KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2020.10.28 御来光の滝

2020年10月29日 | 四国の山



今秋の目標の御来光の滝に出かけて来た。

この時期の御来光の滝は2年ほど前から麺法師さん

『一度は見てみたい!』と熱望していて、やっと実現できる運びとなった。

と言っても私が歩いたのは7年前に木の根の森で、

『ホームページ開設10周年』と銘打って、高御位山さん、すまし粉さん、エントツ山さん

Kyoさんご夫婦、グランパご夫婦、マーシーさん、Reikoさん
と大勢集まっての16時からの宴会。

そして翌日雨の中を御来光の滝を目指したものの、スタート時間が遅く滝を目前にしての撤退となった。

翌年、リベンジで独りで念願の御来光の滝を見ることができたが、それも6年も前の事。

メンバーを案内をするのに薄くなった記憶に不安になって、エントツ山さんの掲示板に書き込みをしたら

丁寧に初心者用のルートを解説してくれた。『よ~し、これで準備万端』。

残るは左膝の痛みだけと思っていたら、夜中に腹痛に見舞われた。

12時から1時間おきにトイレに駆け込み、最後は3時を過ぎてしまったので、

そのまま起きることにしたが、結局ほとんど眠れなかった。


いつもより1時間早く丸亀を5時にスタート。西条辺りでようやく空が白み始めた。

瓶ケ森林道では薄曇りの空。若干不安は残るが、それでも林道の途中では朝陽に当たる伊予富士

赤や黄、オレンジ色に染まる山肌の写真を度々車を停めては写す。
















長尾尾根展望台には8時に着いた。ここから見える石鎚山

普段見る山容とは違った山のように見える。『まるで槍ヶ岳のようやね~』と山じい







身支度をして展望台から少し上に歩いて行くと、目印となるカーブミラーがある。

もともと御来光の滝から石鎚山へのルートは面河渓谷がスタート地点。

エントル山さんによるとここからの道は釣り人が歩いていた道だという。

今は踏み跡もしっかり付いていて、面河川までの激坂が始まる。




案の定下り始めて直ぐに膝が悲鳴をあげ始めた。幸いにして反対の右脚の攣りはどうやら大丈夫の様だ。

踏ん張ると痛みが走るので、スピードを落とさずトントンと降りて行く方が楽だ。

とにかく周りの紅葉が素晴らしく、よそ見をしていると躓き転びそうになる。







最初はメンバーと付かず離れず下っていたが、次第に間隔が空いて独りで河原に降り立った。

しばらくは右岸に渡渉できる場所をあちこち探していたが、いくら待ってもメンバーが降りてこない。

仕方がないので下流へと歩いて行くと『お~い!』と呼ぶ声がした。

どうやら途中から違う道へと降りて行ったようだ。

前回歩いた時はこの河原を少し歩いた記憶があるので、メンバーが降りて来た道が元々の道の様だ。

話を聞くと山じいが下流と上流を間違えて突堤まで歩いたとの事。

『山じい!水が流れてきている方が上流ですよ!』










幸いにして晴れの日が続いて水量は少なく比較的楽に右岸へ渡渉して、

目印のブルーシートのある場所から河原から山道へと入って行く。

ここからは踏み跡はしっかりあり所々にテープもある。

それでも台風の影響かあちこちに道を塞ぐように木が倒れていたり

道が崩れていたりして少し回り込む場面もあった。










最初の高巻きが終わると2回目の渡渉で左岸に渡って行く。頭を出して白く乾いている岩は問題ないが、

まだ濡れて茶色く色のついた岩はツルっと滑り油断禁物だ。







左岸に渡るとしばらく川の流れを横目に見ながら森の中を歩く。

ここでもテープを目印にしながら右に行ったり左に行ったり。




森を出ると七釜の幾段もの小滝が続く場所に出た。

岩の上には苔が付き白い岩肌に川床は赤くとっても雰囲気のある場所だ。










七釜の上流から3回目の渡渉。渡渉ヶ所には手前と対岸にテープが必ずあるので

『ほら!あそこにテープが見える!』などと言いながら渡って行く。







川の上は低く谷あいになっていて、その奥に見える紅葉がとてもきれいだ。







対岸に渡るとまた高巻きが始まる。しばらくは森の中を何本もの大木を見上げながら進んで行くと、

次第に山道になり斜面をジグザグに登って行く。







前を歩く麺法師さんが『最近お気に入りのYouTubeチャンネル』を教えてくれた。

『かほの登山日記』というチャンネルらしいが、

とにかく女の子が可愛いから見てくださいと言っている。

私のお気に入りは『山好き移住者の日記』というチャンネルで

元モンベルのショップ店員のチャンネルだが、奥さんのマルちゃんがとっても可愛らしい。

映像の素晴らしさでは『JIN』だが、登場人物の女性の好みで性格が出る。


雨の後には渡り辛くなるだろう小さな沢も、水量が少なく難なくクリアー。

木製の二段の梯子を登って巻き道の一番高い場所に出る。











川を見下ろすと彩が続いている。高巻き道でなく川をずっと遡上すれば、それはそれは素晴らしい

紅葉の中の沢登りとなるだろう。







道が付かない急な斜面には木製の階段が取り付けられている。『大丈夫かな?』と

言いながら山じいが歩いてくるが、意外としっかりしていて問題ない。

一般的な登山道ではないこの道に、階段や梯子は誰が整備したのだろう?

