KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』 立川越~三傍示山~笹ヶ峰

2022年09月15日 | 四国の山

『線で繋ぐ石鎚山~剣山』も四国中央部は残すところあと2区間となって来た。

先週はスタート地点となる立川越に向かう途中で、前日の台風の影響で道路を塞ぐ倒木で

計画を諦めた。一週間経った今週気がかりだったのは、やはりその倒木が撤去されているか

どうか?メンバーの奥様たちも同じ気持ちだったようで、前日までの連絡のやり取りの中で

ルリちゃんも倒木が心配だと言っていたので、もし時間が合ったらご主人と一緒に出掛けて

行って、チェーンソウでその倒木を切っておいて下さいとお願いをしたら、それは無理なので

当日にチェーンソウを持って行きます!なんて話になった。(笑)

そんなやり取りをしていたら、先週末になって珍しくセニョさんからメッセージが届いた。

『三傍示山と笹ヶ峰は既登の山ですが、YAMAPを始める前で、データーが取れていない

ので、参加してもいいですか?』という内容だった。もちろん断る理由もなく、7月の

中津山以来、ご一緒する事になった。

7時30分、道の駅たからだの里へ集合して私の車に乗り合せて先週と同じく先ずは大歩危の

コンビニへと向かう。県内の空は雲がかかっていたが、南下していくにつれ青空が広がって

きた。やはり天気予報通り今日は暑くなりそうな予感がした。





コンビニで行動食を買った後、県道272号線を立川越へと西に向かって走る。気がかり

だった先週の倒木は、この県道272号線から271号線の分岐の手前にあった。その分岐

から先は立川越までは林道なので道の状況は分からないが、倒木のあったヶ所は一応県道

だったので、おそらく1週間経てば撤去されているだろうと予想していたら、案の定途中、

倒木の影も形もなく、すんなりと分岐まで走れた。271号線への分岐から先はやはり道は

落ち葉や落ち枝で荒れたままだったが、途中で草刈り機を持って作業の準備をしている人達の

姿があった。道に被さってきている雑草を刈る作業をするのだろうか、ご苦労様です!

先週車を停めて野鹿池山へと向かった場所から今日もスタートだ。








しばらくは林道を立川越へ西向かって歩いて行く。先週の土捨て場への分岐から先は、道の

両側から萱や雑草が覆いかぶさり、車ではとても走れる状態ではなかった。その分岐から

少し下って行くと、林道布生山線の標識と、三傍示山登山口の立派な道標が立っていた。







その標識から北に向かって林道は続いていたが、既にこの林道は道の体をなしていなかった。

路面は萱が伸び放題で、道が深く崩れている場所もあった。まだ露に濡れた萱を掻き分け

ながら歩いて行くと、事前に見ていたYAMAPの他の人の活動日記に載っていた廃車が

道の脇に転がっていた。







その廃車から先は荒れていた路面もアスファルトが見える状態になり、小さなピークを廻り

込むようにして登って行くと、登山口に着いた。取付きには赤テープがあり、右に続く尾根は

見るからに急な斜面だった。













見た目通り登山道はいきなりの急登。まだ濡れた路面に時折足を滑らせる。『これは帰りの

下りは注意せんといかんね!』とあっちゃん










三傍示山の傍示とは『札を立てて国境を示す事』。三傍示はすなわち三つの国境。愛媛・徳島・

高知の県境なのだ。その傍示に沿って、まずは徳島と高知の県境尾根を歩いて行く。







急登が終わると周りにはシャクナゲ。少しは息切れが楽になったが、それにしても汗が

半端ない。水分をこまめに取っていくが、直ぐに汗になって噴き出ている感じがする。











三傍示山までは登り一辺倒だと思っていたら、少しだけ下るヶ所が二度ほどあった。

さらに登って行くと尾根の真ん中に大きくひっくり返って根の裏がまるまる露出した木。

工石山の天然ひのきの風倒根を小さくしたような感じ。







この区間で唯一東に開けた場所があった。遠くに見える山々は祖谷山系の山だろうか?

