東に開けた場所があった。遠くに見える山々は祖谷山系の山だろうか?

標高が1050m辺りになってくると、登りも緩やかになり周りの植生も変わってきた。

前を歩く三人のスピードも上がってきた。
















スタート地点から1時間20分で、三県の県境についた。木に掛けられた割れたプラスチック

はキティーちゃんのプレートだろうか?







この県境からまずは三傍示山に向かう。ここからの県境は徳島と愛媛の県境になる。







三傍示山山頂は少し開けて広場になっていたが、木々に囲まれ眺望はなかった。

山頂には山名標と三等三角点 大吾山 1157.8m。徳島県では最西端、愛媛県では最東端

の山となる。ザックを降ろし水分補給と行動食を口にして、写真を撮ったあとは直ぐに次の

笹ヶ峰へ向かって行く。







三県の県境まで戻り、西に向かって最初は下って行く。ブナなどが立ち並ぶ自然林の中の

尾根道。975mの標高点辺りまで緩やかな下りが続いて行く。










時々遠望できる場所もあったが、木々越しの景色で見ごたえはない。

北に見えた山々



唯一見えた前方の景色は橡尾山からカガマシ山に続く稜線?




先程の県境からは青色のビニールテープが結構な数、木に括り付けてあるが、このビニール

テープは経年で細かく裂かれてしまうので、あまり数が多いととても見苦しい。











尾根道が登りになってくると足元に少しづつ笹が現れ始めた。この尾根の県境は愛媛と

高知の県境となる。







笹ヶ峰山頂の手前の笹ヶ峰峠には歌碑と県境碑が立っていた。土佐北街道の峠となっている

この場所、その横の案内板には明治以降旅人の為のわらじや餅を売る茶店出されていたと

書かれていた。その峠からひょいっとひと登りすると笹ヶ峰山頂に着いた。今日はここから

先の橡尾山に向かって途中まで歩く予定。ただこの先腰を降ろせる場所があるかどうか

分からなかったので、この山頂でお昼ご飯にする。もちろんあっちゃんが『お腹が空いた~!』

と騒ぐ前にという意図もある。

















三人が食事をしている間、ルリちゃんが差しだした果物を口にしただけで、セニョさんは

お昼ご飯を抜いている。『大丈夫ですか?』と奥様たちが心配するが、本人はいたって平気。

お昼ご飯を食べたらここから更に西に橡尾山方面へと足を延ばす。次回のカガマシ山から

橡尾山を歩いて、さらに今日の折り返し地点まで歩いて線を繋げようと云う計画なのだ。

橡尾山から東は登岐山並みのスズタケ藪が待ち構えている。それを往復するのは果たして

可能か?(ほとんどの人が周回で、その藪を往復した人はほとんどいない)

その為にも出来るだけ今日、橡尾山方面に距離を延ばしたい。目標としては1029mの

標高点の先にある、この区間の最低鞍部まで行きたいと考えていた。

山頂から西は緩やかな下り坂。するとすぐに三角点に着いた。四等三角点 笹ヶ峰 1015m







三角点の少し先で木々の間から橡尾山が見えた。地形図ではここから200mほどの

高低差だが、ここから見える橡尾山はけっこう高低差があるように見えた。『あの斜面

一面がスズタケ藪だったら、相当苦戦するな』と思った。








尾根は高知自動車道の笹ヶ峰トンネルの上部辺りまで広尾根になっていて、時々方角を

見失ったりする。笹ヶ峰からこちらは赤テープがあるので、それを目印に歩いて行く。

尾根には先日の台風で散った木の葉や枝が散乱していた。



















目標としていた1029mの標高点が近づいてくると尾根はスズタケが密集し始めた。

そのスズタケ藪が始まる地点で、先頭を行くあっちゃんは尾根から少し北側を歩いて

行ったが、あとからの三人はそのまま藪に突入してみると、スズタケの背丈が高くて

前方の様子が全く分からない。掻き分け掻き分け歩いて行くと突然南側の景色が開けた。

正面に斜面が大きく崩れた場所に工事現場らしい白いコンクリートの法面が見えた。

以前に今日のスタート地点に立川番所書院から来ようと思って、立川越の手前で通行止め

にあった土砂崩れの現場だった。その奥には野鹿池山が見える。

このままスズタケの藪の中を歩いているとかなり時間がかかりそうなので、あっちゃんが

歩いて行った場所まで戻り、同じように尾根の北側を歩いて行く。













1029mの標高点から少しだけ下がり、笹ヶ峰隧道の上部の手前がこの区間の最低鞍部

になる。YAMAPを見ながら、『それじゃここで引き返しましょう』と声を掛ける。

折り返し地点はYAMAPで確認できるが、一応目印は二本巻かれた赤テープ。











折返して広尾根をゆっくり登っていると、前を歩く奥様たちが立ちどまって何やら写真を

撮っている。周りは特に何でもない場所。『どうしたの?』と聞いてみると、あっちゃんが

嬉しそうに『ここが笹ヶ峰トンネルの上なの!』と。・・・・・・・??










笹ヶ峰まで戻ってきた。山頂で水分補給。ザックを降ろすと背中も前も、皆さんたっぷり掻いた

汗で濡れたシャツの色が変わっている。山頂直下の峠は南北に道が続いているが南に下った道は、

県道5号線からだと30分ほどでここまで登って来られる。前回セニョさんがWOC登山部で

歩いた時は、この道を登ってきている。そして三傍示山への分岐にはさぬき山好会の道標が

掛けられていたが、プレートには三方示山と書かれていた。伊予国では三峯、阿波国では

不生山と呼ばれていたらしいが、三方示山はそのどちらにも当てはまらない。










三傍示山までは緩やかな下りと登りの道が続いて行くが、前を歩くセニョさんのペースが

極端に落ちてきた。平坦な場所ではそうでもないが、登りになるとあっという間に前の

奥様たちに離されていく。










三県の県境に着いた途端に、ザックを降ろして『バテた!』とセニョさんが珍しく弱音を

吐いた。おそらくお昼ご飯を食べなかったのでシャリバテだろうと思うが、セニョさんから

そんな言葉を聞くのは初めてだった。











時間は14時20分前、スタートしてから5時間20分を経過しようとしていた。

『それじゃスタート地点まで15時30分目標で下って行きましょう!』と声を掛ける。

ここからはほぼ下り、バテていても何とか足は前に出て行くでしょう。

でも結局何だかんだといいながら、奥様たちのスピードに釣られて、県境から50分

ほどで林道の登山口へと降り立った。
















先に降りたあっちゃんが登山口とは反対に尾根の南側に分け入った。何をしてるかと思えば

先ほど見えた土砂崩れの工事現場の写真を撮ってきた。稜線からの遠目では判らなかったが

写真を見ると工事は以前見た時に比べてかなり進んでいた。








登山口から荒れ放題の林道を通り立川越へと出る。途中道の脇から三傍示山の方の景色が

見えるが、見えたピークが三傍示山かどうかは分からない。途中で見えた大豊側の通行止めの

せいで、車の通らなくなったこちらの林道も結構荒れている。登山口から15分ほどで

スタート地点に戻ってきた。

大汗を掻いたシャツは絞れば汗がしたたり落ちそうな感じ。ズボンも股まで汗で色が変わって

いる。靴を履き替え、全員が服を着替えて車に乗り込んだ。

県道へと向かう途中で、朝見かけた人たちがまだ道の脇の草刈りをしていた。作業している

手を止めたり、車を移動してもらったりしながら通過する。

さぁ来週はいよいよ四国中央部の最後の区間。そして残りの区間の中でもっとも登山道の

状況が気になる区間。プチファーマさんからは心して・・・とアドバイスを頂いた。

またまた近づいてくる台風も気になるが、先ずは自身の体調を万全にして臨みたい。














今回のトラック

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』は諦め、虚空蔵山

2022年09月05日 | 四国の山
東から西に進んでいた台風11号が、ブーメランのようにUターンして北東に

戻って来た。今回の台風はヒンナムノーって云うらしいけど、どうやらラオスの国立保護

区の名前が由来だというが、そもそもラオスといわれてもどこにあるのか直ぐに思い浮か

ぶ人は少ないだろし、どうしてそんな名前がつくのか不思議に思って調べてみると、台風

委員会(日本を含む14か国等が加盟)が2000年から、北太平洋または東シナ海の領域

で発生する台風に、同領域内で用いられている固有の名前を付けることになったそうだ。

その各国で10個程度の名前を挙げ、発生順に140個の名前を順番に用いている。

ちなみに日本が命名した名前も10個あり、テンビン、ヤギ、ウサギ、カジキ、カンムリ

クジラ、コップ、コンパス、トカゲ、ワシとどれも星座の名前に由来している。


前置きが長くなったが、今回は台風一過の水曜日。四国に一番近づいた時の様子がどうな

るかが一番気になっていた。雨の量によっては登山道もひょっとしたら荒れているかも

知れないし、何より県道272号線から立川越までの道路の状況に気を揉んでいた。


計画では前回もスタート地点となった立川越の手前から林道を少し歩き、まずは三傍示山

まで登り、次に笹ヶ峰へと稜線を歩いて行く。そしてあわよくばその先の1029mの

標高点のさらに先の鞍部まで行けないかと考えていた。

そうすればその次のカガマシ~橡尾山を南側の仁尾ケ内から取り付いて往復し、橡尾山

から今回の鞍部までさらに往復すればカガマシ山~立川越までが線で繋がる。

但し橡尾山から東の尾根は登岐山並みのスズタケの藪が待ち構えているうえに、13~14

kmになるので、そのスズタケ藪を往復するのが可能かどうかが大問題。

ましてや先週の絶不調が頭に浮かんで計画段階で早くも弱気になる。




色々考えても仕方がない、取りあえずは今日の予定をクリアするのが先決。奥様たちと

いつものようにたからだの里で待ち合わせをして乗り合わせて国道32号線を南下。

猪鼻峠がトンネルになってやっぱり随分楽になった。大歩危のローソンまで順調だったが

空模様が怪しくなった。どんより曇った空に周りは霧雨。天気予報の台風一過という

言葉を信じ切って雨具を持ってこなかったあっちゃんが、コンビニでビニールカッパを

購入した。(雨具は絶対持ってこないといけないとあっちゃんもを窘める)

コンビニから南に少し走って県道272号線を右折。所々で道の脇に立つ妖怪を横目に

見ながら進んでいくと、最終民家を過ぎ、周りが杉林になってくると、台風の影響か、

道路には落ち葉や落ち枝が散乱していた。タイヤで踏むと跳ね返った枝が車の脇や底に

当たって嫌な音がする。

周りはまだガスの中、視界もそんなに良くはない。冗談で『メジカの新子ツアーに変更

しますか!』と奥様たちに話をする。今日はWOC登山部では登山ではなく土佐久礼の

大正市場にメジカの新子を食べに出かけていたのだ。天気がこのまま悪いようならその

WOC登山部に合流してもいいかもと話をしていたが、まだこの時点では三人とも登る気

満々。『でも台風一過だから海がまだ荒れていたら漁にも出ていないかもしれないね』

などといらぬ心配をしながら走っていると、霧のかかった道路の先に何やら怪しげな

斜めの線が見えた。『もしや!』と思って近づいて行くと、案の定道路を跨ぐようにして

木が倒れていた。ガ~~ン!

手前で車を降り木を持ち上げようとしたがビクともしない。山際に無理やりよれば車高が

低いので通れそうな感じがしたが、際には道路側溝が草に埋もれて隠れていた。










何とも、さっきまで言っていた冗談が本当になった。仕方がないのでUターンが出来る場所まで

バックして県道を引き返す。先週走った野鹿池山へ林道を走る手もあったが、恐らく時間は

1時間近くかかるだろうし、道路の状況もどうなっているか分からない。

というのも言い訳ぽく。もう頭の中も口の中もメジカの新子で一杯。そうとなれば水揚げが

あっても数に限りがあるらしいので急がねばならない。県道を引き返し、大豊ICから高速に

のり一路、土佐久礼の大正市場へと車をかっ飛ばす!


