goo blog サービス終了のお知らせ 

KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

gooブログサービス終了でお引越し!

2025年04月29日 | 雑記

長い間利用していたgooブログが11月18日でサービスを終了するそうです。

2008年の2月から利用していたので足かけ17年になります。

取りあえずは1300以上の投稿記事があり、このまま閉鎖するには忍びないので

引っ越しをすることにしました。

gooからの引っ越し先で推奨していたのがAbemaブログはてなブログでした。

どちらも一長一短あるのですが、私が一応引っ越し先に選んだのがはてなブログでした。

引っ越し先の「はてなブログ」です。   ←リンク先です。

URLです。

https://kazashi01.hatenablog.com/

 

まだ新しい記事は投稿していないのですが、過去の記事は全て引っ越しができているようです。

ただしHPのリンク先がgooブログになっているので、HPのリンク先もひとつひとつ

変更しなければならないのが大変な労力を要します。

取りあえずの使用感としては、画像の挿入がgooに比べると少し手間なような気がします。

過去の記事については変な位置で改行になっているので、現在少しづつ直していっています。

 

何はともあれ前回HPで利用していたYahoo!ジオシティーズが閉鎖になった時もデーターの

移転にすごく手間がかかったので、今回のはてなさんも閉鎖しないことを願うばかりです。


知らなかった国見山は・・・・・。

2025年04月18日 | 香川の里山

桜の季節が終わるとツツジの色とりどりの写真が上がり始め、お山も長い冬が終わりいよいよ花の季節。今週は

どこに登ろうかと考えていたら、西の奥様から『一度登ったことがあるんだけれど、YAMAPの山頂ポイント

の旗が立っていないので国見山に登りたい!』とリクエストが届いた。

私はここ最近は毎年冬にソリ遊びで何度も登ったけれど、この季節には登ったことがないかもしれない。そう思

ってYAMAPの活動日記を調べていく内に、たしかアカリプタさんが花の写真をたくさん載せてアップしてい

たのを以前に見たのを思い出した。その活動日記を探し出し見てみると、たくさんの花の写真の中にシコクカッ

コウソウとヤマシャクヤクが斜面いっぱいに咲いていた。そうか国見山は花の山だったんだ。

その活動日記のURLを西の奥様に送って『リクエスト通りに国見山に登ります』と連絡をすると、『ヤマシャク

ヤクを是非見に行きましょうと!』返事が返ってきた。

集合場所の道の駅たからだの里に向かう途中にある備中地池には、雰囲気のある浮島の周りに昨日冷えたせいな

のか、少しだけれど蒸気霧が立ち上っていた。道の駅から上の登山口まではおおよそ1時間で着いた。

 

 

駐車場には車はなく、二人で身支度をしていると一台の車がやって来てそのまま林道を上へと走って行った。奥

様と『山に登らないのなら花目当てなのかな?』と言いながら顔を見合わせる。

取り付きから切通になった斜面を登って行くと背の低い笹をかき分けて道が続いて行く。

 

 

ここ最近国内では山火事のニュースが多く流れていたが、そのせいか真新しい山火事注意の看板が目に付いた。

途中にも何カ所か注意喚起の看板が立っている。笹の道が終わると杉林の中の道になる。

 

 

最初の防火帯に来ると道の脇の笹の上に薄く雪が降り積もっていた。やはり昨日平野部でも冷え込んだので山間

部では雪になったのだろう。次第に雪は道の上にも積もり始める。昨日降った杉の枝に積もった雪が陽が登ると

解け始め、頭の上からポツポツと雨粒のように降ってくる。

いつもはこの防火帯でソリ遊びをしているのだけれど、道にはけっこう石が転がっている。その石を隠すくらい

冬にはけっこう積雪量があるのだろう。

 

 

 

防火帯をやり過ごすと西に向かっての矢印の道標が立っている。ここからは新雪の上を可愛らしい足跡が続いて

行く。その新雪を踏みながら防火帯の急登と比べると、随分と緩やかになった道を歩いて行く。

 

 

山頂からの支尾根になると今度はブナの林の道。葉の落ちた自然林の下は陽が当たって雪も溶けて薄っすら程度。

支尾根の南から北側のトラバースになると途端に冷たい風が吹き上げてきた。二人で『一枚上着を持ってきてい

て良かった』と。

 

