KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2021.01.27 城山

2021年01月28日 | 香川の里山

二週続けての雪山歩きのラッセルや壺足で意識と違う思わぬ下半身の動きで、

ここのところ調子のよかったガラスの腰が少し重たくなった。

今週も雪山に続けて参加するのは躊躇して自主トレする事にした。

『線で繋ぐ里山歩き』を考えたが藪歩きがあって、朝方まで降る雨の予想で

それもどうしようかと考えていたら、WOC登山部も予定変更になって

坂出の城山を歩くと案内が来た。リハビリにはちょうどいいので

参加する事にして、集合場所の黒岩天満宮まで車を走らせた。

数日前にメンバーのキョウちゃんとゆかりんが新しくできた南側から歩いたコースを

同じように歩いてみようと、急な案内にかかわらず12名の参加者が集まった。




先ずは菅原道真公由来の天満宮にお参り。参道入り口には狛犬ならぬ狛牛

みやさんが頭をなでなでしているが、丑年らしくて何となく縁起がいい。




学業の神様は今日のメンバーにとっては余り関係ないが、学業=頭を使う=ボケないと麺法師さん

こじ付けてお参りしているので、他のメンバーも同じようにお参りする。




参拝した後は参道の石段を下り車道に出て、車を停めた場所から東に少し歩いたところの、

地元の方が整備して新しくできたという取り付きから山の中へ入って行く。

取り付きのスズタケは刈り取られ樹林帯の中を少し登ると、直ぐに凝灰角礫岩が露出した岩肌が現れる。

高瀬茶娘の?ルリちゃんとクーちゃんが前を行く。










今から約1千万年前、現在の瀬戸内海では激しい火山活動があり、花崗岩の上に火山灰などが堆積し、

その上に溶岩が流れた。やがて浸食が進み、浸食に強い固い溶岩が頂上に取り残された山々がたくさんでき、

頂上の溶岩が広く残されてテーブル型となった山の地形をメサ地形

小さく残され、おにぎりのような形となった山の形をビュート地形という。

県内にはメサ地形をした山には、屋島のほか五色台、そしてこの城山などがあり、

ビュート地形では讃岐七富士などのおむすび山があちこちにある。この凝灰角礫岩が露出した岩肌は

何度か歩いた五色台の南側の国分寺のカッパドキアと同じような地質だ。

香川の地質については香川大学の長谷川研究所のレポートがとても興味深い。







岩肌の左上にはビュート地形の郷師山。振り返ると同じようにビュートの代表格の飯野山が見える。

その飯野山の北の裾野には坂出から丸亀の市街地が雨が上がった後で、くっきりと見える。










露岩の道を登って行くと今度は羊歯の道に出る。ここでも羊歯が刈り取られて歩きやすい。




羊歯の道を過ぎると石垣の残る道に出た。地形図では登山道の線はなく、等高線の150mの線に沿った道だが

石垣が残っていると言う事は人の往来があったと言う事だろう。

その道を右にしばらく進むと少し下り坂になって来た。『道を間違えた?』と思って引き返すが

左に進むと郷師山への道になる。YAMAPでキョウちゃんのトラックをダウンロードしていたが

どうにも使い方が判らない。キョウちゃんとゆかりんは郷師山の鞍部に登って城山まで歩いていたのだが、

そのルートが全く頭に入っていなくて、とにかく城山に直登する事しか考えが及ばなく、

道を探して右往左往をするが、取りあえず道から外れて樹林帯の藪の中を直登してみる。

するとまた先ほどと同じような岩肌が現れた。







最初の方は足元は小さな岩屑で滑りやすいが木々もなくスムーズに登って行けたが、

次第に周りの木々の色も濃くなりはじめ、枝を掻き分け進むようになる。

先頭を行く麺法師さんが道を探して度々立ち止まっていたが、そのメンバーから離れて

あっちゃんと二人で藪の中へ突入していく。

まぁ~里山だから上へ上へと登って行けばその内山頂には着ける。













久しぶりの参加の長さんも頑張って登っている。




地形図にも載っている崖の辺りが最後の露岩になっている。普段高速道路を走っっていて

この城山の南側に見えた露岩が以前から興味があったのだが、ちょうどこの辺りだろうか?

今日はWOC登山部に初参加のキヨちゃんも、登山経験者だということで

意外と離れず後ろを付いてきている。







横にいるあっちゃんは目を輝かせて『楽しいわね~!』と言っている。

露岩の最上部にはワニの岩があった?

露岩が終わるとほぼ藪の中の道になる。もちろんテープもなく、枝を掻き分け、膝をつき、

這いつくばりながら登って行く。先ほどの露岩の場所で手袋を履いたが、茨のせいですでに手は傷だらけだ。










我々を見失ったルリちゃんが『お~い!』と呼ぶ声が下の方でしている。

先週、車の屋根にポーチを載せたまま走って、デジカメを無くした代わりにスマホで写真をとっているが、

スマホはロック解除にひと手間掛って、写真を撮るのに少し時間がかかる。

そうこうしている内にあっちゃんはどんどん先を登って行く。

WOC登山部藪こき隊のメンバーに入っても、問題なさそうだ。




やっとのことで登山道らしき道に飛び出した。後ろからひなちゃんも登ってきている。

次々とメンバーが枝を掻き分け道に出てきた。

やもっちの前が白く曇っているのは、寒さではなくて

メンバーが描いた汗が蒸気になって周りを曇らせているのだ。







トップを登っていた麺法師さんが何故か最後に登って来た。顔を見るとかなり疲労困憊している。

藪の中で相当悪戦苦闘したようだ。それでも麺法師さんは登山道からは元気を取り戻してトップを歩いて行く。

途中の展望台でも気持ちよくバンザイ!







