KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

線で繋ぐ山歩き阿讃縦走路 曼陀峠~余木崎

2021年11月26日 | 香川の里山



先週の兵庫山からの道外れで、危うく日没になるところだった。

たまたまルートを変更したのが幸いしたが、次の目標となる

登岐山周辺は藪道らしく、コースタイム通りにいかないかもしれない。

また周回、縦走にしても取り付き点やデポする場所がなかなか難しい。

そうなるとやはり日の時間が長くなる春頃からの方が無難とのエントツ山さんからも

アドバイスをもらって、一応今年の石鎚山~剣山は前回で延期することにした。

そうなると次に考えていたのは『線で繋ぐ山歩き Winterバージョン』の阿讃縦走路の

全長130kmの県境歩き。過去にはこもれびさんのコモさんが16回に分けて線を繋いでいる。

コモさんのレポートはこちら

また例によってエントツ山さんが単独無支援で5泊6日で完歩している。

エントツ山さんのレポートはこちら

さてさて我々は何回で完結できるか、まずは西側からスタートしてみることにした。


本来ならこの阿讃縦走路は西側からのスタートなら余木崎からとなるはずだが、

皆さんのレポートを見てみると余木崎からの取りつきからの登りが怪しげな雰囲気。

ならば曼陀峠から余木崎に向かって歩けば、途中で道を外しても最後は国道に向かって

下って行けば何とかなる。もちろん同じ距離なら標高の高い峠から海岸線へ歩く方が

楽だろうという、へっぽこリーダーならではの軟弱な考えが一番の理由だった。

その行程を案内した時に『やっぱりスタートは余木崎だろう』とあっちゃんは思ったらしいが、

後になってやはり曼陀峠をスタートにして正解だったというのが判った。

まあ何はともあれ『線が繋がればいいのだ』とへっぽこリーダーと奥様たちの旅が始まる。


まずは道の駅とよはまルリちゃんの車をデポ。そこから

あっちゃんの車で私の待つ曼陀トンネルの北側で合流。広い路肩にあっちゃんの車をデポし、

そこから旧道の曼陀峠へと私の車で向かった。(峠に車2台を置けるか分からなかったので)

峠には『四国のみち』の大きな案内板があり、その脇から西に向かってスタートする。

YAMAPでは五郎山となっている、594mの『海老済』までは四国のみち。

途中まではその四国のみちの道標が要所要所に立っている。










道は先週の玉取山~兵庫山の尾根道に比べると、道幅もあり

落ち葉が積もり柔らかく快適でとても歩きやすい。ところがあまりにも歩きやすい道が

594mの三角点を北に巻いて続いているので、その五郎山を登らず通過してしまった。

YAMAPの山頂ポイントの数が増えるのを楽しみにしていたあっちゃんが、

見逃してしまったのを残念がっている。

五郎山を過ぎると四国のみちの道標から、阿讃縦走路の札が目立つようになってきた。







前日に地形図をじっくり観察して見ると、今日のコースは小さなものを入れると

30回程のアップダウンが続いている。事前に奥様たちにもそのことを伝えていたが、

今までの県外の尾根道のアップダウンと比べると、標高差も大したこともなく

その内回数を数えるのもめんどくさくなってやめてしまった。










551mの標高点の手前で東側の眺望が開けた。谷あいの海老済の集落の奥に雲辺寺山が見える。

551mの標高点も道は南側に巻いていて、ここも踏まずに通過。

すると縦走路は広い林道に出た。五郷越えと書かれた場所は曼荼峠とは別に、

香川側の五郷と徳島側を結ぶ峠道だったのだろうか?










林道終点となっている場所から登って行くと南に肥窪の辺りだろうか、

色付いた木々の間に、段々畑と棚田が見えた。







この間にも何枚も同じような『タバコの投げ捨て注意!』の看板。

『ほらほら~』と奥様たちが私に向かってお小言を言ってくる。

倒木の跨ぎ方にも、二人の違いが出てくる。慎重に跨いでいくルリちゃんに対して

簡単そうに跨ぐあっちゃんだが、何だか平均台から落ちたように見える。










ここまでの間で一番長い坂を登りきると四等三角点 石砂に着いた。

するとルリちゃんが三角点の脇にキティちゃんのプレートが落ちているのを見つけた。

そのプレートを拾って木の幹にルリちゃんが括り付ける。







石砂からは何度かアップダウンして544mの標高点に向かって行く。

今回のように曼荼峠からスタートすると。登りきった後に道は左に振っているヶ所が何度もあった。







544mの標高点から下って行き、しばらく歩くとこのコースの中心部の防火帯の道になる。

県内なら五色台の国分台の防火帯が遠目に見ても判るくらいの幅のある防火帯だが、

ここの防火帯の見た目は3mほどの幅で、もうすでに半萱原になりつつあり、

もう防火帯の役割としてはあまり体をなしていない。振り返ると雲辺寺山が随分遠くになった。










その防火帯を登りきると金見山に着いた。二等三角点・田野々

ここまででスタートから2時間。時間は10時20分。行程もおおよそ半分近くまで来ている。

『余木崎には13時を過ぎるけど、お昼ご飯を降りてからにします?』と奥様たち。

『それなら近くの上戸うどんに行きましょう!』と私。そう言った後は、あの太麺とイリコの出汁が

口の中に広がっていったのだった。『それじゃ~うどん目指して!』と金見山を早々に後にする。




金見山からも防火帯が続いて行く。金見山のすぐ目の前の防火帯も今は草木が

生い茂っているが、両側の木々の間を見るとその幅は10m近くはある感じだ。

この辺りからやっと川之江の辺りが見え始めた。







ここから小ピークには地元の人によるものか、山名の札が随所で掛けられていた。







途中の鞍部には地形図には載っていないが、香川側の田野々に下る道があった。







更に県境尾根に沿って続く防火帯は、建造物こそないが、さながら万里の長城の様に見えなくもない?










西には川之江の製紙工場の煙もはっきりと見え始めてきた。

地形図で見ると金見山から唐谷峠は直ぐ近くに見えるが、

小刻みなアップダウンが続き、意外と時間がかかっている。
















金見山からは1.5kmの距離を50分近くかかって唐谷峠に着いた。







唐谷峠から大谷山は遊歩道となっているが、ここからもアップダウンは続き、

一般の人は決して歩かないような道。途中には2ヶ所ほど石材の丸い大きなテーブルと

バームクーヘンを切ったような椅子が並んでいた。また階段も石材で造られていて、

この辺りに石材の産地でもあるのだろうか?それにしても随分とお金をかけているのと、

2m以上ある石材の大きなテーブルを、山道のこの場所までどうやって運んできたのだろう?
