倒木のあった場所から100km以上走って着いた大正市場の駐車場。時間はすでに11時

近くになっていた。果たしてメジカはあるだろうか?気を揉みながら市場へと入って行くと

『メジカの新子、あります』と書かれた札が見えた。『やったー!』




しかも周りを見ると馴染みのあるWOC登山部の顔ばかり。『あれ、どうしたん!』と聞かれ

事情を説明して露店の前でしばらく話し込む。登山部のメンバーは注文を終えて既に食べ始め

ていた。私たちも名前と入り数を紙に書いて順番待ち。








すると紙にはそれぞれ2匹とか3匹とか書かれていたが、何と30匹と書いている人がいた。

お店のおばちゃんもメジカを捌くのに必死。(数が少ないのに少しは遠慮しろよと思った)











結局随分と待った挙句に、その30匹がなかなか捌けず、『よかったら隣のお店で注文して

もらえませんか』とお店のおばちゃん。待っている間に奥様たちは既に缶ビールを飲み干そ

うとしていた。運転手の私はそれを横目に見ながらお預け。

待ちに待ったメジカの新子は今まで味わったことのないモチとした食感に、噛めば噛むほど

うまみが出てきた。やはり生後1年未満の幼魚。人間も歳をとるごとに身体は固くなり、

弾力性もなくなってくる。それに比べて赤ちゃんの身体は柔らかくぷにゅとした感じ。

メジカの新子もまさにそんな感じがした。登山部のメンバーはこの後近くを観光すると

言うのでお別れして、我々はせっかくここまで来たので近くの山を一つでも登ろうと

言う事になり、YAMAPを検索。







登山口までの移動時間や行動時間を考えて、佐川町との境にある虚空蔵山に登ってみる

事にした。







須崎市の市街地を抜け、国道494号線を佐川町方面へ。この道は以前、WOC登山部で

蟠蛇森 に来た時に通った道。その道を斗賀野トンネルの手前で左に山の方へと上がっていく。

道なりに進んで行くがとにかく前から大型ダンプがやってくる。採石場でもあるのだろうか?

と思ったていたら途中に須崎鉱発勝森鉱山と書かれた看板の奥に何台ものダンプが停まっていた。

そこから更に走って行くと、左にパーキングと書かれた案内板があった。案内板に従って奥に

ある駐車場に車を停めて登山靴に履き替えてスタートする。
















山頂へと続く車道を歩き、駐車場から二つ目のカーブを過ぎると左側に山崎記念天文台の

案内板と天文台らしき施設があった。この天文台は、日本で初めて彗星を発見した天文学者、

山崎正光の功績を記念して建てられた施設だそうだ。











天文台を横目に見ながらさらに道なりに歩いて行くと、車道が右と左に分かれた場所に着いた。

その分岐の左少し奥に山頂への登山道があった。(帽子を車に忘れて怪しげなほっかむりを

して歩いてくるご婦人一人)














道は山頂への直登の道。里山となめていたが意外と急な道を登って行く。樹林帯の中で日差しは

当たらないが、とにかく汗が半端なく噴き出てくる。奥様たちも汗が止まらないと言って

いるので、『それはさっきのビールの汗です!』と嫌味をいってやる。










取付きが500mほどの標高だったので、山頂まではおおよそ150m以上のほぼ直登の道。

昨日の台風の名残でまだ表土は少し濡れている。やっと前方の脇に空が見え始め、目の前の

萱を掻き分けると車道に飛び出し、左に歩くと直ぐに山頂に着いた。










最初に目に飛び込んできたのは巨大な中継局の施設だった。その中継局の脇に何やら石碑と

大町桂月の胸像が立っていた。大町桂月は高知出身の詩人・歌人・随筆家として有名らしい。

その石碑の南側に虚空蔵山の山名標が転がっていた。







さらにその奥には岩のテラスと東屋。岩のテラスからは南の眺望が開けていた。

浦ノ内海足摺岬に続く海岸線。霞んでいなければ反対側には室戸岬が見えるかもしれない。










北東には土佐町から高知市の郊外?が見えた。










東屋でお昼ご飯にする。屋根の下の日陰で少しは風が吹き抜けていくが、じっとしていても

汗が止まらない。今までお昼はぶっかけうどんや冷麺だったのが、先週からご飯類に変えが、

今日は冷たい麺の方が良かったかもしれない。ご飯を食べた後は、虚空蔵菩薩にお参りをして、

西側にある三角点へと歩いて行く。








一旦下って緩やかなアスファルト道を登って行くと、道の脇には巨石が点在していた。










先ほどの東峰はテレビ局の中継局の施設だったが、こちらは電波塔が何塔も立っていた。

突き当りの電波塔のフェンスの横からGPSを見ながら茂みの中へ入って行くと、さらに

奥の別の電波塔の敷地の上に出た。














電波塔を真下に見ながら敷地の上の法面のさらに奥へ、藪を掻き分け入って行くと三角点は

あった。三等三角点 矢羽数森 674.9m








写真を撮った後は電波塔の敷地の法面の脇を、下に見えるガードレールに向かって降りる。







そこからはアスファルトの道を山頂をぐるっと回るような形で下って行く。杉林の中に

続く道、傍らに咲く小さな草花を撫でながら40分ほどで駐車場に着いた。











駐車場からは往路ではダンプと何台もすれ違ったので、斗賀野トンネルの北側への違う道を

降りて行く。途中で北に眺望が広がっていた。佐川町ののどかな田園風景のその奥には

幾重にも重なり続く山の稜線。ただこの辺りの山は全く見当もつかない。唯一登ったのは

横倉山くらい。四国の山もまだまだ奥深い。行動時間が約2時間。大正市場で1時間ほど

いたので、今日は家を出てから9時間以上車を運転していたことになる。家について

メーターを見てみると420kmほど走っていた。車の運転はほとんど苦にならないが、

あまり歩けなかったのが気がかり。来週にはあの倒木は除去されてるだろうか?

取りあえず帰ってネットで見てみると虚空蔵山は須崎市・土佐市・佐川町の2市1町の

3つにまたがっていた。本来予定していた三傍示山も3県にまたがっている。市町と

県で違いはあるが、まぁまあ同じようなもんだったと妙に納得した一日だった。







今日のトラック

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 立川越~野鹿池山

2022年08月29日 | 四国の山
何だかね~。今月に入って山行予定の週中の天気が毎週パッとしない。そして今週はと云うと、

秋雨前線・台風11号と、テレビの中で気象予報士がみんなこぞってその単語を並べている。

さらに還暦を前に、今年に入って体調もそんなに良くない。天候不順と体調不良が相まって

このところモチベーションがさっぱり上がらない。

先日テレビを見ていると、歌番組に出ている藤井フミヤが同い年だと判った。

以前と変わらない歌声の藤井フミヤを見て奥さんが『へぇ~同い年なんや・・・・!』と仰った。

『その・・・・・・はどういう意味!』『ハイハイ、どうせ皺くちゃな私です。比べんとって

くれるか!』と言ったものの、モチベーションが下がっている所に追い打ちをかけられた。

まぁ~それでも何とか『線で繋ぐ~』は完歩しないとと今週の計画を練る。


剣山系の天狗塚~三嶺は、やっぱり好天の日に歩きたい。そしてどうせなら三嶺でフィナーレを

迎えたいということで、イマイチの天気の今週は四国中央部の野鹿池山から西を繋ぐ事にした。

今日は大歩危から県道272号線(通称:妖怪街道)を西に進んで、徳島と高知の県境の

立川越からスタートして野鹿池山まで繋ぐ計画にした。

先に野鹿池山の登山口に一台をデポして、その後林道のスタート地点まで移動する。

このコース、プチファーマさんの活動日記とルート図を参考にさせてもらったが、

プチファーマさんは単独なのでこの区間を往復している。

片道だけだと5.5km。4時間弱の区間となるので、お昼から天気が下り坂となっても、

早めに到着して雨は避けられそうだ。県道272号線も先月までは時間通行止めのヶ所が

あったのだが、その工事も終わったようなので、あとは奥様たちが運転する車が無事に

野鹿池山の駐車場まで来られるかどうかだ。奥様たちはデポするときは運転を交代制に

しているらしいが、今回はあっちゃんが運転する番だそうだ。細い道の運転は心配だが、

自身で運転する場合は車酔いをしないので、あっちゃんにとっては良さそうだ。




そんな心配をしていたが、集合場所へ向かう途中の大歩危のコンビニで二人にバッタリ。

そこからは二台で野鹿池山の駐車場へと向かって行く。県道272号線から藤川谷川に

架かる橋のガードレールに、野鹿池山とい書かれた案内板を左折。最終民家を過ぎると

杉林の中の道になる。(林道沢谷線)駐車場まではアスファルトの道が続いているが、

前回野鹿池山に来た時に比べて、随分と枯れ枝や石が転がっていて荒れている感じがした。

くねくねと曲がった道を登って行くと駐車場に着いた。天気予報に反して空は青空。

東から北にかけての山々が見渡せた。











駐車場からは私の車に乗り込み、スタート地点になる場所まで林道を移動。(林道下名栗山線)

路面の状態は先程より随分といい状態だったが、ただこの時期、道の両側から雑草が伸び放題で

道路に覆いかぶさっていた。

スタート地点はプチファーマさんがYAMAPにアップしていた二又になった場所。

危うく通り過ぎそうになったが、事前に奥様たちにもプチファーマさんの活動日記をチェック

するように言っていたので、アップしていた写真の見覚えのある二又の場所で、二人が

同時に『ここや!』と声を上げた。一旦Uターンして道の脇に車を停めてスタートする。

土佐岩原駅から黒滝山の時もそうだったが、この区間はさしたる見所もなく、ただただ

線を繋ぐための消化試合だ。なんて思っていたら野鹿池神社の蛇王大権現のバチが当たった

のか、このあとここ最近になく最悪の苦行となってしまった。







二又は右に行くと三傍示山への取りつきに続いている。左上に地道を歩いて行くとカーブの

先は土捨て場の様な広場になっていた。右上には県境尾根が見えるが取りつきが判らない。

少し奥に歩いてみるが、尾根との高度差がどんどん開くばかりで、茂みも深くなるばかり。

一旦カーブの場所まで戻ると、これもプチファーマさんが載せていた写真のグレーチングがあった。

引き返す途中では正面に三傍示山が見えた。グレーチングの奥は籔いていたが、掻き分けて

進んで行くと小さな木の枝に赤テープが巻いてあった。















赤テープの取付きから尾根へと登り、左に尾根に沿って登って行くが道は無く少し藪いていた。

途中で大きな滑車が転がっていたが周りは植栽地でもなく、何に使っていたのだろうか?

尾根筋には木々が密集しているので、少し下をとにかく尾根から外れないようにと登って行く。













プチファーマさんが『始めの内は雑木の籔、「こんなのがずーっと続くのか?」と瞬間心が

折れそうになります。』と書かれていた。たしかに何も知らずに歩いていたらそう思って

しまうだろうな~なんて思って進んで行くと、これもアップされていた大崩壊地が現れた。

YAMAPでの事前学習をしていなければ、ここでも一瞬顔が青ざめていただろう。










百メートル以上に渡って尾根に沿って見事に崩れている。この辺りの山域は雨量が多いのか、

その土質によるものなのか、とにかくこの近辺はそこらじゅうで山の斜面が崩れている。

その中でも航空写真で見てみるとこの崩壊地は最大規模の様で、かなり下の林道までも

到達していた。(旧立川番所書院からの林道は、この崩壊地の土砂崩れの場所は復旧していたが、

さらに上の県境近くで、土砂崩れで道は跡形もなくなっていた。かなりの規模で崩れていたのと、

その道が県道でもないので、作業車は入っていたが、復旧はかなり先になるだろう)