この道には至るところに木や石に書いた手作りの標識があった。

その標識がなかなかデザインが良くてセンスのある標識なのだ。








前を歩く麺法師さんに『今日は迷(名)リーダーですね!』とおしゃべりしながら歩いて行く。

石に書かれた目玉の方向に進むと、西に眺望が広がる展望ヶ所になっていた。

目玉で展望を表すなんて、なんて素敵な標識だろう!

展望台からは府中湖の奥に鷲ノ山、さらにその奥には堂山・六ツ目・伽藍・挟箱山が見える。










展望台からしばらく登るとマナイタ石があった。平らに加工された石は

山頂の東側にあるホロソ石と同様に、山城の城門の礎石だと云われているが、

その数が少なく二つの距離も相当離れているため、何のために造られたかは未だ不明だそうだ。




マナイタ石の上であっちゃんとキヨちゃんが遊んでいる。

どうやら『まな板の上の鯉』を演じているようだが、痩せのあっちゃんはどう見ても

『まな板の上のサンマ』に見える。(笑)










まな板の上の石からは山頂への最後の急登が続いている。ただ先ほどの藪こき急登に比べれば

葉の落ちた明るい道は気持ちがいい。いつものように急登で杉さんの喘ぎ声がしている。







山頂には今日も360度の大展望が待っていてくれた。香川県の里山のほとんどが見渡せる雰囲気がする。

山高きが故に貴からずの本来の意味とは違うがそんな気分。里山でも十分に眺望を楽しめる。











広々とした山頂で少し早めの昼食を摂る。その合間で展望台で周りの景色を楽しむメンバー。

風もなく冬晴れの陽を浴びながら気持ちのいい時間が流れて行く。










昼食の後、今日はキョウちゃんに以前に貰ったコーヒーを淹れる。(ごちそうさまです!)







同級生のツーさんとみやさんが景色を見ながら何やら話し込んでいる。




あっちゃんが私のリクエストに応えてくれた。

先ずは離陸前の魔女。




そしてストックに乗って空を飛んでる魔女の宅急便




記念撮影の後はもう藪こきは懲りたので、郷師山への登山道を辿って下りることにする。










郷師山への道は前回も不動の滝から登った時に歩いた道。

落ち葉の積もる静かな道が続き、最後は竹林の中の道になる。










郷師山との鞍部からは、登った事のないメンバーがアタックを開始する。

既登のメンバーはそのまま天満宮への道を先に下って行く。










途中には砕石場のあとと見られる洞窟と、飯野山の山頂にある同じ安養寺の地蔵堂があり、

ここでは中が洞窟になっていて岩壁に石仏が彫られている。

登りで少し迷った石垣の残る道は、麓からこの地蔵堂への参拝の道だったのかもしれない。










地蔵堂から正面に飯野山を見ながら下って行くと黒岩天満宮の参道に出た。

参道に出る手前には梅林があり、気の早い梅の木の何本かが花を付けていた。










今日は藪漕ぎ歩きをやめて参加した城山だったが、結局はプチ藪漕ぎになった。

里山では登山も下山も上に下に歩いて行けばその内に山頂や里に着く。

里山ならではの道外れを楽しめる人もいれば、道から外れるのを嫌がる人もいる。




以前から気になっていた城山南の露岩に今日は少し近づくことができ、

土塁や石塁の遺跡の点在するこの城山山域が面白くなってきた。

登山道から外れて歩いてみると、新しい遺跡を発見するかもしれない。


家でグーグルアースで上から見てみると、第二露岩の辺りに大きな露岩があり、

麓からの道が続いているのも見て取れる。(おそらくこの道が地蔵堂への参道か?)

想像力を刺激される山域をまた日を改めて歩いてみたい。






WOC登山部2021.01.20 塔ノ丸

2021年01月21日 | 四国の山



先週に続いて今週もIRIBITOさんの提案で塔ノ丸

出かけてきた。何年か前にIRIBITOさんと姐さんトッシー

三人で出かけて途中の道の状態が悪くて引き返したことがあった。今日はそのリベンジだ。

他のメンバーの麺法師さんは12人を連れて粟島に、

セニョさんは独り五剣山に、そして山さん

自転車で紫雲出山にと、今日はそれぞれ分かれてのWOCの活動となった。


貞光から見ノ越に向かって車を走らせるが、周りの山々にほとんど雪は積もってなくて

キョウちゃんとゆかりんが後ろの座席で『雪はあるんだろうか?』と話している。

集合場所の貞光へ行く途中の脇町辺りからは、南の見える山々には

白い頂きが見えていたので『大丈夫!』と応えたものの、

段々と不安になってきた。幸いヘアピン辺りから路面が凍り始め、周りの景色も徐々に

雪景色になってきた。夫婦池の手前の登山口にはすでに香川ナンバーの車が2台停まっていた。

道の脇には新雪が少しは降った様子でそこそこ期待できそうだ。




まずはウラジロモミの林の中を登って行くと予想通り先行者のトレースがある。

私もキョウちゃんもゆかりんも、雪の塔ノ丸は初めてで気分が高揚してくる。




ラッセルの跡を辿って歩いて行くが時々踏み抜いて壺足になり『あっ!』と声が上がる。

林の中の道からロープが張られたトラバースのヶ所が少し注意が必要だが、

それでも順調に尾根への道を進んで行く。次第にじわっと汗を掻き始めた。







尾根に出ると薄暗い樹林帯の中の景色から一変して青空が広がっていた。

雪の上に広がる青空は、夏山の空とはまた違う澄み切った何とも言えない空の色だ。

木々の間から高ノ瀬だろうか三角の頭が見える。

少し進むと今度は遠くに三嶺が見えた。










さらに進むと塔ノ丸への稜線と三嶺から高ノ瀬への稜線が続いている。

こんな青空は蒼穹・ 蒼昊・ 蒼天・ 碧空 ?、なんて表現するのだろう。

剣山も次郎笈も陽が当たって輝いている!