 

防火帯の分岐からは20分ほどで国見神社に着いた。国見神社は南の登山口にある西祖谷山村後山の四所神社の

飛地境内社。巨岩を背に古い狛犬の間にそれより新しい石祠が設置されている。

国見神社の奥には避難小屋がある。なかには薪ストーブと薪の木の枝が置いてある。30年以上も前になるだろ

うか、会社の女性に誘われて善通寺山の会の山行に参加して国見山に来た際に、この小屋の中で鍋をつついた記

憶がある。

 

 

 

道はこの避難小屋から山頂の南直下を巻くようにして続いている。以前は手前で直登して登っていたけれど、今

はロープが張られて通行禁止になっている。山頂から西に続く支尾根に出て反対に東に向かって登って行くと、

二等三角点 国見山 1408.98m 

 

 

国見山山頂はその名のとおり360度の絶景が広がっていた。誰一人いない静かな山頂を想像して登ってきたが、

西側から先ほどからずっとヘリコプターのホバリングの音が聞こえていた。ただしその飛んでいる姿が山頂に来

ても全く見えない。

東には寒峰から烏帽子山そして矢筈山の峰々。

 

そして太郎さんと次郎さん

 

南にはちょこんと三角の頭を出した天狗塚から西熊山、そして三嶺の稜線が続いている。

 

 

梶ケ森の電波塔類も見える。

 

そして西を見ると二つ岳から東赤石山

 

そして一番雪が深いちち山から西に、石鎚山へと雪を抱いた峰々

 

北には雲辺寺の肩越に豊浜辺りだろうか?

 

 

山頂からの絶景をたっぷりと眺めた後、西に続く支尾根を下って行く。この道は大歩危の駅から続く国見古道

なる。そして祖谷スカイラインレースのコースにもなっている。

 

登ってきた国見神社からの道の分岐を過ぎるとしばらくは尾根道。その内に次第に尾根が広くなっていく。

 

 

 

 

作業用のモノレールを跨いでさらに下って行くと川崎国見線林道の最高地点に出た。

 

 

 

 

ここから車を停めた上の登山口まではコンクリートの道が続いて行く。今年の祖谷スカイラインレースは5月1

8日に開催されるらしい。コースは大歩危駅から国見山を往復する(シングルクラスの9.1km累積1280m)と

見山登頂後、後山に下りて再度国見山に登って大歩危駅に戻る(ダブルクラス15.4km/累積2200m)の2クラスに

分かれている。昨年のショートコースの優勝者は1時間40分ほどで登り降りしている(信じられない!)

林道を下って行くと切通の岩肌と杉の木の間に天狗塚から三嶺へ続くゴールデンコースが山頂で見るよりクリア

に見えた。

 

 

 

それにしてもこれだけの岩肌を削って林道を通して、木材の搬出に使うのだろうけれど、果たして採算が合うの

だろうかと思ってしまう。

 

 

山側の杉林の下にはミツマタが所々で花を突けている。

 

 

道の脇には小さなスミレやフキノトウが春の訪れを感じさせてくれる。山頂からこの林道に降りたち、おおよそ

1時間で上の登山口には戻って来れた。

 

 

 

 

帰りに寄った大歩危駅には外国人の姿が何人も見られた。平日にもかかわらず四国のこんな山の中までインバウ

ンドは進んでいるのかと感心。駅舎の横のトイレにはユニークな注意書きがあった。小便小僧のポコッとお腹の

出た幼児体系を見て、思わず自分の脂ののった下腹を眺めてしまった。

 

 

 

 

ここからは花めぐり。そのつもりで歩き探したけれど、見つけたカタクリヤやヤマシャクヤクはまだまだ蕾を付

けた葉も少なく、山肌を吹き上げてくる風にゆらゆら揺れていた。代わりにまだ福寿草が黄色い花を咲かせて出

迎えてくれた。『ヤマシャクヤクはまだ当分先だね』と話し、次にまた来ようと言って花散策を終えた。

 

 

 

 

 

 


三度目の正直の山河の里、寄道して大正解!

