KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

今日はドライブ!

2020年08月26日 | 四国の山
今週も県内のコロナの感染状況を鑑み、WOC登山部はお休み。

独りでどこに出かけようかと先週から色々と考えていた。

第一のコース! 落合峠~寒峰

天気が良ければ以前に一度だけ歩いたことのある、落合峠から

寒峰を縦走。意外とこの時期のこのコースはいろんな花が咲いていて

アップダウンの繰り返しで体力測定になる。

第二のコース! 風呂塔~白滝山

天気が悪ければ、ワークマンで買ったR-006の耐水圧10.000mm、

透湿度5,000gという性能のチェックをしてみる。そして

前回に石堂山の帰り道に寄った白滝山へ風呂塔から歩き、

途中の未踏の火打山を経由して線を繋いでみるという、

天気次第で二つのコースを考えていた。 

一週間前はあまり良くなかった予報も、週が明けるとまずまずになった。

それじゃ~と思っていたら、前日の朝に起きるとくるぶしの辺りが動くと痛む。

昨夜まで何ともなかったのに、おかしいな〜と思いながらも、

そのまま出社してみるものの、段々痛みが酷くなってくる。

翌日を控えて気になるので一応、整形外科でレントゲンを撮ってもらうと、

骨には異常はないが、くるぶしの上がたしかに腫れている。

『どこかでぶつけましたか?』と先生に聞かれるが、思い当たる節がない。

『通風ではないですよね?』と聞くと、通風だと普通はくるぶしの下の方が

腫れるらしい。尿酸値もギリギリだが規定値をオーバーしているわけでもない。

原因は結局わからないが触ると痛いし、腫れが酷くなってきている。

何かの原因で炎症していると言う事だが、痛みは数日後に出ることもあると言われ、

『明日、山歩きをしようと思うのですが?』と聞くと、『痛みを我慢しながら

歩いても楽しくないでしょう!』と言われて納得して病院を後にした。







朝起きると天気予報通り青空が広がっている。家の中でじっとしているのも勿体ないので、

予定していた登山口の落合峠までドライブする事に。


三加茂から県道44号線を走ると、桟敷峠を経て深淵を通り落合峠に着く。

深淵から峠までの間は30年ほど前はまだ未舗装部分が多かったが、

今はすべて舗装路となって走りやすい。小学校のあった深淵の集落もほとんどが今は廃屋となってしまった。

そんな中でも、一軒だけ洗濯物を干している家屋があった。







深淵、落合の集落を抜け峠へのくねくねした道を走って行く。峠までの道は

至るところで路肩が崩れていたが、樹林帯から道の両側に笹原が現れると、

見慣れた標識の立つ落合峠に着いた。




車のメーターの外気温は22℃を表示している。車を降りるとさっそく秋の訪れを予感させる

涼しい風が祖谷谷から吹き上げている。正面には三嶺から天狗塚の稜線。




しばらくの間ベンチに腰掛けのんびりと峠の景色を眺める。

東には矢筈山とサガリハゲに続く稜線。




西を見ると落禿に続く笹原が広がっている。

落合の禿(カムロ・山)と言う事で落禿と呼ばれているのだろうが、

東側のサガリハゲといい落禿といい、最近少し頭部の薄くなってきた私には

あまりいい気のしない山域だ!(笑)