1579mの標高点を過ぎ緩やかな尾根道を進んで行くと、先行していたパーティーが登っているのが見えた。

後ろから来るゆかりんが『ラッセルしんどいから追いつかないようにゆっくり行こう』と不遜な事を言っている。















案の定、後ろの三人はスピードを落としてきて距離が開いてくるが、ふとラッセル泥棒

言葉が浮かんできた。やはりここは雪山のマナー、一応休憩しているパーティーに追いついてみると

5人のメンバーのパーティーだった。話を聞くと観音寺の山の会の人たちで、夏山ならここまで1時間強ほどの

ところを今日は2時間もかかってバテたと言っている。『ここから先にお願いします!』と言われたので、

『イヤイヤどうぞ先に!』とは言えない雰囲気になり、先行する事に。

恐らく日曜日くらいに歩いたトレースの上に雪が積もっているので、道を間違えることはないが、

ラッセルの跡を辿るよりも壺足の回数が増えてやはり体力を消耗する。













ゆかりんがトップの私の歩幅が広くて踏み跡を辿れないというので、少し歩幅を狭くして歩いてみる。

まったく風もなく、脚を持ち上げながら歩くと途端に汗が噴き出てきたので上着を一枚脱ぎ、

手袋も脱いで進んで行く。後ろの三人はもう帽子も脱いでいる。

この塔ノ丸の稜線はいつも南に剣山から三嶺の稜線、北には矢筈山の山系が見渡せるが、

今日は青い空に雪と白骨林の白が一段と映え格別の景色だ。










雪原に可愛らしい足跡が続き気持ちを和ませてくれるが、やはり太腿の付け根が重たくなってきた。

今日はまだ積雪の量が少ないので歩いて行けるが、これで積もった量が多ければ

やはりスノーシューが無ければとてもじゃないが歩けない。










まだ手前のピークの奥に塔ノ丸が見えている。トレースの横には自然が作り出す芸術の風紋が美しい。










手前のピークを下った鞍部では小さな雪庇状になった場所があった。

出来るだけ離れて踏み抜かないように進んで行く。













山頂手前の樹林帯のに入ると膝の上くらいに積雪量が増え、一歩足を出しては埋まり、

また足を持ち上げての繰り返しでほとんど進まなくなった。







樹林帯を抜けると山頂まであと少し。足元も少しはマシになってきた。












やっとのことで山頂に着いた。

昨年やもっち・あっちゃん・ルリちゃんと歩いた時は1時間35分ほどだったが、

今日はやはり2時間30分ほどかかった。それでもWOC登山部冬季塔ノ丸登頂!だ。

後ろからメンバーも登って来た。










山頂ではいつものように360度の大展望が広がっているが、今日は大・大・大展望!

剣山・三嶺・矢筈山はもちろんの事、遠くは石鎚山まで見渡せる!
















実は朝出かけにウエストポーチを一旦車の屋根に置いて車のドアを開け、

うっかりとそのまま走ってしまった。奥様に電話をして家の前と途中までのコンビニまでの道を

探してもらったが見当たらない。ポーチにはデジカメと三脚を入れていたのだが

先週の鍵閉じ込めに続いて2週連続の災難続きだ。

仕方がないので今日はスマホの自撮りで記念撮影。(自撮りの顔が皺だらけ!)




丸笹山と剣山の間には、まだ月が登っているのが見えている。

写真を撮ろうを柔らかい新雪の上を際まで歩いたキョウちゃんが、踏み抜いて

雪原に種を撒いている!(笑)







完璧な青空にIRIBITOさんも大絶賛。他の2人も写真を撮りまくっている。

そう言えば何年か前にエントル山さんのグループで雪の笹ヶ峰に登ったのを思い出した。

その時の青空も素晴らしかったが、風があって山頂では寒い思いをした。







山頂の西側の岩でお昼を食べていると後続のパーティーが到着した。

メンバーの何人かが、他の人に『ありがとう!』としきりに言っている。

塔ノ丸が初めてなのか、雪山が初めてなのかはわからないが、

初めてきて今日のこの絶景を見られたなんて、とてもラッキーな人たちだ。

北には小豆島、東側もかなり遠くまで見えている。







大展望を楽しんだ後は下りのヒップソリの準備をして下山を開始。








山頂で少しだけ風が吹いていたので上着を着こんだが、また暑くなってきたので一枚脱いで歩きていく。

前を行くゆかりんが背中でダイブをしたが、自重で起き上がれない!(笑)













所々でヒップソリを試みるが、雪が柔らかくて滑らない。

また登って来た時は傾斜があるように見えた坂も下りではさほどでもなく、

先週の国見山の防火帯くらいの勾配が無いと無理があるようだ。

















日差しが強くサングラス忘れてきて陽が眩しい。

陽の当った顔も少し暑くなってきた。







二つ目のピークの下りで写真を撮ろうとヒップソリを下に置いたら、

軽いソリが雪上をスルスルと滑り始めた。慌てて追いかけるがどんどんソリのスピードは増して

最後には深い谷底にジャンプして落ちて行った。

今日の紛失物。ウエストポーチ・デジカメ・三脚・のど飴そして最後にヒップソリ!

過去には三脚やストックを落としたり忘れたりして無くしたことはあるが、

今日のロストの数は過去最大! (T_T)

人間、必死なると壺足でも追いかけて走れるのが判った。

(下の写真の中央のトレースの左に、谷側に斜めに追いかけた踏み跡がある)




後ろから下って来たゆかりんが『あれ?ヒップソリは?』と聞くので

状況を説明すると。『お母さん、あのヒップソリはどこに行ったんでしょうね』と追い打ちをかける。




この後、何度か滑れそうな場所でメンバーが試みるが、

滑れる距離が短く、それでも最後までチャレンジしてみる。

















この尾根道のシンボルの大岩を過ぎると、いよいよ塔ノ丸ともお別れだ。

最後に歩いて来た道を振り返る。







樹林帯の中に入るとやはり雪が柔らかく足を取られてまた汗を掻いてきた。

風の音も鳥の鳴く声もなく、静まり返った林の中を雪を踏む音だけが聞こえてくる。







トラバース気味になった場所では、左の谷側に足を滑らせないように注意しながら進んで行くが、

時々前を歩くキョウちゃんも、ズルっと足を滑らせている。










諦めの悪いゆかりんとキョウちゃんまだ滑っている!





