KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2021.04.28 西行法師の道

2021年04月29日 | 香川の里山
今日の予定は鋸山のカタクリだったが生憎の雨。

雨の日はカタクリはしょんぼりとうつむいたままだろうから、計画を変更して

ここのところ雨の日の定番コースとなっている、青海神社から白峰御陵までの

西行法師の道を歩いて来た。崇徳上皇が没した3年後に西行法師が

白峰御陵を詣でた時に辿ったとされる1.3kmの道が西行法師の道。

230mの高低差に約800段の石段が続く道は、傘をさしても歩けるので

手軽さから雨の日の軽めの運動コースとしてWOC登山部では重宝されている。


崇徳上皇が荼毘に付せられた際に紫色の煙が立ち上り、かたまりとなって谷底を

動かなかったと云われる場所に青海神社(煙ノ宮)があり、先ずは青海神社に参拝。

途中にある狛犬の足元にある鞠は冨・財産あるいは吉祥の象徴だという。




崇徳上皇、西行法師の二人は歌人としても有名で、西行法師の道には

二人の歌を刻んだ88基の歌碑と93基の石灯篭が並んでいる。










石段としては金刀比羅宮の本宮までの785段が有名だが、考えてみるとこの西行法師の道の

800段の石段はそれよりも多いことになる。初めて歩く山さんが延々と続く石段を

見上げてため息をついている。ただ今日は先を急ぐこともない、雑談をしながらゆっくりと登って行く。











長い石段を登ると白峰御陵。厚く敷き詰められた玉砂利を音をたてながら踏みしめ歩いて行く。

四国にある唯一の天皇陵として宮内庁が管理している白峰御陵だが、天皇や皇后、上皇などの

墓所である御陵は、一般に京都や奈良など当時の都の近くに造られているが、都から遠く離れた所 に

造られているのは、下関の安徳天皇陵と淡路島の淳仁天皇陵、そしてここ白峰陵だけだという。

御陵手前の最後の石段に差し掛かると、やはり厳かな雰囲気が漂ってくる。













崇徳天皇に現在のコロナの終息を祈願して麺法師さんをはじめ順番に参拝をする。




御陵の脇には日陰でひっそりと花を咲かせるシャガの花。桜の季節が終わり涼やかに青々と輝く青モミジ。







雨のせいもあってか白峰寺の境内に人影はなく、頼額門を潜り

崇徳上皇の祀られる頓証寺殿に参拝する。







拝殿の横には株立ちして数本の茎に分かれたイチョウの巨木。主幹は途中で折れているが

秋には黄葉となって目を楽しませてくれる事だろう。










少し戻って本殿への石段を登って行く。本堂も青モミジにの緑の海に埋もれている。







一旦白峰寺の駐車場に出て、いつものように根来寺への遍路道を少し歩く。

根来寺までの遍路道は国指定史跡にもなっていて、道標や丁石が今も多く残る雰囲気のある遍路道。

ただ根来寺までは4.6kmほどあるので、途中から県道180号線にに出て

アスファルト道をまた白峰寺へと戻って行く。













道の途中から山頂が削り取られた五夜嶽が見える。

途中にあるニューサンピア坂出(旧かんぽの宿)はやはりコロナの影響もあるのか休業していた。

白峰展望台からは雄山・雌山の向こうに、薄く瀬戸大橋が見える。










白峰寺の駐車場まで戻り、また西行法師の道の道を下って行く。

この石段は経年のせいか前に少し傾斜しているので、下りは特に危ない。

一歩一歩足元を見ながらゆっくりと下って行く。







青海神社まで戻ると丁度お昼時。今日はお弁当ではなく、山さんが時々立ち寄る

お店でランチにする。ログハウスのお店の名物はナポリタンとエビフライ。

皆さん大盛りを注文する中、いつもお昼はあまり食べない私は普通盛で。











6kmほどの道を3時間、気の置けないメンバーとおしゃべりしながらの

のんびりと歩いた雨の日の登山部?だった。


今日のトラック


WOC自転車部2021.04.21 片鉄ロマン街道

2021年04月22日 | 雑記


先月末、WOC自転車部部長の山さん片鉄ロマン街道という

サイクリング道を走って、アップダウンも少なく、WOCでも楽しめると話があった。

その話を聞いてさっそく麺法師さんが今回の自転車部の企画をしてくれた。

片鉄ロマン街道は廃線となった片上鉄道の鉄道敷を利用したサイクリング道。

片上鉄道は棚原鉱業所で掘られた硫化鉄鉱などの輸送の為に、片上-棚原間に開通した鉄道で、

平成3年に廃線になる間、沿線の住民の通勤通学にも利用され親しまれていた鉄道だ。

今回は山さんの提案で全線33kmの内、和気町から棚原までの25kmのほぼフラットな道を

のんびり走ることになった。ただその距離より不安なのはお尻(股間)の痛みに耐えられるか?

以前に自転車部で走ったしまなみ海道では、足の疲れ以上に

股間の痛さに苦しんだ前例がある。パッド入りのサイクル用のパンツを用意して

万全の態勢で臨んだのだが果たして・・・・。

和気町の観光協会でレンタルサイクルを事前に予約し、開館前に準備を整え協会で手続きをする。

観光協会は案内所とレストランも併設している。建物は銀行(中国銀行)跡を利用していて

中に入ると一番奥にその面影を残す大きな金庫の扉があった。

銀行の金庫は今まで何度も見た事はあるが、扉が開くところは初めて見た。













今日初めて長距離を自転車で走るというまゆゆとキヨちゃんは電動自転車を借り、

残りのメンバーはクロスバイクやロードバイクを借りていざ出発!