三つ目の石材のテーブルが置かれたピークが大谷山だった。

時間は11時30分を過ぎている。今日の目標?のお昼ご飯まではまだ時間がかかりそうなので、

立派なテーブルと椅子に腰を降ろして行動食を口にする。

北に木々の間から観音寺市の港湾地区が望むことができる。
















大谷山からは更に小刻みなアップダウンが続いて行くが、とにかく急な下りが続く。

落ち葉の積もった急坂は滑りやすく、ロープを使って下って行く。











すると途中から意味不明なPEロープが両側から張られていて、延々と続いていた。

背丈以上の高さに張られているので歩くのに邪魔にはならないが、意図していることが全く分からない。

しかも経年で朽ちたテープは切れ切れになり木に纏わりつき、景観を悪くしている。










その途中には手作りの見晴らし台?と木の枝に刺したビールの空き缶。

ここまで登ってきてさほど眺望もよくないこの場所で一杯?

見晴らし台から一旦登ると余木崎辺りがやっと見え始めた。










途中からは急坂に、真新しいトラロープが張られていた。

この時点であっちゃんが『あと5回くらいのアップダウンかな?』と言っているが、

小ピークから見えた先は、まだまだ小さなピークが続いている。







大谷山から1時間10分で四等三角点 石ノ口に到着。YAMAPのコースタイムでは

この間50分となっているが、先ほどの見晴らし台で休んだ時間を入れてもペースが落ちている。

大谷山辺りから地表には地滑り用だろうかネットが張られているが、

尾根道は樹林帯に囲まれていて地滑りを起こしそうな雰囲気もないのだが・・・・。

何だかこの辺りは解せない事ばかりだ!











相変わらず急な下り坂が続いて行く。『これ、反対から登っていたら大変だったね』と

あっちゃんと話をする。そうなると曼荼峠からスタートして正解だった。

真新しいトラロープは途中で途切れていて、それからは木の幹に掴まりながらのボーゲン下り。

次第に里山らしい、羊歯も現れ始めた。










道が高速道路の鳥越トンネル近くになると、川之江の境界杭が所々に立っている。

この縦走路には『阿讃縦走路』の札の他に、『讃岐山脈縦走路』そして

『讃岐山脈ロングトレイル縦走路』の労山の札がかかっている。










二本目の倒れた市境杭からは明瞭だった先ほどまでの道は、少し荒れ始める。

羊歯のプチ藪が無くなったと思ったら、松葉の落ちたまた滑りやすい坂。

なかなか最後まで楽はさせてくれない道だ。そうこうしている内作業小屋のある場所に出た。










そこからは左手に工場らしき建物が見え、道も続いている。

そのまま進むと工場の方へ出てしまうので、判りづらいが羊歯の中へと

テープを頼りに入って行く。すると羊歯の中の足元に四等三角点 余木崎があった。










今日最後の三角点から国道までは直ぐそこ。国道を走る車の音も聞こえてきた。

疎らな木々の間を下りきると墓地。そこからひょいっと降りると国道脇に飛び出した。










国道を向かいに渡り、コンビニの奥から工事中で作業している人に断りを入れ、

突堤を歩いて余木崎へ。突堤からは灰色の空の下、西讃の山々が見渡せた。

三人で今下りて来た山を指さし、これからスタートするフリをするが何とも白々しい。









時間はすでに13時48分。寒風の吹く余木崎から引き返して道の駅に戻り、

デポしたルリちゃんの車に乗り込み急いで『上戸うどん』に向かうが、

時すでに遅し、玉切れなのかもうお店は閉まっていた。

仕方がないので大野原まで車を走らせ別のうどん屋さんで、少し遅めの昼食となった。


うどんをすすりながら、次回のコースを相談する。次は今日の曼荼峠から六地蔵越えへと

考えていたが、あわよくば猪鼻峠まで行けないかとYAMAPの地図を見てみると、

猪鼻峠までだと20kmもあるのが判った。そして高低差もかなりのもの。

早々に諦め、予定通りで歩く結論に。お腹を満たした後はデポした峠へと戻って行く。


帰宅後カシミールでチェックして見ると、沿面距離12.3km。

累積標高は登り811m、下り1,345mとなっていた。今回のコース取りに味をしめて

次回も標高の高い六地蔵越えスタートを予定。奥様たちには『あくまで阿讃縦走路を

線で繋げればいいのです!』と言い含め、こだわりのないへっぽこリーダーの企画は続いて行くのだ。







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線で繋ぐ山歩き 玉取山~兵庫山

2021年11月20日 | 四国の山
線で繋ぐ山歩き。先週予定していた玉取山~兵庫山は現地が雨だったので

予定を変更して三辻山工石山を歩いた。

今週は天気予報を睨みながら、晴れの日の今日再チャレンジしてきた。

事前にルリちゃんが送ってくれた白髪隧道のトンネル工事の

時間通行止めの情報には、通行できる時間帯が15:00~15:10。16:00~と

なっていて、YAMAPのコースタイムは往復で7時間10分なので、8時にスタートして

コースタイム通りでも15時の通行可能な時間には間に合わない。

でもここのところ平均タイムの110%くらいでは歩けているので

『取りあえず15時前に降りてくるのを目標に!』と返信したが、自信過剰!