御来光の滝の上部に愛媛大学の小屋があるが、愛大の登山部の人たちかな~?




ここからまた一旦河原に降り、左岸へと4回目の渡渉をする。

河原からは上流も下流も彩の花が咲いている。
















しばらく川の中の大岩をピョンピョンと移りながら、南沢出合いの滝を右手に見ながら進んで行くと

ロックゲートと呼ばれる、沢の両側から岩が迫る場所に着く。

本来ならこのロックゲートの間を進んで沢の中を進んで行くのだが、

その先には最難関の斜め岩が待ち構えている。10mほどの斜面の岩だが手掛りがほとんどなく、

足掛かりも余りないので、足を滑らすとそのままドボーンと水の中に落ちる事になる。










今回エントツ山さんに教えてもらった初心者用のコースは、このロックゲートの手前の倒木から高巻く道。

と言ってもあのエントツ山さんが『この道も危険な場所がない事はない』と言っていたので

果たして今日のメンバーは大丈夫だろうか?と気にしながらグイグイと登って行く。










柔らかい土の斜面は滑りやすく歩きにくい。朽ちかけた木橋や小さな沢筋のロープが張られた場所を通り進むと

先ほどの沢筋より少し幅のある沢に出た。エントツ山さんのアドバイスによると

この沢筋の岩はいつも濡れていて、足を滑らせると危険で要注意のヶ所らしい。

ところがやはりここでもほとんど水が流れていなくて、乾いている場所もあり、

意外とスムーズにクリアできた。













この最後の高巻き道の難関の場所を過ぎると、いよいよ御来光の滝が姿を現した。

山じいが姿の見えない後ろから来るメンバーに『お~~い!着いたぞ~』と嘯いている。

(本当はもう少し登らんといかんのに)