観光協会から和気駅の地下道を潜って駅の反対側にでると、直ぐにサイクリング道が始まった。

少し線路に沿って走り、高架で線路を渡ると吉井川沿いの道になる。

しばらくすると住宅地の中に入り、そこを抜けると右手に和気ドーム

のかまぼこの形をした屋根が見える。ドームの前は片上鉄道の益原駅の跡。

さらに進むとまた吉井川沿いの道になる。自転車道は車の心配もなく快適に走って行ける。










道が川から少し離れ山際の道になると天瀬駅に着いた。

ここではホームと駅舎が残っていて、サイクリング道が鉄道敷の跡なのがよく判る。

自転車を降りて少し休憩をとる。







帰りの動画です。



天瀬駅の先には天神山のトンネルが二つ続いていく。

トンネルを抜けるとまた吉井川沿いの道。







備前矢田駅後にはボタン桜がまだ花を残し、その横に信号機が残されていた。










矢田駅からまた山際の道になると、また駅舎の残る苦木駅に着いた。

駅舎の中には懐かしい伝言板があり、そう言えば携帯電話の無い時代は、こうやって

待ち合わせの伝言を書き込んでいたな~と昭和のメンバーがしみじみと。














道の山際には藤の花咲き、所々でボタン桜も目を楽しませてくれる。







備前福田駅跡にはトイレと休憩所があったので

トイレ休憩をして先に進む。




コスモス街道と書かれた案内板のある道は土手沿いの道。川を渡ってくる風が心地よい。

道沿いは桜並木にもなっていて、花のある時期だともっと素晴らしい景色だろう。










帰りの動画です。



信号待ちをしていると山の上にお城が見えた。ただお城に見えたのは天文年間に築城された茶臼山城址に

造られた城型展望台のようだ。公園にもなっている山頂は桜が咲くころには桜色に染まるという。

サイクリング道沿いもそうだが、桜の季節にまたもう一度走ってみたい。







幅の狭い歩行者自転車専用の飯岡橋を渡り、少し一般道を走ると

最終目的地の吉ケ原駅に着いた。駅周辺は「柵原ふれあい鉱山公園」になっていて、

8,400平方メートルの敷地内には、昭和30年頃の鉱山の様子や鉱山町の暮らしぶりを再現した資料館があり、

吉ケ原駅舎は、そのまま残し、輸送用貨車や客車車輌11両は動態保存されていた。
















日差しが強くなってきたので公園内の日陰で昼食にする。

今日はまゆゆが食後のデザートにチーズケーキを作ってきてくれた。

このところWOCでは手作りデザートが続いていてうれしいる。













昼食を摂ったあと公園内や駅構内を散策。少し先にある黄福棚原駅にも寄ってみる。

新しく駅舎を再現された横にはディーゼル車が停まっていた。

ここでせっかく持ってきたのに履いていなかったパッド入りのパンツを履いてみる。

お尻の痛みは折り返しを前に既にかなり痛い。それでは和気町に向かって出発進行!










吉井川沿いの道は雲一つなく初夏を思わす天気で暖かい。

川はくねくねと蛇行し、所々で中州がある。小さな川しかない香川では、

あまり見られない景色だ。













部長の山さんはやはり乗り慣れていて快調に飛ばして行く。

その後ろをヘッテをこいて部長に風よけになってもらって付いて行く。







対岸の川べりは山さんが来た時は桜並木でそれはきれいだったいう。

ゆったりと流れる川の奥に新田原井堰が見え始めた。

















往路に比べると脇町までが随分と短く感じた。新田原井堰の横を通りしばらく走ると

以前に登った和気アルプスの取りつきとなった和気富士が見えると直ぐに和気駅に着いた。








レンタルサイクルを返却した後、車で藤公園に向かう。

藤の種類が全国一で、500mにも及ぶ藤棚を見てみたかったのだが、残念ながら

今年は園内への入園が中止になっていた。仕方がないので公園の入り口に奥にある

和気神社に参拝する。和気清麻呂の生誕地にある和気神社。

和気清麻呂は道鏡が天皇の地位を奪おうとしていたのを阻止し、道鏡の怒りをかい

刺客を放たれたがその刺客に襲われそうになった時にどこからか300頭ものイノシシが現れ、

道中40kmもの道のりを守り案内してくれたことから、この神社の狛犬はイノシシになっていた。

神社本殿の前のイノシシの狛犬は、この時期ならでは、マスクをしていた。














参拝の後は今日最後の目的地の日生へと車を走らせる。

日生と言えばカキオコ。WOCではなじみのお店に飛び込んだ。

中に入ると地元の男性が赤ら顔でいっぱい飲んでいた。ゴクリ!