これが後々大きな誤算となるとは思わなかった。


白髪隧道の高知県側に着くと工事の車両とは別に、軽トラックが2台停まっていて、

男性一人と女性二人がもうすでに準備を終えて歩き始めていた。




白髪隧道の横から沢沿いの作業道を東に歩いて行くと、途中から左に登る道があり、

脇には佐々連尾山の小さな道標。ここをグイッと登り

今度は西に向かって杉林の中の道が続いて行く。










杉林を抜けて周りが自然林になると頭上が明るくなり、ほどなく猿田峠に着いた。

コースタイムでは35分のところ25分。ここまではいいペースで登って来れている。

峠では先ほどの駐車場で先行していた3人が休憩していて、少し話をすると

地元の方で今日は大森山へ登る予定だと言う。こちらは兵庫山まで予定していると言うと、

『玉取山から兵庫山まではけっこう道が険しいよ』と教えてくれ、更には登岐山の辺りの

様子も教えてくれた。せっかくのアドバイスだったが、話を聞きながらこの時にはまだ、

ここまでの時間を考えてもコースタイムを短縮できるくらいの軽い気持ちでいたのだった。

峠からは鉄塔の奥に赤星山から二ツ岳に続く稜線、そして南には奥工石山白髪山が見える。










猿田峠からはすっかり葉を落とした尾根道を、まずは1274mのピークに向かって歩いて行く。

『今日は兵庫山まで10回ほどのアップダウンになります!』と奥様たちに言うと

あっちゃんが『これも数に入る?』と言いながら小さなピークを過ぎる。













小ピークを下ると少し広くなった鞍部。鞍部からは1274mの標高点へ登りが続いて行く。

尾根の一段下に窪地になったような場所を時々見かけるが、この季節は疎らな自然林で

明るい広場の様な感じで雰囲気がとてもいい。










標高点からは葉が落ちてはいるが、木々の枝でまだ先の様子は伺えない。

一旦下ってまた登り返すと途中で痩せ尾根になり、露岩の尾根道になる。
















痩せ尾根を過ぎると道は尾根の少し北側に続き、その内に苔の岩の日本庭園が現れた。

岩には微細な割れ目が無数あり、水分がしみ込んで表面がしっとりと湿っているので、

山の北側で日が当たりにくく岩が乾きにくい環境では、湿気を好む苔が生育するようだ。










苔庭を過ぎブナの尾根を通りひと登りすると玉取山に着いた。

猿田峠で話をした男性が『玉取山までは1時間40分ほどかかる』と話してくれたが、

1時間強で来られた。YAMAPのコースタイムでも白髪隧道から1時間45分のところを

1時間30分。ここまではまずまずのペースだった。三等三角点『玉取』。










玉取山では周りの木々も疎らになり南西に向いて眺望が開けていた。

あっちゃんの視線のある先に見えるのが兵庫山と思っていたが、

後になって大登岐山だと判った。山頂から少し下るとしばらくは広い尾根が続き、

安易に下ってしまうと道を間違えやすい。

ここは県境のポールを目印に少し左に振りながら下って行く。













玉取山から下った鞍部は痩せ尾根になっている。ここからは1334mの標高点の肩に向かって

また急登が続いて行く。途中でルリちゃんが北西に白く雪を被った山が見えると教えてくれたが、

木々の枝に遮られ、山容や周りの稜線が判りづらく、ましてや近眼の私には同定ができない。













1334mの肩までくると道は少し西に向かって続いて行く。

先ほどまで木々の間からしか見えなかった眺望が開けた。

雪を抱いた山は山容からしてちち山笹ケ峰の様だ。

奥様たちにはちち山から右に続く稜線が大田尾越への尾根だと思うと伝えたが、

その稜線の右側に大きなピラミダルな山があるのが、どうにも腑に落ちない。

帰って写真を見てみると、直ぐに沓掛山だと判った。

大田尾への稜線は、雪を抱いた笹ヶ峰の下に、右下に白く雪を被った稜線が

ちち山の分れから大田尾越への稜線だった。










しばらくの間快適な尾根道が続いたのち、今度は露岩が現れ始めた。

そして今度は東側の景色が見えた。さめうら湖から立ち上った霧で雲海ができ、

先週工石山から見えた奥工石山が見える。













さらにそこから登って行くっと大岩が現れ、小さなピークの手前は岩塊になっていた。

白い石灰岩の塊にまわりに白骨林。まさに白い尾根。
















岩塊からは先ほどより更に視界が開けて東側が見渡せる。




少し先に見える小さなピークまでシャクナゲの尾根を進むと、尾根道は大岩で分断され、

YAMAPでもよく見かけた岩の大きな割れ目となっていた。尾根から少し北側に回り込み、

その割れ目を通って南側に出る。













その岩の割れ目で少し遊んでみる。テレビ番組の"サスケ"のステージの様だ。













そこから岩の突端の手前で一旦下っていくと、あっちゃんがビニール袋に入れたストックが

残されているのに気づいた。ビニール袋に入ったストックは、ザックの脇にでも入れていたのだろうか、

木の枝に引掛けて落としてしまったのかもしれない。あまり歩かれていない山域なので、

取りあえずあっちゃんが拾って登山口まで持ち帰ることにした。







道は露岩や木々の間の道であまりスピードが上がらない。玉取山では11時位が兵庫山かな?と

余裕を言っていたが、まだかなり時間がかかりそうだ。(まだこの時点では遠くに見えるピークが

兵庫山だと思っていたので)










1226mの標高点の手前で、この冬次に予定している『線で繋ぐ山歩き』の阿讃縦走路の

話を三人でし始めた。あ~だ、こ~だと話をしているに、どうも今まであった県境のポールが見当たらない。

『スト~ップ』と声をかけてスマホで確認すると、南東に続く支尾根を降りている。

慌てて引き返して県境の尾根へと戻って行く。







1226mのピークも大岩を回り込み進んで行く。ピークから少し下った所で前から男性が一人。

すれ違いざまに話をすると『ストックが落ちていませんでしたか?』と聞かれる。

あっちゃんが拾ったストックを差し出し、少し男性と話し込む。

男性は兵庫山までの途中で、ストックを落としたのに気が付き引き返して来たという。

兵庫山には2回は登った事があると言うので、前方に見える山頂が兵庫山ですかと聞くと、

『あれは大登岐山です』と教えてくれた。(取りあえずほっとする)