ここからは御来光さんがどんどん、どんどん近づいてくる。

巨大な岩が転がる沢筋から見上げると周りの木々の色付きも申し分ない。







一旦、沢から右岸の巻き道を登って行くと、御来光の滝のお膝元に着いた。

今まで薄曇りだった空も、日ごろのメンバーの行いがよっぽどいいのか

雲が流れて青空が広がり始めた。










落差102m、日本の滝100選にも選ばれている名瀑。今年は夏場に四国内の他の百選の滝を

色々と巡ったが、滝までのアプローチといい、その姿といいこの滝は別格だ。

特に巨大な岩壁にこの時期ならではの周りの木々の彩が、なお一層花を添えてくれている。













全員が揃った所で、滝壺を直ぐ目の前にして滝を見上げながらお昼ご飯にする。

こんな滝を目の前にしてお弁当が食べられる滝も他にはなかなか無い。










間近にしては飛び散るミストも大袈裟ではなく程よく心地いい。

IRIBITOさんも腰を降ろして見上げながら感激している。

やっさんは何枚も何枚も一眼レフで写真を撮っている。







振り返って歩いて来た谷あいの彩も今がまさにピークで見とれてしまう。

ただ朝からの腹痛で、ほとんどお弁当が喉を通らない。小さな稲荷寿司を2個食べるのがやっとで

随分と残してしまった。最後にメンバーの写真を撮って名残惜しんで滝壺を後にした。













帰り道の道も高巻いて登ったり降りたり、そして何回か沢を渡渉しての繰り返し。

高巻くと盛りの紅葉からは外れるが、沢に降りると紅葉のど真ん中に飛び込む。










何回か河原で小休止しながら最初に渡渉した河原まで戻って行く。

相変わらず熱心に写真を写しているやっさん。

渡渉もここまで繰り返すとメンバーもこ慣れてきたが、

案内には『足元に不安のある方はお勧めできません』と書いて正解だった。

初めて雨の日に来た時に私はこの場所で沈して肩まで浸かった。

廻りの人は助けもせずに何とか写真を撮ろうと必死だったのを思い出す。










七釜まで戻ってくるとあと一息。と言っても最後にあの激坂が待っている。




最後の渡渉が無事終わり、今日は誰も沈することなく(残念!)、残りは急登を残すのみ。







ここにきてお腹の調子はピークに差し掛かり、お昼もほとんど食べれなかったのに

胃がムカついてきた。山じいとやっさんには先に登ってもらっていくことにする。




いつもは余り水分を摂らないたちだが、今日は2本のスポーツ飲料が空いている。

河原で念の為に空いたペットボトルに水を入れて正解だった。

ここ数年、年間の山行回数が増えているので少しは体力が付いているかと思ったが、

6年前と同様に10~20歩ほど歩いては立ち止まるの繰り返し。

脱水状態もさることながら、シャリバテにもなっているのかほとんど歩けない。

せっかくの周りの紅葉もゆっくりと見る余裕もなく、果たして登りきれるかと思ったほどしんどい。

スタート地点の近くのロープを登りきり、

石鎚スカイラインを走る車の音が聞こえてくると、何とか最後の力が湧いてきた。










長尾尾根展望台では先に着いた二人が寛いでいた。

後ろから来る麺法師さんとIRIBITOさんが気になったが、考える余裕もなく

ベンチに寝そべった。随分と遅れて二人が到着。IRIBITOさんはさほどでもないが、

麺法師さんは疲れ切った雰囲気だ。








次第に陽が落ちかけた雰囲気の空に石鎚山がそびえ立っている。

スタート時点の下りでIRIBITOさんが『スタートして下って、最後に登るのは初めてやな』と言っていたが、

とにかく疲れた体に鞭打つように最後の急登は堪えた。

『もう一度行こうとは思わんな』とメンバーが口々に言っていたが、それでも

『これだけの豪快な滝とドンピシャな紅葉が見れて最高だった!』と全員が言ってくれた。




とにかく激坂の苦難の先に素晴らしい景色が待っていた御来光の滝。

墓場尾根も前回歩いて、今回の御来光の滝に麺法師さんも満足してくれたようだ。

帰り道、河原でIRIBITOさんが拾ったスマホの落とし物を、西条の交番に届けて

時間のロスがあったが、陽の落ちるのが早くなった中を高速り帰路についた。


WOC登山部2020.10.14 剣山(単独)

2020年10月15日 | 四国の山
もう二週間になるだろうか、左膝の具合が思わしくない

先週はそれでも登山部に参加したが、左膝より右のふくらはぎから

太ももがスタート直後から張ってしまい、まるで長距離を歩いて

疲れ切ったような張りと痛みだった。一週間経っても

相変わらず膝の具合はよくなく、事務所の階段を登ると右脚も直ぐに張りが出てくる。

今週は用心をとって登山部はお休みして独りでリハビリ登山をすることにした。

リハビリと言えば剣山。この山なら独りで歩いて何かあってもリスクが少なくて済む。



家をでて国道193号線を脇町に入る手前では南の空は青空が広がっていた。

天気予報は曇りの予報だったが、うまい具合にハズレてくれたようだ。




夫婦池を過ぎ丸笹山からの尾根を回り込むと、剣山には雲がかかっていたが

次郎笈の方は晴れている。剣山の雲が流れていく事を願いながら見ノ越に着いた。




トイレ前の道際は満車だったが第一駐車場の下階はまだ余裕があった。

駐車場の奥に一台の自転車が停めてあった。ひょっとして今日、三嶺~剣山を縦走している

IRIBITOさんのデポ自転車かもしれない。IRIBITOさんはここ数カ月、

この剣山系から三嶺にかけて単独で色々なルートを歩き回り、

下調べをしながら着々と準備を進めて今日、晴れて実行に移しているのだ。


四国で山登りをしているものとしては剣山~三嶺のゴールデンルートは

いつかは歩いてみたい憧れの縦走路。とは言え今の私の足の状態では

夢のまた夢。案の定、劔神社の石段を登り始めると直ぐに右脚が張り始めた。




まぁとにかく今日は無理せずのんびりと歩こう。前回の雨の中の登山道と違って、

今日はやはり紅葉目当ての人が多いのか、数人の人が前を歩いている。

後ろから来ている三人の女性陣はずっとしゃべりぱなしで賑やかだ。




見ノ越から西島駅までの間は色づき始めた木がまばらにあるだけで、

緑の色の勢いが勝っている。紅葉はこれからの様だ。










高度が上がってくると次第に色づいた木が目につくようになってきた。

空は雲が流れ青空が広がって来て期待が出来そうだ。




西島神社の大岩の横を登るといつもの定点観測の場所から雲海荘を見上げる。

すると逆光だが山頂北面にオレンジ色に輝く斜面が見えた。『どひゃ~スゲー!』

何十回とこの場所からはいつも写真を撮っているが、これだけの紅葉を見るのは初めてだ。

期待感を膨らませて足の痛みも忘れて西島駅まで歩いて行く。







西島駅からも三嶺まで続く稜線の見慣れた風景が広がっていた。

IRIBITOさんはどの辺りを歩いているんだろうか?