お昼はこのカキオコがあったので菓子パン一つだけにしていたので、お腹ペコペコで

醤油味とソース味の二種類を美味しくいただいた。











かつては高瀬船に代わってモノや人を運んでいた片上鉄道が廃線となり、

また新たに自転車道として生まれかわった片鉄ロマン街道。吉井川の清流と緑のシャワーの中を

童心に帰って爽快な風を感じながの楽しい一日となった。

WOC(TOC)登山部2021.04.14 黒滝峰~工石山

2021年04月16日 | 四国の山



今週は水曜日に珍しく仕事が入り、久しぶりに木曜日の今日、

独りで出かける事になったので、さてどこのお山に登ろうかと考えていたら

高知のギッチャンさんや愛媛のグランマー啓子さんのHPで

工石山のアケボノツツジの情報がチラホラアップされ始めた。

よし!それじゃ工石山の様子を見に行ってみようと思い立った。

せっかくならお隣の三辻山も歩いてみたいし、前々からおじょもさんがアップしていた

更に南の黒滝峰木に登る鹿も見てみたい。

そこで周回ルートを色々と調べてみると、黒滝峰の岩壁の直登コースがある事も判った。

結局今日のテーマは『岩壁・木に登る鹿・アケボノツツジ』の欲張りなコースとなった。


いつものように工石山青少年の家の体育館の下に車を停める。今日はまだ時間が

早いのか一台も車が停まっていない。身支度を整えて体育館から南に県道を下って行くと

杉林の上にちょこんと頭を出した黒滝峰が見えた。そう言えば誰かが高知のジャンダルム

なんて書いてあるのをネットで見かけたが、見えなくもないな~なんて思いながら

歩いて行くと10分ほどで右へのヘアピンカーブの手前に、鳥獣保護区の赤い標識に小さく

三辻山登山口と書かれた案内板があった。







取り付きの正面には小滝があり、直ぐに左に曲がって登って行く。

ここからの道はグランマーさんが書いていたように、白と赤のテープが要所要所で

木に巻かれていて、それを目印に登って行く。










出だしからなかなかの急登が続いていくが、先ほどのアスファルトの下りで

少し膝に痛みが出ていたので、果たして登れるだろうかと不安になってくる。

しばらく痛みを我慢しながら登って行くと、大きな岩壁が現れる。

屋島の冠ケ嶽の岩壁の下と同じような雰囲気だが

『こんな所登れるのかな?』と思っていると、先ほどの白赤のテープが右に導いている。







テープに沿って岩壁の下を進んで行くと正面に岩壁に沿って真っすぐ伸びる木。

よくこんな場所でこんなに大きく育ったもんだと感心しながら、更に右に回り込むと

先ずは一つ目の岩壁の全容が現れた。その岩壁の右にロープが垂れ下がっているので

取り付きだと判る。足がかりも比較的良いのでグイグイと登って行く。








高さはさほどでもないが足を滑らせるととんでもない事になる。

登りきると狭い岩壁の突端で素晴らしい展望が待っていた。

腰を降ろして一息入れるが完全に腰が引けている!(笑)