2025年04月11日 | 四国の山

西三子山でミツマタの群生を堪能した後の帰り道。県道16号線を東へと車を走らせる。この通り沿いには山犬

嶽へのアプローチ道に樫原の棚田、そして上勝町の取り組みのひとつのゼロ・ウェイストアクションの施設、ク

ラフトビールのISE & WIN Brewing Coなど、山間部にあってというより山間部こその景勝地や施設があって、時

間があれば色々と立ち寄りたい場所がある。道筋の山際にもいたるところで桜や桃やヤマブキが春の里を華やか

に彩っていた。

 

正木ダムのある美愁湖を過ぎた辺りでふと、ある場所に3月に奥さんと訪れたのを思い出した。坂本のひなまつ

を訪ねた際に寄り道した『山河の里』だ。最初に尋ねたのは2年前。その時は西の奥様たちと同じように坂本

のひな祭りを見た後に近くの山を登った。最後に訪れた山河の里はまだ花の開花には少し早く、河津桜とアネモ

ネが咲いている程度だった。3月に奥さんと来た時もまだ花は見当たらなかった。

ここまで間周りの木々の色づきを見て、山河の里もそろそろ見ごろを迎えているんじゃないかと立ち寄ってみた。

高鉾郵便局を過ぎ藤川谷川に架かる橋を渡って正木トンネルの手前で南に曲がる。少し走ると三差路がありそこ

をさらに右に曲がり、離合の難しい狭い道を進んで行くと山河の里に着いた。少し先の道の下にある駐車場に入

ると2台ほど車が停まっていた。皆さんよく知っているな~と自分の事を置いといて感心しながら園内へと歩い

て行くと、花・花・花のオンパレード!

 

 

小さな作業小屋の前には薄紫や薄いピンク色のアネモネが風に揺れていた。その反対側にはサークル状に植えら

れた色とりどりの大きな花びらのチューリップ。その前で訪問者と話をするおじいさんの姿があった。

 

 

訪問者との話が終わったので声をかけると、顔中にしわを寄せてニッコリ笑顔で挨拶をしてくれた。

話を聞くとここには住んでいなくて、毎日小松島から40分近くかけて通っているそうだ。退職して20年以上

かけてこの庭を造りあげたそうだ。あと数年もすれば90歳というのにとてもお元気そうだ。そしてこの花園を

無料で開放している奇特な方だ。

 

『この花が一番好きなんです』と教えてくれた平安紅枝垂れは小さく淡いピンクの花びらが可愛らしい。

『奥のヤマブキも見頃ですよ』と教えていただいたので園内を奥へと歩いて行くと、素焼きの植木鉢で作った

でちゃんが迎えてくれた。

 

 

 

園内にはこうした手作りの作品が至る所で迎えてくれる。そして花の名前や道標は全部手書きで可愛らしい。

ひでちゃんの奥の突き当りにはヤマブキが満開だった。薄い春色の花たちの中にあって明るい派手な山吹色がア

クセントになってとてもきれいだ。

 

 

ヤマブキを見ながら一周して戻ると、『上から下を眺めてもきれいですよ』と教えてくれたので、民家のある場

所まで上がってチューリップ畑を見下ろしてみる。

 

 

 

眺めた後また下まで降りておじいさんと話をする。『本当にきれいですね、もともと花がお好きだったんですか』

と聞くと『ハイ大好きでした』と応えてくれた。『ほんとうはイングリッシュガーデンにしたかったんです』とも

照れながらお話ししてくれた。

香川から来たのを伝えると『お~~いお母さん!』と声をだして奥に居る奥様を読んでくれた。園の奥から現れ

た奥様もとてもやさしい笑顔で話しかけてくれ、三人で色々と話をする。園内が手狭になってきたので上の道路

の反対側の山の斜面を切り開いて、何年か前からしだれ桜を植えているそうだ。見上げると急斜面。作業も大変

だろうけど、怪我のないよういつまでもお元気で、『また来させてもらいます!』と約束をして山河の里をあと

にした。

 


ニシミネ・ミツマタ・サンガノサト!