リフト乗り場から下を覗いて見ると、こちらもいい色をしている。







西島駅から刀掛けの松までの間も相変わらずスピードは上がらない。

ただ道の脇から見える木屋平の方の斜面も、山頂からの北面もどちらも素晴らしい色づき。







刀掛けの松ではけっこうな人で賑わっていた。その服装を見ると、

今日は登山というよりリフトで登って紅葉狩りの観光客も多いみたいだ。










紅葉の写真は晴れて光がないと冴えないが、空は青空、絶好の写真日和だ!










オレンジ色の山肌の向こうに一の森が見える。

苔に付いた小さな植物も同じように可愛らしく色づいている。







西島駅でゆっくりとして途中も写真や動画を撮りながら、やっと山頂に近づいて来た。







見ノ越から二時間ほどで山頂ヒュッテに着いた。Kyoさんがブログで書いていたように

ヒュッテは食堂を閉めて、売店のみの営業をしている。







山頂の木道まで来ると風が当たって少し肌寒い。紅葉はもちろんのことだが

この先に待つ次郎笈への稜線に期待が膨らむ。




山頂からは期待通りの景色が広がっていた。次郎笈の山頂から幾筋もの緑の畝と

何とも言えないカーブを描きながら続く稜線と尾根道。

今までも、これからも何度訪れても恐らく見飽きることないだろう眺望だ。

鞍部から北側の山肌も色づき始めている。










山頂に着いた時には数人の人たちだけだったが、後ろからどんどん歩いてくる人が見える。

随分と時間は早いが北のテラスへ避難して?お昼ご飯にでもしようか。







そう思って北のテラスで腰かけて目の前に広がる景色をのんびりと眺める。

今日は独りなので、山頂でゆっくりしようとこの時期ならではの“おでん”を持ってきたが、

こちらにも次々人が来る。ちょっと人前でおでんを食べているのも気恥ずかしくて

おにぎり一個を口にして早めのお昼にした。










予定では山頂から次郎笈に向かって降り、途中の分岐からトラバース道を西島駅に戻るつもりだったが

途中で見た雲海荘から下の山肌を見逃す手はないと思い、山頂手前の鳥居の下から

大劔神社への道を下って見ることにする。恐らくこの道を歩くのは初めてかもしれない。







途中の展望岩では登ってくる西島辺りから見えた山肌から、更に西側にも錦秋の山肌が眼下に広がっていた。

この時期何かと密という言葉のイメージが悪いが、この彩の密は大歓迎だ!










大劔神社の直上の岩からも素晴らしい景色が広がっていた。

あと数日が見頃かもしれない。

今日はリハビリと思って出かけてきたのに、思いがけない景色に出会えて大満足!



