一つ目の岩壁からも樹林帯の中をテープを目印に登って行っていたが、

途中で見失い右に左にと少しうろついてしまう。

尾根らしい方へと軌道修正してさらに登って行くと赤良木峠から樫山峠への

登山道らしきトラバース道に出た。登山道を一旦左に曲がり少し下って行くと

右にピンクのテープがぶら下がっていて、ここからが黒滝峰への取り付きになる。




踏み跡は薄いが上へ上へと登って行くと、ここでも白赤のテープが所々に付けられていて

その内に黒滝峰の岩壁が目の前にで~んと現れた。先ずは短めのロープに沿って登るのだが

ここも足がかりが良く、木や岩を握りながらロープを使わずに問題なく登って行けた。







そこを登ると核心部の長いロープの掛る岩壁の直下に出た。

ここも足がかりがあるので問題はないが、一つ目の岩壁よりは高度感があって少しビビる。

木の枝も岩も時よりポロっと抜けたりするので、慌てず注意深く登って行く。
















岩壁を登りきり、左に折れて黒滝峰の突端に出ると、ここでも素晴らしい眺望が広がっていた。

谷あいから南に続く道の奥には太平洋。左に視線を移すと室戸岬。

右には工石山と車を停めた青少年の家も見える。










ここで腰を降ろしてしばらくその眺望をのんびりと楽しむ。

周りには淡い黄色のヒカゲツツジが盛りを迎えようとしていた。







黒滝峰から尾根を戻ると三辻山から樫山峠への道に出た。

ここから先ずは右にとって今日二つ目のテーマの“木に登る鹿”を探しに行く。

尾根の北にトラバースの道が続いていくが、道はどんどん下って行くので少し不安になり、

何度か尾根に登ったり、巨岩に登ったりして見ると、何度目かにまだ先にそれらしい木が見えた。

岩から降りて更に登山道を下って行く。先ほど見えた木の辺りを目星をつけて

右に左に目をやりながら注意深く進んで行くと、道の左に木々の間からそれらしい木が見えた。

うっかりすると見過ごしてしまいそうな目印も何もない場所だった。

白骨樹の木の枝が見る角度によってその木を登っている鹿に見えるという、

自然が創り出した偶然の産物にやっと出会えた。




ここで二つ目のテーマをクリアして、歩いて来た道を三辻山へと折り返していく。

道は尾根の北側の少し下に続いている。気温が上がらず陽の当らない道はまだ少し肌寒い。

道の表面は凝灰岩だろうか?赤紫の岩屑が散りばめられた道。







途中で道標が立ち始めると周りも明るくなり、登山道もいい雰囲気になってくる。







時々、道の脇に巨岩が点在し時間があれば登ってみたいが、脇まで回り込んで

取りつけるかどうかを確認するだけで先を急ぐ。










東屋がある場所で赤良木峠と三辻山への分岐になった。右に折れて三辻山へと登っていると

途中で木々の中でガサガサ大きな音がする。熊?鹿?猪?と慌てていると、

藪の中から初老の男性が現れた。『びっくりしました!』と言うと『すみません、驚かせて』と。

男性は木々の中で何やら探していたようだが、あえて聞かずにそのまま進んだ。

道の脇には可愛らしいスミレがたくさん咲いている。










三辻山山頂は360度の眺望が広がっていた。

南には浦戸湾と室戸岬。北には石鎚山や瓶ケ森まで望める、最高の展望だ。

ザックを降ろして水分補給と煙分補給。日が当たってきたのでやっと上着を脱ぐ。
















山頂から赤良木峠へは杉林の中をかなり下って行く。何もこんなに下らくてもいいのにと

独りで愚痴りながら歩いて行くと林道に出た。右に折れて林道を進んで行くと

ドロマイトの採掘場跡に着いた。既に操業を停止して久しい採掘場跡の

錆びて赤茶けた施設からは、月産1500トンもの生産量を誇っていた鉱山の面影はない。

すると先ほどの熊と間違えた男性がまた藪の中から現れた。手にはイタドリを握りしめている。

『高知の人は好きですね、でも酸っぱいでしょ?』と聞くと

『水につけて置いて保存食として食べてます。美味しいですよ』と嬉しそうに答えてくれた。










ドロマイト採掘場跡からは比較的幅のある道が続いている。

しばらくすると先の方から人の声が聞こえてきたと思ったら、杖塚の広場に出た。

広場では青少年自然の家のガイドさんと若い女性が草花を見ながら話をしていた。







杖塚から今回も昨年と同じように北回りに歩いて行く。県立自然公園の工石山の

全国(県の木)遊歩道となっているこの道には、各県を代表する樹木が集められ

植栽され保護されていていて、道の至るところにその樹木の名を記した案内板が立てられている。

途中では椿の落花で道が真っ赤に染まっていた。




登りから道が緩やかになると右側に昭和38年8月に高知県に上陸した台風9号によって

植栽間もない杉がなぎ倒されてしまった根曲がり杉がある。

その後、倒れた幹や枝が上に向かって再び成長した結果ではないかと言われているが、

昭和38年に植栽されたと言う事はほぼ私と同い年の杉になり、枯れずに頑張って

伸びている姿に何だか親しみを感じる。




根曲がり杉を過ぎると白鷲岩。そのくちばしの先からは嶺北の峰々が見渡せる。

白鷲岩から杉林の中を進むと今度は天然ひのき風倒根。このひのきも38年の台風で

根っこから引き抜かれて倒れてしまったという。その時の台風のすさまじさが伺える。

その根に首を絞められ喘いでいる姿。







ひのき風倒根から次はトド岩。この道はいつ歩いても本当に見所満載の道だ。

この岩からも遠くに石鎚山が見える。岩の横と下にはアケボノツツジが咲き誇っている。

ここで後ろから来た女性と少し話をする。『このアケボノツツジの色は何とも言えませんね。』

と言うと、熱心にスマホでその写真を撮りながら、『やっぱり他のツツジとは比べ物にならないですね』

『一年に一度は見ておかないとね』と答えてくれた。










トド岩からは北の頂きに進んで行く。道は徐々に高度を上げて

北の頂きの周りでもアケボノツツジが数本花を咲かせていた。







北の頂きから一旦下り、鞍部から綴れ折れの道を登って行くと工石山山頂に着いた。

広場になった山頂にはベンチが置かれ、数人の人が昼食を摂っていた。

広場の周りでもアケボノツツジが満開を迎えていた。













展望台は老朽化で立ち入り禁止になっているが、展望台に登らなくても

広場からは高知市内に向かっての景色が見渡せる。ベンチに腰掛けおにぎりを頬張る。







先ほど杖塚で会ったガイドさんのグループが登って来た。

ベンチに腰かけていた人がそのガイドさんに、途中で見た花の名前を聞いていたが、

珍しい花らしく、こんな時に地元のガイドさんは頼りになる。








お腹を満たした後は賽の河原へと下って行く。

山頂からの道はシャクナゲの道。まだ花は全く咲いていないが、開花の時期には

見応えがあるだろう。アケボノツツジはあちこちで咲いている。







途中の大岩にしがみついたヒノキには『天空の窓』と書かれた案内板があり、

覗き込むと暗闇の向こうに新緑の緑と空が見えた。







直ぐ近くの大岩で自撮り。足元の悪い場所でセルフタイマーで慌てて移動すると危ない。

もう少しで落ちそうになったが一応笑顔で!








ひやりとした後谷筋に降りて行くとまた人の話し声が聞こえてきて、賽の河原に着いた。

サンショウウオが生息する賽の河原は、名前に不釣り合いな明るい場所で、透き通った水が流れている。










賽の河原からトラバース気味に進んで行くとヒノキ屏風岩

ここでは別のガイドさんと若い女性が二人岩の上で寛いでいた。

するとガイドさんが『車を体育館の下に停めましたか?』と尋ねてきた。

『はい!停めても良かったんですか?』と聞くと、『今日は大丈夫なんですが、先週末は満車に

なって、先に停めた車が出られないようになったんです』と。『車が出られないような停め方するなんて、

山でもやはりマナーの悪い人はいるもんですね』と話をした。

屏風岩からも今日は遠くまで見渡せる。女性の前の岩を景色を眺めようとひょいっと登り

立ち上がると、後ろでその女性が『わ!絵になりますよ!』と言ってくれた。

後ろには振り向かず目尻が下がってニンマリしてしまった。((笑)