乾いた花崗土は崩れやすく、出来るだけ際を避け尾根の反対側を歩いて行くが、根元から

ひっくり返った倒木に遮られて、なかなか前へ進んで行かない。一度だけ興味本位で

崩れた際まで近づいてみるが、その高さに股間がゾクゾクとした。










結局この崩壊地を通過するまでに、スタートから40分近くかかってしまった。

今まで散々色々なところを歩いてきた奥様たちにとっては、ここでも普段と変わらないと

いった感じで歩いてきているが、家にいるご主人たちは、まさか我が家のお淑やかな奥さんが、

藪やこんな場所をわざわざ歩いているなんてつゆ知らず、なんだろうな~と思ってしまう。

崩壊地を過ぎると最初の三角点に着いた。四等三角点 浦ノ谷 958.7m













三角点からは一旦下って登り返しになる。踏み跡はほとんどないが、樹脂製の県境杭を目印に

短い距離の間で何度かのアップダウン。この辺りまでは二人に先行して調子も良かった。
















途中で道の真ん中に立つブナの木。身体が柔らかくのけぞった感じで見とれていたら、

後ろからあっちゃんが同じように思ったのか『随分と色っぽい木ね~』と。その先で

『今日は登りのコースだと思っていたのに、意外と下りがあるわね』とルリちゃん。








スタート地点が810m。野鹿池山西峰が1,303mなので500m程登ることになるのだが、

たしかにけっこう下る場面も多い。そう思っていると、地形図で尾根と南北の破線が交差する辺りから

急登が始まった。そしてこの急登の辺りからまずお腹の調子が悪くなってきた。破線が交差する

鞍部で二人に前を譲ったら、案の定この急登で見る見るうちに離されていく。

どこまでも続く急登にとうとう二人の姿も見えなくなってしまった。

















喘ぎ喘ぎ登って行くと少し平らになった場所で二人が待っていてくれた。ここであっちゃんは

おにぎりを頬張りながら、『前みたいにシャリバテになったらいかんから、何か口に入れた方が

いいよ!』と言ってくれたが、お腹の具合からそんな気分にはなれない。








ひとまず水分だけ取って先へと歩いて行くと、1029mの標高点の手前から笹が現れた。











樹林帯の中の尾根の右側が開けてきた。少し覗いて見ると笹の向こうに崩壊地が見えた。

ただこちらは上の方の植生が回復しているので、けっこう崩れてから年数が経っているようだ。

そうこうしている内に1029mの標高点に着いた。












1029mと1075mの三角点のほぼ中間地点で、道の脇奥から初めて南側の景色が見えた。

二人が見える山々を指さしながらしきりに山座同定をしているが、それを聞きながらも一緒に

同定する余裕が全くなくなって、脂汗が流れて来た。お腹の調子はマシになってきたが、

今度は反対にシャリバテだろうか?身体がとにかく重たい。それでも展望の場所まで行くと、

南西から南にかけての眺望が広がっていた。





右奥の緩やかな三角形が白髪山



植栽地の一番奥の山並みが高知の国見山辺り



その展望場所から少し先にも岩場の展望所があった。奥様たちは気づかずに先に行ってしまったが、

岩の上に立つと東にこんもりとしたピークが見えた。『え~あれが西峰?まだけっこう

距離があるな~』と不安になる。とにかく前に足が進んで行かない。




四等三角点 鎌の谷 1075.2mでも奥様たちを随分と待たせてしまった。

ここで少し行動食を口にするが、直ぐには効果は現れない。尾根には踏み跡もなく雑木の中を

右に左に歩きやすい方向をめがけて歩いて行く。














するとまた急登が始まった。もう奥様たちの姿は全く見えない。この急登、写真では

分からないがかなりの斜度で、油断すると足を滑らせてひっくり返りそうになる。

上の木の根元をめがけて登って行くがストックは役に立たない。木の枝を掴みながら

身体を持ち上げ、木の根元に足を置いて一息入れながらの繰り返し。

先ほど行動食を口にしたが、体調はほとんど変わらない。これはひょっとしたら熱中症?

かもと思い始めた。ほとんど樹林帯の中のコースだったので、まず思いもつかなかった。

急登の始まりからだと登りきるのに20分近くも掛かってしまった。とにかくもう身体が

動かない。奥様たちには申し訳ないが、このまま北の下にある林道に降りてしまおうかと

弱気な考えが頭に浮かんでくる。











息も絶え絶え何とか急登を登りきると、西峰手前で周りは笹に覆われ始めた。

ここでも奥様たちは待っていてくれていた。熱中症かもと話すと、ルリちゃんが熱中症予防の

ゼリーを譲ってくれ、一気に口の中に入れる。








初めは膝ぐらいの高さだった笹も、次第に背が高くなり顔がやっと出る位の高さになった。

ただここの笹は前回歩いた綱附森の笹に比べると密集度が違っていた。まるで最近特に

薄くなってきた私の頭の毛の様だ。綱附森の笹が20代の頭部だとしたら、60歳を前に

やはり髪質?柔らかくなり、密集度も違うので随分と歩きやすい。

と自ギャグネタが頭をよぎった。











野鹿池山西峰は足元は笹、周りは木々に囲まれたピークだった。以前にあっちゃんと

二人で野鹿池山と黒滝山を歩いた時は、この西峰まで来ていないので、ここから東に

野鹿池山の方まで歩けば、天狗塚までが一気に繋がることになる。(ルリちゃんは

WOC登山部ですでに西峰から東を繋いでいた)








西峰からは駐車場まではほぼ下るだけ。体調は最悪だが何とかもちそうだ。

ブナと笹の尾根道だが、こちら側は先ほどと違ってちゃんと笹の中に道はある。

野鹿池山の途中で線が繋がった場所で駐車場へと折れて行く。











駐車場への下りは野鹿池神社への参道になっているので、下草もきれいに刈られていた。











沿面距離6.6km。行動時間は予定より大幅にオーバーして5時間近くも掛かってしまった。

これも体調不良で奥様たちを待たせてしまった私のせいだ。参道横の水場で顔を洗うと生き返った。

休憩室の建屋の横でお昼ご飯にする。普段はあまり口にしないフルーツだが、ルリちゃんが

持ってきて来た梨を頂くと、瑞々しさに一気に身体がクールダウンしたような気がした。




お昼ご飯を食べ終えて、スタート地点のデポした場所まで車を取りに行く。その後県道

272号線を戻る途中の藤の里公園の東屋でコーヒータイム。ただバーナーのボンベを

買い換えたら何度やっても火が付かず、コーヒーは諦めおやつタイムに。

談笑している内にYAMAPを見ながらルリちゃんが『あれ、黒滝山の所が繋がっていない!』

と言い出した。それを聞いたあっちゃが『え~ほんと。他にも繋がっていないところがあるん

じゃない』と茶化している。するとあっちゃんも心配になって自身のYAMAPを確認して

見ると、あっちゃんも繋がっていない。ガ~~ン!




YAMAPのトラック


スーパー地形図(カシミール)のトラック




ここで奥様たちの性格が出た。この繋がっていないのが許せない。もう一度歩かねばと

言う方と、まぁ~いいんじゃない!と言う方。果たしてどちらがどっち?(笑)

この四国中央部も残すところ2区画となった。三傍示山~笹ケ峰は今日のスタート地点から

往復すれば歩いて行けるが、その先のカガマシ山~笹ケ峰の区間は、愛媛側も高知側も

県道5号線が土砂崩れの復旧作業で通行止めになっている。情報によると工事が終わって

通行できるようになるのは11月だとか。そうなってくるとフィナーレにしたい三嶺周回が

時間的に難しくなってくる。(日が短くなってくるので)なかなか頭が痛いといいつつ、

どう歩こうかと嬉しい楽しい悩み事だ。

残りの区間



今日のトラック

今日はのんびり花散歩!

2022年08月24日 | 四国の山
今週は週半ば辺りから天気が下り気味なので、火曜日に出かけようと奥様たちと

話をしていた。『線で繋ぐ石鎚山~剣山』もカガマシ山から野鹿池山間と、

剣山系は天狗塚から三嶺、そして丸石分岐までが残すところとなった。

今週は丸石分岐から三嶺を予定していたが、火曜日も山間部の天気が怪しくなってきた。

ピーカンの稜線歩きもまだこの暑さだと厳しいが、遮るもののない尾根で雷雨になったら

もっと怖い。もう少し安定した天気の日に歩く事にして、線で繋ぐはお休みする事にした。

代りに少々天気が悪くなっても歩ける場所をと探していたら、ネットにちょこちょこと

黒沢湿原のサギソウの写真があがっているのが目についた。

さっそく奥様たちに提案。せっかくなら以前から気になっていた松尾川温泉からの遊歩道を

登ってみたいと連絡すると、快諾を頂いた。このコースならのんびり歩いても3~4時間。

お昼はお弁当ではなく、どこかでランチにする事にした。これも以前から気になっいていた

松尾川温泉に行く途中にあるハレとケ珈琲を第一候補にしたが、ネットで調べてみると、

水曜日が定休日だったのが最近は火曜日もお休みになっていた。奥様たちには『どこか他に

お店をチェックしておいてください』と前日に伝えて、いつもの道の駅たからだの里に集合した。

このたからだの里。前回の天狗峠に出かけた時に奥様たちがトイレの前で待ち合わせをして

一台に乗り合わせをしようとしたら、職員らしき男性に、『あなたたちのように一日中

停めて置く人が居るから他の人が迷惑する』とこっぴどく叱られたそうだ。いつもはトイレの

前ではなく、奥の池の前に停めるのを、横着をしたら散々な目にあったという。

貞光の道の駅でも以前に張り紙をされた事があった。(ガラガラの第二駐車場に停めていたのに)

段々集合場所にも気を遣うようになってきたが、今日はその職員さんが『第二駐車場なら

停めてもいい』と教えてくれた入り口の交差点にある第二駐車場に二台の車を置いてきた。


道の駅から32号線を南下。JR祖谷口を過ぎ、祖谷橋を渡って県道32号線を祖谷方面に。

途中から松尾川温泉の案内板に従って走って行くと、祖谷橋を渡ってから15分ほどで、

松尾川温泉に着いた。今日はこの松尾川温泉も定休日で、駐車場には一台も車が停まって

いなかったが、それでも少し遠慮気味に端のほうに停めて身支度を整える。








温泉の湯治用の宿泊施設のしらさぎ荘の横に宮石集落へ行く橋が架かっている。この橋を

渡り集落へと道なりに登って行くと、住人らしき女性が道の脇の雑草を抜いていた。

挨拶をすると『黒沢へ?』『虫が多いから気を付けてね』と話をしてくれた。

アスファルト道をそのまま進んで行こうとしたら、後ろからその女性が『黒沢は右よ!』と

教えてくれたが、コンクリートの道はかなりの急登。山間部の集落にあって立派な蔵が

建っている中を登って行く。











集落を抜け、消えかかった遊歩道と書かれた道標を左に折れるが、ここからもかなりの急登。

北に向かっての九十九折れの道から、東へ向きが変わってもしばらくは急登が続いて行く。











スタートから30分ほどで展望所の東屋に着いた。まだそれほど歩いてもいないのに、

気温よりも湿度が高いせいか、とにかく流れる汗が酷い。ロングスリーブのシャツを

めくって扇いでいるとあっちゃんが正面から写真を撮った。『私のシックスパック。

お見せしましょうか!』と言う間もなく、今度は横からパシャ!『いかんいかん、横から

写したらいかん、あっちゃん!』。ト・ホ・ホ~何とも情けないお腹・・・・!











今日は目指す山頂もなく、湿原のお散歩。先を急ぐ理由もないので、のんびりと展望所で

他愛もない話に花を咲かせる。展望所から今度は北東にコンクリート道は続いている。

急登は尚も続いている。これは遊歩道ではないな~なんて思いながら汗を掻き掻き登って行く。











標高が上がってくると、南側に五軒や黒川の集落が松尾川を挟んで向かいに見え始めた。

先月、中津山に登った時に中津神社で夏祭りの準備をしていた人たちがいたが、その中の

おじさんが、自分たちは黒川から来ていると確か言っていたような気がする。







さらにその先では正面に船山。ちょこっと三角の頭を出している中津山。屋島の様な台形の

山の右側には小さく寒峰の頭が見えている。







道の山側に岩壁が現れるとそろそろたびの尻滝が近い。谷側には水の流れる音も聞こえてきた。




黒沢湿原の南端に当たるたびの尻滝は落差5mほどの小滝。角張った造瀑岩の形が特徴的な

この滝は湿原の水を集め、この先で松尾川に注いでいる。ここでルリちゃんは滝の下に。

あっちゃんは滝の上に。やはり高所の苦手なルリちゃんと高所大好きのあっちゃんの

性格が現れている。










あっちゃんが滝を見ながら、『川床や水の色が薄い褐色なの」どうしてだろう?』と

頻りに聞いてくる。帰って調べてみると、どこでも湿原の水は水中の植物のタンニンが融け

込んで、同じような褐色の色になっているようだ。




たびの尻滝でしばらくの間涼んだ後、湿原の東側の遊歩道を歩いて行く。









しばらく歩いて行くと湿原の池になった場所に白い花が散らばっているのが見えた。

遊歩道から湿原へと降りて行くと水面に白い花が咲き誇っていた。この黒沢湿原では

ヒツジグサが有名だが、今目の前に咲いている花はどうやらヒツジグサではなく

ほとんどがスイレンのようだ。ヒツジグサもスイレンも同じようなものだが、スイレンは

明治以降に観賞用に入って来た外来種がほとんどで、日本原産はヒツジグサ1種のみだという。

私には見た目では全く区別がつかないが、ヒツジグサハは白い花のみで直径3~4センチほどで

花弁も少ないという。ということは所々で薄いピンクに色づいている花はスイレンと言う事か。

また目の前で大量に咲いている花も、花弁の枚数が多く花も大きいのでほとんどがスイレン?
