標高が1050m辺りになってくると、登りも緩やかになり周りの植生も変わってきた。

前を歩く三人のスピードも上がってきた。
















スタート地点から1時間20分で、三県の県境についた。木に掛けられた割れたプラスチック

はキティーちゃんのプレートだろうか?







この県境からまずは三傍示山に向かう。ここからの県境は徳島と愛媛の県境になる。







三傍示山山頂は少し開けて広場になっていたが、木々に囲まれ眺望はなかった。

山頂には山名標と三等三角点 大吾山 1157.8m。徳島県では最西端、愛媛県では最東端

の山となる。ザックを降ろし水分補給と行動食を口にして、写真を撮ったあとは直ぐに次の

笹ヶ峰へ向かって行く。







三県の県境まで戻り、西に向かって最初は下って行く。ブナなどが立ち並ぶ自然林の中の

尾根道。975mの標高点辺りまで緩やかな下りが続いて行く。










時々遠望できる場所もあったが、木々越しの景色で見ごたえはない。

北に見えた山々



唯一見えた前方の景色は橡尾山からカガマシ山に続く稜線?




先程の県境からは青色のビニールテープが結構な数、木に括り付けてあるが、このビニール

テープは経年で細かく裂かれてしまうので、あまり数が多いととても見苦しい。











尾根道が登りになってくると足元に少しづつ笹が現れ始めた。この尾根の県境は愛媛と

高知の県境となる。







笹ヶ峰山頂の手前の笹ヶ峰峠には歌碑と県境碑が立っていた。土佐北街道の峠となっている

この場所、その横の案内板には明治以降旅人の為のわらじや餅を売る茶店出されていたと

書かれていた。その峠からひょいっとひと登りすると笹ヶ峰山頂に着いた。今日はここから

先の橡尾山に向かって途中まで歩く予定。ただこの先腰を降ろせる場所があるかどうか

分からなかったので、この山頂でお昼ご飯にする。もちろんあっちゃんが『お腹が空いた~!』

と騒ぐ前にという意図もある。

















三人が食事をしている間、ルリちゃんが差しだした果物を口にしただけで、セニョさんは

お昼ご飯を抜いている。『大丈夫ですか?』と奥様たちが心配するが、本人はいたって平気。

お昼ご飯を食べたらここから更に西に橡尾山方面へと足を延ばす。次回のカガマシ山から

橡尾山を歩いて、さらに今日の折り返し地点まで歩いて線を繋げようと云う計画なのだ。

橡尾山から東は登岐山並みのスズタケ藪が待ち構えている。それを往復するのは果たして

可能か?(ほとんどの人が周回で、その藪を往復した人はほとんどいない)