スタートから4時間、全員無事に冬季塔ノ丸登頂から帰還した!

雪山は天候によっては厳しく危険が伴うが、今日の塔ノ丸は最高の天気に恵まれ、

四人ともに充実感に包まれながら帰路についた。























WOC登山部2021.01.13 国見山

2021年01月14日 | 香川の里山

今週の登山部は里山なら干支の山を歩こうと考えていたが

IRIBITOさん国見山に雪遊びに行こうとFBに案内が出たので、

即、行きます!と返事をして参加した。WOC登山部では今回で4回目の冬の国見山。

初めて来たときには姐さんがアイゼンの代わりに草鞋を編んできた。

この草鞋が意外にも実力を発揮して山頂まで問題なく登って行けた。

帰りの下りで尻セードを楽しんだのだが、それから学習をしてヒップソリを持ち込んで、

WOC登山部では雪山=ヒップソリの図式が出来上がった。

昨年は雪が全くなくて残念な思いをしたが、今年は寒波でどこの山も雪がある。

今回はあの防火帯で存分にヒップソリを楽しめるだろうを思って出かけてきた。







直前にYAMAPを見てみると、日曜日に出かけた人が上の登山口まで車で行けずに、

途中で諦めて後山登山口からスタートしていた。今日もひょっとしたら上の登山口までは

行けないかもしれないと思いながら32号線を走って行くが、思っていたより周りに見える

山には積雪が少ないように見えた。ところが祖谷トンネルを抜けると景色は一変した。

川端康成の小説のように『トンネルを抜けるとそこは雪国だった』の世界そのもの。

トンネルをでて直ぐに北に登山口までのアイスバーンの道を進んで行くと、

道の脇から突然大きなタイヤショベルカーが現れ、バケットで除雪をしながら走り始めた。

学校を卒業して就職した先で、同じくらいの大きさのタイヤショベルカーを運転して

冬場に場内の除雪をよくしていたのを思い出した。




『いや~助かるな~!』と言いながらゆっくりと前を行くショベルカーについて行くと、

集落の手前で道を譲ってくれた。『集落の人の為に除雪してたんかな?』と思いながら追い抜き、

そのまま後山登山口との分岐まで来ると、まだ上の登山口への道にも車が通った跡の轍がある。

取りあえず行ける所まで行ってみようと走って行くが、途中で車のハンドルが取られ始め、

最後はどうにも前に進まなくなった。足回りの問題ではなく、深い轍に車の底がつかえてしまったようだ。

仕方がないのでゆっくりゆっくりと慎重にバックして、路肩が広い場所まで戻って車を停めた。

ここから時間はかかるが下道を歩いて上の登山口まで歩こうと、車から荷物を降ろして準備をしていると、

何やら下の方から車が登ってくる音が聞こえてきた。しばらくすると先ほどのショベルカーが、

タイヤに巻いたチェーンの音を響かせながら現れた。




その後ろには二台の軽トラックが続いている。どうやら作業する場所に行くためにショベルカーで

除雪をしていいるようだ。『助かった・・・・!』あと数分遅ければ、準備を済ませて

下道を登山口まで歩いて行っていただろう。さっそく降ろした荷物をまた積み込んで、

ラッキーとばかりに作業車の後ろを付いて行き、上の登山口に到着した。

登山口の前の広場もわざわざ車が停められるように除雪をしてくれていて、『神様、仏様・・・!』。










今日はいつものメンバー以外に初めてミッチーが参加。ただ初めてといっても

ミッチーは大物新人で、今日のメンバーの誰よりも経験値が豊富で、以前に雪国に居ただけあって

雪山も場数を踏んでいるので、今日初めて雪山に登るあっちゃんに付いて

インストラクター役をしてくれる。







登山口からは今までで一番積雪量が多く、最初の階段もすっぽりと雪に隠れている。

それでも最初の急登を登った樹林帯の中の道からトレースがあり、麺法師さん、IRIBITOさんと

三人で先行して歩いて行く。トレースの脇の雪はサラサラのパウダースノーだ!







樹林帯が杉林の中の道に変わると、雪をまとった木々の枝が不思議な模様に見え、

いつもは殺風景な杉林の風景が全く違った景色に見えた。











幅は狭いがしっかり踏まれたトレースは歩きやすい。防火帯の一番下で後ろから来る二人をしばらく待つが、

雪山を歩き慣れているミッチーのペースは意外とゆっくりとしていて、なかなか姿が見えない。

スタートする前に『汗を掻かない程度に!』とミッチーは言っていたので、本来なら雪山を歩くペースなのだろう。










雲が流れて木々の間から陽が差し込むと、着雪した木々や雪の地表が輝いてとてもきれいだ!







防火帯の急登ではトレースが右に左に曲がっていて、まるでボブスレーのコースのようになっている。

我々はこの防火帯を第一ゲレンデ、第二ゲレンデと呼んでいるが、帰りの下りがますます楽しみになってきた。







メンバーとは別に後ろから来た男女の二人組に先に行ってもらい、ゆっくりと登って行く。







その後ろからは合流した4人が色々話をしながら登ってきている。

豪雪地域に居たミッチーの話題は尽きず、頼もしい限りだ。







着雪した重みに耐えきれず時より木の枝からどさっと雪が落ちてくる。

雪が落ちだ後にはその周で小さなチリになり陽が当たって光輝いている。

一本いっぽんすべての木の枝に霧氷の上にさらに雪が付いている。








前を歩く二人組の女性も初めて雪山に来るのか、途中で何度も立ち止まって

雪景色に感激して声をあげている。







防火帯を登りきると急登は終わり、国見神社まではトラバース道になる。

雪は増々深くなり周りの木々にもたっぷりと雪が付いている。







時折頭上に青空が広がると、待ってましたとばかりに写真を撮る。

やはり霧氷や樹氷が映えるのは青と白のコントラストの青空だ!