しばらくして峠の周りを散策。舗装路を北に歩いて行くと烏帽子山が見えた。

道の両側には小さな可愛い花があちらこちらで咲いていが、ここ最近は雨が降っていないので、

どの花も萎びている。














峠まで戻りまだ色ついているススキの穂を見ながら少し東へと歩いてみる。

こちらも斜面の笹の足元にいろんな花が咲いている。










矢筈山への登山道を少しだけ登ると、やはり笹は朝露で濡れている。

反対側の寒峰への道はほとんど道が隠れるほど笹に覆われているので、

縦走するとなると雨具の下とスパッツは必須のようだ。







峠まで戻って最後に深呼吸。今から涼しい風の吹くこの峠からグングンと気温の上がった

下界へと戻って行くのだ。峠を下り落合の集落では廃屋となった家の屋根が朽ち果て、

中から勢いよく木が伸びている。この家は人がいなくなって随分と時間が経っているのだろう。





深淵川に架かる橋から下を覗くと、透明度バツグンの水が流れている。

峠から下って少し気温が上がってきたので、この冷たそうな水に飛び込みたい気分だ。




桟敷峠から右に折れて先ずは風呂塔のキャンプ場を覗いてみる。このキャンプ場ができてからは

風呂塔へは手軽に登れるようになったが、キャンプ場自体が今はほとんど使われていない様子で、

キャンプ場までの途中の道もけっこう荒れていた。




次回の為の登山口を確認した後は水の丸へと向かう。

以前にセニョさん・コアラさん・ルリちゃんと令和元年記念に日の丸山に登った帰り道に

立ち寄った場所で、WOCではパラグライダーで飛んだ時のは発進場所になっている丘だ。

公園の施設の並ぶ場所から三角点のある丘までは少し距離があるので、今日は歩かずに

そのまま上の駐車場まで車で走って行く。




駐車場から丘の上までを少し登って行く。




先ほどの落合峠からは北側の景色は望めないが、こちらは360℃の眺望。

吉野川の向こうに連なる阿讃山脈の峰々を見渡すことができる。

風呂塔や烏帽子山までは見て判るが、南側に見える山の特定がなかなか難しい。














ここから東には六地蔵峠への稜線が続き、県営農地開発事業として開かれた水の丸地区の

ビニールハウス越しに徳島市の郊外が見える。ここで水筒に入れたお湯でコーヒーを淹れ、

コンビニで買ったワッフルをおやつにコーヒータイムと洒落こむ。日差しは強いが、

その日差しが雲に遮られると、吹き上げてくる風が何とも言えず心地よい。










今日は歩く事もなく時間も気にせずのんびりと山からの景色を楽しむ。

山の高い低いにかかわらず上から見下ろすと言うのは何とも言えない気持ちになる。

水の丸を後に六地蔵峠へ向かう。阿讃縦走路にも六地蔵越え(峠)があるが、

こちらの六地蔵は讃岐と阿波の人々が行き来した峠に、人々の災いや苦しみを遮り救われたいという信仰から

建てられたと云われているが、この東みよし町の六地蔵の由来は少しおどおどしい。その由来とは、

『源平の屋島の合戦に敗れ、深淵をへて祖谷に入った平家一族は。堂々、強力(荷を背負う案内人)を

やとって平家の物資財宝を輸送していた。途中、芽の窪という地にたどりつくと、

そこを平家再興の際重要な地点であると考え、軍資金や財宝を隠す場所と決め埋蔵した。

そして、秘密がもれることを恐れた平家一族は、軍資金と財宝を運んだ六人の強力を帰すときに

ひそかに後をつけ、峠の頂上で殺してしまったという。

後に金丸城主となった平家盛は祟りを恐れ、峠に六つの地蔵を建て霊を弔った。』と云うもの。








前回はこの峠からゆめりあ34を見学した後、元来た道を引き返したが、

今日はそのまま半田町の方へと下ってみる。すでにカーナビの画面の道は途切れ、

GooglMapで見ても道は曲がりくねり何ヵ所も分岐していて複雑になっていた。

案の定、道は複雑でこのまま進んでも大丈夫かな?という場面が何度もあった。




何とか半田町までたどり着き、今日の最終目的地の穴吹町の神明神社へ向かう。

穴吹川に沿って続く国道492号線は何度も走った事のある道だが、FBで見るまでは

この神明神社の存在を知らなかった。神社の参道は工事車両が停まっていて、一旦行き過ぎてしまったので

近くにあった郵便局で尋ねると、今は崖崩れが起こらないように工事中だと教えてくれた。

参道の石段の下は崩れて仮の参道が設けられている。石段は手摺があるが見上げるほどの急な石段だ。







FBの写真で見た通り磐境に囲われた中に石祠が5体ある。磐境とは、

祭祀に際して神が降臨する岩石等を中心にした神域のことで、古代の祭祀場だという。

この神社は案内板に書かれている内容とは別に、古代イスラエル人の礼拝堂だったという説もある、

何とも言えず不思議な場所だった。













WOCのメンバーに足が痛いときくらい、家でじっとしとけんのかな?と後で言われたが、

結局ドライブといっても一日中走り回り、しかも山を絡めたドライブになってしまった。

来週には腫れはひいてまた歩けるだろうかと、やっぱり山歩きの事を考えながら家路に着いた。

WOC登山部2020.08.19.20 瓶ケ森

2020年08月21日 | 四国の山
土小屋のモンベルで冷えたビールを仕入れることができて

先ほどの手箱山での意気消沈から、ルンルン気分んで瓶ケ森駐車場まで車を走らせた。

駐車場に着くころにはガスが流れ始め日差しを遮ってくれているとは言え、車を降りると

喉の渇きが半端なく、たまらず先ほど買ったビールを一本開けてグビグビと飲む。

いつもなら家に着くまでお預けだか、今日はもう運転もしなくていいので・・・・遠慮なく。

先ほどまで担いでいた小さめのザックから今回購入した48Lのザックに少し荷物を移し、

車の中に置いていた2Lのペットボトルからウォターキャリアに水を移し替えた。







駐車場から第一キャンプ場までは850mほどだが、さっきのザックと比べると、

肩にずっしりとザックの重みがのしかかってくる。テント泊の一泊となると

もう少し大きめの55Lほどの容量が適当だが、年に何回泊まるか分からないテント泊よりは

小屋泊や普段でも使えない事もないワンサイズ小さめのザックにしてみたのだが、

やはりザックの中は一杯いっぱいで、縦走に使うならもう少し道具選びを考える必要がありそうだ。













青空が所々で顔を覗かせているが、それでも圧倒的に雲の量の方が多い。

今夜の星空は期待できそうもないが、星空モードでの撮影ができなくなった今、

諦めがついてはいるので、残るはテント場でのビール三昧!










瓶ケ森避難小屋までの道も今までになく笹の勢いが強く、太ももの辺りが濡れてくる。

古くなってボロボロな感じの避難小屋はその横に新しく小さめの小屋が建てられていた。

そしてバイオトイレなる真新しい建物もできていた。










避難小屋から第一キャンプ場での道も笹で覆われ、せっかく乾いたズボンもテント場に着くときには

もうずぶ濡れになっていた。








少し前に譲ってもらった初めて使うモンベルのステラリッジ2だが、スムーズに設営ができ

今夜のお宿は準備万端。後は・・・・・・・・呑むだけ!










テントの中で濡れた靴下を履き替え室内から外を見ると、刻々と空の様子が移り変わって行く。

陽が落ち始めると鳥の鳴く声も聞こえず、周りを飛んでいた虫も静まりかえり始めた。







他にはテント場に今日は停まっている人の姿もなく、ただただ静けさの中独り佇んでいる。

日頃暮らしている雑踏の街中とは全く違うテント泊ならではの世界。




陽が落ち始めると足早に周りは全く灯のない暗闇になった。




最初は寝袋も出さずに横になっていたが、次第に足元が冷え始め(濡れた靴下をそのまま履いていたので)

