今週は奥様たちそれぞれ予定があってお出かけなので、久しぶりのソロ活動。
それじゃあどこにお出かけしようかと考えたが、思いつく山がみんな登山口までの
アプローチに難がある。どうもやっぱり2度続けての車のタイヤのパンクがトラウマに
なっていて、荒れた道を走るのは二の足を踏んでしまう。
なら、あんまり無理せずせっかくの花見の時期、桜を目当てについでに登れる山は
ないかと考え、まずは昨年出かけた枝垂桜の神山町を花見の場所に決め、その周辺で
軽く歩ける山を。となると大川原高原から旭ケ丸、そして高鉾山が最適地となった。
ついでに『線で繋ぐ』のシリーズで剣山から以東の稜線となる、柴小屋への道の
様子も下見に、梅ノ木峠辺りまで足を延ばしてみることにした。
神山町へはいつもなら山川町か石井町経由で向かうのだが、自宅からのルートを
GPSにセットすると高速で板野ICまで走り、そのまま南下して吉野川を渡り、
今度は鮎喰川に沿って走り、しらさぎ台なる住宅地を抜け園瀬川沿いの道を走る
という初めての道ばかりで複雑なルート案内だった。
途中の通勤ラッシュで信号待ちに時間を取られて、ナビの画面の到着予想時間は
どんどん遅くなっていった。それでも今日は独り。待ち合わせをしているわけでも
ないので、慌てることなくのんびりと走って大川原高原に着いた。
車を降りると吹きさらしの駐車場は風が冷たく感じ、薄手の上着と手袋をはいて
準備する。霞んではいるけれどけっこう遠くまで見渡せる。
前回WOCのメンバーと来た時にソフトクリームを食べた一軒茶屋は、火災の跡で
基礎だけが残っていた。吹き上げてくる風の音と共に、グルグルと回る風力発電の
大きな羽の音が耳につく。天気のいい日は吉野川の北岸からでも並んでいるのが
見えるこの風力発電。間近で見るとさすがにデカイ!
駐車場から最初は放牧地への舗装路を歩いて行き、途中から脇道へと入って行く。
時期によってはドウダンツツジの咲く道も、季節はもう少し先の様だ。
替わりに馬酔木がそこらじゅうで咲いている。この花を見るといつも思い浮かぶのが
屋島の山上で売っているイイダコおでんの頭の中にぎっしりと詰まった卵。
登り坂が終わると展望台に着いた。階段を登り階上に上がると360度の眺望。
しばらくの間山座同定してみるが、霞んでいてあまりどこの山だか分からない。
柴小屋まで続く風力発電の奥に高丸山から雲早山の稜線
勝浦町の奥の山並み
六郎山の電波塔が見える
展望台の下には石仏。手を合わせた後に旭ケ丸へと向かう。ここから柴小屋までは
四国のみちになっているようだ。
まだ硬い蕾が芽吹いていないツツジの林の中を歩いて行くと、旭ケ丸に着いた。
一等三角点 旭ノ丸山 1019.6m 久しぶりの一等さんはさすがに大きい!
(地形図では1019.5mと載っているけど、ここでは1019.5mの標示されている)
前回来た時にはまだYAMAPを始めていなかったので、取りあえず1ポイントゲット!