トラバース道の周りもたっぷりと雪が積もりとてもいい雰囲気だ!

痩せ尾根から尾根の反対側のトラバースになる辺りが一番積雪量が多かった。
















国見神社の避難小屋の外では二人の若者が一服していた。

普段職場でも山でも肩身の狭い思いをしている小生としては、山で遠慮なく一服できるので

二人の横で一緒に一服する事にして少し話をする。




非難小屋からの道には所々で雪の重みで倒れ掛かった木の枝が、道の上に覆いかぶさっていた。

山頂直下の直登の道にはロープが張られ立ち入り禁止になっていたので、

昨年と同じようにその先の支尾根まで進んで行く。







支尾根に出ると分岐になっていて最後の登りとなる。

分岐から左は国見山古道と呼ばれ、大歩危駅から支尾根を辿って山頂まで道が

続いているらしい。来るときに大歩危橋を渡った所に車を停めて

登山の準備をしている人たちの姿を見かけたが、帰ってYAMAPも見ていたら4時間かかって

上の登山口の先に続いている林道まで登って、時間切れで諦めて戻ってしまったようだ。




山頂には先行していた男女の二人組が眺望を楽しんでいた。

雲が広がり遠望は利かないが、360度の大展望が広がっている。

一番近くにはおむすびの形の中津山




京柱峠から矢筈山までの稜線は確認できるが、

天狗塚三嶺は雲に隠れて見えない。














その眺望を満喫していると後ろからメンバーが登って来た。

今日は帰りにあのひばり食堂に立ち寄る予定なので、山頂では軽くお腹に入れてを下山開始する。

真っ白な雪の上のあちらこちらに可愛らしい足跡が続いている。










ここからが今日のメインイベント!防火帯のゲレンデまで待ちきれずに、

麺法師さんとあっちゃんが早速滑り始めた。




防火帯までのトラバース道は手にヒップソリを持ちながら、

滑れそうな場所はないか探しながら歩いて行く。




いよいよ防火帯のゲレンデで第〇回ソリ大会

今日のゲレンデ?のコンディションはバツグンで、スピードがでてカーブを曲がり切れずに突っ込んでしまうが

トレースの脇の雪は柔らかく、雪まみれになりながら大の大人がキャキャとはしゃいでいる。























防火帯がの上部からは、登りでは1時間30分かかったのが、あっという間の30分で登山口まで着いた。





下山後は今日の二つ目の目的地のひばり食堂に向かう。

いつものように食堂の駐車場に着くとお昼時には行列のできるお店に、一台も車が停まっていない。

時間は14時30分近くだが、それにしても・・・・・お休み?

車を停めて店まで行くと、コロナ対策で営業時間が15時までとなっていた。




店内には案の定、他にお客はいなくメンバーだけで昼食を摂る。

麺法師さんはかつ丼、IRIBITOさんとミッチーはとんかつ定食を注文するが、

お昼はあまり食べない私はミニかつ丼を注文。それでもお腹一杯になる。

これが並みのかつ丼、私には食べきれない。とんかつ定食もカツが二枚だ!