となるとこれだけの数の中からヒツジグサを見つけるのは至難の業だ!














池のスイレンを堪能した後は、ログハウスの横の東屋でコーヒータイムにする事に。

寒い季節には定例だったコーヒータイムも、ここ最近は時間的に余裕がなくなったのが

原因で久しぶりとなる。何と言っても今日は花散歩なのだから!ゆっくりしよう。

ベンチに腰掛話し込んでいる内に何故か“腹筋”の話になった。すると突然ルリちゃんが

ベンチの上で横になって腹筋を始めた。このところ家でも腹筋運動をしているという

ルリちゃんは軽々と何回でも。その横で今度はあっちゃんが『私腹筋は苦手なのよ』と

言いながら試みると、何とか一回、二回。それなら私が挑戦とばかりに横になって

始めてみるも、見る影もないシックスパック。『ん~ん。ウ~ン!』と声は出れども

身体が起き上がらない。慢性腰痛になってから、腹筋運動は怖くて一度もやったことが

なかった。ガ~~ン!ショック!奥様たちには散々笑われた。








そうこうしているうちに東屋の下の湿原で写真を撮っている人の姿が見えた。

その人が構えたカメラ前には白い小さな花が咲いている。『あっ、サギソウだ!』

コーヒーを飲み終え東屋から下の湿原に降りてみると、湿原の際のあちらこちらに

サギソウが咲いていた。名前の通り確かにサギが羽を広げたような可愛らしい花びらだ。









サギソウを一通り観察した後、湿原の北端の駐車場へと向かう。この黒沢湿原は標高

550mほどに位置し、北・東・西は標高600mほどの山に囲まれている。

南北2kmの長さで、幅は100~300m程の湿原で、昭和40年に湿原植物群落が

徳島県の天然記念物に指定され、環境省の国の重要湿地500にも選定されている。

サギソウを始めとする植物だけでなく、貴重な水中生物やトンボも数多く生息している。

指定から50年が過ぎ、ヨシやススキの侵入と乾燥化、オオミズコケの堆積などで荒廃が

進んでいるが、徳島県RDB掲載種(レッド・データー・ブック)は50種類を超え、

里ではほとんど見ることのできなくなったドジョウやメダカが池に生息するなど、

多彩な生き物のすみかとなっている。










北端の駐車場から今度は湿原の西側の遊歩道へと歩いて行く。ここからは木道が続いている。

ロープで囲われた場所にはサギソウが咲いている。

スケールこそ違えど、四国の尾瀬と言われる所以はこの木道と湿原の景色にあるのだろう。

木道の脇には様々な小さな草花が咲いている。




















木道は経年のせいで所々で踏み板が痛んでいて、気を付けないと踏み抜きそうになる

ヶ所がある。後ろから来る奥様たちは度々立ち止まっては何やら写真を撮っている。














たびの尻滝からぐるっと一周してコーヒータイムも入れると、2時間弱かけて戻って来た。

あとは遊歩道を下って行くだけだ。前を行く奥様たちは相変わらず世間話に花を咲かせている。











展望台の手前では、往路では気が付かなかったが、山側の斜面には段々に石積みが残っている。

この辺りまで集落の畑があったのだろうか?













たびの尻滝からは40分弱ほどで宮石の集落が見えてきた。駐車場に着いた時には、また

たっぷりと汗を掻いてシャツも汗でびっしょり。しらさぎ荘の建屋の陰でシャツを脱ぎ、

ズボンの下のタイツも脱ぐと随分とスッキリとした。

今日本来は歩く予定だった奥二重かずら橋から三嶺は16km、10時間ほどのコースタイム。

今までで最長に近い距離と時間に、少し二の足を踏んでいる。かずら橋を7時にスタートしても

名頃登山口に降りるのは17時。日増しに日中の時間が短くなっているのを気にしながら。

一番の問題は朝起きられないあっちゃんが、果たして名頃に6時30分にたどり着けるのか?

歩行距離や行動時間以上に問題なのだ。出来れば今年中には完歩したい『線で繋ぐ~』。

さぁ、そろそろ気合を入れていかなければ・・・・!!


着替えを済ませて楽しみにしていたランチ。あっちゃんがお蕎麦が食べたいと言うので、

本人がチェックしていた蕎麦屋へ。だが向かう途中でそのお店も週末のみの営業と判り、

仕方がないので国道32号線沿いの“あめご亭”で祖谷そばを頂いてみる。つなぎを使って

いない祖谷そばは切れ切れで、特にこのお店は長くても5センチもないくらいに短い。

私は天ぷらそば。ルリちゃんはざるそば。そしてあっちゃんはかけそばの大。

少し甘めの出汁で美味しくいただいた。店を出て直ぐ横のお店で私がソフトクリームを

注文していると、その横であっちゃんがたこ焼きを注文した。痩せた体のどこに入って

いくのだろうか。店内で食べていると店のおじさんは色々と気を利かせてくれた。

特別愛想が良いというわけではないが、さきほどのあめご亭の不愛想な女性店員と

比べると、随分と親切に感じてしまった。

甘いものは別腹とよく言うが、ルリちゃんの大判焼き、私のソフトクリームまでは

理解ができるが、かけそばの大を食べた後にたこ焼きとは・・・・・?これで太らないのが

不思議なあっちゃん。私のお腹の脂肪を是非分けてあげたい!










今日のトラック




『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 綱附森北~天狗峠

2022年08月11日 | 四国の山
先週の綱附森。笹の勢いが一番ある時期に歩いたせいか、足元の見えない笹道に

体力を消耗して、距離や標高差の割には疲労度“大”だった。帰宅後FBに写真をアップ

したら、流れ星さんから『ダニは大丈夫でしたか?』とコメントを頂いた。そういえば

昨年も岩黒山の笹海をよじ登った時も、帰ってからダニは?と気が付いた。笹の中を

この時期に歩くのに、少し不用意だったと反省。ダニは大丈夫だったが、駐車場で

アブの集中砲火を浴びて、帰宅後数日間は刺されたほっぺたのかゆみが取れなかった。

登山のルートや時間ばかりに気が入って、他にも色々とあるリスクに対して準備を

怠らないようにしなければと思ったばかりなのに、今週も・・・・・・?。


今日は先週歩いた綱附森の北、1552mのピークと天狗峠を繋ぐ計画。距離にして

2.7kmを繋ぐために、西山登山口から天狗峠まで登り、地蔵の頭を通って、一旦

下って、また折り返して天狗峠へと登らなければならない。笹は綱附森ほどではない

ようだが、地蔵の頭からの下りと登りが、さてさてどうなるか・・・・?


自宅を出て、貞光国道438号線を南下。いつもは見ノ越に向かって車を走らせるが

途中から菅生の標識に沿って小島峠へと向かう。途中で時間通行止めのヶ所があったが

幸い今日は解除されていた。菅生の標識を右折してから約1時間強で西山林道天狗塚

登山口に到着した。西山林道もコンクリートの継ぎ目に雑草が生え、途中落石があったりで

スピードが出せず、いやしの温泉郷からも意外と時間がかかった。

登山口には先行して一台の車が停まっていた。車を降りて準備をしていると、あっちゃん

ルリちゃんが反対の三嶺タクシー側から走って来た。


三人で準備をしていると県外ナンバーの車が一台やってきた。支度が終わり8時過ぎに

登山口の鉄製の階段を登って行く。登山口からしばらくは杉林の中の九十九折れの道。










右に左に折れながら登っているとそれ程には感じないが、実際横を見てみると結構な斜度だ。

相変わらず奥様たちはいいペースで登って行く。YAMAPのコースタイムでは第一ピーク

までが1時間10分になっているが、私の今までの記録では45分位でしたと言っているのに

一向に信じてもらえず、スマホを度々確認する奥様たち。










第一ピークが近づいてくると尾根の幅が広くなり、足元も柔らかい土で歩きやすくなる。

とうせんぼの木が目の前に現れると、第一ピークはすぐそこだ。








予想通り第一ピークには登山口から40分ほどで着いた。

『あら、ほんとだわ!』とあっちゃん。ここで水分補給と行動食を口にする。











第一ピークから少し下ると広い鞍部になる。ここからは稜線まで登り一辺倒。しばらくは

また九十九折れの道が続いて行く。木の根や石交じりの急登を登って行くと、足元に背の

低いミヤマクマザサが現れる。








しばらくすると樹林帯を抜けミヤマクマザサの中の掘れた道になる。振り返ると祖谷山系の

稜線が見えるが、少し雲がかかって霞んでいる。














横を見ると牛の背にも雲がかかっている。南側から雲が流れてきているように見える。

これだと天狗塚にもガスがかかっているだろうな~?