2025年04月10日 | 四国の山

先週は花めぐりで奥様と神山町界隈を彷徨った。今週は休みが合わないのでそろそろ少しはお山らしい山に登ろ

うと思って目星をつけたのが雲早山。直近の様子は?とYAMAPの活動日記を検索して地形図を眺めていたら

西三子山の山名が目に入った。『そう言えば最後に登ったのは何年前だろう?』と思いながら、西三子山の活動

日記を見てみると、今度はサムネールの一覧の中に黄色く浮かんだミツマタの写真が飛び込んできた。クリック

して詳細を見ると、どうやら群生地があるらしい!早速予定を雲早山から西三子山に変更して、『ニシミネ・ミツ

マタ、ニシミネ・ミツマタ』とルンルン気分で出かけてきた。

登山口に向かう途中で、道の駅ひなの里勝浦の南側に桜並木が続いているのが見えた。道の駅に車を停めて、

形交流文化会館の裏手に歩いて行くと、突き当りの川の両側に右も左も桜並木が続いていた。脇に建つ案内板に

は『さくら祭り周辺MAP』のイラストが描かれていた。以前から桜と船下りの写真やポスターを見た事があっ

たがここがその会場の様だった。東西2kmに及ぶ桜並木はすでに散り始めていて、川面一面が花びらで埋め尽

くされていた。

 

 

 

道の駅を出て上勝町を抜け、八重地トンネルを通って登山口へと着いた。以前に所属していた山の会で歩いたの

が20年近く前になる。それから5年後に続けて毎年3回独りで訪問した山だ。その頃はまだ西の寒峰、東の西

三子山と云われる福寿草の群生地として名をはせていた山だった。ただそれ以降年々花数が減りほぼ絶滅状態に

なってしまったので足が遠ざかっていた山だった。

県道の少し路肩が広がった場所に停め、道路向かいの登山口から取り付く。取り付きからザレた道を最初は沢に

沿って登って行く。取り付きから少し登ると沢の反対側に石垣が見えた。峠近くのこの場所の周辺に民家はなく、

畑の石積みではなく、何かの道が続いているように見えた。こういった石積みを見るともともと何があったのか

と興味が湧いてくる。この登山道は四国電力の鉄塔巡視路を利用して続いて行く。

 

 

 

 

右奥に小滝が見えると道が崩れて土と落ち葉が被って踏み跡が薄くなって判りずらい。それでも時々巡視路用に

設置された樹脂の階段と赤テープを探しながら、ルートから外れていないか確認しながら登って行く。

 

 

傾斜はどんどん急になってくる。樹脂の階段も埋もれていたり足元が崩れていたりしている。道が崩れかけてい

るヶ所にはロープが張られているが、とにかく谷側に足を滑らせないようにゆっくりと登って行く。

九十九折れて右に左にと登って行くと、次第に薄くついた踏み跡が分りづらくなってきたので、左手の支尾根に

向かって登って行くと最後に平坦な道に出た。

 

 

 

2m以上幅のある道は八重地土工森林組合が大正から昭和初期にかけてトロッコ軌道を敷いていた跡。炭焼き用

のツガやモミの木の搬出を行っていたそうだ。

 

 

ここからは1050から1060mの等高線に沿ってほぼ水平な道が続いて行く。別子銅山の炭の道や牛車道に

もみられるように、こういった歩かれなくなった道は必ずといって谷筋がほぼ崩れている。

今度は電力がトロッコ道を巡視路として利用している形になる。大きな谷筋では鉄製の橋を架けていた。

 

 

幅のあるトロッコ道も所々で土で埋もれて足場の悪い場所にはロープを張ってくれている。すると前方に上から

道を横断して下の斜面を駆け下りる動物の姿があった。遠目ではっきりとはしないが狸さんのようだった。

 

 

大きく崩れた谷筋では少し高巻きをして通って行く。この崩れた場所からしばらく歩くと、道に白い石灰岩が転

がり始める。谷側の斜面には白い川の流れのように石灰岩の筋ができている。

 

 

先ほどの鉄の橋や所々の谷筋の両側に石積みが残っていた。谷に架かけていた橋の橋脚の土台部分の石積みだろ

う。以前歩いた別子銅山の炭の道にも同じような石積みが谷筋に残っていたのを思い出す。すると今度は右上の

斜面を白いお尻のバンビがピョンピョン跳ねながら駆け上って行った。

まだ少し芽吹きには早いこの時期、葉のない木々の間からは明るい日差しが降り注ぐ。その陽気に誘われてか、

斜面に並ぶアセビが白い花をつけている。正面には植林地の濃い緑の上に西三子山がちょこんと頭を出したいた。

 

 

 

 