久しぶりに大劔神社にお参りをして、大劔道コースからこちらも初めて刀掛けの松への道を辿ってみる。

恐らくこの道が下から見たオレンジ色の山肌のど真ん中を通る道のはずだ。




道の途中では度々立ち止まっては見上げて、写真を撮る。

『開いててよかった!』はどこかのコンビニのCMだったと思うが、

今日は『晴れててよかった!』







緑の笹原と発色のいいオレンジ色のコントラストが何とも言えない。







道の上も風で落ちた葉で秋色に染まっている。上を見ても下を見ても、更には横を見ても

秋・秋・秋~!の錦秋にため息が出る。










先ほどの大劔神社も大勢の人がいたが、このコースでは誰にも出会わない。

この素晴らしい景色を独り占めしながら歩いていると、周りの景色に影響されてか

何だか目の前も薄~く、オレンジ色がかかってきたような錯覚に陥る。






















刀掛けの松ではまだ下からどんどん登ってくる人がいた。

西島駅までの途中から、また横道に入ってみる。行場では見かけた事のある

鹿の侵入防止の為のテキサスゲートが二ヵ所ほどあった。














西島駅ではお疲れ様!と鳥居さんが出迎えてくれた。ここでもKyoさんが書いていたように

売店の改修工事が行われていた。前回覗いた時には雨漏りがしていたので

先ずは屋根の修理をしているようだ。










西島神社からは左に遊歩道コースを下って行く。尾根道コースと違ってこちらも行き交う人の姿はない。

ここまで下って来るとやはりまだ紅葉には早いようで何本かの木が色づいている程度だったが

まだ残る緑の色とのコントラストが、これはこれで風情がある。










祖谷川源流の冷たい水で口を濯いでみる。鹿の鳴く声だけが聞こえる森の中、

爽やかな風が吹き抜けていく。










これからどんどん山頂から彩が下って来るのだろうが、この辺りまで来るには

もう少し先の様だ。そんなまだ少し秋の訪れが早い森の中を歩くと、リフトのトンネルの脇に出た。










劔神社から下を見ると第二駐車場も満車状態だった。キレンケショウマのシーズン以外で

ここが満車になっているのも初めて見た。さすがにおにぎり一個ではお腹が減っていたので

駐車場の横の売店のかけそばでお腹を満たす。











足の具合が良くなくてリハビリにと出かけた剣山だったが、今まで見た事のない錦秋に

出会う事が出来、普段なら先ずは歩く事ない脇道をのんびりと歩けて

脚の痛みを忘れさせてくれた一日だった。石鎚山から始まった紅葉は。これから

日に日に下がってくる。これから計画している山行に参加できるようにと

劔神社に願掛けをして(神頼みではダメなのだが)見ノ越を後にした。


WOC登山部2020.10.07 土佐矢筈山

2020年10月08日 | 四国の山
今日はWOC登山部では年に一度の遠征で八幡平に6名で出かけているので、

留守を預かるメンバーで、先週天候不良で予定を変更した土佐矢筈山にリベンジしてきた。

集合場所から高速に向かう途中でコンビニ立ち寄ると、朝焼けを背に飯野山のシルエット。

朝から天気の良くない日が二週続いたが、今日は久しぶりに期待できそうだ。




先週の工石山から帰って来てから左膝がずっと痛んでいた。

以前にも同じような症状があったが2,3日すると治っていたのに、今回はいつまで経っても

痛みが治まらない。少し不安になって前回足首が腫れた時に訪れた整形外科で見てもらうと

触診した後に先生が『少し腫れていますね。レントゲンを撮ってみましょう。』と言った後に、

『今度も山に登るんですか?』と聞いてきた。前回診察してもらった時のことを覚えていたようだ。

幸い骨には異常はなく、周りの筋が炎症しているとの事だった。

『毎回、山に登る前に、レントゲンを撮りにきますね。』と先生に皮肉を言われたが、取りあえずは一安心。

コンディショニング・タイツを履いて更に膝にサポートして登ることにした。



高知自動車道を大豊ICで降り(3週続けて)、豊永から439線を京柱峠へと向かう。

豊永からの道は国道とは名ばかりで道幅の狭いくねくねとした道を走って行く。

『峠は憶えているけど、こんな道を走ったかな?』と二年前も運転をしてくれたIRIBITOさん

峠に着くと二年前にはあった峠の茶屋の建物が無くなり、基礎の部分だけが残っていて様変わりしていたが

南側に遠くに見える梶ケ森までの景色は変わることなくメンバーを迎えてくれた。

身支度をした後メンバーはここ最近の定型業務?のYAMAPの記録をスタートにしている。











峠から東に林道を歩いて行くと右に小檜曽山登山口の小さな標識がある。

ここから斜め上に登って行くと登山道がスタートする。

登り始めると直ぐに気になっていた左膝ではなく、右足のふくらはぎと太もも痛み始めた。

ずっと左足をかばっていたいたせいだろうが、今まで経験したことのない痛みと症状だ。

山さんとIRIBITOさんに『ひょっとしたら登れんかもしれません。』と

言って弱気になりながら、しばらく幅の広い作業道のような道を進むと萱原になる。

IRIBITOさんの提案で、今日は女性陣に前を歩いてもらう事にしたので、

時々道を少し外れながらも、所々に付けられたテープを見ながら萱原を抜けると、檜と杉が混在した林になった。







林の中のトラバース道が終わると今日のコースで一番気になっていた急登が始まる。

トップを歩くキョウちゃんのスピードが半端ない。

女性陣に前をと、ちょっと上から目線で言っていたが、あとのルリちゃんもみなちゃん

どんどんと登って行く。IRIBITOさんと二人で『女性陣についていけんがな~!』








この急登は登っては少しだけ緩やかになるのを3・4回繰り返す。その度に先を行く女性陣が