賽の河原からは整備されたきれいな道が続いている。

本日最後のアケボノツツジや巨岩を眺めながらのんびりと下って行く。

巨岩と巨岩に挟まれた小さな岩。『子は鎹』なんて言葉が浮かんできた。










周回で杖塚に戻る手前で右手に黒滝峰が見えた。正面には石灰岩だろうか白い巨岩も見える。

あそこも登れるのだろうか?といらぬ考え。










杖塚から青少年の家までは一気に下って行く。林道まで降りてくると、登山口の両側に

何台も車が停まっていた。『大丈夫だろうか、車が出られるのだろうか』と不安になって来た。











幸い駐車場には数台しか停まってなくて、結局登山口の直ぐ近くまで車を停めている

人が多かっただけで無事帰宅となった。

岩壁・木に登る鹿・アケボノツツジの3つのテーマをクリアでき、更にはヒカゲツツジや

ミツバツツジ、芽吹き始めた木々を眺めながら

久しぶりの独り歩きをのんびりと楽しめた一日だった。










今日はWOC登山部ではなくTOC(木曜)登山部




今日のトラック  登山口から沿面距離9.8km 行動時間5時間30分









WOC登山部2021.04.07 梶ケ森

2021年04月09日 | 香川の里山




里山シーズンは一旦終了と言う事で、さてさて何処に出かけようかと

先週の雪彦山麺法師さんと相談したところ、ここ最近WOC登山部としては

けっこうハードな山歩きをしたので、のんびり歩ける山がいいな~となった。

その結果、昨年もそうだったが、『困った時の寒風山』ならぬ

『困った時の梶ケ森はどうですか?』と提案したら、

即決となって、翌日には案内をしたらなんと今回は17名もの参加となった。

県外の山行としては今まで15名が最高の参加者だったので、記録更新と相成った。

梶ケ森は個人的には何度も登った山だったし、WOC登山部でも過去2回登っている。

ただ未だ一度も訪れたいない場所がある。それはゴロゴロ八丁にある、

弘法大師御影堂。ゴロゴロ八丁からちらっと見かけた記憶があるが、

御影堂まで行く取り付きが判らなかった。そこで色々検索したら

グランパさんとグランマーさんのレポートが引っ掛かり、

事前に問合せをしたら取り付きの写真を添付して教えてくれた。

前回の鬼の角の時もそうだったが、四国の山友の存在はこんな時に随分と助かる。


最終ピックアップ場所の大歩危のモンベルで徳島のもとちゃんが乗り込み、

龍王の滝駐車場に9時30分前に到着しスタートする。







駐車場からは先ずは薄暗い直ぐヒノキとスギ林の中を進んで行くと、滝の手前で道は露岩の道になる。

昨日降った雨の影響か、結構沢の水の流れの音が大きく聞こえる。










15分ほどで龍王の滝に到着。巨大な岩壁の間から流れ落ちる滝は、落差こそさほどではないが、

いつ来ても水量があり、日本の滝百選の滝に選ばれただけあってとても雰囲気がある。










滝壺から展望台の横を通り、ぐるっと回り込みように滝の上部に出ると、

沢沿いのせせらぎを聞きながらの道になる。先ほどまでの薄暗い道から日差しが差し込む

明るい道の錆びたスチールの橋を渡ると苔むした岩が点在する道になる。

道の両側には植生保護のためのロープが張られている。

芽吹き始めた木々の芽が陽に当たって輝いている。
















ほどなく定福寺奥の院に到着。服装の調整をした後、右に折れて真名井の滝を目指す。

ここからも足元の悪い場所にはスチールの橋が架かり、渡渉ヶ所にも橋がある。

どこの山でもそうだが沢沿いの道は何だか気持ちが和らぐ。













真名井の滝の手前で道は少し急登になり、階段が続いていく。

滝への分岐には真新しい道標が立っていたが、少し踏み跡の薄い滝壺への

道は判りづらく、先を行く麺法師さんが道を聞いて来たので

『左に少し下がった所です!』と答えたが、聞こえなかったのかそのまま登って行っている。

『ん?滝には寄らないんだ』と思って独りで寄り道をしてみると、

引き返して来たメンバーが後ろからどんどん歩いてきていた。

滝壺の横の岩の上には不動明王が鎮座し、何やら厳か雰囲気のする場所だ。














滝壺からは滝の落ち口へと回り込むように細い丸太の階段が続いているが、

雨によって崩れかけていて、段差も高いのでゆっくりと登って行く。










途中からはかなりの角度のスチール階段とその横に鎖。

昨年に来た時はこの鎖をあっちゃんが登ろうとしたけれど、

今日はどうやら先ほどの道標から真名井の滝には寄らずに

巻き道を登って行ったようで姿が見えない。(良かった良かった)