思っていた山頂より手前が兵庫山だと判ったが、ここまでで既に時間は11時30分。

確かに境界ポールを追っていけば迷う事はないが、ここまで十回近くのアップダウン。

そして痩せ尾根の岩場や大岩を巻く場面も何度もあった。

猿田峠で会った人たちに『玉取山から兵庫山は厳しいですよ』と言われた意味が分かった。







兵庫山の手前の小ピークを過ぎると道は大きく様変わりした。

そしてやっと今日の目的地の兵庫山が確認できた。

『あと20分です!』と二人に声をかけて進んで行く。







尾根の南側が下草だけでの斜面が広がっている。伐採跡でも崩壊ヶ所でもなさそうだが、

その斜面には十本近くもの白骨林が同じように尾根に向かって倒れていた。

よほど風が強いのか、尾根の真ん中にも大きな木が倒れている。







荒涼とした雰囲気の尾根を過ぎ、ブナの尾根を抜けるといよいよ最後の兵庫山への取付き。

ここまでスタートから4時間近く。足の疲れも空腹もそろそろピークに差し掛かっていた。













最後の急登を登りきると、そこは山頂と言うより尾根道のピークといった感じの兵庫山。

木の枝に掛けられた山名札と三角点が無ければ、いままで何回も同じようなピークを踏んできたので

ここが山頂だとは分からないかもしれない。山名の札とは別に『高松一高山岳部OB・OGの会』の

石鎚・剣山縦走記念のプレートが掛けられていた。16日間かけたと書かれたこのプレート見て、

エントツ山さんが単独無支援での縦走を決意したプレートだった。




三角点の先の岩からは東に奥工石山が見え、北西には先ほどからのちち山が見える。

時間は12時05分。YAMAPのコースタイムからすると、1時間近くオーバーしている。

いつもより早めに昼食の時間を切り上げ折り返すことにする。










ところがここから今日の道間違いが始まる。あとで地形図を見ると山頂からは

二又に支尾根が続いていて、降り始めて直ぐに左の尾根へと進んでしまった。

山頂から続く急な下り坂に、『こんな急坂だったかな?』と言いながら先を歩く奥様たち。

暫く降りるとシャクナゲの尾根になった。少し疑問に思い始めたところで、

往路で道を塞いでいた木を跨ぐ場所があった。(これは勘違いだった)