日を跨ぐ頃寝袋を取り出し中に入った。枕を変えると寝付けないとよく言うが、やはり熟睡はできず

ウトウトした状態がずっと続く。その内ふと思い出し、テントのファスナーを開けて外を見ると、

頭上には満天の星空が広がっている。星の数ほどとはよく言うが、まさしく夜空を埋め尽くす

星・ が輝いている。

一応試しにもう一台のコンデジの感度をあげて撮ってみるが、感動している気持ちを

現わすこともことはできないイマイチの写真しか撮れない。







久しぶりに見た本物の星空を目に焼き付けてまた寝袋に入ると、次に目を開けた時には

外が随分と明るくなっていた。『しまった!』と思いながら身支度をして

御来光を見るために女山を目指して登って行く。振り返ると石鎚山も見え始め、

女山の山頂の向こうが曙色に染まり初め、その東の空に向かって飛行機雲が流れていっている。







山頂に着くと一眼レフを構えた男性が一人。『遅かったですか?』と尋ねると

『今、昇ったばかりだよ!』と言ってくれた。








御来光に手を合わせていると、さっきの飛行機雲が空から落ちて、吸い込まれるように

渦を巻いて輝いている。何とも言えない神秘的な初めて目にする風景だ。




その朝日に照らされ始めた石鎚山のモルゲンロート。

南には雲海の中を峰々が連なっている。







先日やっさんがFBにアップしていたプレートを挟んで朝日を撮ってみる。







陽が一旦登り始めると周りの景色は足早に明るさを増してくる。

石鎚山の北壁には、この女山の影がくっきりと見え始め

笹原の奥の男山の向こうには、昨日歩いた石黒山から手箱山まで稜線も陽に照らされている。







テント場まで戻るとやはり笹の朝露でまたズボンが濡れた。

もちろんテントのフライシートもテントも濡れている。

朝露と言うよりは夜中にはもう周りは濡れていたので夜露になるのだろう。




テント泊は設営よりも撤収がめんどくさい。特に濡れてしまったテントは乾くまで待っていられない。

中のマットや寝袋も少し濡れたヶ所があるが、取りあえずは折りたたんでしまうのだが、

膨らんだマットや寝袋は狭いテントの中の空間では思うようにいかない。

(家に戻って乾かし平らな床の上で仕舞いなおすと案外スムーズに収まった)


予想以上に撤収に時間のかかったテント泊だったが、これは何度か繰り返して慣れるしかない。

今回は一泊だったので何とでもなったが、これが縦走で連泊となると

熟練度がますます必要になってくる。山小屋泊ならテントも必要なく、食事も用意されているが

ほとんどの山小屋ではシーズン中は大勢の人で混雑する。荷物と手間は増えるが独りの空間と

自然のど真ん中を謳歌できるテント泊とは一長一短がある。今回ひとまず練習もできた事だし、

これからの山行での選択肢のひとつとなった。(とは言え休みが取れればの話だが)


帰り道バイオトイレを覗いてみると中はとても清潔で匂いもしない。

注意書きにある様にハンドルを回して中のオガクズを撹拌して、水を使わずに微生物で

分解する仕組みのようだ。







バイオトイレを見学した後は気温の上がり始めた氷見二千石の中を駐車場へと戻って行く。

帰り道の氷見の笹原はなだらかに広がり、青空の下で光り輝いていた。










練習結果

1.テント泊では出来るだけ衣服を濡らさないようにすること。

2.御来光を見るのなら寝過ごさないようにすること。

3.撤収には思わぬ時間がかかるので、その時間も見込んで作業を早めにすること。

4.標高の上がった山ではあまり飲み過ぎないようにすること。

5.必要なもの不要なもの、小さく軽くできるものなど道具や荷物を吟味すること。

等々、まだまだ経験を重ねていかねばならないと思ったお久しぶりのテント泊でした。

WOC登山部2020.08.19 岩黒山・手箱山

2020年08月21日 | 四国の山
今週のWOC登山部はメンバーのスケジュールが合わずに自主トレとなった。

お盆休みが取れずにいたので今年初めて連休を取り、久しぶりにテント泊をしてみたくなった。

山小屋での宿泊がなかなか難しい今、遠征となると今後は

テント泊を考えなければならず、その練習もかねてどこか適当なところはないか考えていたら、

エントツ山さんが掲示板に、初心者は瓶ケ森キャンプ場

いいと薦めていたのを見て、宿泊場所は即、決定。では次にどこを歩こうかと考えて、

先ずは先週の丸石までの往復で足が攣った原因を検証するため、

同じくらいの距離のコースを歩いてみようと思った。

更に先週時間が無くて立ち寄れなかったキレンゲショウマが、まだ見られるしれない

と言う事で筒上山に的を絞った。前回に伊予富士から西黒森山を縦走した時に、

自念子ノ頭の山頂でセニョさんに『向こうに見える山は?』と

聞かれ、『手箱山・筒上山・岩黒山ですよ!』と教えてあげると、未だ登った事のないセニョさんが、

『今度、歩いてみたいな~』と言っていたので、その下調べも兼ねて歩いてみることにした。

何せ筒上山に登ったのは15年も前の事。そして林巍先生の土曜探検学校で小学生の

娘と参加したのは更にその前の事で、ほとんど記憶に残っていない。いずれも手箱山までは行けて

いないので、取りあえず下調べでルートの確認という名目で出かけて来た。

(テント泊でなければ他の人も誘ったのだが・・・・。)