急な階段を山さんが後ろからひーこらと言いながら登ってきている。










階段を登りきると案内板にあったシャクナゲの森、左手には東屋がある。

分岐からシャクナゲの木の間を登って行くと、樹林帯から抜け青空が広がる。

少し登って行くと途中から梶ケ森山荘が見え始める。










道に笹が現れ始めると天狗の鼻が近づいてくる。

階段の段数を書いた道標もどんどん段数の数が減ってくる。










笹の道を抜けると右手に大日如来の鎮座する天狗の鼻。

梶ケ森山頂からひとつ谷を挟んで巨大な岩壁の天狗の鼻からは、目の前の山頂を

望みながら360度の眺望が広がっている。













後ろのメンバーが来るまでの間ここで煙を燻らせながら一服。

するとあとから到着したルリちゃんに『KAZASHIさんが先を急いでる時は

タバコを吸いたいときやね!』と。『ばれたか~!』。







全員が揃うのを待ってから一旦キャンプ場まで下り、残りの階段を山頂目指して登って行く。

天狗の鼻辺りから山頂にかけてはシーズンならミツバツツジが咲き誇っているのだが、

今回はまだ少し早いようだ。山頂への舗装路を何度か横断しながら、階段を登って行く。


















梶ケ森はその昔は加持ケ森と呼ばれ、弘法大師が加持祈祷を行った山だと云う。

山頂にも虚空蔵菩薩が明るい南に向かって座っている。

一等三角点のある場所からは北東に国見山や中津山。東に目線を移すと

牛の背・天狗塚から西熊山に続く稜線と剣山山系が見渡せる。







南は今日は太平洋がはっきりと判り、西に少し歩いた先には、

石鎚山系までの山々が見渡せる大パノラマが広がっている。










空は青く高く、少し冷たい風も日差しのお陰で心地よい。







山頂は風があるので梶ケ森山荘で昼食にする事にして下って行く。

今回ツツジはまだ早すぎたが、替わりにアセビの花があちらこちらで咲いている。














梶ケ森山荘は冬季休業でまだ営業はしていないが、山荘の前の花壇に腰を降ろしてお昼ご飯にする。







実は今朝の車中で同乗した西讃支部の奥様方が騒がしかった。

『今日はもとちゃんが何を持ってきてくれるんかな?』『楽しみ!』と。

毎回デザートを手作りして荷物になるのに持ってきてくれるもとちゃんだが、

今日はシュークリーム!しかも冷やしたクリームをその場で詰めてくれている。







美味しい食後のデザートを頂いた後は二人の丘へ。

ここからは京柱峠や昨年歩いた鉢ケ森がぐっと近づいて見える。










今日の登りはここまで。後は駐車場まで下るだけだ。

山荘まで降りて、建屋の北側に回り込んで最後の難関?のゴロゴロ八丁へと向かう。







アセビの間を抜け明るい道を歩いて行き、シャクナゲの森の手前で右に折れると

ゴロゴロ八丁の降り口になる。少し足元が悪くなり慣れないユーちゃんが苦戦をしている。

後ろのひなちゃんが後ろの長さんに『落ちて来んといてよ!』

と言っているので、そうなったら『ゴロゴロ長さんや!』と。







このゴロゴロ八丁の途中の弘法大師御影堂の取りつきは

上から下っいていくととても判りづらい。

先に降りて行っている麺法師さんに、『右側に洞窟があるらしいので注意してくださいね!』と

声を掛けた。しばらくしてふと横を見るとグランマーさんが掲示板に貼ってくれた写真に

載っていた石垣が見えた。慌てて『麺法師さん行き過ぎです!戻って来てください』と呼び戻す。




グランマーさんの写真



石垣の上には少し見えにくいが洞窟があり、中にはアルミの梯子がかかっていた。

ザックを背負ったままだと少し窮屈だが、梯子を登ると御影堂があった。

慌てて引き返してくる人と、そのまま下って行く人






高い岩壁にひっそりと佇む御影堂の中には、弘法大師が祀られていた。

後ろから来たキヨちゃんがバンザイ!

今回是非寄ってみたいと言っていた麵法師さんも満足げだ。










御影堂の奥には鎖がかかっていてさらに上に行けるようなので取りあえず登ってみる。

後ろからキョウちゃんとヤモッチが付いてきたが、さらに後ろにはあっちゃんが。

鎖を登るともう一つ上まで鎖が続いていた。最後に来たあっちゃんに

『今日はここまで。この先はダメです』と言うと、不満げな顔をした。

ここで引き返すとまた何を云われるか分からないので、仕方なく登って行くと、

案の定あっちゃんがニコニコ顔でついて来た。ザックが細い木の枝に引っ掛かって登りづらい。







鎖場を登りきると岩壁の頂部で眺望が広がっていたが、岩の下を覗き込む勇気はない。










展望岩と鎖で奥様はご満足したようなので、注意深くまた鎖を降りて行く。










ザレたゴロゴロ八丁は踏むと動く岩があったり、踏み抜いてそのまま岩が落ちたりするので

少し間隔をとりながら下って行く。両側から岩壁が迫り迫力のある場所だ。













奥の院まで下ると一息つける。あとは緩やかに下って行くだけ。

時々道から外れて澄み切った水の流れる紅葉川に降りてみる。

川の渕にはバイケソウの葉の緑がすくすくと伸びている。
















後ろから来るメンバーは先ほどのゴロゴロ八丁での緊張感から解かれて

賑やかに会話を弾ませ降りてきている。

沢沿いの道から杉林の中の道になると駐車場に着いた。







駐車場でのいつものコーヒータイム。今日もIRIBITOさんの美味しいコーヒーを頂ける。

今日はザックにバーナー入れるのを忘れたので、山さんのバーナーだけでお湯を沸かすと、

これだけの大人数、随分と時間がかかった。その間もお菓子を広げて楽しく世間話。










春のミツバツツジやシャクナゲ。初夏の新緑に秋の紅葉とどの季節に訪れても

飽きる事なない梶ケ森は、独りで歩いても大勢で歩いても満足させてくれるいい山だった。



WOC登山部2021.03.31 雪彦山

2021年04月02日 | 四国外の山



今日のWOC登山部は四国を出て兵庫の山に出かけてきた。

以前からその独特な山容に目を奪われ、いつかは登ってみたいと

思っていた雪彦山は、弥彦山(新潟県)、英彦山(福岡・大分)

