今週は冷え込みも少し和らぎ、先週予定していて順延した、阿讃縦走路を再開。
前回歩いた三頭越えから竜王山までを歩いてきた。
道の駅ことなみに集合して、三頭トンネルのを抜けて直ぐに右折、
集落の中をどんどんと高度を上げて、中村集会所から西に三頭越えと三頭山の間に
車を停め、もう一方は竜王峠にデポして引き返し、
まずは三頭峠を目指してスタートした。(9時45分)
広場になった場所からはいまから歩く竜王山までの山並みが見渡せる。
少しだけアスファルト道を歩いて道の脇から三頭越えに続く山道へと入って行った。
その昔、阿波から金毘羅さんへ参拝する人たちが歩いた道を、各々が話をしながら
歩いて行く。その当時、旅をすることを禁じられていた庶民は、唯一社寺への参拝の旅だけは
許されていたので、お伊勢参りと並んで『一生に一度はお参りしたい場所』として
庶民の憧れの場所が金毘羅さんだったという。今ならディズニーランドに行く前に、舞浜の駅を
降り立った時のようなワクワク感を同じように感じながら、当時の人たちはこの峠道を
色々と楽しそうに話をしながら歩いていたんだろうと想像してみた。
そんな風に思いをはせながら歩いて行くと、ほどなく鳥居のある三頭越えに着いた。(10時10分)
前回ここでアメノウズメノミコトのオッパイをいやらしく触った事を、
お向かいに座っているサルタヒコノオオカミに怒られるかもしれないとブログに書いたが、
その後の次々と起こった今年の体調不良は、案外それが当たってしまったのかもしれない。
峠からは今日の本題の阿讃縦走路が始まる。
最初はそれほどでもなかったが直ぐになかなかの急登となり、
いつものように後ろから杉さんの大きな喘ぐ声が聞こえてくる。
それでも香川県の県立自然公園立派な道標が、道の随所で建てられ、
道の幅も広く歩きやすい道が続いていく。
急登を登りきると四等三角点・久保谷。(10時30分)ただいつもなら当然チェックするはずなのだが、
息を切らせて登りきった安堵感で余裕もなく、せっかくの三角点を見逃してしまう。
寒風越まで1800mの道標からはアップダウンの繰り返し。
ほとんど平らな場所はなく、下りは落ち葉で足を滑らしそうになり、登りでも時々
ズルっと足を滑らせる。ただ風が無い分寒くなく、先週に比べるとまだ余裕がある。
この縦走路には所々でベンチが設けられているので、度々小休止をしながら歩いて行く。
下り坂で後ろから来るひなちゃんが『KAZASHIさんに滑ってぶつかったらいかん』と
言うので『大丈夫です。ちゃんと避けてあげますから!』と。
ルリちゃんも前を歩くあっちゃんに、
『ぶつかったらいかんから、間隔を開けんといかん!』というので、
『ぶつかたら、痩せのあっちゃんの骨が刺さるで~!』と私。
そうこうしている内に鞍部の寒風越に着いた。(11時15分)
ここから北に下ると横畑の集落、南に下ると貞光となる。
横畑の集落は平家の落人の集落で、『人を見たら源氏と思え。』という先祖からの教えを守って
下との交流は明治になるまで一切断っていたいたという。他村との交通路はこの寒風越だけで
生活物資のすべては貞光の町から運んだそうだ。先ほどの三頭越と違って、
この峠には往時のもの悲しい物語があったようだ。
寒風越からはまた急登が始まった。先週の藍染山でもアップダウンはあったが、
こちらは標高差もあってけっこう疲れる。急登の先には一等三角点・竜王山。
先週の寒風吹く中での強張った表情のバンザイから一転してセニョさんは満面の笑み。
先週と同じように熱心に三角点を撮るやっさん改めヤモっち。
三角点から一旦下ると竜王峠に着いた。
峠の名前だけでいいのに、なぜか当時の知事の名前が刻まれている。
今回は峠へ急坂を下り、峠からはまた急登が始まる。
久しぶりの参加なのに前を歩くみやさんは意外と元気に登っている。
急登を登るとdocomoの電波塔の建つ広場に出た。数塔の電波塔が青空の下でそびえ建っている。
電波塔からもやはりアップダウンは続いていく。
何を好き好んでと思うのだが、単純に山頂を目指すのとはまた違う、
線を繋ぐ縦走路もまた、別の山歩きの興味の対象になるので仕方がない。
(12時15分)阿波竜王に到着。まずはセニョさんのバンザイを撮り、
展望台で昼食にする事に。北には遠く笠形山と大川山が見える。