ここで一度疑問点が薄まり、そのまま下って行っていたが、どうにも境界のポールが見当たらない。










『お~い、止まって!』と声をかけて、スマホのGPSを見てみると

既に遅かりし、兵庫山から天堤山の方向に随分と下ってしまっていた。







ここまで山頂からは30分近く下って来た。時間は13時10分を過ぎてしまっている。

ここから兵庫山へと引き返すのに恐らく40分以上はかかり、そこから登山口までは

往路と同じくらい時間がかかるとすれば、18時近くになる。

どうしたもんかと考えながら地形図を見えみると、ここから南東に下った所に沢があり、

そこから等高線の間隔は狭いが、尾根を辿って登れれば、その上には

猿田峠まで続く林道の線があるのが判った。

下るのに1時間、登りに1時間、林道歩きを1時間としても16時くらいには

猿田峠に着ける計算になる。独り歩きの時には直ぐにでもルートを選んだが、

今日は奥様たちがいる。スマホのGPSを奥様に見せながら説明をして、

今日までの奥様たちのパワーなら、何とかなるだろうと思って同意を得て下り始める。

問題は下りのルートが籔いていないかと、沢からの極端に等高線の狭い支尾根の

両側には崖の地形が見える。幸い尾根は崖にはなっていないので、

実際が地形図通りになっているかどうかだ。

先ずはこの手前から派生する尾根へトラバースしながら下って行く。








支尾根に出るとしばらくはその尾根に沿って下って行くが、途中からは目標とする

二又になった沢へは一旦尾根から外れて下らなければならない。

ここからはGPS頼み。幸いルートは藪いていなく、適当な間隔で立つ木々に

掴まりながら落ち葉で柔らかい斜面を時々足を滑らせながらも下って行く。










地形図の933mの西側まで降りてくると、地形図には載っていない小さな沢に出た。

沢の両側を見ると、歩きやすそうなのは対岸の様なので、流れの小さな沢の右岸へと渡る。




右岸を進み更に進んで行くと、潰れてしまった小屋の屋根の波トタンや、小さな石標。

少なからずこの辺りまで人が入っていた気配を感じ始めた。







道を間違えたのに気づいて下り始めて1時間。最初に目標にしていた二又の沢に着いた。

周りは深い谷あいだが、目標とする次の対岸の尾根もはっきりと確認できる。













ここまで来れば次は激急登と言えども後は登るだけ。目途がついて一服させてもらう。




一息入れた後、沢の対岸の尾根に取り付くが、尾根に出るまでが大苦戦。

細い木に掴まり右に左にと登りやすそうな場所を狙って、

登ると言うよりは体を持ち上げて行く感じだ。





支尾根に出てからも里山の支尾根のように藪ではなく、木々を避けながら登って行けた。










地形図では岩崖と岩崖の間を抜ける尾根のはずだが、途中では何度も真ん中に大岩が現れる。

登れそうな岩は中央を突破し、無理な感じの岩は足元から巻きながら登って行く。

いくら急登でも、登山道だったり踏み跡が有ったりすれば楽だが、

やはり道なき道を登って行くのは疲れる。










最初は木々に囲まれ見通しも悪かったが、次第に前方の木々の間から青い空が見え始めた。

周りの紅葉にも目をやる余裕も少し出てきた。














沢から取り付いて約1時間。最後の大岩の間を抜けると自然林から杉林に変わり、

木々の間からは先程までより大きく空の色が広がり、何とか地形図にある林道に出た。













ここにきてやっと奥様たちも安堵した様子。ほぼ平坦な林道歩きに、いつもの様に世間話が始まった。







玉取山の北側からの登山口を過ぎると、以前から気になっていた大カツラが目の前に現れた。

白髪隧道の北側から県道の脇道を入ると、ここまで道は続いているが、

未舗装なので私の車で来られるかどうか判らず、この大カツラは見ることはないだろうと

思っていただけに、道迷いが逆に巡り合わしてくれるという、副産物だった。







『登山口には16時30分を目途に!』と奥様に告げ、林道を歩いて行く。

大カツラから猿田峠までの道では、もうすでに陽の色が変わり始めていた。

振り返るとその陽が当たって玉取山も輝き、目の前に大森山が見えると程なく猿田峠に着いた。










尾根の日陰になった峠は、急に気温が下がった感じがした。ルリちゃんが上着を着こんだ。

林道を歩き始めて約1時間。時間は16時13分。ルート変更を考えた時のほぼ時間通りだった。







白髪隧道の車を置いた場所には16時30分を少し過ぎたが、三人とも無事に到着できた。

行動時間8時間42分、歩行距離はYAMAPでは12.2kmだが、カシミールの

沿面距離は13.5kmとなっている。どちらにしても今日はよく歩いた。

ルート変更になれない奥様たちは最初は不安だったようだが、何とか辿り着けて満足気だ。

何といっても日暮れまでに付けた事は良かった。ただ今日は道外れが2回。

それも境界杭を辿れば何でもなかっただけに、大いに反省すべき点を残す一日だった。





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困った時の工石山

2021年11月11日 | 四国の山



先週までで線で繋ぐ山歩きも石鎚山野地峰までが繋がった。

しかし野地峰から東の黒岩山から登岐山が四国中央部歩きの

ひとつの肝になる。登岐山へのアプローチがスズタケの大藪。スズタケが生い茂る

獣道の様な藪の中を、掻き分け掻き分け皆さん歩いている。そして結構皆さん道を

外して迷っているような難所。以前からこの野地峰から登岐山の間は、スズタケの勢いが

弱くなるだろう冬を越した辺りでチャレンジしようと奥様たちと話をしていた。

そうなると今週は何処を繋ごうかと考えたが、天気は前日まで雨。出来れば濡れた笹を

掻き分けるようなルートは避けたいところだったが、野地峰から東の四国中央部で

そんなルートがあまりない。色々調べてみると、更に東の猿田峠から兵庫山

比較的笹もなく籔いてもなく、雨が降った翌日で足元や木々が濡れていても歩けそうだ。

と言う事で以前に佐々連尾山へのスタート地点となった白髪隧道を目指した。


気になる天気予報はというと、瀬戸内沿岸はあまり良くない天気だったが、

高知県中部には晴れマークがついていた。前日に奥様たちには『決行します!』と

連絡して、いつもの豊浜SAでピックアップして車を西へと走らせた。

先週は豊浜SAでは雨だったが、法皇トンネルを抜けると青空が広がっていた。

今日も天気予報を信じ、先週と同じパターンを期待して法皇トンネルを抜けたが

同じように曇り空。ならば白髪隧道を抜けて高知県側に入れば晴れているだろうと

思いながら走ったが、『トンネルを抜けるとそこは雨だった。』・・・・・(涙)