待ってくれていて、一呼吸置きながら登って行くが、足の痛みはどんどん酷くなる。

もうすでに10時間近くも歩いた後のような張りで、『せめて笹原まで・・・・・』などと

思いながらも右足をひきづる様にして登って行く。










急登が終わると原生林コースの分岐点に着いた。先ほどまでの針葉樹の林から、

広葉樹の広がる手付かずの自然が残る道。







ブナやミズナラの森に朽ちた倒木には苔がつき、サルノコシカケや小さな

可愛らしいキノコもあちらこちらに目につく。

みなちゃんも度々立ち止まっては独特のポーズで写真を撮っている。

夫婦のマムシグサものびのびと葉を広げている。
















下草もなく柔らかい土の上をブナの大木を見上げながら歩いて行くと足元をすくわれる。

原生林と書いているだけあって、ほんとうに素晴らしい森だ。










『小さい秋、み~っけ!』





原生林の森を抜けると分岐の道が交わるモミ千本に着いた。

前回来た時に誰かさんが消えかかった標識の千本を十本と勘違いして読んだ場所だ。

『十本のモミの木をわざわざ書かんやろ!』と笑ったこの場所から、

しばらくはウラジロモミの林の中の道が続いていく。







ウラジロモミの林が終わると、いよいよ笹原の稜線に飛び出す。

右足は相変わらず痛くて、いつ攣ってもおかしくない状態だが、

ここまで来ると気分が盛り上がって痛みを和らげてくれる。小檜曽山と土佐矢筈山の分岐に出る手前は

平らな広場になっていて、北には天狗塚と牛の背、その向こうには

寒峰から矢筈山に続く稜線が見渡せる。

西側には遠く石鎚山までの峰々が続いている。













分岐からはまずは小檜曽山へと歩いて行く。少し先のピークに道標が立っているのが見えるくらいの距離。

背の低い笹の中明瞭な道が続いている。










白骨林までとはいかないが、枯れかかった木々の間を抜け10分ほどで小檜曽山に着いた。

二等三角点『笹』のピークからは、今から歩く土佐矢筈山までの笹が広がる尾根が見渡せる。










夕方からは雨になるという予報がウソのように青空が広がっている。










ここからが今日のルートのメインディッシュ。四国でも有数の笹原尾根の道。

暑くもなく寒くもなく湿度も低く、このコースを歩くには今日は最高のコンディションだ!

登坂になると足の痛みで俄然スピードが落ちるが、前を歩くメンバーに多少遅れて離れても

遮るもののないこの道では、全員の姿が確認できるので、ゆっくりと歩いて行く。

紛らわしい偽小檜曽山の道標の立つピークも通過して進んで行く。










以前に独り歩きをしていた時も、笹原を歩きたくなるとこの山に来ていた。

もう何度も訪れている山だが、何度来ても期待を裏切らない素晴らしい景色が続いていく。













前を歩くメンバーが立ち止まっている間に何とか追いつくが、

歩き始めると直ぐにどんどん離されていく。

笹原には人の歩く踏み跡とは別に、幾筋もの鹿たちが歩いた後の踏み跡が付いている。

先週の工石山では陽が当たらず開いていなかったアサマリンドウもきれいに花開き、

ヤマラッキョウの小さな花も道の脇に沢山咲いている。










二週間前に歩いた中津明神山では天空の鳥居と天空の林道を眺めたが、

今日は天空の笹原そして雲上の笹原。振り返ってもまた笹原だ。




鞍部からは山頂への最後の登り。最初は樹林帯の中を登って行くが、

随分前を歩くIRIBITOさんが『大丈夫?』と声を掛けてくれた。

大声で『大丈夫です。ゆっくり行きます!』と答えて歩いて行く。

樹林帯を抜けると山頂直下の登りをかなり先を歩くメンバーの姿が見えた。







高知の人たちが南側から登ってくる矢筈峠の分岐を過ぎると

山頂まではもう少し。ガンバレ・ガンバレ!







山頂に着くとメンバーたちの食事は始まっていた。

早速ザックを降ろして岩の上に腰掛けようとするが、足が固まって一苦労する。

前回独りで来た時も、あまりに多い虫の数に閉口して少し下った岩の上で食事にしたのだが、

今日も蚊のような小さな虫がまとわりついてくる。




山頂からは360度の大展望。剣山次郎笈

もちろん先ほどから見えていた天狗塚から三嶺

綱付森の笹原も手に取る様に見える。







仲が悪いわけではなくソーシャルディスタンスで食事をするキョウちゃんとみなちゃん

向こうには牛の背の笹原がで~んと広がっている。












今日はいつになく山頂でのんびりと過ごす。そりゃこれだけの眺望のある山頂で

せっかちにしても仕方がない。

先ほどまで私にまとわりついていた虫たちがIRIBITOさんの頭にTシャツにすごい数でたかっている。

払いのけてもきりがないので、ひょっとしたら白いTシャツの色に寄ってくるのかも言われて

Tシャツ脱いでみてもあまり変わらない。加齢臭に寄ってきてるのかも?(笑)

あっ!でもさっきまでは私に寄って来たので、人の事は言えないぞ・・・・!




山頂は風もなかったせいか思っていたよりも寒くもなく、

本当にゆっくりとできた。それではまた笹原を戻って行こう!











帰り道も女性陣がどんどん歩いて行くが、IRIBITOさんが心配して

遅れている私の後ろを付いてきてくれている。

空も予報通りに雲が広がり初め、モミ千本の辺りから雨がちらつき始めた。

分岐から往路と違うもう片方の道に進むと、次第に踏み跡が薄くなってくる。










自然林の森の中には鹿害避けのロープとネットが張られているが、注意書きには

『登山用のロープと間違えないように』と書かれているが、

そんな間違いをする人もいないだろうに!