と共に日本三彦山のうちのひとつで、古くから修験道の地として知られている山だ。

少し前に神戸支部長の山じいに『雪彦山は登った事はありますか?』

と尋ねると、既登の山だと返事が返って来た。

二週間ほど前に計画段階になって、『31日にWOCで登ろうと思っています』と

メッセージを送ると、『神戸支部は明後日に登ろうと思っています』と返信が来た。

『せっかくなら、予定を変更して合流しませんか?』と尋ねたら、

神戸支部(男性1名・女性3名)の中では支部長にもかかわらず

意外と立場の弱い山じいから『一応、提案してみます』と

弱腰の返事が返ってきたので、『武運をお祈りします!』(笑)と返した。


幸いにも直前の提案にも関わらず、快く提案を聞き入れてくれた神戸支部と

めでたく今回は交流会となり、香川からは7名で雪彦山を目指した。

姫路西ICで高速を降り、県道67号線を北上すると、夢前川沿いの土手には

丁度見頃を迎えたソメイヨシノが咲き誇っていた。雪彦山の登山口にはほぼ

予定通りの9時に到着。丸亀からは3時間の道のりだった。

既に到着していた神戸支部のメンバーが、駐車場のスペースを1台分

確保していてくれていて、我々が車を停めるとほぼ満車となった。

平日にもかかわらず、さすが関西100名山の雪彦山は人気の山の様だ。







今日のリーダーの山じいから予定しているコースの説明の後、

駐車場から少し上のバンガローの横の階段から取り付くと、いきなりの急登が始まる。

階段が終わると岩がゴロゴロした場所の登り。













そのゴロゴロ坂が終わると、寒風茶屋から桑瀬峠への最初の急登の様な木の根の道になる。

30分ほど息を切らせて登って行くとヒカゲツツジが尾根の右側のあちらこちらで

目につくようになり、目の前が開けたと思ったら、展望岩と書かれた場所で、

写真で見た大天井岳がで~んとその雄姿を我々の前に見せてくれた。

『大天井岳はどう読むんだろうね?』はるちゃん

『北アルプスの大天井岳はおてんしょうだけですよね』と私。



















展望岩でこれから登る尖った岩峰の大天井岳を眺めながら小休止した後、

修験道の山らしい行者堂跡を通過し、杉の木に大きく書かれた『ガンバレ』

書かれたメッセージに励まされながら登って行くと、露岩が点在する道になる。

岩には赤いペンキで矢印が書かれていて、その矢印に沿って右に左にと進んで行く。













登りから少しトラバース気味になると、少し段差のある岩があり、

ロープを使って慎重に降りる。










ロープで降りるとザレたトラバース。ここも難なくメンバーも通過し、

更に岩場を登って行くと、出雲岩と書かれた、オーバーハングした巨岩の真下に着いた。

四国の山でもいろんな場所で岩壁を目にする事はあるが、ここまで巨岩が覆いかぶさるように

して迫力のある場所はなかなかない。ここで神戸支部のメンバーの記念撮影。

この出雲岩にはけっこうな数のハーケンが撃ち込まれている。

この山は関西でも人気のロッククライミングの山で、この出雲岩も

その内のルートのひとつらしいらしいが、何を好き好んで、

こんな場所を登ろうとするのか、素人には理解できない。










出雲岩を過ぎるといよいよ鎖場が始まる。先ずは岩と岩の間が細い溝のようになった場所に

鎖がかかっていて、ここでは足掛かりと体の向きが肝心になってきて

少し戸惑う人とすんなり登って行く人に分かれた。







太い鎖よりも一緒にあるクライミングロープを使った方が登りやすく、

キョウちゃんに『ロープの方が登りやすいよ!』と教えてあげる。

後に続くルリちゃんも同じようにして登って来た







急登や岩場が続くので、何だかさっきからなおちゃん

お尻ばかり撮っているような気がする。








この鎖場を過ぎるとしばらくまた木の根の坂。太い木の根は足がかりになって

手足を使っていくと問題なく登って行ける。







木の根坂を越えると覗き岩と書かれたまた展望台に出た。

岩の先から見下ろすと車で走って来た夢前川沿いの集落と道が見える。

昨日・一昨日と大量の黄砂で、香川県内でも霞んだようになっていたが、

今日はそれに比べると随分とマシなようだ。







展望台を過ぎると今度はセリ岩なる岩と岩の狭い間を潜り抜ける場所があった。

迂回路もあるが、ほとんどの人は興味本位でここを通り抜けるだろう。

ただ杉ちゃんには無理かなと、麺法師さん。(笑)

線の細いはずのひろりんは、ザックに仕舞ったストックが引っ掛かって

なかなか出てこれず右往左往している。大きめのザックで来たやまじいやIRIBITOさん

やはりザックを降ろして何とか通過した。













セリ岩を通過すると、所々で鎖がかかった山頂からの岩峰になる。










素麺流しが出来そうな岩の溝に鎖が掛った場所も、神戸支部のお嬢様方?は

手慣れた手つき足つきで登って行っている。










素麺流しの鎖場を登るとちょっとした展望岩があった。

やっぱりここでもあっちゃんが岩の上に登ってポーズをとっていた。




次に馬の背と書かれた尖った岩が連なる場所があるが、

周りには木々があり岩自体の高さもなく高度感もあまりない。ここも巻き道があるので

あっちゃん以外は当然の事、馬の背の横を通り抜けていた。







山頂が近づくとタムシバの白い花が目につくようになった。

そのタムシバに目移りしながら更に岩を登って行くと大天井岳に着いた。

ただしこの山頂標には雪彦岳と書かれていて

その下に消えかけたマジックで大天井岳と書いてある。

旧夢前町(現在は姫路市に合併)は、雪彦山の定義として、「洞ケ岳」(811m)、

「鉾立山」(950m)、「三辻山」(915m)の総称であると定義し、「洞ケ岳」山頂にもそのように

表記していた。国土地理院発行の2万5千分の1地図等では、三辻山を「雪彦山」として、

二等三角点を置いている。また、登山案内の多くでは、「大天井岳」、「不行岳」、「三峰岳」、

「地蔵岳」等の岩峰から構成される「洞ケ岳」の最高峰である「大天井岳」(標高811m)を

雪彦山と看做しているという。何だか香川の七宝山のように本当の山頂がどこなのか

とても分かりづらいのが雪彦山なのだ。










山頂からは南に眺望が開けていて七宝山や明神山などが見渡せた。




メンバーが揃うまでザックを降ろして大休憩。周りにも腰を降ろして

食事をしたり寛いでいる数組の人たちの姿があった。

休憩した後は我々が雪彦山と思っている三角点を目指して先ずは下って行く。

向かいの山肌はタムシバで白い斜面になって見える。










途中にある天狗岩を仰ぎ見ながら進んで行くと

今までと全く雰囲気の違う杉林になった。木漏れ日の杉林の中を歩いて行くと

前から赤いシャツを着た三人組が目に入った。ジロさん、さおりん、ゆかりんじゃないですか!