笹原の中にコメツツジが現れると稜線は近い。










登山口から約2時間で稜線に出た。前回WOC登山部で秋に来た時に稜線は霧氷で、寒さに

凍えながら笹の陰で風が当たらないように昼食を摂った分岐の広場に着いた。

広場からひょいっとコメツツジの間を南に抜けると稜線の小さなケルンのある広場。

その稜線に立った途端に南から冷たい風が吹きあがって来た。たっぷりと汗をかいた

身体はすぐに汗が冷えて、奥様たちが『寒い、寒い!』と声を上げる。記念撮影に

三脚を取り出そうすると『寒いから~』と奥様たちに言われて仕舞いこむ。










じっとしていられないので、三人で写真を撮る間もなく天狗峠へと歩いて行く。

天狗峠でルリちゃんが薄い上着を一枚取り出す。天狗峠は以前はイザリ峠と呼ばれていたが

不適切だと言う事で、平成11年からの国土地理院の地図では天狗峠となっている。
















四国で最も高位置にある天狗峠は,生活道よりも煙草や焼酎の闇ル-トとして,地元の

人々の記憶に残っている。天狗峠に立つ道標の綱附森と書かれた南に向かって灌木の中を

登って行くと地蔵の頭と書かれた道標のあるピークに立った。













地蔵の頭からは尾根を左に回り込むようにして下って行くと、ロープの掛った場所に出た。

途中からは四本近くロープがかかっているが、足元がぬかるんでいて滑りやすく、腕の力で

何とかずり落ちないようにして下って行く。











何十メートルあるだろうか、けっこう長く感じるロープ場のさらに先には、反対から

登ってくる人が地蔵の頭によく間違える偽ピークが見える。このピークに今度は岩場が

あるようだ。雲が次から次と流れて周りの景色を変えていく。







最初のロープ場が終わると尾根はテンニンソウの群生地になる。その群生地の先に

短いが二つ目のロープ場があり、ここには岩陰に小さなお花畑があった。


























地蔵の頭を下りきり次のピークに向かって歩いて行く。ピークを越えるとYAMAPで

よく見かけた岩場があった。ただ思ったより短い距離で、奥様たちも難なく下りて来た。










岩場を降りると痩せ尾根の白骨樹の横を抜ける。足元は笹に埋まっているが、先週の

綱附森では一歩一歩足を持ち上げないと前に進めなかったが、このミヤマクマザサは

背も低く、摺り足で歩いて行けるので随分と楽だ。









尾根は次第に広くなってきて、ブナやモミやトチの木の天然林の中の素敵な道が続いて行く。

















天狗峠から1時間20分で、堂床への分岐に着いた。コースタイムより少々遅れ気味。







分岐から前回折り返した1552mのピークまでは1km弱。そして折り返し地点で

前回はお昼ご飯にしたので、『今日も折り返し地点でお昼にしましょう!』と提案する。

距離からして12時前には付くだろうから丁度いい時間だろう。分岐からも

歩きやすい道が続いて行く。大きなキノコや広いヌタ場だろうか、池の様な水たまり、

そして時折姿を現す天狗塚を見ながら歩いて行く。













登山口から3時間50分で前回の折り返し地点に着いた。見覚えのあるモミの木の白骨樹の

横のモミの木の木陰で腰を降ろしてお昼ご飯にする。











お昼を食べ終えてお花摘みにあっちゃんが出かけた。その後1552mのピークから

天狗塚と牛の背の稜線を眺めて戻ってくる途中で『痛い!』とあっちゃんが叫んだ。

どうやら何かに太腿を刺されたようだが、払おうとした手も刺されたという。

刺されてしばらくは痛みが続いて様だが、痛みはまだ多少我慢すればいいけれど、

心配なのはアナフィラキシー。こんな山の中でアレルギー症状がでてしまったらと

考えると・・・・。自身は一度アナフィラキシーが出て、呼吸が苦しくなり、病院で

点滴を打った経験がある。ただその時は山の中ではなかったので、直ぐに車で病院に

連れて行ってもらえたので難を逃れることができた。




ピークから戻って折り返して歩いて行く。すると前を歩くあっちゃんがモゾモゾしている。

立ち止まって刺された太腿の辺りを触って見ると、『ズボンの中に何かいる!』と叫んだ。

ルリちゃんと二人で何やらゴゾゴゾ始めたらズボンとタイツの間からアブが出てきた。

犯人はこいつだった。そしてさっきのお花摘みの時にズボンの中に入ったようだ。私が

後ろに向いている間にルリちゃんが虫刺されの薬を塗って少し落ち着いた。










堂床の分岐から少し歩くと、いよいよ地蔵の頭への登り返しになる。

標高が上がってくると往路ではガスで見えなかった綱附森も見えてくる。東には

カヤハゲの左右に剣山と次郎笈が少しだけ頭を出している。










往路でルリちゃんがどんどん下って行きながら、『これまた登らんといかんのよね~』と

心配していた通り、登り返しの急登は続いて行く。息切れが酷い。








ニセ地蔵の頭の岩場を越えると、本物の地蔵の頭が目の前に姿を現した。奥様たちは

『ほらあそこにロープがあるのが見えるわ!』と言っているが、私には全く見えない。














右手に鹿避けのネットを見ながらテンニンソウの斜面を登ると、最後のロープ場。

足元はまだぬかるんでいるので、腕の力で登るしかない。左手に天狗塚が見えるが

その手前の斜面を見ると、やはりかなりの斜度なのが判る。ただ急な斜面は下るより

登る方が意外と簡単だ。ロープ場は思ったより短時間で登りきることができた。














ロープ場を登りきると木の枝に木の札が掛けられていたが、字が消えかかって見えない。

するとその木の札の後ろの岩の陰に小さなお地蔵さんが佇んでいた。

奉納地蔵と刻まれた無年紀の地蔵尊はが京柱峠の方角に向いて立っている。一説では

この地蔵尊は一揆の首謀者の一人ある円之助を供養するために立てられたといわれている。








地蔵の頭から天狗峠へと下って行く。天狗峠では往路では気づかなかったが、このところ

三嶺周辺で問題になっている落書きがここにも書いてあった。











天狗峠から稜線を歩き天狗塚への分岐まで戻ってくる。往路は寒さであまり余裕がなかったが

気温も上がり風も止んだのでゆっくりして三人で写真を撮ってみる。




朝は少し曇っていたが、北側には矢筈山・落合峠そして寒峰へと続く稜線が見える。

今日は登る余裕がないが、あっちゃんがとても気に入ったという天狗塚も、牛の背と

一緒に『またおいでよ!』と言っている。そしてここから見る地蔵の頭は、南側から

見る山容とは全く違う形に見える。










さぁ~それでは登山口へと降りて行こう。ミヤマクマザサとコメツツジノ間を歩いて行くと、

祖谷系の山々が目の前に広がっている。麓には落合集落がいつもと違う高さから見える。














正面に矢筈山。左手に見える牛の背もこれが最後の見納め。










モミやツガ、ダケカンバが混在する尾根の道を九十九折れに降りて行く。下りで膝が

心配だったあっちゃんが、『今日は痛み止めが効いているのか、スピードが

落ちずに降りられる』と、結構いい感じで下っている。











稜線から下り始めて40分弱で第一ピークを通過。思った以上に二人が早いので、付いて

行こうとスピードを上げて、濡れた岩に足を乗せてしまい滑って尻もちを付いた。










結局第一ピークからも30分ほどで登山口へと帰って来た。今日は岩場があるのが

分っていたので、グリップの効かないシリオPF302ではなく、以前に履いていた

PF46に履き替えてみた。ソールはすり減ってはいるが302よりも随分マシだった

ような気がする。比較的柔らかいソールの302より、少し硬めの46の方が長時間に

なると、足の裏の疲れ方も違うような気がした。いずれにしても靴紐をほどき熱を

帯びた足が解放される瞬間が好きだ。

今日は立ち寄れなかったが、あっちゃんがその形にとても気に入ったという天狗塚。

コメツツジが赤く染まる頃に天狗塚と牛の背の笹原を散歩に訪れてみたいと思う。











今日のトラック

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』矢筈峠~綱附森

2022年08月04日 | 四国の山
体調や天候の具合でなかなか進まなかった『線で繋ぐ~』を、おおよそ1ヶ月ぶりに

再開。土佐岩原駅から土佐矢筈山までが繋がっているので、今回は矢筈峠から綱附森

までを繋いできた。といっても前回土佐矢筈山を歩いた時、下見気分で山頂から矢筈峠

へと少し下ってみて折り返したので、折り返し地点から、矢筈峠までが実は繋がって

いない。その間1km弱だが、往復すると1時間程度。今回綱附森から往復して、余力

があれば繋げてみようと言う事にした。但し、今日は綱附森で往復したのでは、次の

天狗塚からの往復がかなり厳しくなるので、出来るだけ綱附森から先まで歩いて、次回

の天狗塚からの距離を短くしたい。そうなると土佐矢筈山へは厳しいかもしれない。


色々と考えながら取りあえずいつもの様に豊浜SAで奥様たちをピックアップ。南国IC

で高速を降り、土佐山田の市街地を抜けて195号線を東に走る。大栃の奥物部美術館

を左に折れ、さらに田中神社の手前で左下に降りて行く。そのまま直進すれば、光石

の道になる。県道49号線(大豊物部線)は笹川に沿って北へと続いて行く。道幅は

次第に狭くなり離合も難しい道になる。GooglMapに載っている八幡宮からはくねくね

道が8km以上続いて行く。案の定後ろの座席であっちゃんが口数が無くなり静かになって来た。

いつもの車酔い。『窓を開けてもいいですか?』と言うので窓を全開にして走る。


矢筈峠には既に高知ナンバーの車が2台停まっていた。準備をしてトイレを済まして

9時過ぎにスタートする。矢筈峠からは東笹林道を登山口に向かって歩いて行く。











林道にゲートがかかり通行止めになった場所の左手に登山口があった。取付きには

高知県側の登山口で時々見かける『熊注意!』の看板。










登山道は登山口から直ぐに樹林帯の中の急登で始まる。短い時間だがその急登をやり過ごすと

小さな水の流れの沢を渡り、しばらくは樹林帯の中の道。










その樹林帯を抜けると笹の色が濃くなってきた。朝露に濡れた笹にズボンの裾は直ぐに

濡れて来た。笹で見えない足元はまだぬかるんでいて、『これは帰りの下りで足を滑らせ

るな~』などと思いながら、その濡れた笹を掴んで登って行く。振り返るとドーム型の

土佐矢筈山の山頂が見えた。








取付きから地形図に載っている最初の小ピークまで登ると。1421mに続く尾根道になる。

笹の背も低く、笹の小道と言った感じだ。その小道に沿ってブナが点在し、所々で見ごたえ

のあるブナの巨木が現れる。











前を歩く奥様たちは相変わらず元気だ。遅れて来るへっぽこリーダーを時々待ってくれている。

成長する途中で、そのまま上に延びると枝葉がぶつかってしまうと気づいたのか、途中から

お互いに避け合って伸びているブナの木!







最初の小ピークから南東に続いていた尾根は、ブナの道が終わると1421mに向かって

北東へと向きを変える。笹の小道から次第に笹の背丈が高くなってくる。










1421mの標高点の手前から笹は身長近くの高さになる。さすがの奥様たちのスピードも

落ちてくる。足元の踏み跡らしい道筋を確認しながら、笹を掻き分け掻き分け進んで行く。








樹林帯の中から目の前が開けると、正面にで~んと横たわった綱附森が見えた。

『ひょっとしてあれが綱附森?』とあっちゃん。たしかに綱附森がまだ随分と遠くに見える。








愚痴を言っても仕方がない。今日は綱附森からまだ先が折り返し地点。先を急いで歩いて行く。










この辺りは笹の背は低く。まだまだ歩きやすい。

少しづつだが綱附森も近づいて来ている。







小さなピークを2回程過ぎると前方にコキアのようなもっこりとした植物が点在していた。

下って近づいて行くと、それはコキアではなくただの萱だった。秋になればコキアの

広場から、ススキの広場になるのだろう。










笹の道は萱交じりの道になる。足元が見えない場所で段差などがあると、とっさに

脇の笹を掴もうとするが、それが萱だったりするのと手のひらを切ったりする。

1460mの標高点の手前からはそんな感じで笹の色が濃くなってくる。

萱原の向こうにはゆったりとした牛の背と三角形の天狗塚が見える。










1460mの標高点を過ぎると、綱附森山頂への最後の登りになる。途中で男性4人の

グループとすれ違う。『どこまで行くの?』と聞かれ『今日は綱附森よりさらに先まで

予定しています!』と言うと、『元気やな~我々は山頂までで、もうへとへとや~』と

笑って答えてくれた。














山頂が近づいてくるにつれ、笹の勢いはさらに増してくる。笹の茎は斜面の下に向かって

伸びているので、下りはそのまま足で踏みつければいいのだけれど、登りの時は足を持ち

あげないと、茎に絡まってしまう。一歩一歩踏み出すたびに茎や葉の負荷がかかりながら

足を持ち上げるので必要以上に体力を消耗する。振り返ると土佐矢筈山に向かって、歩いて

来た稜線が続いている。











山頂直下まで来ると左手正面に天狗塚。そしてそこから東に三嶺への稜線が続いている。

天狗塚の南斜面の土砂崩れで痛んだ山肌が痛々しい。







山頂手前では笹の下の踏み跡も判らない。ただただ笹の中、空に向かって登って行く。




駐車場から2時間45分。ほぼコースタイムだったが、笹原歩きでかなり疲れた。

山頂に着いた途端にザックを降ろして腰を降ろした。そして熱中症対策ゼリーを

直ぐに口に入れる。歩き始めてからずっと額からの汗は流れぱなっしだ。

『お昼ご飯はどこで?』といつものように聞いてくるあっちゃん。ルリちゃんと私が

同時に『折り返しの地点で!』と答えると、『え~~!』とあっちゃん。

山頂からは360度の眺望。前回の登った中津山から始まり祖谷系の山々。

そして高知でもっとも厳しいと言われる石立山。更には梶が森も見える。
















今日の折り返し地点は本来なら堂床の分岐まで行けたら、次の天狗塚からの往復が楽になるが

1552mの標高点辺りでと考えていた。それでも今日のこの天気と笹の勢いからして、結構

時間がかかるかもしれない。山頂で10分ほど休憩した後、1552mに向かって下って行く。

山頂からは正面に三嶺を見ながら稜線は続いている。











相変わらず笹の勢いは強く、踏み跡はほとんど分からない。こうなってくると両手の

ストックは邪魔になる。ストック二つを片手に持ちながら、笹を握って下って行く。











祖谷側からだと落合峠辺りからこの稜線は眺めることができるが、やはりいつもと違う

高知側から見る山々は最高の景色だ。進んで行くたびに正面に見える山並みが変わって行く。

振り返ると綱附森が『また戻っておいでよ!』と手招きしているが、あの笹の海の斜面を

登り返すと思うと、少し気分が落ち込む。


右端の白髪山から三嶺への稜線


左端の天狗塚から西熊山への稜線






1552mの標高点との間にある小ピークあたりで、急に体が重くなってきた。今まで

水分は取って来たので、完全にシャリバテだ。前を歩く奥様たちに『ここらへんで引き返し

ませんか!』と、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。そして振り返るとまた登り返す

綱附森は益々遠くなっていく。『ふう~!』







次に見える小高い場所が1552mか?。あと少し我慢をして歩いて行く。





奥様たちは脇目もふらずどんどん先を行く。『お~い!そろそろ折返し地点やで!』と

大きな声で叫ぶとやっと立ち止まった。白骨樹の先の木陰でやっとお昼にする。

お腹が空き過ぎて逆にもう食欲が出ない。コンビニで買った冷麺を残してしまい、

いつもは食べないドライフルーツをルリちゃんに貰って口にする。ほどよい甘さが

丁度いい。やはり綱附森の山頂辺りで行動食を食べるべきだったが、その行動食も

今日は持ってくるのを忘れていた。(反省)














30分ほどで昼食を済ませて折り返して行く。次回、天狗塚からの折り返しの目印は

立ち枯れたモミの木。地蔵の頭からの下りと登り返しが気になるが、険しい上り下りと

今日の様な笹原地獄とどっちがしんどいだろうか?