こちらの道も原生林コースに劣らず自然が残り、様々な植物がいきいきとしている。










分岐まで戻ると残るは急な下り坂。時々他のメンバーが『おっと!』と言って

足を滑らせているが。一歩一歩足を踏み出すのが精いっぱいで

足を滑らせるほどの余裕もない。










スタート時点では『今日はリタイヤするかもしれない。』と思っていたが、

痛みをこらえながらも何とか歩き通すことができ、

この土佐矢筈山の自然のバリエーションと豊かさを存分に感じることができた。

京柱峠に着いて早速恒例のコーヒータイム。

今日はIRIBITOさんがコロンビアの美味しいコーヒーを用意してくれた。










約11kmを約6時間弱の行程。途中でいつも以上に写真を撮ったり、

山頂でものんびり寛いだりと今日もまた楽しい山歩きの一日となった。



 









WOC登山部2020.09.30 工石山

2020年10月01日 | 四国の山



先週は中津明神山の山頂から猿越山への笹原稜線と

くねくねと続く天空の林道を眺めた。

緩やかに北に広がり延びている笹原の尾根を見て、気温も下がり始めた事だし、

久しぶりに笹原歩きがしたくなり、四国でも有数のシコクザサが広がる土佐矢筈山を計画した。


今週も秋雨前線の影響かまた天気予報が思わしくない。どうやら毎水曜日が悪天の周期に入ったようだ。

自宅から高速道路を西に向かって車を走らせていると、西の空がピカっと光った。

雨雲レーダーも雨雲がかかったままだし、雷注意報の予測マークも時間が経っても外れない。

豊浜ICで丸亀からのメンバーと合流。事前に変更も有と相談していた麺法師さん

IRIBITOさんと話をして、急遽行き先を工石山に変更することにした。

土佐矢筈山の笹原尾根と違って工石山は山頂までほとんど樹林帯の中を歩くので、

多少の雨でも万が一の雷でもリスクが少ないと判断。


大豊ICを降りて先週と同じように国道439号線を西に、途中から県道16号線を稲刈りを前に色づいた

棚田の稲穂を眺めながら工石山青少年の家まで車を走らせる。

青少年の家の体育館の建屋の下に車を停めてスタートする。雨に濡れずに準備ができるのが

工石山に変更したもうひとつ理由。空はまだ怪しげな雰囲気。

まゆゆとあっちゃんが雨具やスパッツは?と服装を聞いてくるが、

『道は足元が濡れることはないと思いますが、濡れて騙された~!』と言われたら嫌なので、

『どうぞご自身の判断で!』(笑)と軽く答えた。




舗装路の林道をしばらく歩いて未舗装の林道へと入って行く。道の脇には秋の花が咲き誇っている。

先週の中津明神山には群生していたが、ここでもハガクレツリフネがたくさん咲いている。

オミナエシやアケボノウソウもみ~っけ!













テント場を過ぎると登山口になる。杉林の中を緩やかな道が続いていく。

剣山で群生しているテンニンソウとは色の違う、

まだ色づく前のオオマルバノテンニンソウも咲いている。










駐車場で用心のためカッパのズボンを着こんだまゆゆが、『暑~い!』と言い始めた。

見ると薄い上着も着込んでいる。







途中で南周りコースへの分岐があり、前回は雨の中を南回りコースを歩いたので

今日は北回りコースへ進んで行く。この山は標識が充実しているので

道に迷う事はない!(本当に?)




しばらくすると広場になった杖塚と呼ばれている場所に出た。

白く小さな花をたくさんつけたシシウドを見てあっちゃんが、

『このレースのような花は?』と聞いている。

私にはこの花はパッと上がった花火が開いているように見える。










杖塚から少し東に登り西に折り返すと山頂から派生した広い尾根の道になる。

全国(県の木)遊歩道となっているこの道には、各県を代表する樹木が集められ

植栽され保護されていていて道の至るところにその樹木の名を記した案内板が立てられている。







おび杉と書かれた杉林の道になると緩やかな歩きやすい道になる。

おび杉は宮崎県を代表する杉で、油分が多く腐りにくい材質は江戸時代には主として船を造る

板材として使われ、全国から注文を受けていたという。




杉林を進んで行くと白鷲岩がある。晴れていれば嶺北の山々が見渡せるが、

今日はやはり厚い雲に隠れてほとんど何も見えない。










更に進んで行くと天然ひのき風倒根と書かれた案内板があり、

その横に台風でで~んとひっくり返ったひのきの根が横たわっている。

硬い地質の為、下にではなく横に根を張ったひのきが台風の風に耐え切れずに倒れたとの事だが、

縦横無尽に張った根は、高知特有の自然が生み出した芸術作品だ。

ちょっと年齢は高いが、森の妖精?達が顔を覗かせている!