以前車を停めた白髪隧道の南側の広場には、トンネル整備の為の工事用のプレハブが有り、

電気の点いた中では現場の工事の人が既に待機をしていた。

広場の横に車を停めて暫く様子をうかがったが、どうも雨は止みそうもない。

ただ谷あいから南に見える空が幾分かは明るく見える。

では今日の予定のコースは順延して、ここから南に走って『工石山に登りましょう!』と言う事に。

工石山はメンバーは何度も登った事のある山だが、登山道もしっかりしているので

雨降り後でも安全に登山が出来る。雨が止まなくても雨具を着てでも歩ける。

するとあっちゃんが『できれば新しいYAMAPの山頂ポイントが一つくらい欲しい』

と言うので、あっちゃんもルリちゃんも登っていない、黒滝峰三辻山

今日のメインディッシュにして工石山をオードブルにする事となった。

白髪隧道から県道264線を南に下って行くと、汐見川沿いの道は秋色に染まっていた。

車窓から見える秋の色に染まった木々にスピードを緩めたり、車から降りたりしながらのモミジ狩り。

のんびりと走り過ぎて工石山の登山口となる青少年の家に着いたのは9時30分近くになった。







いつものように体育館の地下に車を停めて支度をしていると、一台の車がやって来た。

車から降りてきた初老のご夫婦。香川から来たというご夫婦も、今日は鳥取の方へ行く予定だったが、

天気が悪いのでこの工石山に予定を変更したという。同じように支度をしている二人の様子を見ていると

仲睦まじいのが汲み取れる。奥様たちに『いいですね、あの年で二人で山に登るなんて』と

言いながら体育館の地下駐車場を後にした。




今日は先ずは黒滝峰を目指して歩いて行く。登山口では先ほどのご夫婦が案内板を見入っていた。

登山口からしばらくは赤良木峠へと続く林道を歩き、途中から登山道へと入って行く。







ここからの道は私も初めての道。前回、黒滝峰へは直登ルートを辿り岩壁を登ったので、

杉林の中に続く道は快適そのもの。あっちゃんも『久しぶりに歩きやすい道ね』と。

『では先ずは鹿を見に行きましょう!』と二人に言うと『鹿?』と返ってきた。

先ほど白髪隧道からの県道で道に鹿が飛び出してきたので、生きた鹿が頭に浮かんだようだ。

『木に登る鹿です!』と言うと、二人も知っていたらしく納得。










途中堅山峠と三辻山への分岐を三辻山の方へと進むと、しばらくして

道の右側に木々の間から『木に登る鹿』が見えた。以前に比べて道の脇の木々が刈られていて

歩いていても直ぐにその場所は分かりやすくなっていた。








二人に『ハイ!ここからどうぞ!』と言って指さし、その方向を覗き込んだ二人からは

『わ~ほんとやね、鹿に見えるね、凄~い!』と歓声が上がった。







暫くの間自然が創り出した芸術品に見入った後、尾根の北側に回り込み緩やかに続く道を歩いて行く。

すっかり葉を落とした木々の落ち葉が道には降り積もり、秋の終わりを感じながら進んで行く。








途中の赤テープのある場所から左に尾根に向かって登って行くと黒滝峰。

黒滝峰の標高点のある場所から先に進むと、前回よじ登ってきた岩壁の突端に着く。

正面には浦戸湾の奥に太平洋。後ろには工石山と絶景が広がっていた。













この黒滝峰へはこのさらに先の岩壁を登ってくるのが楽しいので、よじ登りが大好きなあっちゃんの為に

機会があれば案内しようと思っていたのだが、雨の降った後の今日は、岩壁が濡れていたら

危ないので、次回季節のいい時に再度チャレンジする事にして黒滝峰を後にした。

標高点で今日の一つ目のYAMAPの山頂ポイントをゲットした二人。







ここから尾根を少し歩き北側の登山道まで戻り次の三辻山を目指して歩く。







道にはしっかりとした道標があり、その道標に従って歩いて行く。














三辻山山頂はほぼ360度の展望。ただ吹いてくる風が冷たい。

それなのにあっちゃんが『ここでお昼にします?』と。時間もまだ11時。

WOC登山部では山さんとあっちゃんがとにかくいつもお腹が空いたと言い出す。

『風が冷たいので、風の当たらない杖塚まで降りてお昼にしましょうと』説得する。










登山口から黒滝峰を経てここまで。緩やかな道が続いていたのでそんなに高度を上げてきた

様に感じなかったが、赤良木峠への道は意外と長い杉林の中の下り坂が続いていた。













杉林を抜けると赤良木峠への林道に出た。林道は赤良木峠にあったかつての赤良木鉱山に続く道。

工石山は石灰岩の山で、セメントの原材料となるドロマイトがこの赤良木鉱山で採掘されていた。

採掘場だった鉱山跡には、錆びて赤茶けて巨大なコンベアー施設が残っている。










赤良木鉱山跡から西に進むと杖塚に着いた。奥様たちの待ちに待ったお昼ご飯だ。

杖塚の記念碑の横にはタイムカプセルが埋められていて、2086年に開けられることに

なっているらしいが、埋めた人はまず見られることはないだろう。

食事をしていると7名ほどの団体が登って来た。工石山を登ってここで昼食の後、

三辻山に登る予定だそうだ。







お腹を満たした後は北回りで工石山へと歩いて行く。その途中でルリちゃんが先ほどの

団体さんの年齢と服装から登山歴を予想し始めた。(内容については書けないですが)

その話を聞きながら、あっちゃんと二人で大笑いしながら歩いて行く。

尾根に出ると直ぐに『根曲がり杉』そしてその先には『白鷲岩』。岩の形が鷲のくちばしに

似ているというこの岩からは、北側の眺望が広がっている。










雲が無ければ今日歩こうと思っていた稜線辺りも見渡せただろうが、

やはり高知の県境から北側は天気が悪そうだ。予定を変更して正解だった。










白鷲岩の次は『天然ヒノキ風倒根』。この北回りコースの見所の一つ。

先程の『根曲がり杉』といい、この『風倒根』といいこの工石山は太平洋から

まともに強烈な風が当たる様子が伺える。











鷲のクチバシの白鷲岩の次は、トドの頭の形をした『トド岩』。

見下ろすと麓の棚田に、雲の間からの陽が当たっている。














『トド岩』からしばらく歩くと『北頂上』。山頂の岩にはここから見える峰々の

山名が書かれた丸いプレートがある。奥様たちはそのプレートを見ながら山座同定。

しばらくそのプレートを見ながら遊んでいると、北側に虹がかかり始めた。

初めは薄かったその虹は、次第に色が濃くなりくっきりと見えるようになった。

















北頂上から南頂上に着くと以前にあった丸太で造られた展望台が解体され、

その丸太が積み上げられていた。ここからは南に高知の眺望が広がっている。

東には海に向かって滑走路が延びる竜馬空港と室戸岬。そして正面は太平洋と浦戸湾。

視力1.5のルリちゃんが次々と指さし説明してくれる。近眼の私はそれを聞きながら

何となく返事をする。するとルリちゃんが室戸岬の灯台の光っているのが見えたと言う。

『え~ほんと~!』とあっちゃんと二人で訝しみながら大笑い。

高知市内の奥に低く連なる山が見える。昨年WOC登山部で歩いた南嶺だ。

その山の中腹には私立の土佐塾の建物が目の悪い私にも確認できる。

横にいたルリちゃんに『手前の二本の杉の木の間に土佐塾が見えるでしょう』と教えるが、

目の良いはずのルリちゃんがいつまで経っても同定できない。まずは手前の杉の木に気が付かない。

『視力1.5のはずちゃ~うん!』とまた二人で大笑いする。







しばらくそうやってふざけ合った後、南回りコースの『サイの河原』へと下って行く。

この道はシャクナゲの道。道の両側からシャクナゲの木々が迫っている。







恐山や立山のサイの河原は周りの山々の名前や歴史、そしてその荒涼とした雰囲気で

その名がついたのだろうが、この工石山のサイの河原は雰囲気からして、どうして

そんな名前がついたのか分からないくらいの、よくある水の流れる谷あいの場所。
















サイの河原から青少年の家までは1時間20分ほどのコースタイム。

途中の『ヒノキびょうぶ岩』からはまた南の眺望が広がっていた。

ここでもルリちゃんが、『牧野植物園はどこかな~』と聞いてくるので、

『浦戸湾の左の低い山に建物が見えるでしょう』と言うと、

『ほんと、丸いドームが見える!』と。デジカメをズームしてみるが建物が

あるのは分かるが丸い形までは認識できない。『すごーい、さすが1.5!』と

またまたあっちゃんと二人で大笑いする。

















びょうぶ岩からもサイの河原からと同じように、支尾根を回り込むようにして道が続いている。

良く整備された道を前を歩いて行く奥様たち。いつもならそろそろまた朝ドラの話になっていくが、

『お帰りモネ』はもう終わっている。『良かった~朝ドラが終わって!』と言うと

奥様たちが新しく始まった上白石萌音主演の朝ドラの話をし始めた。

『しまった~!話をするんじゃなかった』と後悔。これからまた今度は

『カムカムエヴリバディ』の『ああでもない、こうでもない』と話を聞かされそうだ。










途中の『ヤッホポイント』での『ヤッホ~!』




そうこうしている内に『杖塚』に着いた。山頂からは高度が下がって来たので、

ここからの道はまだ彩を残していてくれた。鮮やかなオレンジ色はドウダンツツジだろうか?



