西条市の加茂川の交差点では車のメーターの外気温は既に30度を越えていたが、新寒風山トンネルを抜け、

寒風茶屋へと高度を上げていくと24度を下回って来た。瓶ケ森林道は対向車もなく

いつになくスムーズに走れる。少し雲はあるものの、青空の下自念子ノ頭

続くスカイラインは何度見ても見入ってしまう。




尾根の西側と東側では全く違う形相を見せる瓶ケ森男山の岩壁を通過すると、

いつものように石鎚山が出迎えてくれる。







土小山の駐車場はお盆も過ぎ平日と言う事もあって、ロータリーの北側に車を停める事が出来た。

新しくできたモンベルの横から登山道へと入って行く。







道は直ぐに筒上山と岩黒山との分岐になり、

まだ遠慮気味に道の両側から笹が生えてしばらくは問題なく歩いて行けたが

次第に足元が全く見えないほど容赦なく暑苦しい濃い緑の笹が迫って来た。










道がダケカンンバの林になる頃には腰から下はすでにびしょ濡れ。スパッツも付けずに歩いていたので

登山靴の中も濡れてしまっている。晴天がずっと続いているのに、この朝露のお陰か、

周りの草花は意外と生き生きしている。







ダケカンバの林を抜け尾根に出ると、木々の間から北東に瓶ケ森と

山頂から緩やかに広がる氷見二千石の笹原が見える。




やっと笹の悪路が終わり山頂が近づいて来た。今度は尾根の反対側に筒上山とその手前に丸滝小屋が見えた。







岩黒山山頂は360度の眺望。今日はそのパノラマを独り占めだ。

石鎚山はもちろんのこと、瓶ケ森林道に沿って伊予富士まで稜線が続き、

その奥には寒風山から笹ヶ峰が見えている。










そして反対側には筒上山から手箱山への緩やかな稜線。










しばらくこの大パノラマを眺めた後、丸滝小屋へと下って行くがこちら側もかなりの勢いで

笹が迫り足元がほとんど見えない。靴の中が濡れると靴下も濡れ靴の中で擦れて

不快感がどんどん増してくるが、その笹海の道を抜けるとウラジロモミの快適な道になり、

土小屋からのトラバース道と合流すると丸滝小屋に着いた。







丸滝小屋からは少し下って尾根の東側の下を巻くようにして道が続いていく。

しばらくすると次第に道の雰囲気が変わってきた。

道幅が狭く危なげな場所にはロープが張られ、道が付けられない岩肌の露出した斜面には

L型アングルの手摺とデッキプレートの床で出来た橋?が造られている。







建築現場ではよく見かけるデッキプレートだが、角波型になっているので

歩いて行くと結構な金属音が静かな山の中に響いていく。







筒上山山頂への尾根道との分岐を過ぎると、更に怪しげな橋が続いていく。

先ほどまでの橋は古くなった場所には新しいものに付け替えられていたが、

この辺りは下を見ると錆びて穴が開いているヶ所がある。










地形図の筒上山山頂のほぼ東側になってくると道は登りになってくる。

道の脇にはシシウドや山アジサイが咲いている。










石の階段状になった道を登って行くと今日のお目当てのキレンゲショウマが待っていてくれた。

もうほぼ終わりに近いがそれでも何輪かが花を咲かせていた。

道の両側にはロープが張られ、中には立ち入らないようにと注意書きが書かれていたが

それでも何ヵ所かは中に入っている踏み跡が見受けられる。










キレンゲショウマの群生地を過ぎると、この道の名物?のひねくれた階段が現れた。

階段自体が内側に傾いて手摺もグラグラで、しかもこちらも板の部分に穴が開いていて危うい。










傾いた階段を越えて進んで行くと見覚えのある石垣が目の前に現れた。

こんな山中に城壁を思わせるほどの高く立派な石垣の上には、大峰宗石鎚山覚心寺手箱山根本道場がある。

それにしてもこれだけの石垣をおそらくかなりの費用と時間をかけて造った経緯が気になる。







道場前の広場では男性が二人休んでいた。『どちらまで行かれます?』と聞かれたので、

『手箱山まで行こうと思います。』と答え、『道はどうですか?』と聞き返すと、

『問題ないですよ、花もたくさん咲いていて歩きやすいですよ!』と教えてくれた。


ここまでで土小屋から3時間近くかかっているので、少し一服した後

さっそく広場の南側の脇道の奥に見える白い鳥居を潜り手箱山へと進んで行く。




教えてくれた通り道は緩やかな登り坂で一旦尾根の笹原に出て、そこから尾根の下の道になると

小さな花があちらこちらに咲いたお花畑の道になった。







道の脇から見える岩黒山が随分と遠くに見える。

オタカラコウ?やシモツケソウやシコクフウロが咲き乱れている。













手箱山山頂には小さな手箱大権現の赤い小屋があり、賽銭箱の横でお昼ご飯にする。

ここで大アクシデントが!。

写真を撮ろうと三脚を立てずに道標の柱に上にカメラを置いてシャッターを押した途端に、

カメラが柱から下の石の上に落ちて嫌な音がした。

拾い上げてみるとレンズの二段目が曲がってしまっている。

画面もエラーが出てシャッターも降りず、画面の表示に従って電源を切るしかない。

このカメラの『星空モード』を使って、今晩満天の星空を写すつもりで

久しぶりに持ってきたのに、どうにも使い物にならなくなってしまった。




気を取り直してもう一台持ってきていたカメラで取りあえず記録写真を撮る。ト・ホ・ホ~!