さらに歩いて行くと1191mの標高点と西三子山の支尾根の間の鞍部に出た。広場のようになったこの場所で、

山の会で来た時は一息入れた記憶がある。トロッコ道は西三子山の支尾根の北側を巻くようにして続いている。

振り返ると1191mの標高点の支尾根の北側にもトロッコ道が続いている。

ここがトロッコ道の交差点になっているようだ。その当時に使われていたのか、その後の林業の人が使っていた

のか(登山者のものではないと思う)、使い古され焼けて真っ黒になったやかんが木の枝にぶら下がっていた。

 

 

 

広場で一息入れた後西三子山の支尾根を登って行く。幅の広い尾根を踏み跡を見ながら登って行くとアセビが道

の両側に連なっていた。葉を隠すくらい白い鈴状の花が木全体を覆いつくしているのもあれば、全く花をつけて

いない木もある。樹齢によるのかそれとも隔年で開花するのだろうか分からない?

 

 

アセビの道を過ぎると88番鉄塔の広場に出た。広場の北側には『あんな形してたっけ』と思うほどきれいな三

角の形をした雲早山が見えた。鉄塔広場からも広尾根が続いて行く。新芽の緑の頃や彩の季節もいいが、葉のな

いこの時期は丁度暑くもなく寒くもなく、陽光を浴びながら歩いて行ける気持ちのいい時期だ。

振り返ると先ほどの鉄塔越しに高丸山とその山頂から続く稜線上に一本ブナのピークが見える。そのピークには

何となく大きな木が一本だけ立っているのが見えた。

 

 

 

 

広尾根を過ぎると尾根の左側が杉の植林地、右側が自然林の尾根になる。するとトロッコ道でも見た小さな道標。

ここから山頂の南側を回り込み福寿草の元群生地を通って山頂へ登る道と、このまま山頂へと登る分岐になる。

 

 

 

雨が多いのか杉の木の根元にも、周りの木々の幹にも苔がまとわりついている。そんな緑の景色の中でひと際異

彩を放っているヒメシャラの大木。地面から横に伸びた太い幹の先に、手を広げたような根。こちらに向かって

迫っている悪魔の手の様だ。

 

 

悪魔の手のヒメシャラから上は苔岩の尾根。大小様々な形をした岩と苔。雲早山のパラボラ尾根に出る手前の苔

庭より、一回り規模が大きい。

 

 

 

苔庭を過ぎると今度は苔の緑よりも石灰岩の白さが目立ち始める。そんな岩の間を抜けて登って行くと西三子山

山頂に着いた。三等三角点 澤谷 1349.01m 山名標の下にはヤッホー地蔵。以前は木彫りのお地蔵さんだった

が、これは二代目なのか木彫りではなく焼き物でできていた。

 

 

 

石灰岩で覆われた山頂は四国の山では他にはほとんど見られない独特な景観だ。南側にはいまだ踏み入れた事の

ない山域。そして北側にはレーダー雨量観測書があるので直ぐに山座同定のできる高城山が見えた。

ゴツゴツした形の岩の中から平らな形の岩を見つけて腰掛けカップ麺にお湯を注ぐ。じっとしていると北から吹

き上げてくる風がまだ少し肌寒い。そのせいかカップ麺の温かい汁をを最後まで飲み干した。

 

 

 

 

さてさてお腹を満たしたら、今日の次の目的地でメインとなるミツマタの群生地へと降りて行く。YAMAPで

見た活動日記は1週間前に黄色く色づいたミツマタの花が載っていた。果たしてまだ花は咲いて行くのかドキド

キだ。岩庭や苔庭では、前のめりに転びでもしたら大けがになるんで、注意深く降りて行く。途中で悪魔の手に

またがったり、鉄塔の斜材を額縁に見立てて雲早山を写真に撮ってみたりしながら、のんびりと分岐まで歩いて

行く。

 

 

分岐から林道に降りて行く。その林道に降りた近くに群生地があるらしいが、そこまでがなかなかの急坂。右左

に体の向きを変えながら踏ん張って降りて行くとやはり膝が少し痛んできた。落ち葉が踏み跡を隠しているけれ

ど、何となく雰囲気で踏み跡を辿りながら下って行くと、視線のさらに下に白いコンクリートの林道が見えた。

林道近くの水路に背の低いミツマタの木が、まだ細い幹にテープが巻かれて植えられていた。

 