青少年の家の手前では黒滝峰の岩壁がそびえて見えた。『今度はあそこを登ろうね』とあっちゃん。

『そしたらアケボノツツジの頃にしましょう』と答える。

駐車場まで戻り、体育館の下でお湯を沸かして、ルリちゃんが小豆島で買って来た

オリーブのお菓子を頂きながら談笑。










いつになく遅い時間のスタートとなったが、工石山は気軽に歩けて

帰路の途中で道の駅で奥様たちは買い物を済ませても、

ここ最近では比較的早い時間に家に着くことができた。



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線で繋ぐ山歩き 野地峰~東光森山

2021年11月05日 | 四国の山



前回『線で繋ぐ山歩き』で大座礼山から三ツ森山を繋いだのが9月1日。

それから私のギックリ腰の発症や天候不良、そして10月はモミジ狩りと、

次に進むべき東光森山がどんどん遠ざかって早や2ケ月。

先週の御来光の滝でモミジ狩りもひと段落したので、線で繋ぐシリーズを再開する事にした。

当初考えていたのは前回の大田尾越から東光森山を通って、別子山辺りで

折返してピストンすると云う計画だったが、車をデポすれば野地峰から東光森山まで

縦走できる事に気づき計画を変更した。ただ東光森山はアケボノツツジで有名な山。

春の花の季節に歩くのもいいかなとのんびり考えていたのだけれど、

順延しているのをあっちゃんが待ちきれない様子。それならアケボノツツジが咲く道なら、

秋の紅葉も見ごたえがあるのでは?と思って今回やっと決行してきた。


前日の天気予報では『全国的に晴れの天気です!』とお天気キャスター笑顔で言っていた。

朝早く自宅を出るとフロントガラス越しに、満天の星空が見えた。

しかしまだ暗い高速道路を西に車を走らせると、次第にその星空は見えなくなり、

なんとなく雲がかかってきているような雰囲気に。そしてその内に道路わきの表示板に

『雨、スリップ注意』の表示が。???『なんで?』と訝しく思いながら更に西に走ると、

鳥坂峠を越えた辺りから路面が濡れている。今日の集合場所は大田尾峠だったが、

どうにも気になり、奥様たちが待ち合わせをしている豊浜SAに寄ると、ルリちゃん

既に到着していた。話をすると、朝から西では雨が降っていたと言う。そしてとうとう

あっちゃんが着くころには雨が降り始めた。雨だとやはり今日のコースは歩きたくなかったので、

色々別の山を考えたが思いつかない。結局筏津まで行ってみようと言う事に落ち着き、

川之江ICを降り、法皇トンネルを抜けると予想に反して青空が広がっていた。

大田尾越に車をデポして荷物をもう一台に移す。車を停めた場所からは最終目的地の

東光森山の急峻な山容とその手前のピークの色付いた山肌が、朝の光に輝いていた。




デポした場所から今日の登山口となる白滝の里山村広場へと向かう。

途中にある爺の滝は谷あいにあるため、朝陽が当たらず薄暗い。

周りの色付きももう少し先の様な感じだった。




白滝の里山村広場の脇に車を停めてスタートする。広場の脇では大型の重機が作業をしていた。

黒岩山に続く稜線の西側は、少し薄くなっているがきれいな彩に包まれていた。







広場の奥のトイレの脇からしばらく白滝鉱山跡のトロッコ道が続いている。

緩やかな道を歩いて行くと、左に向かって山道が続いている。







山深いこの地からは伊予三島への行き来の道として利用されていたのだろう、

しっかりとした九十九折りの道を何度も右に左に折れながら登って行く。

それにしても今日はあっちゃんのペースが遅い。案の定広場までの道で車酔いに

なったらしく、登りに弱いヘッポコリーダーとあまり変わらない。













徐々に高度が上がってくると、周りの木々が色付いた様子が目についてくる。










ヒノキの人工林を通り大きな岩を過ぎると、樹林帯を抜け周りの景色が広がってきた。

かつての鉱山の跡に造られた、白滝の里の赤い屋根が見える。

左に折り返すと広場からも見えた反射板が近づいてきた。










コースタイムでは1時間20分になっていたが、広場からは1時間ほどで山頂に着いた。

東を見ると右手に黒岩山。その左奥に少し尖った登岐山が見える。

ここから登岐山にかけてが、線で繋ぐ山歩きの中でも少しめんどくさいルート。

ネットに上がっている登った人のほとんどの情報が『酷い藪』と書いている。

この野地峰からだと往復できる距離だが、その酷い藪を往復するのは避けたい所だ。







東を見ると東光森山に続く稜線に、以前歩いた大座礼山が見える。

首のないお地蔵さんは寂しいので、老けてはいるが顔を乗せて記念撮影。













一息入れてそれではと、先ずは次の大野山を目指してスタートする。

しばらく歩くと北側に今朝車で走ってきた富郷ダムが見え、

先には葉の落ちた少し寂し気な稜線が続いている。










このコース。あと10日ほど早ければさぞや見ごたえのある色に染まった稜線が見られた筈。

山肌の錦繡を取るか、稜線の秋色プロムナードを取るかと言われれば、

やっぱり遠目の景色より間近な彩を取るかな?