意気消沈で手箱越えまで戻っていると、先ほどの花畑の草花が気を紛らせてくれる。

ミヤマヒコオコシやシコクフウロの紫色の花が目につくようになると、

夏から秋の気配が漂ってくる。少し紫がかったシシウドがこの夏一度も見ることのできなかった

打ち上げ花火のようで、夏の終わりを告げてくれているように思った。













道場まで戻ってくると時間は14時を過ぎていた。最後に登ろうと思っていた筒上山だが

道場の屋根越しにそびえて見える厳しそうな山容に気持ちが萎えた。

往路は岩黒山に登った事を考えると今から筒上山まで登ると、同じくらい時間がかかりそうだ。

今日は瓶ケ森で泊まるので時間的にはまだいけるが、土小屋から瓶ケ森の駐車場までの移動時間と

キャンプ場までの歩きとテント設営を考えると、そんなには余裕がない。

などと言い訳しながら来た道を戻って行くことにした。




道場の周りには白いホソバノヤマハハコがたくさん花を咲かせている。




傾いた階段を降り、キレンゲショウマにも別れを告げ快調に下って行く。







デッキプレートの橋も反対側から見ると結構痛んでいて危なげだ。それでも日陰の道は涼しく

歩くスピードも上がっていく。先週の反省点で水分を十分に摂り、アミノ酸入りの携行食も摂ったお陰か

今のところ足が攣りそうな雰囲気もない。







丸滝小屋の手前で復路での唯一の登坂になる。

ツリガネニンジンを横目に見ながらひと登りすると丸滝小屋に着いた。










小屋の横の鳥居の脇で石段に腰を降ろすとまた急に左足の指先が攣り始めた。

西黒森の時と同じヶ所。あの時も朝露に濡れた笹道歩きで靴の中も濡れて、

靴と靴下が擦れて違和感が続いていた。幸い他の太ももや足首は問題ないので、

岩黒山のトラバース道を最後に土小屋へと下って行く。







山頂への尾根道とは比較にならないくらいウラジロモミの中の歩きやすい道が続いていく。




土小屋に近づいてくると道は地道から岩を並べた庭園のような道になる。

時折岩が動いてゴットンと音をたてるが、リズムよく渡って行くと土小屋の駐車場に着いた。











駐車場では朝に停まっていた車はまばらになり、逆に観光客の車が何台か見え、

若いカップルがモンベルのお店で冷たい飲み物を買って楽し気に出てきていた。

平野部に比べて気温の低いこの土小屋だが、とにかく気になったのが

荷室の中に置いていた保冷バックに入れたビール。

慌ててトランクを開けて保冷バックの中を確認すると、

缶ビールは汗を掻いているが冷たくはない。やはりこの気温で車の中に置いておくのには無理がある。

そこで頭の中で閃いた!モンベルに入ると予想通り冷蔵庫に入った缶ビールが置いてある。

1本400円と少々お高いが、背に腹は代えられない。2本買ってルンルン気分んでいざ瓶ケ森へ!

今日の沿面距離 12.5Km 行動時間 6時間30分 平均速度1.9km/h

今日の検証結果と反省点

1.足が攣らないように早めの水分補給と塩分やミネラル補給

2.計画は事前にコースタイムなどを調べて計画する

3.カメラでタイマー撮影をするときには安易に置かないで必ず三脚を使う

4.夏の時期に車内に保冷バックに入れているとはいえビールを冷やしておくのは至難の業


と言う事で後編につづく!