少し遅めの昼食を摂り帰路につく。集合場所の道の駅たからだ財田まで戻り、車の鍵を開け

後部座席にリモコンキーを入れたポーチをほおりこみ、ドアを閉めてザックを積もうと

トランクを開けようとしたが開かない。後部のドアも運転席のドアもロックがかかって開かない。

リモコンキーは中にあるのにロックがかかるなんて・・・・・!どう考えても判らない。

仕方がないのでJAFに連絡して鍵を開けてもらう事にしたが、丸亀から来るというので

かなり時間がかかる。IRIBITOさんが寒いので車の中で一緒に待とうと言ってくれ助かった。

40分ほどでJAFが来て作業をしてくれるが10分経っても20分経っても鍵は開かない。

その内に作業員が何やら電話をしている。電話のあとまた作業をするが依然として開かない。

またしばらくすると何ともう一台のJAFの車がやって来た。どうやら応援を呼んだようだ。

二人目の作業員もてこずっていたが、10分ほどで何とか鍵を開ける事ができた。

JAFがJAFを呼ぶなんて!笑い話だが、その間ずっと一緒に待っていてくれた

IRIBITOさんと麺法師さんには申し訳ない事をした。


WOC登山部では4回目の国見山。今まででは最高の雪と雪景色。そして最高のコンディションの

ソリ遊びを思う存分楽しめた一日だった。


里山に遊ぶ2020.01.08 城山

2021年01月09日 | 香川の里山
今週半ばから低気圧の影響で強い風が吹く日が続いた。

会社から南の山々を見ると阿讃山脈は白く雪化粧。

これなら大川山辺りも積もっているだろうと思って、休みを取って出かけてみた。


来週は干支の山を計画していたが、IRIBITOさん

国見山の案内をしてくれたので即返事をして参加する事にした。久しぶりの雪山に、

事前に昨年冬用にと買ったシャツとソフトシェルがどれくらい寒さをしのげるのかと、

アイゼンや手袋も準備しているものでいけるのかを予行演習する事にした。


普段なら高松空港から枌所を通って琴南に向かうのだが、

用心をとって国道32号線から438号線へと車を走らせた。

土器川沿いの道は意外と普段通りの風景だったのがヤマザキのコンビニを過ぎたあたりから

廻りの景色が一変した。国道の路面はまだ大丈夫だったが、大川道に入った途端に

完全に凍結していて、何とか車を停める予定の隋神門までスピードをおとして

走って行く。路面状態を確認しながら無理にアクセルは踏まずに同じ速度でゆっくりと・・・・。

ただ隋神門の手前の道の脇で車を方向転換して停めようと、一度車を停めハンドルを切ると

完全にスリップして進まない。バックしてタイヤが食いつくところでアクセルを踏み、

何度か切り返して何とか下手に向かって駐車する事が出来た。

車の外気温計はマイナス1℃。トランクを開けて登山靴を履いてアイゼンを付けようとするが、

幅が合わずに上手く履けない。昨年の冬にアイゼンを合わせた靴とは違う靴を今日は持ってきた。

出発前にどうしようか一瞬考えたけど、結局靴を変えずに来たのが間違いだった。

ウエストポーチに入れていた六角レンチも見当たらない。山頂までは道路の横断時と、

山頂手前の階段の場所を除けば、アイゼン無しでも登れない事はないが、安全をとって無理せず

今日の大川山は諦めることにした。




下りも出来るだけ急ブレーキを踏まないように慎重に下って行く。

何度かヒヤッとする場面があったが無事に国道までたどり着いた。







このまま帰っても仕方ないので、計画していた干支の山の牛ノ子堂山陣ケ峰

直ぐ近くにあるので、取りあえずは登山口を確認するため四国電力の変電所まで走ってみる。

駐車スペースと登山口を確認した後、これも直ぐ近くにある未登の山の城山

どれくらいで登れるのか軽く登ってみることにした。

次回干支の山を登った後に時間があればこのもう一座を登ってみてもいい。


変電所の下の四差路になった場所に車を停めてスタートする。

鉄塔の向こうにおむすびの形の城山が見える。




車を停めた場所から山の方向に向かって進むと直ぐに電力の鉄塔番号をかいた杭がある。

そこから保線路を歩いて行く。樹林帯の中に入ると落ち葉がたっぷりと積もったふかふか道になった。







最初の鉄塔を過ぎスチールの橋を渡たるともう一つの鉄塔広場に出た。










ここからは保線路を外れて鉄塔の上手から支尾根へと取り付く。

道はあちらこちらに黄色や赤のテープ。更には木に赤くスプレーで塗ったりしているので迷う事はない。

山頂が近づくと徐々に傾斜が急になってくる。




車を停めた場所からは30分弱で山頂に着いた。

山頂には四等三角点『城山』と割れたキティちゃんのプレート。

山の名前の通り山城の造田城跡だったようでその標識もあった。

戦国時代、当地の勢力を誇っていた羽床氏の家臣の造田備中守宗俊が城主とされる造田城は

天正七年(1579年)長宗我部元親軍に攻められ落城した。

造田宗俊は城に火を放ち自刃したと伝えられているそうだ。










山頂は南北に長く北端まで行くと、眼下に中間処理施設。そして木々の間からは遠くまで見渡せた。




しばらく景色を眺めた後は、雪交じりの寒風が吹く中をそそくさと山頂を後にする。

スタート地点から往復で1時間弱で車まで戻れた。これなら次回、二座を登った後に立ち寄ってもよさそうだ。




車に戻った後、『1時間ほどで帰れるのでランチでも行く?』奥様にLINEを入れる。

何せ正月から既に3回も山に出かけている。

来週も機嫌よく送り出してもらうためにも少しでもご機嫌を取っとかなければ・・・!(笑)




エントツ山さんにアドバイスをもらって、地形図を大きくアップしてみたが、

何分にも歩いたトラックがしょぼ過ぎる!