実を言うとこの三人が今日八の字コースで回るとゆかりんから連絡が入っていた。

八の字コースと周回コースなら、途中で会えるかもしれんね?と話していた通りになった。

ジロさんたちは既に上級者コースの地蔵岳への鎖場を下って、鉾立山・雪彦山に登り、

あとは新道を下って帰るだけだと言う。するとゆかりんが地蔵岳への道がスリルもあって

素晴らしかったとしきりに言うので、それを聞いたあっちゃんの我慢の糸が切れた。

車中でも登っている途中でも度々、『今日は八の字コースへは行かんの?』と聞いてくるので

『ダメです!今日は地蔵岳へは行きません!』と何とか押さえつけていたのに・・・・!

ところがジロさんが、『もう一度地蔵岳への鎖場を下っても良いですよ!』と救いの手を

差し伸べてくれた途端に、あっちゃんの目がキラリと光り、『ハイ!行きます!』と手を挙げた。

あっちゃんにとっては次に行く三角点や山頂よりも、とにかく岩・鎖・スリルなのだ。

仕方がないので離脱を黙認し、駐車場でメンバーが着くまで待っているようにと

リードと首輪を外して解き放った。まあこれで、今後会うたびに『地蔵岳へ行きたかったのに』と

愚痴を聞かされずに済んだのは、こちらにとっても幸いだった。((笑)







雪彦山の山頂へも杉林の登りが続いていく。メンバーからは頻りに

『お腹が減った!』の声が上がり始めると、雪彦山三角点に着いた。










山頂は三角点があるだけで木々に囲まれて見晴らしはなく、ここで暫しの休憩と昼食にする。

30分休憩した後、次の鉾立山へと歩いて行く。







雪彦山から鉾立山へ一旦下って登り返しの杉林の中の道。

登山開始から休憩時間も含めると4時間弱で鉾立山に到着した。













鉾立山山頂は北の方向に木々の間から中国地方の山々が見渡せた。

遠くに見える氷ノ山はまだ雪を抱いている。










鉾立山からは最終のジャンクションピークに向かう。

ジャンクションピークからは三辻山への道と虹ケ滝への分岐となっている。




ジャンクションピークから虹ケ滝への道を下って行くと、一旦明るい南側の眺望が開け、

林道整備のための広場を横切ると、今度は薄暗い杉林の中の急坂となる。














ここで責を切ったように山じいとセニョさんが猛スピード下って行き、

あっという間に姿が見えなくなった。先ほど鉾立山でセニョさんに『古希の二人で写真を撮って』と

頼まれたが、どうやら古希の二人が張り合ってスピードを上げているようだ。

『古希・古希の二人が張り合っているわ』と言うと、『私の膝はコキコキやわ』と声がした。







ゆかりんが擦れちがった時に、こちらの道は平凡でつまらないと言っていたが、

あまり見た事もない苔の生えた大量の杉の倒木や、その倒木に新しい芽が

生えた始めた苔を見ながら歩いて行くのも楽しい。










倒木の杉林をさらに下って行くと小さな沢を何度か渡渉する。

谷の幅が広がってくると石垣が現れた。こんな山中で石垣があると言う事は

古くから修験道の道として造られ使われていたのだろうか。

石垣の上でメンバーを待つ古希二人!(笑)










沢沿いの道を進んで行くと度々女性陣が立ち止まり、小さな小さな花を写真に撮っている。

次第に沢の水の流れは大きくなり、時々段差で滝となって流れている。




















虹ケ滝の手前で、右側に標識と岩に書かれた赤い矢印、そして鎖が垂れていた。

ここからが地蔵岳への道となる。あっちゃんたちはどのくらい前にここを下って来たのだろうか?













虹ケ滝からは石垣の道が続いていた。そして何度か大きな岩を渡っての渡渉となる。

ここでドボンしたらと慎重になる。渡渉が終わるとしばらくまた石垣の道が続きいて行く。
















すると今日最後の急登目の前に現れる。鉾立山では山じいが『ここからは下りだけや~』と

言っていたのに。疲れた足に急登が随分と堪える。




急登が終わると本当にあとは下るだけ。登山口が近づいてくると

メンバーの足取りも軽くなりスピードも上がって来た。

道の脇にはミツマタが群生している。







ミツマタの群生地からほどなく砂防ダムに着いた。この砂防ダムは初めて見る形で

中央部分が鉄の格子状になっていてまるでジャングルジムの様だ。

解説によるとこの谷は流速が早く、上流にある巨石が流れ出ないようにしている

独特な構造になっている。







砂防ダムからは直ぐに駐車場に着いた。駐車場では山じいの車のキーを預かったあっちゃんが

待ちきれず車の中で口をポカンと開けて眠っていた。(笑)


メンバーが全員揃ったところでお湯を沸かしていつものコーヒータイム。

勝手が違ってバーナーとクッカーの外し方が判らず苦戦する古希二人(しつこい)











ちなみに地蔵岳へと下って行ったニコニコ顔で満足気なあっちゃん。








念願の雪彦山は木の根の急登に巨岩と岩峰、鎖場。そして苔の杉林の急坂と沢沿いの道と

予想以上に色々な表情の道を楽しめた大満足の山だった。


今日のトラック



今日の3Dトラック