今日のトラックログ



今日の3Dトラック

WOC登山部2020.08.12 丸石

2020年08月13日 | 四国の山


先々週の伊予富士から西黒森山の稜線歩きに味をしめた?登山部。

さてそれじゃどこを歩こうかと先週の航空部のメンバーで

河川敷の暑いテントの下で話し合いをした。

メンバーが今まで歩いた事がなく、初めて見る場所がいいと思い、

剣山から見る次郎笈と違う、反対の丸石からの次郎笈の姿が頭に浮かんだ。

さっそく提案すると即決。と言う事で今日は丸石を目指すことにした。

当初は見ノ越と二重かずら橋から分かれてスタートして、

またクロス縦走をする予定だったが、どうやら国体橋から丸石分岐の

尾根に出るまでが結構キツイ登りの様だと言う事が判り、

急遽、予定を変更をして見ノ越から丸石までピストンをすることにした。

距離と時間的にはこちらの計画の方が長くなるが高度差がさほどないので、

取りあえず剣山や次郎笈には目もくれず丸石を目指し、復路で余力があれば

寄り道をすることにした。見ノ越の駐車場は予想通り平日にもかかわらず、

1階部分の駐車場は満車で、初めて2階の駐車場に車を停めることになる。


9時45分に見ノ越をスタート。いつものようにまずは劔神社の石段を登って行く。

社殿の前まで石段を登りきるとすでに息があがっている。

セニョさんも隣で『キツイわ~』と小さな声で言っている。




神社の脇を抜け注連縄を潜り登山道に入るとブナたち広葉樹林が始まり

山麓から吹き上げる風で空気が変わった。




リフト下のトンネルをくぐり分岐を左に西島駅を目指す。この分岐から右に進むと

西島神社の上に出る道が続いていて、ほとんど歩く人の少ない道だが

さらに剣山の山裾の自然の深さを感じられる道なのだ。




西島神社まで来るとゆかりんが案内板にある太鼓くぐりを見てみたいというので、

やっさんとあっちゃんと一緒に大岩の奥にある神社へとメンバーと別れて歩いて行った。




西島神社の大岩を越えるといつものように視界が開け、

森の中の道からミヤマクマザサが広がる西島尾根の肩へ道になる。

西島駅に着くと何組かの登山者が寛いでいた。寄り道をしている3人を待つしばらくの間、

剣山から続く稜線の奥に見える三嶺を眺める。




どれくらい待っただろう、3人が登って来たのでいつもは往路では歩かない遊歩道コースを

剣山と次郎笈への分岐へと歩いて行く。足元には先ほどの笹に代わってテンニンソウが広がる道。

以前崩れて通行止めになっていた石灰岩の露出するザレ場を抜け少しづつ高度を上げていく。










大劔神社の下の辺りではトリカブトの花が咲いていた。

水場から回り込むと樹林帯が終わりまた笹の道になる。

頭上の木々がなくなると視界が広がり西側の峰々が見渡せる。

途中で何人かの人とすれ違うが、特にソロで歩いてきている人は

挨拶をしても怪訝な顔をしている人がいた。

やはり団体とすれ違うのにあまりいい気がしていないようだ。

挨拶も遠目で済ませて、すれ違う時は出来るだけ話しかけないようにまだまだ気づかいも必要だ。










二度見の展望台からは次郎笈がくっきりと見える。二度見と言う事は

剣山の山頂から見た次郎笈を帰り道にもう一度眺められると言う事なので、

やはり往路で歩く道ではないという事だろう。







展望台から支尾根を回り込むと、剣山との分岐に出た。昨日降った雨のお陰か雲はあるが

空気が澄んでいて、くっきりと太郎も次郎も見える。







青い空に白い雲。その下に濃い緑と明るい緑に覆われどっしりと鎮座する次郎笈。

その次郎笈に向かってミヤマクマザサの広がる尾根に白い道が続いていく天空の稜線。

何十回と見て来た風景だが見飽きることが決してない素晴らしい景色だ。













小さなピークを昇り降りしていくとどんどんと次郎笈に近づいてくる。

山頂には何人かの姿が見える。










『ゆかりん!そんなに走らんでも、この景色は逃げんよ!』




次郎笈峠の分岐から右にトラバース道を丸石へと向かう。

道の北側の祖谷谷からは暑い日差しを和らげてくれる風が吹きあがってくる。

反対側には見上げるほど笹原が続いている。そして振り返ると

今歩いて来たトラバース道の奥に剣山が見える。










すると道の向こうから一人の男性が歩いてきている。IRIBITOさんだ!

ここの所トレーニングでこの剣山と次郎笈界隈を歩き回っているIRIBITOさんは

今日は二重かずら橋から登って来たという。お互いの健闘を祈って別れたあと気持ちのいいトラバース道を進む。













次郎笈への西側の分岐を過ぎると今日の目的地の丸石が見え始める。

最初はさらに奥に見えている高ノ瀬のピークが丸石かな?と思っていたが

道標に書かれていた距離からすると遠すぎる。

時間は丁度12時、『たぶん、あの笹原が丸石だと思いますよ。』

と言うと、それでも待ちきれずに前を歩くあっちゃんは行動食を取り出し食べ始めた。










稜線の登山道の北側にポツポツと白骨林が現れ始めた。

そして南側にはスーパー林道を見下ろせる。














白骨林の間を下って行くと道標の立つスーパー林道への分岐。

小さなピークの向こうには丸石が顔を覗かせている。

前を歩くつ~さんは帽子を脱いだり被ったりしているが、

帽子を脱いでいる時は風が吹いている時の目印。









行動食で満足したあっちゃんは気持ちよさそうに歩いているが、

こちらはシャリバテでそろそろ限界?に近づいて来た。

ルリちゃん、やっさん、ひなちゃんはまだ余裕の様だ。




『腹へった~飯食わせ~』と言いながら丸石山頂まで登りきると

先客の一人の男性のいる山頂に着いた。さぁ~お昼だ、お昼!













5年前の5月に独りで歩いた時には寒くてカッパを着こみ、

風を避けるため丸石小屋まで歩いいてお昼ご飯を食べた。

今日の丸石は容赦なく日差しが降り注いで暑いが、ゆっくりと出来る。

やはりここから見る次郎笈と剣山の山容は新鮮で美しい。







先に来ていた男性は腰を上げてこれから三嶺へ向かうと言う。

そう言えば途中で追い抜かれたトレランの4人組は、名頃からスタートして

塔ノ丸へ登り丸笹山から見ノ越に下りずに、

そのまま剣山から次郎笈、そして三嶺へと走って行った。

30kmを超えるルートを一日で走破するなんて、

我々とは次元の違う人たちだ。さすがにこの丸石まで来ると強者たちが多い。




ではお腹もおきたしそろそろ戻りましょうか。復路は次郎笈の山頂への分岐までが登りとなるので

そこまで行けば後は多少のアップダウンがあるだけだ。往路では気づかなかったが

笹の間に小さなツリガネニンジンやシコクフウロが咲いている。
















スーパー林道への分岐の手前で、ゆかりんとあっちゃんがキレンゲショウマを見たいと言うので

先に早足で歩き始めた。写真家のやっさんも当然慌てて後に続いていく。




尾根では北側から涼しい風が吹いてくるが、道が尾根の南側になると途端に

生暖かい風になったり、風が停まったりして暑さが倍増する。













尾根に尾根にと気がせくがペースは上がらず亀足。

それでも尾根に出るとまた爽やかな風に息を吹き返す。

ミヤマクマザサに葉のない白い白骨林のコントラストが何とも言えない。







ルリちゃんもひなちゃんも自分のペースでゆっくりと歩いてくる。




次郎笈の分岐までもう少し。ここで先頭が入れ替わりセニョさんがトップを行く。

振り返る麺法師さんの奥には三嶺へ続く稜線と、

三嶺の肩の向こうには天狗塚がちょこっと頭を出している。








次郎笈のトラバース道に差し掛かると急に左の太ももが少し攣り始めた。

今まで足首や足の指、太ももの裏は攣ったことがあったが、太ももが攣るのは

先々週の西黒森山が初めての事だった。今日も同じようにおかしくなってきたので度々立ち止まると、

前を歩くセニョさんの姿がどんどん小さくなってくる。










それでも緩やかな道で何とか歩いて行けるが、この最高の景色を楽しむ余裕がなくなって来た。

剣山の姿が見えると後は次郎笈峠から下り、分岐まで登るだけだ。







次郎笈峠を過ぎ鞍部から稜線道を歩いて行くと、先を急いでいた3人が、西島への分岐の向こうで

手を振り呼んでいるのが見えるが、ストックを持ち上げ合図をするのが精いっぱい。




ところが西島への分岐の手前の登りで足をもちあげた途端に左の太ももが完全に攣った。

動かすことも曲げることもできずに立ち止まっていると、今度は右の太ももが攣り始めて

直立不動でしばらく身動きが取れない。何人かの登山者が横を通り過ぎていく。

何とか少し収まってきたので出来るだけ足を曲げず、持ち上げずに登って行くが

それでも何度が攣りそうになる。最悪だ!