綱附森との中間地点の小ピークではルリちゃんは尾根筋を、あっちゃんは小ピークを巻く

ようにして続いている踏み跡を辿って行っている。当然私は楽そうな巻き道のあっちゃんに

付いて行く。小ピークを巻いて綱附森の大きな図体が姿を現した。尾根を歩いてきている

はずのルリちゃんの姿が見えない。呼べど叫べど返事がない。あっちゃんが電話をかけると

何とか電波が届いて話が出来て、逆に姿が見えない私たちを山頂で探していたようだ。








山頂からの尾根の肩にある樹林帯を抜けると、もう日差しを遮るのもが無い。













山頂が近づいてくるにつれ、笹の勢いは益々強くなってくる。笹の斜面に走る筋は、

もう踏み跡なのか獣道なのかは分からない。足元が全く見えない状態で笹を掴んで登って行く。

笹を掻き分ける度に、とても小さな虫と白い埃が舞い上がる。

足を持ち上げて進むが笹の茎に絡まって度々転びそうになる。さすがのあっちゃんんも立ち

止まって『ふう~~』とため息。














それにしてもルリちゃんは馬力がある。止まる事無く黙々と登って行く。一番斜度のある

場所を乗越すと綱附森の山頂標が見えた。








山頂に着いてたっぷりと水分補給をする。熱中症対策のゼリーと500mlのスポーツ飲料を

もう3本飲んでいる。いつもならこの3本だけしか持ってこないが、今日は土佐山田の

コンビニでもう1本買い足したのが良かった。後は下り、この1本でなんとかもつだろう。

矢筈峠への稜線には南側からガスが登り始めた。このままガスがかかって日差しを遮って

くれればと思いながら下って行く。








山頂直下の背の高い笹道を抜けると笹の背は低くなり、少しは歩きやすくなる。

今度はルリちゃんが足が攣りそうになり、漢方薬を飲む。その内に私もいつもの左足の

太腿と指先が怪しくなってきた。











コキヤもどきの萱原を抜け、1421mの標高点辺りからは道にもガスがかかり始めた。










笹に埋もれた最後の急坂では往路で思っていた通り、笹の下のぬかるんだ斜面で尻もちを付いた。

その急坂を下りきると樹林帯の暗がりの先に、登山口の林道が見えてホッとする。

登山口から駐車場までの東笹林道の先には土佐矢筈山が顔を覗かせていた。

今日の歩行距離は沿面距離で13km。標高差も950m程度で、距離も標高差もさほどでも

なかったのに、とにかく足元の見えない笹の登りで足を持ち上げながら歩くのが堪えた。

もうすぐ立秋とはいえ、まだまだ暑さはこれから本番の様子。熱中症にだけは十分に気を付けて

いかなければ。必要以上に飲み物を持って行くのも忘れずにと思った。








今日のトラック

WOC登山部第二班 中津山

2022年07月21日 | 四国の山


先週もそうだったが、週の半ばの天気予報がイマイチ。

今週はあっちゃんの都合で水曜日ではなく、木曜日に山行を予定していたが、

案の定不安定な予報だったので、奥様たちには計画していた『線で繋ぐ~』の

綱附森は順延すると連絡をした。『線で繋ぐ石鎚山~剣山』もせっかく吉野川を

渡って、いよいよ剣山系に入った途端に、空模様のお陰で、同じように停滞している。

すると水曜日の天気が急に回復の予想になった。イマイチの天気の木曜日を

どう過ごそうかと思っていたが、よくよく考えてみると、水曜日の都合が悪いのは

あっちゃんだけ・・・・・。それなら天気が回復する水曜日に出かければいいじゃん。


水曜日はWOC登山部は笹倉湿原を予定している。そして第二班は中津山に出かけると

いう情報を入手した。国見山寒峰からもピラミダルな山容は直ぐに同定できる中津山

だが、意外と今まで一度も登った事が無い。早速企画者のセニョさん山さん

『同行させてください!』とメッセージを入れた。そして先週二人だけで抜け駆けして

伊予富士に出かけてきた奥様たちには『水曜日に抜け駆けして歩いてきます!』と

メッセージを送った。久しぶりのセニョさんと山さんとの山歩き。親父三人でのんびり

歩くのもいいな~と思っていたら。前日の夜に急にあっちゃんから『どこに登るの?』、

『誰と登るの?』『何時にスタート?』などと矢継ぎ早に質問のメッセージが来た。

仕方がないので内容を説明すると、奥様たちも参加したいと言う事になった。

『あれ?用事があったはずでは』と思ったが、その旨を山さんに伝えると、

『ウサギさんチームの落ちこぼれ(私の事)とだったら一緒に歩けるかなと

思ったのに、正式なウサギさんチームが来るん?』とメッセージが送られてきた。

以前からペースの違う我々をウサギさんチーム。自分たちをカメさんチームと

言っていた山さん。後から聞いた話だが、その後ザックからコンロと三脚を取り出して、

ザックの軽量化を図ったそうだ・・・・!


道の駅たからだの里で待ち合わせの後、二台で登山口となる西祖谷の田ノ内の集落へと

向かう。セニョさんと山さんは10年前に一度中津山には登った事があるそうだが、

登山口までの道は全く覚えていない。国道32号線から田ノ内への道は若宮谷ダム

過ぎると九十九折れの離合は難しい幅の狭い道になり、最終的に突き当りの転回広場に

車を停めた。転回広場といってもそれほど余裕はなく、山さんが奥にある民家を訪ねて

邪魔にならないように停めさせてもらうとことわりを入れてくれた。







転回広場から斜め上に林道が続いているが、その入り口に朽ちた道標があり、そこが

中津山への取付きになる。今回もウサギさんチームのルリちゃんが先頭で登山開始!




登山口からしばらくは杉林の中の急登が続いて行く。前を歩くあっちゃん。膝の調子が

悪く病院に通っていたが、その病院では無下に『登山は禁止!』と言われていたそうだ。

リハビリも電気治療だけと言うので『病院を変えてみたら!』と言ったら、さっそく別の

病院で、色々と詳しく説明してくれ、膝の機能の説明や日ごろの食事の採り方など、丁寧

だったと喜んで話をしながら登っている。







掘割になった道には杉の枝や葉が降り積もり歩きづらく、その横の土手を歩いて行く。




道は地形図の破線に乗っかると右に折れて続いて行く。少し後ろと間が開いたので

水分補給をしながら待っていると、最後に遅れて登って来た山さんが『ウサギさん

チームとカメさん、私はカタツムリチームにしとくわ!』と。














それまで尾根に向かって斜めに続いていた道が、992mの三角点の横で尾根に乗っかる。

地形図ではここから尾根に沿って破線が続いているが、YAMAPのルート地図では

尾根の東側をトラバースする形で続いている。その地形図で尾根の西側は等高線が

密になって急峻な谷になっているが、尾根から東は比較的緩やかな等高線で、道も

同じように緩やかな登りで歩きやすい。トラバース道が尾根に向かって登り始めると

次第に傾斜は急になってくる。













その内に再び尾根の破線に合流すると、尾根の幅も狭まり、今までの人工林が混ざった

道から自然林だけの道になり、そして急登になる。

途中で石積みの残る祠の跡だろうか。尾根道には足元に笹が現れ始め、ブナの木が

点在する雰囲気の良い道になる。ここからの急登は昨日の雨で少し足元が滑る。

帰りの下りが厄介だなと思いながら、ゼイゼイと息を切らせて登って行く。



















笹の色が濃くなってくると山頂は近い。山頂手前の尾根道も自然林の緑が眩しい。








その気持ちのいい尾根道を進んで行くと赤い屋根が見えた。中津山大権現本堂の

横からは、東に椀山や烏帽子山?が見えた。本殿の南のベンチの横からは、天狗塚

牛の背、そして土佐矢筈山が見える。そして南には梶が森が同定できる。










ベンチにザックを置いて三角点まで歩いてみる。一等三角点 中津山 1446.6m

久しぶりに見るセニョさんの三角点バンザイ!




ネットや県別ガイドでは度々目にしていた弘法大師像と黄金の池。

取りあえずベンチまで戻り記念撮影の後、お昼ご飯にする。














食事をしながら南に見える山々を説明していると、ふと横を見ると山さんが虫よけ

ネットの帽子を被って『ご飯が食べにくい!』と言っている。そりゃそうだろう!











食事を終えて山頂から少し下がった所にある中津神社まで歩いてみる。林道を西に歩き

踏み跡を辿って南に下って行くと古い木の鳥居の前に出た。鳥居からは足元の草が

きれいに刈られていて、着いた神社では明後日の夏祭りを前に掃除をしている地元の

人達の姿があった。そのうちの一人のおじいさんが色々と話しかけてくれ、社殿の脇の

鎖を張った断崖の先まで手招きしてくれた。











恐る恐る鎖の先まで一緒に行くと、西に大きな山容の山が。『あれが国見山や』と

おじいさんが教えてくれた。断崖の際で下腹部がスウスウしながら神社の前まで

戻って行くと。そのおじいさんが『少し下に盤ノ岩があるから是非行ってごらん!』と

勧めてくれた。そういえばREIKOさんも盤ノ岩まで下って行っていたのを思い出した。




さっそく行ってみようと思っていたら、あっちゃんに急な用事の電話がかかってきて

奥様たちは戻って行くことに。仕方がないので男性陣もこのまま山頂まで戻って

下山する事にした。山頂からしばらくは快適な道だったが、往路での急登に差し掛かると

直ぐにスピードが落ちた。男三人が度々足を滑らせ『オッ!』とか『ウワ!』とか短く

声をあげながら下って行く。











崩落地の横を過ぎ、尾根道の分岐までくるとセニョさんが、往路と違う尾根の破線を

辿ってみたいと言い出した。分岐から山さんと別れて、破線を二人で下ってみる。








地形図では裾野に向かって広がる尾根。こんな尾根が一番迷いやすい。







その広い尾根の幅が狭まってくると、急な下りが何ヵ所かあった。







二度ほど破線から外れる場面があったが、その都度YAMAPを見ながら修正していく。

右側が急峻な谷になっているので、その際に沿って歩けばいいのだけれど、間違えるのは

やはり尾根が広がっている場所だった。







自然林から人工林の杉林になってくると、登山道との合流地点が近づいていた。

枝打ちされて手入れされている杉林は、林床まで陽の光が届いて、歩いていても

気持ちがいい。










往路では気が付かなかった登山道と破線の合流地点の少し奥にある三角点に寄ってみる。

杉林の中にコンクリート製の三角点がぽっんとあった。四等三角点 田ノ内 992.7m 







合流地点からは杉林の中の道。倒木を跨いだり、潜ったり居ながら下って行く。

道に積もった杉の枝は曲がって跳ねていて、度々足が引っ掛かって歩きづらい。










山頂から1時間20分ほどで登山口に降りて来た。先に下った奥様たちの車はなく、

後ろのカメさんとカタツムリさんが降りてくる間に、ズボンの下に着ていた

タイツを脱ぎ、靴下も脱ぎサンダルに履き替えると熱を帯びていた下半身が

少し落ち着いた。そうこうしている内に二人が降りて来た。山さんが

今日の行き先を以前に一緒に歩いたWOC登山部の麺法師さんに話をすると、

『中津山なら楽勝やねと言ったけど、全然楽勝やなかったやんか!』とぼやいた。




急用で慌てて帰ったあっちゃんが、国道に出るまでの集落の狭い道で何かあったら

いけないのでと、盤ノ岩にも寄らずに下りて来た。車中で山さんが『焦って帰ったら

いかんよ』と話をしたと言って心配していたが、集合したたからだの里に着くと、

ルリちゃんの車がまだ停まっていた。『先に帰ったはずやのに、途中で何かあったん

やろか?』とまた別の心配をしてルリちゃんに電話をかけると、途中の大歩危の

コンビニでゆっくりしていたと言う。

『え~~心配して損したわ!』と山さん。しばらくして遅れてニコニコ顔の奥様たちが

帰って来た。色々と気を揉んで『お疲れでしたね・・・・・山さん!』



今日のトラック

線で繋ぐはお休みしてのWOC登山部

2022年07月14日 | 四国の山



今週は週間予報では雨マーク。線で繋ぐは綱附森矢筈峠から歩く予定だったが、

早々に奥様たちに中止を連絡して自主トレのつもりでいたが、直前になって天気予報は

回復傾向に。それなら計画通りにとも思ったが、前日の雨で綱附森の笹原は恐らく

まだ濡れているだろうからと思いとどまり、足元のしっかりしたどこかの山を歩こうと

考えた。『そういえばWOC登山部が剣山を計画していた』と思い、久しぶりにメンバーの

お顔を拝顔するのもいいかなと、剣山に目的地を変更。ただ見ノ越からは5月に

奥様たちと登ったばかりだったので、昨年初めて歩いた富士の池から登って、山頂で

皆さんにお会いするという計画にした。その内容を奥様たちに前日に連絡すると、

ルリちゃんが歩いた事が無いので歩きたいと返事が返って来た。


穴吹町でルリちゃんと待ち合わせ、そこから乗り合せて国道492号線を登山口となる

垢離取(コリトリ)を目指す。木屋平の川井までは道幅が狭くなった場所があるが、

対向車もなくスムーズに走れた。川井からは道幅も広く二車線道路が続いている。

途中、穴吹川の川向でピョンピョンと跳ねる姿が見えた。こちらが車を止めると

その二匹も立ち止まってこちらを見ている。親子だろうか、兄弟だろうか?