その為にも出来るだけ今日、橡尾山方面に距離を延ばしたい。目標としては1029mの

標高点の先にある、この区間の最低鞍部まで行きたいと考えていた。

山頂から西は緩やかな下り坂。するとすぐに三角点に着いた。四等三角点 笹ヶ峰 1015m







三角点の少し先で木々の間から橡尾山が見えた。地形図ではここから200mほどの

高低差だが、ここから見える橡尾山はけっこう高低差があるように見えた。『あの斜面

一面がスズタケ藪だったら、相当苦戦するな』と思った。








尾根は高知自動車道の笹ヶ峰トンネルの上部辺りまで広尾根になっていて、時々方角を

見失ったりする。笹ヶ峰からこちらは赤テープがあるので、それを目印に歩いて行く。

尾根には先日の台風で散った木の葉や枝が散乱していた。



















目標としていた1029mの標高点が近づいてくると尾根はスズタケが密集し始めた。

そのスズタケ藪が始まる地点で、先頭を行くあっちゃんは尾根から少し北側を歩いて

行ったが、あとからの三人はそのまま藪に突入してみると、スズタケの背丈が高くて

前方の様子が全く分からない。掻き分け掻き分け歩いて行くと突然南側の景色が開けた。

正面に斜面が大きく崩れた場所に工事現場らしい白いコンクリートの法面が見えた。

以前に今日のスタート地点に立川番所書院から来ようと思って、立川越の手前で通行止め

にあった土砂崩れの現場だった。その奥には野鹿池山が見える。

このままスズタケの藪の中を歩いているとかなり時間がかかりそうなので、あっちゃんが

歩いて行った場所まで戻り、同じように尾根の北側を歩いて行く。













1029mの標高点から少しだけ下がり、笹ヶ峰隧道の上部の手前がこの区間の最低鞍部

になる。YAMAPを見ながら、『それじゃここで引き返しましょう』と声を掛ける。

折り返し地点はYAMAPで確認できるが、一応目印は二本巻かれた赤テープ。











折返して広尾根をゆっくり登っていると、前を歩く奥様たちが立ちどまって何やら写真を

撮っている。周りは特に何でもない場所。『どうしたの?』と聞いてみると、あっちゃんが

嬉しそうに『ここが笹ヶ峰トンネルの上なの!』と。・・・・・・・??










笹ヶ峰まで戻ってきた。山頂で水分補給。ザックを降ろすと背中も前も、皆さんたっぷり掻いた

汗で濡れたシャツの色が変わっている。山頂直下の峠は南北に道が続いているが南に下った道は、

県道5号線からだと30分ほどでここまで登って来られる。前回セニョさんがWOC登山部で

歩いた時は、この道を登ってきている。そして三傍示山への分岐にはさぬき山好会の道標が

掛けられていたが、プレートには三方示山と書かれていた。伊予国では三峯、阿波国では

不生山と呼ばれていたらしいが、三方示山はそのどちらにも当てはまらない。










三傍示山までは緩やかな下りと登りの道が続いて行くが、前を歩くセニョさんのペースが

極端に落ちてきた。平坦な場所ではそうでもないが、登りになるとあっという間に前の

奥様たちに離されていく。










三県の県境に着いた途端に、ザックを降ろして『バテた!』とセニョさんが珍しく弱音を

吐いた。おそらくお昼ご飯を食べなかったのでシャリバテだろうと思うが、セニョさんから

そんな言葉を聞くのは初めてだった。











時間は14時20分前、スタートしてから5時間20分を経過しようとしていた。

『それじゃスタート地点まで15時30分目標で下って行きましょう!』と声を掛ける。

ここからはほぼ下り、バテていても何とか足は前に出て行くでしょう。

でも結局何だかんだといいながら、奥様たちのスピードに釣られて、県境から50分

ほどで林道の登山口へと降り立った。
















先に降りたあっちゃんが登山口とは反対に尾根の南側に分け入った。何をしてるかと思えば

先ほど見えた土砂崩れの工事現場の写真を撮ってきた。稜線からの遠目では判らなかったが

写真を見ると工事は以前見た時に比べてかなり進んでいた。








登山口から荒れ放題の林道を通り立川越へと出る。途中道の脇から三傍示山の方の景色が

見えるが、見えたピークが三傍示山かどうかは分からない。途中で見えた大豊側の通行止めの

せいで、車の通らなくなったこちらの林道も結構荒れている。登山口から15分ほどで

スタート地点に戻ってきた。

大汗を掻いたシャツは絞れば汗がしたたり落ちそうな感じ。ズボンも股まで汗で色が変わって

いる。靴を履き替え、全員が服を着替えて車に乗り込んだ。

県道へと向かう途中で、朝見かけた人たちがまだ道の脇の草刈りをしていた。作業している

手を止めたり、車を移動してもらったりしながら通過する。

さぁ来週はいよいよ四国中央部の最後の区間。そして残りの区間の中でもっとも登山道の

状況が気になる区間。プチファーマさんからは心して・・・とアドバイスを頂いた。

またまた近づいてくる台風も気になるが、先ずは自身の体調を万全にして臨みたい。














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