分岐から西島へは道は緩やかになり、下りも問題なく歩けるたが、

二度見の展望台の手前の登りでまたまた攣ってきた。仕方がないので展望台のベンチへ

何とか歩いて行き、ゆっくりと腰掛けた。足が攣るのは1.水分不足、2.塩分不足、3.マグネシウム不足、

そして筋力不足が原因だというが、どれも自分に当てはまっている気がする。

ベンチで休んでいると後ろからルミちゃんがやって来た。先々週にも分けてもらった

漢方薬と塩分チャージのタブレットを貰って飲むと次第に落ち着いてきたので

次郎笈に別れを告げて西島へと歩く。







西島への道も緩やかなトラバース道なので、先ほどまでの激痛はどこ吹く風?と

言った感じで問題なくどんどん歩いて行けた。







西島駅にはすでにセニョさんの姿はなく、先ほど展望台でつ~さんから使ったらいいと言って

手渡されたバンテリンを、トイレに入ってズボンを脱ぎ太ももに塗ってみる。

下りは恐らく問題ないとは思ったが、用心してリフトに乗って下ることにする。

リフトの脇にはニッコウキスゲやツルギハナウドが今を盛りに咲いている。

中間部分まで来るとキレンゲショウマもほぼ満開に近い状態になっていた。







駐車場まで戻ると先に下ったセニョさんが待っていた。

『すみません!足が攣ってリフトで降りてきました。』と言うと、

セニョさんも同じように西島への分岐の手前の登りで両足が攣ったと。

それでもじっとせずに激痛をこらえながら足を曲げずに

ロボットのような歩き方をして登ったと言っている。

セニョさんはギックリ腰になっても痛みをこらえながら歩いて直すというセニョ理論?という

独特の持論をもっている人だが、私のような凡人にはその理論は当てはまらない。(笑)


そうこうしている内に行場へと向かった3人が下りて来た。本当はキレンゲショウマを見たかったが、

(あっちゃんは、さらに行場の鎖を登りたかったらしい)、時間がないので大劔神社までにして下りて来たそうだ。




最後に西島からリフトを使わずに下りて来た麺法師さんとひなちゃんが到着。

汗で濡れた服を着替えたり、今日の感想を話し合ったりしながら飲み物で喉を潤す。


今日はこのメンバーと別にIRIBITOさんは見ノ越まで歩いてデポしていた自転車で、

二重かずら橋まで戻っていった。そしてさらに別部隊の山さんは寒風山に登った後に

UFOラインを自転車で走ったそうだ。三組三様でそれぞれがアウトドアを楽しんだ一日だった。







唯一、両足が攣るという災難にあったのはセニョさんと私の二人となった。

二度ある事は三度ある。これからは水分補給をしっかりとして他にも塩分やミネラルを

摂れるものを必ず持参しなければと、考えさせられた日になった。


今日のトラック(赤線)



今日の3Dトラック



WOC登山部・自転車部・航空部2020.08.05後編

2020年08月07日 | 四国の山
登山部がキレンゲショウマを見たあと、一の森を経由して剣山山頂で寛いでいる頃。

航空部はいよいよ大空に飛び立つ瞬間が迫っていた。

ハーネスがしっかり留められているか確認してGO!

麺法師さん。走る走る・・・・・・・が、あれれ~?・・・・・失速!




気を取り直してもう一度チャレンジ!

一回目の失速の後にインストラクターに『体が浮いても足を動かしてください!』と言われ、

まるで優雅に泳ぐ水面下で必死に足を動かしている水鳥のように走って行く麺法師さん。

随分先まで走って行き瞬間浮いたように見えたが『あっ、転んだ!』




よくよく見ると途中で何度かプロペラが停まっているように見える。

最後に麺法師さんが転んで尻もちをついて、後ろのインストラクターは

前のめりになり膝を強打してしまった。

『おかしいな~今回は体が浮いても足を動かしていたのに・・・?』と言いながら

麺法師さんが戻って来た。インストラクターは『予備のエンジンに積み替える』といっている。

風も問題なく吹いているし、走り方も言われたとおりにやっていたのに。







『エンジンを積み替えるなんて、それはそれで怖いなあ~』などと話をしていると

作業が終わりインストラクターが呼んでいる。男性陣が飛んだあとに女性陣の予定だったが、

少し軽めのゆかりんが『私が行きます!』と手を挙げた。

装備の安全を確認して同じようにスタート。ゆかりんも走る走る・・・・・!

あ!浮いた!と思ったらガビ~ん!またまた失速。




麺法師さんの時と同じようにインストラクターは正座をするような形で、同じ膝を強打!

30Kgもあるモーターを背中に背負って膝から落ちたのだから、かなり痛めたはずだ。

テントに戻ってくるインストラクターは足を引きずっている。

『すみません!今日はちょっともう無理です』とすまなそうに言っている。


と言う事でこの結末をFaceBookでずいぶんと話をはぐらせ

モヤモヤしていたはずの山さんごめんなさい!

大空で鳥になる!と夢見た航空部のチャレンジはあえなく敗退。

これが今回の結末でした。 チャンチャン (T_T)

午前中と午後のキャノピーの操作練習は必要ないのにな~などと思っていたが、

結果、飛べなかっただけに貴重な体験になった。



でもでも。諦めません飛ぶまでは・・・・・・WOC航空部


(画像は拾い画像です)




WOC登山部・自転車部・航空部2020.08.05

2020年08月07日 | 四国の山
今日のWOCは三つのグループに分かれて活動。

先ずは登山部はやっさん・山じい・コアラさん・ひなちゃんのやや平均年齢の高い(笑)チームに

まゆゆがその平均年齢を下げようと参加。この時期の名物のキレンゲショウマを見に、

剣山へ出かけて行った。剣山の北側の深い森の中に可憐に咲く花を楽しんできたようだ。










その頃、直近で剣山に登った山さんはこの暑さの中、自転車で汗を流していた。

と思いきや、何やら朝からうどん屋?