風倒根からスズタケの道を通り、トド岩も覗いて見る。










トド岩を過ぎると先ほどまでの緩やかな道から、山頂への登りになる。

ここでももののけ姫に出てくるのように見える

不思議な形をした杉?に出会う。










神の木を過ぎると山名を書いた丸テーブルのある展望台に出た。

途中にある標識には北の頂きと書かれた場所だが、

この時点ではこの場所の北の頂きの名前は全く頭になく、

メンバーは書かれた山名を見ながら盛り上がっている。

この展望台の辺りではアサマリンドウが目につくが日が当たらず開いていない。







展望台からもこの山の特徴らしい大木の根が目に入る。

初めてこの山を歩きこの北回りコースを歩いた時には気づかなかった小さな鳥居があった。

鳥居を潜り歩いて行くと岩陰に工石神社の小さな社殿があった。

社殿の脇には下から登ってくる参道と鳥居がある。麓の集落から参拝する参道だろうか?













シコクママコナの小さな花が咲いているが、コンデジで接写するのが難しい。




工石山山頂の展望台は以前に来た時は上に登れたのに、老朽化のせいか階段にはロープが

貼られて登れなくなっていた。しばらくの間ここで休憩をする。








ここで広場の端にある北の頂と書かれた標識を見て三角点・ピークハンター?の

セニョさんの目の色が変わってきた。どうやら頂きという文字が気になるらしい。

『まだ時間が早いし、行ってみたらええやん!』とIRIBITOさんが言うと、さっそく歩き始めたセニョさん。

初めてこの山にアケボノツツジがまだ咲いているかもしれないと来た時に、

一番最初にこの山頂に着いた麺法師さんが独りでこの道を歩いて、後からついたメンバーに

『アケボノツツジが咲いていますよ!』と言いながら戻って来た道だ。

その時はしばらく下って行ったが一向にアケボノツツジが見つからず、代わりにシャクナゲが咲いていて、

『麺法師さん、アケボノツツジとシャクナゲを間違えていません?(笑)』と言って引き返して来た道。




地形図を確認しても先に下った所に標高点があるだけで、『ピークがあるんだろうか?』と

疑心暗鬼で最後尾を歩いて行く。シャクナゲの群生が終わると道は北に続いている。

その内にまた巨岩にしがみつく様にして立つ檜や八岐大蛇のような大木が現れた。










その自然の厳しさと木々の生命力に感心しながら歩いて行くと、次第に道は登りになり、

そのうちにうす暗い森の中から明るい場所に飛び出した。

『やっぱり北の頂きはあったんや~』と思いながら広場に出ると前を歩いていたメンバーが

『さっきの展望台と同じような案内板がある!』と騒いでいる。

『まるでミステリーやね~』と話しているとやっさんが、

『ここ、さっきの展望台やんか!』と言い始めた。先ほどは下から登って来て、

今は上から丸テーブルの山名の案内板に出たから、しばらくの間メンバー全員が気づかなかった。

『な~んや~、結局ぐるっと一周回っただけやんか!』と全員で大爆笑!

GPSを直ぐに見れば気づいたのだろうが、それにしても思い込みと勘違いは怖い、怖い!







雨も散ら行き始めたので、妙体岩への急な下りはやめて、

登って来た道を戻って行くことにする。







途中で植栽直後に上陸した台風の影響で、曲がったままに成長した根曲がり杉があった。

ここでも『登りの時に通ったかな~』とメンバーのほとんどが気づかず通り過ぎていたようだ。




家に帰ってFBに写真をアップしたら、高知の花好きの流れ星さんから

『ヒメコウモリソウやクサヤツデは咲いていた?』とメッセージを頂いたが、毎回思うのだが、

花好きの人と花音痴の人とでは同じ道を歩いても目にする花の数が圧倒的に違う。

せっかく教えてもらったり調べた花の名前も、一週間後にはもう忘れている。







天気予報の予想に反して、先週に続いて今日もほとんど雨に降られず歩く事が出来た。

青少年の家に丁度12時に到着。体育館の下でお弁当と思ったけど、せっかくなら地元のお店で

と言う事で、隣にある直売所でお蕎麦を頂くことにした。直売所では女性一人が切り盛りしていて

大勢で押し掛け注文したせいで、二椀づつ運ばれてくるたびに『すみません、お待たせして!』と

言って済まなそうにして、かえって悪いことをしてしまった。








高度差もなく距離の割には四季折々の花が咲き、また高知県の自然の豊かさと厳しさを

感じられる工石山。香川からもそんなに遠くなく、こんな天候が良くない日でも

楽しみながら歩けるとってもいい山だった。