里山に遊ぶ2020.01.04 石鉄山~虎丸山

2021年01月06日 | 香川の里山
昨日の夜、奥様に『明日は?』と聞くと『明日は昼間まで仕事』と返事が返ってきた。

顔には出さずに心の中でしめしめと思いながら、『がんばってな~』と言って、

『仕方がないから山でも歩いてくるわ~』と残念ぶって話をした。

今週は年明け火曜日の仕事始めで、二日目の水曜日も年始の挨拶に来る人が多いので

WOC登山部には参加できない。一昨日に計画していた線で繋ぐ里山歩き

何とかこの正月休みに歩いてみたいと思っていたので、後ろ髪をひかれながら(笑)も

いそいそと自宅から東の田面峠へと車を走らせた。


線で繋ぐ里山は、昨年の春頃の緊急事態宣言の時期に

WOC登山部も休止になり、一人で周回路を歩いていたら、前山ダムから笠が峰までが

線で繋がった。最後に星越山へのルートが判らずたどり着けず、

次は星越峠から星越山を往復し虎丸山も往復になると考えていたら

YAMAPでこの辺りを周回している人のレポートがあった。そのレポートを参考に、

今日は水主コミュニティーセンターからまずは石鉄山。次に石見山から

那智山まで歩き、一旦下って虎丸山に登り、

新しくできている修験造道を使って星越峠に降り、時間があれば星越山から本宮山

周回できないかと考え、コミュニティーセンターに車を停めた。




センターから県道に出て向かいのため池の突堤から、まずは245mのピークを目指して取り付いてみる。

突堤からは手前のおむすび山の奥に245mのピークが顔を覗かせ、右手の遠くには朝日が当たった

虎丸山が遠くに霞んで見えた。










取り付きからは藪漕ぎになるかと思っていたが、尾根筋は乾いた花崗土で滑りやすいが

意外と木々もなく判りやすい道が続いている。




所々で視界が開けて右手には那智山からの稜線。振り返ると本宮山から笠が峰が見える。







道の脇の木の枝にテープを発見。このコースを歩いた人はネットでは見当たらなかったが、

同じようなことを考える人はいるもんだと、なんだかうれしくなる。




245mの標高点の手前のピークは低木だけで遮るものが無く抜群の見晴らしだ。

田面峠方面の奥には五剣山、反対にはまだ遠くに虎丸山が見え、

これから歩く245mのピークがすぐ目の前に見える。













ピークから少し岩場があり、腰を降ろさず立って下りようとして一瞬ぐらつきヒヤッとした。

鞍部まで下って登り返すと245mのピークに着いた。こちらは木々に囲まれ見晴らしは無し。













事前に見ていた地形図では、ここから石鉄山までが少し複雑な地形で判りずらいなと思っていたら、

やはり間違えて南のピークに登ってしまい引き返して軌道修正をする。

斜面を足を滑らせながらトラバースして支尾根に取り付いた後は、また里山の尾根らしい道が続いていた。










7年ほど前に『東かがわ里山チャレンジ30』を参考に、那智山から石鉄山まで歩いたが、

その時とは今日は反対方向から山頂に着いた。山頂には以前と同じように石祠が座っていた。

『東かがわ市合併10周年』の山名札には石鉄山のフリガナにいしづちざんと書かれている。

霊山石鎚山は石鉄山とも表記され、石鎚神社も延喜式の神名帳(延喜式神名帳)では「石鉄神社」と記されている。

この石祠も石鎚神社に由来するものかもしれない。







石鉄山で一服した後何の気なしに北東の支尾根に降りてしまい、直ぐに周りの雰囲気が

どうも違うなと感じて引き返す。テープも所々しかなく直ぐに見失い今日二度目のルート外れだ。

山頂からトラロープの張られた急坂を下って行く。




石鉄山から石見山への最後は急登で、ここでも細いトラロープが張られてあった。

山頂の手前には朽ちた祠の跡が残っていた。







今日一つ目の三等三角点『大林』と先ほどと同じ合併10周年の山名札。








ここからも東への支尾根に下ってしまいまたルートを外してしまった。

このコースはピークからの支尾根と、ルートとなる鞍部への道が違っていて

安易に下ってしまうと間違えてしまう。とにかくピークでじっくりと下る方向を

確認しないといけない。仕方がないのでまた引き返して登り返していく。

といいつつ、また直ぐに南への尾根を進んでしまい、二度あることは三度ではなく、

今日はすでに四度目のルート外れでため息がでてきた。







那智山の手前も急登になりロープが張られていた。見覚えのある山頂直下の岩を乗り越えると

三座目の那智山にやっと着いた。予定ではこの山を下りて虎丸山への取りつきまでで

2時間ほどと考えていたが、4回もの道迷いで、ここまでですでに2時間が経過してしまった。







本宮山・虎丸山、そしてこの那智山は水主三座と呼ばれ、

その三山のトライアングルの中央に水主神社がある。

水主神社は836年に神階を授けられて大明神に累進した讃岐最古の神社で、

この三山には熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を勧請(かんじょう)しているため

ミニ熊野参りができる山だという。(勧請とは神仏の分身、分霊を他の地に移し祀ること)







山頂からは東讃では随一の眺望が広がっている。300mにも満たない山だが山頂から麓を

俯瞰すると何とも言えない抑揚感を感じる。陽の当たり具合か、山頂から複雑に伸びる支尾根の襞も

くっきりと見て取れる。













山頂手前の赤鳥居。奥の樹木が無ければ『天空の鳥居』に見えるのにな~。




山頂からは東の登山口へと急坂を下って行く。相変わらずこの道は急な坂だ!

登山口手前の鳥居を潜ると下道に出た。













ここからはしばらく次の虎丸山まで下道歩き。水主の集落の家々の間を抜け、与田川を渡り

青空の広がる好天の中を気持ちよく歩いて行く。風呂地区の中を虎丸山の登山口を目指して

里道を登って行くと、地区の名前の由来か?石風呂跡の石碑が建っていた。







アスファルト道の勾配が急になり始めると次第に足が重たくなってきた。

陽の当たる田んぼの畔でおにぎり一個を頬張る。




最終民家を過ぎると道は地道になり、しばらくすると巨大な砂防ダムの下に着いた。




砂防ダムを巻くようにして登り作業道を進むと沢沿いの道になり、登山道らしい雰囲気が漂ってきた。

登山道は意外と急な坂が続き、息が上がっては度々立ち止まり息を整え登って行く。













谷筋から、山頂から延びる何本もの支尾根の内のひとつに取り付くと、

南西に星越山と阿讃山脈の山々が望める場所があった。




山頂手前で今日二つ目の三等三角点『虎丸』をゲット!

最後の急登をロープを使いながら登りきって麓から1時間ほどで虎丸山山頂に着いた。










山頂には新宮神社が祀られ、地元の人によればこの山は新宮山とも呼ばれているそうだ。

石祠の後ろからは東の眺望が開け、遥か遠くには淡路島と湊川を挟んで白鳥アルプスが横たわって見える。







新宮神社の石積みに失礼して腰掛て、白鳥町の市街地を眺めながらおにぎりをもうひとつ頬張る。







線を繋ぐ里山の次のルートとなる東の笠屋地区からの山を地形図をみながらじっくりと眺めてみるが、

どうコース取りすればいいか全く思いつかない。もちろん登山道などあるはずもなく、

恐らく藪漕ぎ必死の難しいルートになりそうだ。










しばらくの間次へのチャレンジに思いをはせた後、山頂の小屋の横から修験造道を下って行く。

しばらくは踏み跡もあり、所々でテープもあったが直ぐに見失い、またルートを外れてしまった。







ここからは今回最大の難所となり、急斜面の藪はストックは当てにならないどころか邪魔になり、

木を掴んでみると何度も枯れた木を掴んでしまい、滑って尻もちをついたり、

前のめりになって転がり落ちたりした。急な斜面は真直ぐには降りられず、

GPSを見ながら目印の砂防ダムの上流を目指して、何とか歩ける木々の間を潜りながら

もう写真を撮る余裕などなく、降りるというよりは落ちて行った。




僅かな距離なのに、久しぶりに急斜面で30分近く悪戦苦闘してやっとテープが目の前に現れホッとする。

少し荒れてはいるがさっき迄と比べると天国!その内に登山道の案内板が目についた。







羊歯の道も踏み跡が判れば難なく歩けて快適?快適!