そして私はと言えば、麺法師さんの長年の夢だったモーターパラグライダーに挑戦。

WOCでは以前からキャニオニングやラフティング、そしてパラグライダーと会の名前の通り、

様々なアクティビティに挑戦してきたが、唯一このモーターパラグライダーだけは

まだ未体験だったようで、今回やっと夢が叶うということで麺法師さんは随分と張り切っている。


集合場所の吉野川の河川敷の鴨島運動公園に着くと、未だインストラクターの姿はなく

代りに真っ赤な消防署の車が我々の車を横切って行った。

『香川ナンバーの車を不審がられんやろか?』と車の中で話をしていると、一人の署員が車に近づいて来た。

どうやら予定していた場所でヘリコプターによる救助訓練をするので、

ホバリング時に起こるダウンウォッシュ(ヘリコプターが飛ぶために起こる吹きおろしの強烈な風)が

あるので、離れた場所でお願いしますとの事だった。

するとあっちゃんが『救助される役になりましょうか?』とニコニコ顔で言ってみたが、あっさりと断られた。




そうこうしているうちにインストラクターが到着した。この暑さの中ではと言う事でテントと椅子も用意してくれ、

日陰で色々と説明を受け必要書類書類にサインをしていると、ヘリコプターが上空を飛んで行った。

こうなると初めて間近で見るヘリコプターにメンバー全員が興奮。

インストラクターが熱心に説明してくれていても、目がどうしてもヘリコプターにいってしまう。













書類に記入した後はいよいよレクチャーが始まった。ただ午前中は練習をして昼から実際に飛んでみるとの事。

(この時期の東からの風は午後から強く吹き出すのだそうだ)

まずは飛んでいる時の記念に自身の姿を撮影するGoPro(ビデオカメラ)の説明を受ける。




後でその自撮りの動画をメールで送ってくれると言うので、顔と名前が一致するように

名前を言いながら『がんばりま~す!』とカメラに向かって宣言をする。

次第に気分も高揚し始めてきた。








本来は空を飛ぶ時の操作はインストラクターがやってくれるので、今回の体験には必要ないのだが、

このインストラクターは真面目なのか、その仕組みや操作方法を教えてくれ始めた。

キャノピーと云われる風を受ける部分から何本ものラインがでて

手元で束ねられ、ブレーキになるラインも操作しながら風を均等に受けられるように操作する。





まずは操作しやすいように後ろ向きに走りながら感覚を覚えるのだが、

これが一筋縄ではいかずにかなり難しい。先陣を切って麺法師さんがチャレンジ!




次に体重順でみやさんも挑戦。










さすがインストラクターはいとも簡単にラインを操り体の向きを変えながら操作している。





風もそろそろ吹き始め、何回もチャレンジするが皆さんなかなか上手くはいかない。

普段でも走ることなどのないメンバー。ましてや後ろ向きに走るなんて。

ほとんどの人が足をもつらせ転倒して尻もちをつく。それでもあっちゃんが意外と上手くいっている。




そろそろメンバーがばて始めたころ、インストラクターから『それじゃお昼にしましょう!』の声。

『お昼からは前向きに走る練習をします!』と言われて、『マジか!』

『もう練習はいいのに!』と不満の声が漏れ始めた。

お昼ご飯は近くにある徳島ラーメンのお店へ車を走らせる。

普段、徳島ラーメンを食べた事のないメンバーは甘辛いコクのあるラーメンに満足。







お昼ご飯を食べた後河川敷まで戻ると、インストラクターが

『川の水に浸かりに行きませんか、気持ちいいですよ!』と

何度も熱心に勧めてくる。もう早く飛びたいメンバーだったが、取りあえずお付き合いにと車に乗り込む。

座席が足りずに後ろの荷室で荷物になっているゆかりんとあっちゃん。




練習していた場所から少し車を走らせると、コンクリートの突堤の下に川の水ではなく

湧水が溜まった場所があった。高校生らしい学生がTシャツ姿で楽しそうに遊んでいた。




突堤の西側には朝来る途中に渡って来た阿波中央橋が見える。

戦後の復興時に架けられたこの橋は戦後の架設としては、

当時は日本一の長さの橋と言われたワーレントラス橋で、

橋の袂の親柱にはイサムノグチの作品のモニュメントが飾られている。




湧水の溜まりから流れ出た水に足をつけてみる。河川敷で走りこんで火照った体に、

足先が冷やされて気持ちがいい。湧水の溜まりはさらに水温が下がって冷たいくらいだ。













童心に帰って水遊びをした後は、午後からの練習。

今度は前向きに走ってキャノピーを操作するのだが、これが更に難しい。

風の向きによって走る方向を変えながらラインを操ると教えてくれるが、

後ろにあるキャノピーがどう傾いているのか皆目見当がつかない。










二人づつ練習するのでその間はテントの陰で休憩をする。

『お昼過ぎには帰れると思っていたのに。』『もう練習はいいから早く飛ぼうよ!』と

ひそひそ話をしながら練習をしているメンバーを眺めていると、

テントの陰にそよそよと気持ちのいい風が吹いてくる。

その内にみやさんが・・・・・・・!(笑)








『それじゃ~飛んでみましょう』と言うインストラクターの声に、

『待ってました!』とばかりに先発で麺法師さんがチャレンジをする。

苦節数年?、念願のモーターパラグライダーでのフライトに少し緊張気味の麺法師さん。

合図とともに思いっきり走りだした・・・・・。







後に続けとばかりにゆかりんもスタート!




続きは後編で!