ここでセニョさんが『香川の最高峰やのに、なんで阿波竜王なんやろね?』と言い出した。
あっちゃんも『讃岐竜王と交換してくれればいいのに!』と。なるほどそう言われればそうだ。
ここで推測するに、阿波竜王は国土地理院が比較的早い段階で測量し、その後香川県内を測量していくと
全部測量し終わった時に『あれ?阿波竜王が香川で一番高い山だった』と気づいたけれど、
もうめんどくさいので、そのまま阿波竜王にしたのではないかと思っている。???(笑)
我ながら何の根拠もない推測に、麺法師さんがお付き合いで賛同してくれた。
今回のコースは本当に最後までアップダウンが続いている。
阿波竜王の山頂からは道の脇には雪が残り、讃岐竜王までは朽ちかけた木の階段。
当初自然公園として整備されてからは恐らくメンテナンスは行われていなく、
このまま整備されずにいたら、この階段も土へと還っていくことだろう。
阿波竜王から15分ほどで着いた讃岐竜王は、山頂らしからぬ山頂だった。(13時15分)
ここでメンバーと相談して今までのアップダウンに懲りたので、
ここから南に下って下道を車をデポした場所まで戻ることにする。
山頂手前からわき道に入ると緩やかな九十九折れの道が続いていく。
緩やか過ぎて折れ曲がるまでに距離があり、道を間違えているのではないかと錯覚に陥る。
登山道ならもっと急で小刻みな九十九折れの道になるだろうが、
自然公園の道は一般の人が歩くのを想定しての事だろうか?
といっても下道に出る手前では道は藪の道になり、下道からの入り口にはテープがあるだけだった。
『これではここから登ろうと思う人はおらんやろうな』とセニョさん。
下道歩きとなる林道には、陽の当らない場所は薄く雪が積もり路面は凍っていた。
すこしでも歩く距離を延ばそうと、ここにデポせず手前の竜王峠の下にデポして正解だった。
標高が下がり尾根の南側に林道が周ってくると雪はなくなり、のんびりと話を弾ませながら歩いて行く。
デポ地点で最後尾の到着を待って車に乗り込みスタート地点まで戻る。(14時15分)
車を停めた広場の南側には少し高い場所に東屋が見えた。今日の〆のコーヒーを飲もうと
登ってみると眼下に半田町が見え、その奥には剣山系の山並みが見渡せる絶景が広がっていた。
残雪の残る剣山や次郎笈。その手前には津志岳・黒笠山そして矢筈山。
断定は難しいがもっと条件が良ければさらに山の特定ができただろう。
東屋の下で久しぶりにIRIBITOさんのお店の美味しいコーヒーを頂く。
南に広がる景色を各々がコーヒーを飲みながら堪能していた。
東屋からは直ぐ南にあるパラグライダーの発進場にもなっている三頭山が見えたので、
コーヒーを飲んだ後、そちらにも立ち寄ってみる。平らな芝生の広場になった発進場からは
更に東側の吉野川流域や今日歩いてきた竜王山までの稜線が見渡せた。
その広場から少し南の樹林帯に入った所に四等三角点・三頭。
『よんとうなのにさんとう』とはこれ如何に?だが、
割と新しめのキティちゃんのプレートもみ~っけ!
ここでまた今度は古畑任三郎ばりに顎に手をやり推理してみた。
キティー山岳会はグループなのか単独なのかは不明。
だが、至るところで見かけるプレートは色とりどりのアクリル板で作られていて、
しかも単純な方形ではなく楕円形。こんな形のアクリル板は余り市販されているのを見た事が無い。
と言う事は加工されていて、山名や標高の字体もどこも一緒だ云う事は、
グループの中にもしくは本人が、看板屋の人がいるのではないだろうか?
さあ~この推理は当たっているかな?
発進場まで戻って広場の端で、魔女の宅急便をまねてあっちゃんがジャンプするが、
『あっちゃん、それほうきでもないし、竹が長すぎやろ!』全然飛べてない!
今日の縦走路はひたすらアップダウンの続く道だったが、その苦労の甲斐があってか
最後に最高の眺望のご褒美がもらえたコースだった。
琴南からの帰り道、綾歌町辺りで見かけた不思議な光景。色々な日常品と案山子で賑やかに飾られている。
誰が造ったのかひょっとしたらアート?なのか。何とも言えない造形に苦笑した。
今日は最後まで色々と思いを巡らせながら楽しく歩いた一日となった。
距離 9.78km 沿面距離 9.98km 累積標高 806m 行動時間 4時間25分 平均速度 2.2km/h
【今日のトラック】