その稜線歩きは直ぐにアップダウンが始まった。高度差は僅か数十メートルのアップダウンだが

登っては息を切らせ、下っては足元に注意が必要な繰り返し。
















稜線が少し左に折れながら続く先で南側の眺望が広がった。その足元には白滝神社からの

道が続いている。少し下がった場所には分岐の道標があった。










一見するとこのまままっすぐ進みそうになるが、この道標の北側に少し分かりずらいが尾根道が続いている。

道標から北側に進むと白滝鉱山の架空索道で使っていた滑車の残骸が数基残っていた。

高知県では最大規模になる白滝鉱山は明治時代に入って盛んになったが、当時は未だ

毎日数百人の中持ちの人力によって運ばれていた。また大正の時代には大川村での

精錬が行われていたが、足尾や別子の銅山同様、その煙害が問題になり精錬事業は縮小。

そのため山を越えた伊予三島まで21kmの架空索道を建設して、白滝側からは鉱物が、

そして伊予三島川からは生活物資が運ばれていたという。その当時の索道の滑車の

残骸が山中に残されその当時の往時が偲ばれる。







鞍部が低い切通の様な場所になった滑車の残骸から反対側に少し登り、

更に進んで行くと1342mのピーク。その手前の大岩からはピークから南に下がっている

支尾根の山肌がオレンジ色に染まっていた。










1324mのピークの辺りから稜線には大ブナの姿が見られるようになった。

紅葉はというとやはり少し盛りを過ぎた感じだが、足元に葉を落とした木々の中にあって

青空に色づいた葉をつけ枝を伸ばしたブナの木は見応えがある。







尾根道の所々で露岩が現れると今日二つ目の目標の大野山が近づいてくる。

振り返ると葉がすっかり落ちた木と、まだ色づきを残す木が混在している。

この山肌がピークの時にはどんな彩だったのだろうか。

途中の道標には野地峰から1.2km、東光森山へは4.4kmとある。まだ先は長い。













野地峰からは約1時間で大野山に着いた。山頂は二等三角点『大野』と小さな山名札が

二つ木の枝に掛けられているだけの小ピークといった感じだ。







今までのアップダウンの下りは大したことはなかったが、大野山からの下りは

少し急な下り坂で始まった。前を歩く奥様たちがロックンロールで踊っているように見える。







ここからは小さなピークでは露岩。そして広くなった尾根にはブナの道が続いて行く。













振り返ると先ほどの大野山と右手にはまだまだ続く東光森山への稜線。

一番奥が今日三つ目の目的地の別子山だろうか。コースタイム通りだと

出発時間からいうと13時近くになるが、スピードが上がらないとはいえ

今日はけっこう早いペースでここまで来れている。

『お昼は別子山にしましょう。12時30分までには着くでしょう!』と

お昼ご飯を気にし始めた奥様たちに伝える。







大野山からは少し南に向かって稜線が続いていたが、その突端が1403mのピークになる。

ピークの手前では急角度で右に下り坂が続いて行く。










それにしてもあと何回登って下るのだろうか。小刻みなアップダウンと変化のある道に

さすがの奥様たちもさほどペースが上がらない。足元を見ながら歩くので、

周りの木々にもあまり目がいっていないご様子だ。










何枚も写真を撮っているが、恐らく後で見たらどこを歩いているのか分からない様な、

同じようなアップダウンと景色がしばらく続いて行く。













ただ今までよりも稜線の木々の紅葉がまだ少しは残っているような感じがしてきた。







1403mのピークから二つ目のピークには高知側から地形図では破線があるが、

登山道らしき道は無く、そのピークからロープの掛った急坂を下ると

また首のないお地蔵さんが座っていた。お地蔵さんが置かれていると言う事は

峠という事なのだろうが、ここから高知側は地形図では直下で崖となっている。

手前の破線がピークではなくこの鞍部に続いていて峠道となっているのだろうか?







尾根は広くなったり狭くなったりしながら続くが、道は明瞭なので外すことはない。

ピークの前後では何ヵ所か岩がせり出て見晴らしの良い場所があった。

オレンジ色のスロープの向こうに大きな大座礼山と中腹に続く林道が見える。










別子山は山頂近くに赤い紅葉が見える。大野山から約1時間で到着した。

四等三角点『別子』と木に巻かれたテープに消えかけた別子山の文字。

『やっとお昼が食べられる!』とあっちゃん。車酔いからは既に解放され、

ここにきて食欲が出てきたようだ。














ここまで来ると残りは1/3程度だろうか。温かいカップ麺をお腹に入れ、

汗が冷えないうちに重たい腰を上げてスタートする。三角点から直ぐにブナの紅葉。







そしてまたアップダウンは続いて行く。ただ登りは前回の土佐矢筈山

御来光の滝の急登に比べると、距離も登る時間も短くさほど苦にはならない。










1454mのピークの前後から尾根道の紅葉も、尾根から脇の斜面の紅葉も良い感じになってきた。













木々に囲まれた露岩が続く道も、随分と葉が落ちて明るく雰囲気の良い道になっている。







途中のブナも枝を広げ、葉が落ちる前の最後の姿を見せてくれている。

木々の間から僅かだが東光森山が確認できる。










これが最後の登りかな?と思いながら登ったのは山頂手前の肩。

『やっぱりピークじゃなかった!』と先に登ったルリちゃんが言っている。

それでも周りの木々の紅葉に励まされながらひと踏ん張りする。










登山口から休憩時間を入れて5時間ほどで最後の目的地、東光森山に着いた。

最後の三角点をゲットして残りはほぼ下るだけの道。腰を降ろして休憩をとる。

大座礼山から2ケ月。やっとの東光森山に感激ひとしおの三人だった。











東光森山からは下るだけと言っても、YAMAPを見ても大田尾越からは急登になっている。

登山靴の紐を締め直し褌の紐?も締め直し気合を入れて下って行く。

東光森山山頂から少し歩いて行くと西側の眺望がいっぺんに開けた。

車をデポした大田尾越への途中にあるピークへは、稜線に沿って色付き

その両脇は人工林の濃い緑が迫っている。そして結構な高度感がある。







また視線をその上に移すと、大座礼山の稜線から降りる鉄塔に沿って、

同じようにくっきりと色づいた線とその脇に濃い緑が続いている。

そしてその奥には平家平からちち山までの稜線が続いている。

その奥の山頂付近がギザギザした山は伊予富士だろうか?

さらにその奥まで薄く稜線が見えるが、雲がかかっていて山座同定が難しい。







その展望所からは直ぐに急坂が始まった。普段あまりストックを使わない奥様たちも

今日は最初から用意して歩いてきていた。両手で上手に操りながら下っている。




と思ったら、ルリちゃんが尻もちをついた。







ロープの掛った場所も数ヶ所。ロープを握り起用にストックを持ち替えながら下る奥様たち。

この道は急峻さとは別に5月のアケボノツツジでも有名な道。

今日のルートの中で最高の彩を見せてくれている。












こんな坂なら逆から来て正解だったわね』とあっちゃん。危ない場所ではお尻をついて下るルリちゃん。

そんな二人は陽に当たった紅葉と同じように色づいている。













途中で何度か見晴らしの良い岩場があり、その度に道はその手前で左にその岩を巻くように

ロープのかかった急な下りが続いている。










大田尾越の手前のピークの尾根沿いはやはりアケボノツツジの紅葉が続いている。

道の両側にも・・・。今日最後の彩りの見納めだ。











手前のピークから振り返るとピラミダルな形の東光森山。『ここから5分で大田尾越です』と

あっちゃんに言ったものの、まだまだ結構距離が残っていた。














『5分?もう10分以上歩いているわよ!』とあっちゃんに皮肉られ始めた頃に

やっと大田尾越に着いた。東光森山から58分だった。










大座礼山に登った時にも同じ場所に車を停めた。そこから見えた東光森山を見て

『来週はあの東光森山を登ります』と言ってから2ケ月経ってやっと登れた。

線で繋ぐ山歩きは今日のコースから東側が頭を抱えるコースとなる。

『来週は・・・・・!』とは言えず持ち帰って考えることにして白滝の広場まで走る。

広場からの帰路は大田尾越には戻らず、早明浦ダムを通って大豊から高速に乗る。

さてさて来週はどうしようかなと、ハンドルを握りながら帰路につく。







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