 

 

一旦林道まで降りると下手に作業道のような道の脇にミツマタがずら~と並んでいるのが見えた。その作業道を

登って行くと、なんという事でしょう・・・・。斜面の上から下までミツマタの白と黄色の花畑が広がっていた。

 

 

目にした活動日記のミツマタは濃い黄色でピークのように見えたが、白い花が多くてまだまだこれからといった

感じだ。周りには何とも言えない清楚な匂いが漂っている。

 

 

 

少しだけ道から斜面に分け入って写真を撮ってみる。散っていないかと心配して損をした。まだしばらくはこの

見事な群生地は楽しめそうだ。

GoogleMapにはこの下の県道をさらに下った場所に『ミツマタの群生地』と載っている。次回はぜひそこにも立

ち寄ってみたい。

 

 

 

 

ミツマタ鑑賞が終わるとコンクリートの林道を道の脇に咲く花たちを眺めながら降りて行く。

 

 

 

群生地から林道、そして県道を歩いて約45分ほどで車を停めた登山口に着いた。

今日は福寿草の代わりにミツマタ鑑賞となったが、福寿草の群生地もファガスの森の地下足袋王子さんらによっ

て保護ネットで保護区画を作って以来、少しづつ数が増えているようなので、次回は山頂近くの福寿草を是非見

にきたい。

 

 

山河の里は次回に続く・・・・!


あっこんな所にも山頂ポイントがあった向麻山

2025年04月05日 | 四国の山

明王寺を後にして、今度は昨年も訪れた神山温泉上角谷川を挟んで対岸にある四季の里を訪れてみた。

昨年は散りかけていたここのしだれ桜は、今年はまだまだ見応えがあった。細く垂れ下がった枝に咲く淡い桜色

の桜の下で、皆さん思い思いに春の訪れを楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

四季の里のあとはこちらも昨年尋ねて奥様がいたく感動していたゆうかの里へ、神山町から石井町方面へと車を

走らせる。狭い山道を走って行くと警備員が片側通行の誘導をしていて、ゆうかの里近くでは、駐車場待ちの車

で渋滞していた。

スダチ農家だった佐々木さんが、友人から神山枝垂桜の苗を3本譲り受けたのがきっかけで、その後離農した後

も自費で休耕地に毎年植え続けて、現在のように1.5ヘクタールの山に500本の桜と1500本のレンギョ

ウが山一面に咲いている。

 

 

山の斜面にはコンクリートの道が続いている。その坂道の上を空が見えなくなるほどしだれ桜の花が覆いつくし

ている。春休みなのかお子さん連れの姿も多くみられ、反対に杖を突きながら登って行く老人の姿もある。

 

 

 

 

若いカップルが楽し気に話をしながら上から降りてきた。

 

道の両側にサクラソウとレンギョウの花が続く先には優し気な表情の観音様が建っていた。ここでは光背の代わ

りを桜の花が形どっている。

 

 

ビニールハウス跡にはサクラソウが植えられ、その横には菜の花がしだれ桜を背に咲いていた。

しだれ桜の淡い色と菜の花、レンギョウの派手な黄い色は、春真っただ中を存分に感じさせてくれる。

 

 

 

昨年はこの後最後に神山森林公園を訪れたが、今年は帰り道にある向麻山公園を訪ねて見ることにした。WOC登

山部のメンバーが数日前にFBに桜の写真をアップしていたのを思い出したのだった。

鴨島町の手前で国道から少し南に入った場所にある公園。山頂近くまで車で行けるようだったが、麓の児童公園

の横に停めて歩いて登る事にする。

児童公園の遊具からは賑やかな子供たちの声が聞こえてくる。車道から遊歩道へと入って登って行くと、次第に

周りの景色が見下ろせるようになる。

 

 

少し色の違うソメイヨシノとしだれ桜が入り混じって咲くさまは、艶やかで華やかな景色を楽しめる。

 

 

山頂の芝生広場ではしだれ桜の下で、お花見を楽しむ人の姿があった。ランドセルを背負った子供の入学の写真

だろうか、大きなレンズを構えたカメラマンらしき男性が、桜をバックに子供たちに色々とポーズをとらせて写

真を撮っていた。

 

ここで何気にYAMAPの画面を見てみると、この広場の奥にグリーンではないが、グレーの山頂ポイントがあ

った。『ポイントがある!』と言っても奥様にはチンプンカンプン。『何の事?』というので、スマホの画面を見

せながら簡単に説明して歩き始める。

芝生広場の奥の竜眼神社の鳥居を潜り、社殿で手を合わせた後さらに奥に進んで行くと 三等三角点 牛島

91.84m。最近踏んだ三角点の中では一番低い三角点だ。ここで山頂ポイントゲット!