羊歯の道を抜けるとまた登山道の案内板。道に沿って進んで行くと砂防ダムの作業道らしき道に出た。







真新しい砂防ダムからも幅の広い作業道が続いているが、車が通った形跡はなく荒れ放題。







作業道を進んで行くと四国のみちの案内板の建つ分岐。ここから左に折れれば星越峠へと出られるが、

星越山までと星越山から笠ケ峰と本宮山への分岐までが、また藪漕ぎが予想され

時間的にはタイムリミットだと考え、残りの二座は諦め、四国のみちを大内ダムへと歩いて行く。







大内ダムの上流からダムへと続く四国のみちは自然歩道。ほとんど人が歩いた形跡もなく

落ち葉がたっぷりと積もった道をのんびりと歩いて行く。










ダム湖の際になると、木々の間から湖面に反射した陽の光がキラキラと輝いて目に飛び込んでくる。

風もほとんどなく穏やかな湖面は、昨年のコロナで慌ただしかった一年がウソのように穏やかだ。







大内ダムからは県道の下道歩き。今日最初に歩いた石鉄山から那智山を眺めながら、

今日一日を振り返りコミュニティーセンターまで戻って行く。


それにしても今回は道迷いばかりの山歩きとなり、

久しぶりに里山歩きの難しさと楽しさを存分に味わった。

里山歩きなら道を迷ってもあんまり心配が無く、道迷いも貴重な経験値になる。

最近YAMAPでは『ルート外れ警告』なる機能がアップされ、事前に登録したルートから

外れると、アラートが鳴るようになったらしい。その内にカーナビ並みに音声ガイダンスで

右に左にとガイドしてくれるようになるのでは?そうなると山歩きなんだろうかと考えてしまう。

山歩きには危険はつきもので、最悪の遭難というケースは絶対に避けなければいけないが、

少なくとも自然の中では自分の体力と相談しながら無理せず無駄に遊びたいと思う。

12.5km、行動時間6時間15分の線で繋ぐ里山歩きだった。










前段で生意気なことを書いたがやはり現在地の判るスマホのGPSは手放せない。

2分20秒と少し長めだが、カシミール3Dのスマホ版のスーパー地形図で

面白い機能を見つけた。245mから那智山にかけて迷い廻っているのがよく判る。


里山に遊ぶ2020.01.02 堂山

2021年01月02日 | 香川の里山
新年あけましておめでとうございます!

今年も体力維持のため山歩きを楽しみたいと思います。


といっても昨年後半は何度も足が攣ったり、膝が痛くなったり

最後は一週間ほど下痢が続いて体重が4kgも減り、このまま減り続けるようだと

精密検査を受けないと・・・と思っていたら何とかそのままを維持。

ただ年末休暇でほとんどどこにも出かけず、また徐々に体重が増え始めた。

これではいかんと年明け早々に奥様の厳しい視線を感じながらも山に出かけてきた。

昨年歩いた前山ダムから東の山々を少しづつ線で繋いできたので、その続きを歩こうと

東へと車を走らせたのだが、町内では晴れていたのに次第に雲行きが怪しくなり、

路面も随分と濡れている。今回考えていたコースは恐らく藪こきになるだろうと

思っていたので、まだ濡れているだろう藪の中を歩くのも億劫になり、あっさりと

予定を変更して、足元の確かな堂山を軽く歩いてみることにした。


堂山南登山口には何台も車が停まっていて、残り一台のスペースに何とか車を停めてスタート。




やはり高松市内は雨が降っていなかったのか、登山道は乾いている。

道の途中には合目の標識が続いている。










道の途中の脇道を入ると石祠があり、人になれたハトが逃げずにウロウロしていた。







谷筋から綴れ折れの道を登ると支尾根にとりつき、最後の坂を登ると展望所に着いた。

展望所には数人の地元の人の姿があり、麓には高松市内の眺望が広がっていた。

近視なので目視はできないが、デジカメでズームをしてみると会社の社屋が写っている。













竜王宮に頭を下げ、今年初めての三角点をゲットして、304mのピークへと向かう。

先ほどまでの展望所と比べて人影はなく、鳥のさえずりを聞きながら静かな尾根を歩いて行く。

途中で写真を写していると女性が一人追い抜いて行き、304mのピークで軽く挨拶をする。







その女性が折り返していくと一人になり、木々の間を吹き抜けていく寒風の音だけが聞こえる。




帰りは展望所の手前から岡本登山口へと降りて行く。こちらの道も保線路にもなっていて、

歩く人も多いのかよく踏まれた歩きやすい道が続いている。




最後に赤鉄塔を仰ぎ見て、ブドウ畑の上の下道に出た。










2021年の年明け2時間弱、のんびりと里山を歩いて家路に着いた。

WOC登山部2020.12.30 飯野山

2021年01月01日 | 香川の里山



WOC登山部は丸亀のメンバーが健康のため地元の

飯野山を毎週登っていたのが始まりでした。

2009年から始まった登山は、県内の里山から

次第に県外にも足を運ぶようになって、今も毎週どこかの

山に登っています。

そんな登山部のホームマウンテンの飯野山で、2020年の

登り納めをしてきました。

いつものように麓の高速道路の下に車を停めてスタート。




のんびりと一年の思い出を語りながら歩きます。







登りは直登コースを進んで行きます。










来年はどこに出かけようか?











山頂で小休止と一年の無事にお礼を言って記念撮影。










下山は牧道コースを下ります。寒風吹く中を若い人からお年寄りまで

どんどん登ってきています。










登山部がスタートした時に比べると、この飯野山はお散歩コースになりました。







今年は年間50回の山歩きを目標にしました。

滝巡りやモーターパラグライダー遊びも含めて53回出かけて

登った山は75座。いままでで一番歩いた一年になりました。

これもやはり一人ではおそらく出かけることのない回数で、

楽しいメンバーと一緒に歩けたお陰だと思います。

そんなメンバーとまた来年も楽しい山歩きをしましょうと言って別れました。