穴吹からはおおよそ1時間でコリトリ橋に着いた。ここから国道を離れて、登山口

となる富士の池剣山本宮への道を走って行く。路面は確かにコンクリート道だが、

整備されなくなった道は荒れていて、小さな落石が至る所であり、その石を避け

ながら走って行く。樹林帯の中から視界が開け明るい場所に出ると、見覚えのある

赤錆びた鉄門に着いた。




空は薄曇り。昨年も同じような空模様だったが、一ノ森を過ぎた辺りから雨になった。

今日は回復するという天気予報を信じよう。




鉄門を潜り龍光寺富士の池本坊への石段を登って行く。石段は苔むしていて、

杉の落ち葉が降り積もっていた。住職のいなくなった?境内は荒れて久しい。

かつて剣山への表参道として賑わい、前泊の宿坊として大勢の信者が泊まったと

いう面影は今はもうない。










本堂の脇を抜け左に出ると、昭和51年に豪雨災害をもたらした切り立った急峻な

富士の池谷が見える。本堂の裏手から斜面を登って行くと、富士の池剣山本宮。

この剣山本宮も災害で壊れて今は仮宮があるだけになっている。











その仮宮の後ろの注連縄を張られた場所が登山口となる。九十九折れの急登をを登って行くと

直ぐに林道に出る。そして向かいの取付きからまた登山道へと登って行く。














自然林の中、カラッとした心地よい風が吹き抜けていく。但し額の汗は途切れることなく

流れて行く。禁煙をして約半年また体重が1kg増えた。息切れは随分とマシになったが

4kgも体重が増えた分体が重い。左の谷側は杉林、右手は自然林の道が続いて行く。







いつもは先行して歩くルリちゃんが、今日は後ろから付いてきている。ルリちゃんが

前を歩くとどんどん離されていくが、今日は私が前でスピードが上がらず、まるで

ノロノロ運転をする老人の後ろで閊えてクラクションを鳴らしている状態だろうか?

龍光寺と書かれた小さな札が木の幹に掛けられている辺りから、右手にロープが

張られている。道はそれほど急登でもないので、植生保護のためだろうか?







スタートから45分ほどで追分に着いた。行場への道は相変わらず通行止めに

なっている。木の枝の間から山頂ヒュッテが見える。







ここまでも立派な大木が道の途中のあちこちに見られたが、この辺りもブナを

はじめとする巨木が目につく。







ダケカンバの林を抜けると右手に開けた見晴らしの良い場所に出た。正面には

赤帽子山、その少し左には丸笹山も見える。







足元に笹が現れると稜線に近づいて来たのが判る。倒木を潜り、大岩の横を過ぎると

朽ちかけた肉渕峠の道標。ここからが一の森から東の山々への

入り口となる。『線で繋ぐ石鎚山~剣山』が完歩出来れば、次の課題となるのは、

石鎚山から西の皿ケ嶺へのルートと、ここから東の紀伊水道までのルートとなる。

ただしここから東は日帰りではなかなか難しい区間になるので、じっくりと研究

していかなくては・・・・。










肉渕峠への分岐を過ぎると樹林帯から笹原の道になってくる。スタート時点では

ガスがかかっていたが、目の前には青空が広がっていた。先ほど追分で見えた

山頂ヒュッテもはっきりと見える。











道が遮るもののない笹原になると白骨樹が目立ち始める。その白骨樹の横に

槍戸山への稜線が続いている。振り返ると穴吹川に沿って木屋平の民家が

点在しているのが見える。そしてこの周辺では一番同定しやすい、山頂の雨量観測所の

レーダーが建つ高城山も見えた。











この季節になると笹の緑も濃く、葉のない白い白骨樹とのコントラストが美しい。

少し前から足が攣り始めたので、先頭をルリちゃんに代わってもらって、さらに

ペースを落として歩いて行く。ここまで来ると一の森ヒュッテはもう目の前。











スタートから1時間50分で一の森ヒュッテに着いた。着いてすぐにベンチに腰かけ

水分補給。途中から攣り始めた足は前回と同じように太腿そして臀部。水分が

足らなくなってなのか、疲労からなのか、何だが毎回癖になってきたように思う。

ルリちゃんからコムレケアとお菓子のお裾分け。







一息ついたら剣山めざして出発。一の森山頂からの尾根を下って行くと、行場への

分岐。一つ目のピークの二の森の横から次郎笈が顔を出す。

笈とは山伏が背負う箱の事。しかし以前は太郎笈と呼ばれていた剣山も、次郎笈も

山容は箱の形には見えない。太郎と次郎という名前の二人の修験者が「笈(おいずる)」

と呼ばれる背負子を担ぎ、それぞれの山へ分かれて登ったことに由来するという説があるそうだ。

シコクシラベの林を抜け石灰岩の白い大岩の横を登ると二の森。














二の森を過ぎると剣山山頂手前のピークの経塚森への道。道の脇には白骨樹。

今回も是非尋ねてみたいと思っている次郎笈の肩にある鬼人の岩屋を見当を

つけてズームアップしてみる。果たしてどの辺りに鬼人の岩屋はあるのだろうか?










剣山から次郎笈への稜線歩きも素晴らしいが、一の森から剣山へのこの間の

稜線歩きも決してひけ劣らない。緩やかな道を笹原と白い白骨樹に濃い緑の

シコクシラベ、そして近づいてくる剣山や次郎笈を眺めながらの道は申し分ない。










山頂の東のテラスへの最後の登り。階段状になっている道だが、考えることは皆

同じなようで、道の脇の笹の中に踏み跡が出来ている。いつもながらこの登りは

しんどい。大きく呼吸をしながら一歩一歩登って行く。前を行くルリちゃんが

空に向かって登っていっているように見える。







珍しく東のテラスには一人もいなかった。山頂トイレの向こうに見える山頂にも

人影はほとんど見えない。今日はいつになく人が少ないようだ。WOC登山部の

メンバーは今日は8人。山頂近くにその人数の団体は見えないので、まだ到着

していないようだ。







東のテラスから山頂に向かう。途中でトイレをお借りして山頂まで歩いて行くと

剣山本宮山頂大祭を前に注連縄が新しく掛け替えられていた。その横のベンチで

お昼ご飯を食べている三人。どこかで見た事があると思ったらWOC登山部の

メンバーだった。『どうしたん三人だけで?』『他の人たちは?』と聞くと

『リフトで先に上がって来た』と言う。『え~ズル組やんか~!』と。

ただWOC登山部も当初は登山道の存在を知らずに、往復リフトで使っていた

そうなので、片道だけならまだかわいいほうか~!

その三人とルリちゃんが話し込んでいる内に、私もベンチに腰掛けお昼にする。

ゆったりと横たわる次郎笈をおかずに、ぶっけけうどんをすすっていると

後続のメンバーも到着した。










西は晴天の下、三嶺をはじめ本来なら今日歩いていただろう綱附森も見えるが

東の一の森への稜線にはガスが登ってきていた。







全員がお昼ご飯を食べ終わるのを待って次郎笈をバックに記念撮影。

今日のメンバーは実は第一班で、第二班は次郎笈へ登って奥槍戸の家にランチを

食べに行っている。なのでルリちゃんと私は第三班。そして仕事終わりに単独で

もう一人が遅れて登ってきているという。そうすると総勢で16名が四つに分かれて

この剣山周辺に今日は集合したことになる。




写真を撮った後は第一班は二度見展望所・大劔神社経由で下山するのでここでお別れ。

一の森への道はやはり稜線の北側から次々とガスが登ってきていた。展望はガスで

見えなくなるが、逆に日差しを遮ってくれて涼しくて丁度いい。










劔山本宮ニの森神社の横を通り一の森ヒュッテへと歩いて行く。

笹原の斜面に並んだシコクシラベの濃い緑が映える。ヒュッテ手前の今日最後の登り。










ヒュッテからの笹原は真っ白な世界。山の主に向かって見上げて何やら話し込んで

いるように見えるルリちゃん。







あとは龍光寺の鉄門まで下り一辺倒。登りに弱い私にとっては楽な下りだが、

下りぱなしになるとさすがに靴の中の足の裏とか指先が痛んでくる。







後ろに反っているように見える巨木。まるで体の硬い私の様だ。










道は明瞭だが、大小の石がゴロゴロしている道は疲れる。先を行くルリちゃんは

脇目もふらずに快調に飛ばして行く。昨日あっちゃんと伊予富士に出かけてきたのに

本当に元気な奥様だ。












右手が杉林になると登山口は近いのでホッとする。しばらくするとその杉林の

下に林道が見え始め、さらにホッとする。










林道からは九十九折れの急坂を下って行くと、直ぐに剣山本宮に着いた。崩れた石段を

降り、崩れた斜面の脇を抜けると龍光寺に着いた。








山頂でWOCのメンバーと別れてから約2時間。けっこう早いペースで到着した。








登山者で賑わう見ノ越からの道に比べて、ほとんど人と会う事のない富士の池からの

かつての表参道。時代の流れで見ノ越への道が出き、リフトができると人の流れは、

もう戻ることはなかった。修験者や信者、そして登山者で賑わった参道は、今は鹿の

鳴き声と鳥の囀りだけが聞こえる、巨木と豊かな自然の残る道となった。





今日のトラック

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』京柱峠~土佐岩原駅

2022年06月30日 | 四国の山

線で繋ぐ石鎚山~剣山も前回の黒滝山土佐岩原駅までを歩いて

いよいよ吉野川を越えられた。(カガマシ山野鹿池山が未だですが。)