 

 

 

近くの東屋の展望台からは、北に吉野川を挟んで阿讃山脈。そして視線を東に移すと桜の花越に徳島の市内へと

景色は続いていた。

 

 

 

向麻山の展望台を後に遊歩道を下りながら、この春最後の花めぐりで亀鶴公園の桜並木から始まり、神山町

ゆうかの里、そしてこの向麻山公園で桜の花を堪能して、今日は桜の花でお腹いっぱいになった。

もちろん奥様には大変喜んでいただいた!

 

 

 


昨年も奥様と歩いた桜三昧と滝巡り!

2025年04月04日 | 四国の山

今週は奥様とお約束の花めぐり。昨年は四月に入って直ぐに香南市の西川花公園に出かけた。今年の開花の状況

はどうかとネットで調べてみると、主要メンバーや運営スタッフの高齢化や後継者不足で昨年で閉園しましたと

書かれていた。小さな丘一面に咲く色とりどりの桃の花と、その手前に広がる菜の花畑の鮮やかな色が対照的で

今年もぜひ出かけてみたいと思っていたのに残念だ。

それでは予定変更で昨年二週目に出かけてけっこう散り始めていた神山町のしだれ桜を見に行くことにした。

我が家から志度山川線を通って山川町から神山町へと入るルート。まずはその途中にある桜の名所の亀鶴公園

立ち寄ってみると、公園の池の中の亀島に続く長堤の両側に咲く桜並木はまだ満開は少し先の様子だったが、そ

れでも何人もの人が散策に訪れていた。

県道から193号線を南に走ると脇町に入る手前に、こちらも桜の名所として有名な八百萬神之御殿があるが、

『数年前より桜にテング巣病と思われる症状が異常発生し、手入れを行ってきましたが、近年の猛暑や野生動

物(イノシシやシカなど)による根付近の掘り起こしや食害の影響もあり、花見期間の境内開放を行いながらの

手入れが難しくなってきておりました。毎年楽しみにしていただいている方には残念なお知らせですが、今年の

境内一般開放は休止といたします。 再開時期は未定です。』とホームページに載っていた。

 

 

 

道が県道から国道193号線に変わると、周りの山肌は赤みを帯びた新芽の中に咲く白い花の山桜で彩られてい

た。山川町から美郷に入ると美郷物産館の道路を挟んで反対側の駐車場にも三色の桜の花。濃い紅色の桜は何と

いう種類なのか?対岸の中学校の校舎の前にも桜並木が続いていた。

物産館で奥様は名産の梅干を購入。お店の人に高開の芝桜の様子を尋ねてみたが、ここ最近はシカの食害で全く

花は咲いていないと教えてくれた。『そしたら石垣だけですね』と言うと、『そう石垣だけ』と笑って応えてくれ

た。物産館から南に走ると大神の集落の棚田もきれいな桜色をしている。

 

 

 

昨年は丁度見頃だった川井峠のしだれ桜はまだ少し早かった。双眼鏡の置かれた展望台からはまだ少し雪の残る

一の森と剣山が遠くに見えた。途中の道沿いには所々でミツマタがきれいな花を咲かせていた。

 

 

 

 

川井峠から引き返して神山町の上分へ。いつもは雲早山に出かけるときに通る道沿いには、道の脇の一段高い

斜面から、大きなしだれ桜が道路の上近くまで垂れ下がっていて見応えがある。

 

 

 

 