今回はその続きとなる京柱峠までを繋ぐ区間だが、当初は岩原駅からと

京柱峠からそれぞれから二回に分けて、三方山までのピストンを考えていたが、

前回の黒滝山でのデポ作戦に味を占めて、今回もデポ作戦を決行。先ずは岩原駅に

集合し1台をデポ。そしてもう一台に乗り込んで京柱峠まで移動しスタート地点とした。

これなら二回の所を一回で歩け、しかも京柱峠からスタートすれば、登りは累積

約650m、そして下りは1,550mと前回同様ほどんど下りのコースとなる。

前回は結構下りのコンクリート道が長くて、奥様たちが足を痛めたが、今回は

最後の岩原の集落辺りがアスファルト道になるだけで、ほぼ山道なので問題はない。

YAMAPで検索して見ると、少しペースの早い人で岩原駅から登って5時間30分。

我々のペースが少し遅いとしても下りなら同じ5時間30分位で歩けるかなと予想。

二週間ぶりの山歩きでも楽勝・楽勝と思っていたのが大きな間違いだった。


京柱峠はおじいさんの居た茶店がなくなって久しいが、その横のベンチに腰掛け

支度をする。僅か二週間で梅雨明けした空はどこまでも青く、標高が上がって

気温が下がった峠を気持ち良く9時前にスタートする。




峠からは北東から東に掛けて、寒峰~矢筈山そして天狗塚と牛の背まで見渡せる。











峠から北に国道を少し進んだ場所に道の脇に、電柱と黄色いカバーの付いた

支線がある。その場所から左の尾根に向かって取付いて行く。







尾根道を右下に国道を見ながら歩いて行く。その国道が見えなくなってくると

直ぐに三角点が現れた。三等三角点 京柱 1158m。割れたキティーちゃんの

プレートが国交省の杭に括り付けられていた。











1327mの標高点に続く尾根道は、最初は右手に人工林、左に自然林の道が。

しばらくすると自然林の中の道になる。その木々の間を涼しい風が吹き抜けていく。










更に進んで行くと、右に鉄条網の柵が続いている。すると木々の間から広い

萱原が見えた。恐らく放牧場の跡だろう。少し進んで鉄条網の中に入ると、

今は使われていなくて雑草が伸び放題になっている緩斜面の放牧場が広がっていた。










放牧場跡から緩やかに登って行くと1327mの標高点。北に向かっていた道はここから

西に向かって折れ、そして萱原の中の道になる。萱原は笹原に比べると茎が柔らかく、

手で掻き分けて行けば難なく進んで行ける。萱原の向こうにはこれから向かって行く

弘瀬山が見え、山頂からは防火帯のような植生の違う筋が見える。

踏み跡は全くないのでその弘瀬山に向かって適当に萱の中を下って行く。













すると林道と伐採した木材の集積地の様な広場になった場所に飛び出した。







その広場を横目に見ながら林道を北東に進んで行き、適当な場所から左側の法面を

樹林帯の中へと入って行く。道ははっきりとした踏み跡はなく、尾根らしき雰囲気を

辿りながら歩いて行く。途中で振り返ると東の峰々が眺められた。土佐矢筈山

天狗塚の間に、次回歩く綱附森が見えたので、奥様たちに『次はあの稜線を歩くんです』

と説明をする。矢筈峠から綱附森はどうしてもピストンになるが、

できれば山頂から出来るだけ先まで足を延ばして、その次の天狗塚からのピストンの

折返しの距離を短くしたいと考えている。
















道は相変わらず右下に林道が見えている。それなら林道を歩いて行っても

良さそうなものだが、そこは奥様たちも女性。陽の当たる林道は日焼けをすると

日陰の尾根道を歩いて行く。











登りの途中からまた萱の中の道になる。先ほどの1327mから見えた防火帯の様な

雰囲気のする、木々が伐採されて幅の広い萱が生えた道が続いて行く。

YAMAPではこのコースをほとんどの人が反対側から歩いてきているが、

そのほとんどの人が弘瀬山を過ぎた辺りで藪になると書いていた。それを見て

今日は破れてもいいような古い服を着てきたが、その藪がこの場所だとしたら

少し期待?外れだった。全く問題なく奥様たちも苦も無く歩いて行く。







弘瀬山では山頂標が柱から落ちていたが、その山名標がなければ、判らずに

通過してしまうような場所だった。木々に囲まれほとんど見晴らしもなく、

行動食を口に入れ、写真を撮ってそそくさと次の三方山へと向かって行く。





弘瀬山から北東に二つ目の小ピークを過ぎると長い急坂が続いている。

ここでもYAMAPで見た、反対から来た人は長い急登が続いていると

書いてあった場所だ。登りの弱い私にとっては、ここは下って行くので助かるが、

ひざを痛めているあっちゃんには、少し堪える下り坂だ。







振り返って




急坂を下りきると1299mの標高点への登りとなる。この辺りからテープが目につく

様になる。北西に向かっていた道は1299mから西に向かって折れる。この間の

小ピークでは地形が複雑で、同じような尾根がピークから派生しているので

気を付けなければいけない。木に巻いている赤テープを探すか、その都度スマホを

見てYAMAPのルートを確認するかが必要だ。







今回の計画ではほとんど下りで楽勝と思っていたが、意外とアップダウンがあって疲れる。








時間的にはお昼は三方山辺りだろうなと奥様たちも考えていたのか、今日は珍しく

あっちゃんも『お昼、お昼!』と騒がない。そして11時45分三方山に着いた。










先程の弘瀬山と違って、三方山は名前の通り木々の間から周りの山並みが見渡せた。

声を掛けるでもなく、暗黙の了解で各々が日陰に腰掛けお弁当を広げる。

今日も私はぶっかけうどん。天かすと半熟卵を載せて頂くはずが、半熟卵を木の根で

割るとそのまま地面に落としてしまって、楽しみにしていた半熟卵がパーに。(T_T)










三方山で30分ほど時間を過ごし、ここから岩原駅へと下って行く。地形図では

多少のアップダウンあるが、ほぼ下りの道。コースタイムではまだ残り3時間に

なっているが、下りなら苦にならず問題ない!と思っていたのに・・・・。


山頂から少し西に歩いた場所では、西に向かっての大眺望が広がっていた。

正面には前回歩いた黒滝山。その奥には野鹿池山だろうか?双耳峰の山が見える。











霞んでいるが瀬戸内海



前回黒滝山のデポで通過した大黒の集落



黒滝山と野鹿池山?その奥は栃尾山?



黒滝山から最後に通った大砂子の集落



三方山山頂からは南西への道になり、1166mの標高点まではほぼ下りの道。

右は自然林、尾根から左はヒノキの人工林の中の下りが続いて行く。










その途中で熊谷峠にある地蔵尊が、山姥をこの池に封じ込めたという伝説の池があった。

山姥(やまんば)は山中に住む女性の妖怪。山に住み人を食らうと考えられている。

『お願いだから食べないでね!』と奥様たちには聞こえないように小さな声で言ってみる。







奥様たちの池(笑)からも下り坂が続いて行く。下りが終わり1166mの標高点まで登り、

二つ目のピークを過ぎ下って行くと左手に林道が見えた。この辺りから県境は西に、

登山ルート図では南に線が続いている。ピークではやはり尾根が分れるので、

その都度ルートの確認が必要になっいてくる。

















県境との分岐からは痩せ尾根を歩いたり、ピークの下を巻いたりしながら進んで行く。

冬の間たっぷりと落ち葉を積もらせた自然林の森に、心和ませてながら歩くが、

そんな景色を眺めながら、落ち着いて歩けたのはこの辺りが最後となる。










尾根筋の東西に地形図で林道が、それぞれ行止りになる場所の間の1050mの等高線の

辺りで、作業小屋の跡だろうか石積みが残っていた。







地形図に1,000mの標高数字が載っている辺りから、右手に植林地の鹿避けの

ネットが続いていた。尾根近くまで民家があるのは有瀬の集落だろうか?










ルリちゃんがダウンロードした以前歩いた人のYAMAPのトラックと

登山ルート図の点線が食い違い始めた。以前に歩いた人はネットの中を北北西から

歩いてきているが、あっちゃんがネットに近寄って触ってみるが、意外としっかり

張っていて、上はもちろん下も潜れそうにもなく、ネットの中にはどうやっても

入れそうにない。仕方がないので登山ルート図の点線を信じてそのまま進んで行くと、

前を下るルリちゃんが『わ~もう急過ぎる。45度はあるで』と言っている。

またまた大袈裟な~と思いながらルリちゃんの居る場所まで降りて行くと、確かに

その先はほとんど崖のような斜面。スキー板があればジャンプ台になりそうなくらい

の凄まじい斜度の斜面だった。














木から木へと飛び移る様にして下って行くが、油断をすると転げ落ちてしまう。

それにしてもこんな斜面をよく真直ぐに杉の木は伸びていくもんだと感心するが、

やはりそれどころではない。とにかく滑らないように、転がらないように・・・・。

かなりの急角度で下に集落が見える。

















するとネット越しに植林地の奥に尾根が見えた。どうやらこのルートを登って来た人は

あちら側から歩いてきたようだ。ただどう考えてもネットの向こうに入れるような

場所はなかった。そして今更この急坂を登り返す元気はない。







杉林が終わると雑草と萱の藪になってきた。右手のネットに沿って下るのは急な斜面で

とうとう困難になり、少し左に振って下って行くが、左側にもネットが張られていた。








左側のネットに沿って下るが益々藪は酷くなってきた。更には崖になった場所もあり、

時間だけが過ぎていき右に左に迷いながらで、遅々として進んで行かない。







灌木と萱の藪をとにかく下へと下って行くと、少し下に杉林が見えた。

杉林まで行ければ、今の藪と比べたらおそらくマシにはなるだろう。

先程の急坂になる前に手袋をはいたのだが、右の手袋が見つからず素手のままなのが

辛い。この藪にはあのトゲトゲのタラの木がやたらと多い。しかも掴まって

下りようとする木が丁度タラの木だったりする。

何とか杉林まで降り立って、さてどう進んで行くかを思案するが、一番近い

まともな場所は地形図に載っているヘヤピンになった北側の林道だった。

そうと決まったらあとはひたすら登って行く。さっきの下りでは先頭だったので

気づかなかったが、登りになって奥様たちの後ろに回ると、とにかく二人のお尻と

ザックの汚れが酷い。今まだ色んな悪路を歩いてきたが、二人ともがこれだけ

汚している姿は初めて見る。それだけここまでの道が酷かったと言う事だ。

するとまた目の前にネットが現れた。幸いこの場所ではネットの支柱は倒れて

ネットを踏んで進むと中?(外)へと入って行けた。














ここからがとにかく最悪の藪。林道までは標高約50mほどなのに立って進む事は

出来ず、真っすぐにも進めない。屈みながら通れる場所を探しながら少しづつ

登って行く。途中でさらにネットが現れ、ここではあっちゃんはザックを降ろして

ネットの下を何とか潜り、私は横にあった切株に足を乗せ重たい体を持ち上げ

何とかそのネットを乗り越えることができた。そのネットを越え、何とかして

進める方にと登って行くとまた右側にもネットが現れた。もうこうなってくると

写真も写す余裕などほどんどない。掴んで体を持ち上げようとする木が

さっきからほとんどがタラの木で、木を掴む事さえできない。しかも熱中症に

なりかけたのか、身体が全く動かない。

本来先頭を行くべきだが足が止まってしまって、息切れが酷い。あっちゃんに

先に行ってもらい数メートル進んでは立ち止まりの繰り返し。

何とかして林道に飛び出た時には、もうほとんど動くことが出来なかった。

スポーツドリンクを飲み干し、更に昨日たまたま買っていた熱中症対策ゼリーを

口に入れると、何とか生き返る事が出来た。林道直下50mほど下からここまで

45分もかかっている。予定の時間よりすでに2時間近くオーバーしていた。













林道からは727mの標高点に向かって下って行く。果たして体はもつのか心配だったが、

先程の水分の補給が効いてきたのか、何とか奥様たちに付いて行けていたが、今度は

足首や大腿四頭筋が攣りそうになる。歩き方を変えたり、立ち止まっては足首を

回したりして何とかだましだまし下って行く。










林道から1時間弱でりっぱな社殿の岩屋神社に着いた。ここまで降りてこれれば

あとは何とかなる。未だかつてないほどの藪をクリアできて、横にいるあっちゃんは

楽し気で満足気だったが、私は社殿の脇にある石垣に腰を降ろすと、今までにない

大きな安堵感に包まれた。神社に三人の無事にお礼をして石段をくだって行く。

この参道の石段。今は車で本殿まで来れるので、登ってくる人がほとんどいないのだろう。

とにかく上に下に、右に左にズレていて荒れている。高屋神社の石段どころの話ではない。



















石段を降りるとここからは以前にWOC登山部で歩いた、露石渓谷トレッキングの

コースになっている。所々で記憶の残る建物があった。







山道から車道に飛び出した後は、集落の中を駅への道を下って行く。

計画では5時間30分から6時間くらいと考えていたが、道を間違え今までで

最上級の藪歩きを強いられて、結局8時間30分も掛かってしまった。

今回はどこで間違ったのかゴールの時点では全く思いつかない。

ゆっくりとビールを飲みながらでも、YAMAPのトラックを他の人と比べて

検証してみる事にしよう。それにしてもこれからの季節。油断せずに熱中症対策も

しっかりしないと、道迷いよりも熱中症対が危ない危ない!








今日のトラック




家に帰ってトラックを調べてみたが、三つを比較しても、ターニングポイント

となる辺りでは、北側は既にネットで囲まれていたので、中へ入っていく事は

出来なかったはずだ。その為トラックを確認せずに下へ下へと降りてしまった。

登山ルートを確認した時は時すでに遅く、藪と急斜面を登り返す気力は残ってなかった。

それでもやはり戻ってルートを辿るべきだったと反省。