ここまでは車から乗り降りするだけだったが、ここからは少し歩くことになる。昨年はこの先にある神通の滝

二人で歩いた。滝を眺めた後の帰り道、私はミツマタの群生地があるというので、来た道の右岸でなく左岸を一

人で歩いて帰ったら、一人になった奥様が慣れない山の中で心細くなって半べそをかいたと話していた。

今日は一人にはしないからと笑いながら言って、神山町のもう一つの雨乞いの滝に出かけることにした。

前回はWOC登山部で訪れて、雨乞いの滝からさらに登って悲願寺まで歩いた。奥の駐車場まで来ると、すでに数

台車が停まっていた。駐車場からは沢の流れに沿ってコンクリート道を登って行くのだが、遊歩道はけっこう急

坂でそのうえコンクリートに苔が生えていて滑りやすかった記憶があったので、遊歩道の入り口に置いてある手

製の杖を奥様に持たせた。

 

遊歩道を歩いて行くと最初に現れたのがうぐいす滝。高さはないが二つに分かれて流れる様が可愛らしい滝だ。

遊歩道には杉の木立から木漏れ日が届き、水の音を聞きながら気持ちよく歩いて行ける。

 

 

 

うぐいす滝に続いては不動滝。その先には石を組んだ祠の軒下におたぬきさんが祭られていた。何の謂れがあっ

てかは分からないが、横に置いてある賽銭箱には不動尊と書かれているので、お不動さんの代わりなのか?

 

 

 

コンクリートの堤に架けられた木の板の橋を渡ると左岸から右岸の道になる。ここから道は急登になって行く。

ゆっくり足を滑らせないように、恐る恐る前からカップルが降りて来ている。急坂を前にして道標にも『がんば

って』と書いてある。『がんばります!』

 

 

地獄淵・もみじ滝・観音滝と続く道。コンクリートの真ん中が階段状になってくると、いよいよ傾斜が急になっ

てきた。階段を抜けしばらく登って行くと右手に東屋。ここから悲願寺への分岐になっている。東屋の先の巨岩

を回り込むと突然目の前に落差27mの雄滝が現れる。

 

その雄滝の滝壺に近づくと今度は右手に落差45mの雌滝が見える。雌滝は3段になって雄滝と比べると今日は

圧倒的に水量が多い。

 

雌滝の前で熱心にアングルを変えながら動画を撮っている奥様は、緑の上着を着ているので周りの風景にほぼ同

化しているのが笑える。滝の1段目の滝壺の横には石仏が建っているのが見える。その石仏に向かって斜めに鎖

が掛かっている。

 

 

 

 

深い谷間を勢いよく流れ落ちる水。周りにはマイナスイオンがたっぷりと降り注いでいる。今日は今までシャッ

タースピードを変えて滝を写していたが、手持ちではどうしても周りがブレて映っていたので、今日は三脚を持

ってきた。ただ普段から使っているコンパクトデジカメ用の三脚なので、一眼レフの大きなカメラは、どうして

も頭でっかちで重くてグラグラして固定するのに一苦労だ。

 

 

 

東屋の横には苔の生えたシカの頭に見える木の枝。その向かいの雨乞いの滝の謂れを書いた四国のみちの説明版

を読んだ後、絶対に滑らないように注意しながらコンクリート道を下って行った。

 

 

駐車場に着くとちょうどお昼時。助手席に座る奥様がGoogleMapで調べた下分にある『てくてく栗生野』でラン

チをすることに。この施設は民間福祉施設を神山町役場を定年退職後にご夫婦で立ち上げて、建物はご主人が同

級生に手伝ってもらいながらご自身で建てたそうだ。その施設の片隅の部屋で木曜日から日曜日にランチ営業を

しているそうだ。窓際のカウンターで鮎喰川を見下ろしながら素朴な味の料理を美味しくいただく。

 

 

カウンターの後ろのテーブルに座っていた男性にお店の奥さんが『明王寺は行かれましたか』と聞いている。『ハ

イ』と応えた男性に『もう散っていたでしょう』と奥さん。『まだ大丈夫でしたよ』と男性の返事に聞き耳を立て

て聞いていた。この後どうしようかと考えていたところだったので初めて明王寺を訪れてみることにした。

明王寺には樹齢80年と60年のしだれ桜があり、十メートルもあろうかと思われる樹高 から枝垂れ、風に揺れ

るしだれ桜の楚々とした姿は、ひとしおの風情と美しさを持ち、山門の白壁の塀越しに見事な花の滝をかたちづ

くっていた。もうすでにけっこう散っていたがそれでも見ごたえのあるしだれ桜だった。