三角点から少し歩いて道は南に振って続いて行く。途中で南阿波幹線の72番鉄塔。
幹線がけあって結構大きな鉄塔だ。鉄塔を過ぎ階段を下って行くと分岐点に出た。
四国のみちの道標の先には、こんもりとした高鉾山の影が木々の間から透けて見える。
ここで直進するとトラバースの高鉾山への道。右の脇道を進むと急登が待ち構えている。
急登は北向きの斜面のせいか、先週末に降った雨がまだ少し土を濡らしている。
踏み跡を辿りながら登って行くが、所々で足を滑らせた跡が残っている。
振り返ると先ほど見た72番鉄塔と同じくらいの高さまで登ってきている。
いつもなら先行する奥様たちのお尻を見ながら、離されまいと必死で登って行くのだが
今日はソロ。息が切れない程度のマイペースで登っていける。分岐にあった道標通り
15分ほどで高鉾山本峰に着いた。前回来た5年前はアジサイの季節。まわりの木々も
緑が多かったが、まだ周りの木々が葉をつけていない本峰の広場は広々としていた。
ヤッホー地蔵さんも新しくなって数も増えていた。
ベンチに腰掛け一息入れる。まだ少し肌寒いが汗を掻いた上着を一枚脱ぐ。
アミノ酸のゼリーでエネルギーチャージした後、縦走路を歩いて行くと道の真ん中に
孤高の馬酔木が一本立っていた。
途中の分岐では直進すると高鉾山南峰へと道。右は柴小屋への稜線となる。
工事中の看板が立っていたが、ここからは『線で繋ぐ』シリーズの下見。地形図では
稜線上が四国のみちと表記されている。風力発電の工事で果たしてその道がどうなって
いるのか確認しに右に折れて進んで行くと、植林地の先に大きな羽が見えた。
この稜線が四国のみちになっているはずだが、稜線上には風力発電が点在して続いている。
ここで四国のみちは分断されていた。何年か前と比べると様変わりしただろうこの景色。
遠くに見える高丸山から雲早山の稜線は、変わらぬ姿でいてくれることを願う。
分断されているとはいえ今日の下見は遂行しなければならず?、そのまま工事で切り取られた
尾根の法面を降りて行く。広場の反対側に回って尾根に取り付くと、あらら立入禁止の看板。
広場への立ち入り禁止なので、広場から出るなら構わないだろうとそのまま尾根を進むと
また次の風力発電。ただここの法面は高さもありそのまま降りられるような斜度でもない。
仕方がないので法面の上端に沿って引き返す。風力発電の広場と広場の間は
立派な舗装された管理道で繋がっていた。道は974mの標高点を北側に巻いて
更に先へと続いている。その北側に回り込む手前の風力発電が一基停まっていて
メンテナンスの作業をしているひとの姿があった。
後ろのピークが974mの標高点のピーク。
道は今度は924mの三角点の南側を回り込んでいたが、途中から三角点に向かって
林の中を登って行く。杉林の中をピークに向かって登って行くがGPSを見ると、
三角点はピークより少し下にある。登っては下り、右に左にとGPSを見ながら
うろつくが、なかなか三角点が見つからない。もう一度だけと引き返して登り返すと
何とか木の幹元にあるのを見つけることができた。四等三角点 流川 924.2m。
その三角点から適当に南に下ると杉林の中に作業道の様な道にでた。右に梅ノ木峠に
向かって歩いて行くと、作業道ではなく四国のみちだった。この道を左に行くと
地形図では林道大川原旭丸線へと破線が続いている。そして先ほどの流川の三角点と
高鉾山本峰の間の稜線上はよく見ると破線は載っていない。どうやら四国のみちは
この手前で高鉾山に向かっている林道が、四国のみちとなっているようだ。
(風力発電が四国のみちを分断しているわけではなかった)
道標に従って杉林の中を下って行くと林道に出た。そして梅ノ木峠となっていた。
道標を見るとここが丁度柴小屋との中間地点になるようだ。大川原高原と芝小屋間が
約13km。縦走だと充分歩ける距離だけれど、車をデポするにはGooglMapでは
35km、1時間30分かかるとなっている。この区間は両側からのピストンに
なりそうだ。目的地の梅ノ木峠までの下見も終えてへっぽこ隊長の任務終了。
ここからは折り返して、四国のみちの林道大川原旭丸線の舗装路歩きとなる。
この間の林道は風力発電の管理道にもなっているのだろう。道の真ん中には
恐らく電線が埋められているのだろう。一定の幅でコンクリートで補修した
痕がずっと続いている。削られら法面には植生ネットで保護されて、そのすき間に
可愛らしいスミレがあちらこちらで咲いていた。
林道が流川の三角点の南側を回り込むと、また巨大な風力発電が稜線から顔を出した。
近づくとあの風切音も聞こえ始めた。その風力発電への道はやはり立入禁止となっている。
復路で林道歩きを選んだのは、電力の管理道を通るのが躊躇われたのもあるが、林道から
南側の景色が見えないだろうかと思っての事だったが、ほとんどが木々に遮られていて、
一ヵ所だけ高丸山の稜線が見えただけだった。
梅ノ木峠から約3km、50分ほどで南高鉾山への取付きに着いた。
林道の脇から南に山道に入って行くと、直ぐに東側が開けた南高鉾山に着いた。
前回もここでお昼だった。ベンチに腰を降ろしてお弁当を食べる。
目の前には3週間前に歩いた勝浦町の稼勢山が横たわっていた。
稼勢山
勝浦町
六郎山
南高鉾山でお腹を満たしたら、駐車まで戻って今日のメインの神山町へ。
半年ぶりに被ったキャップより頬っぺたがはみ出て、胸周りもなんだかふっくらと
ふくよかに。ほんと太ったな~・・・・。
林道に一旦出て、そのまま高鉾山本峰を回り込むようにして歩いて行く。本峰手前の
分岐へと法面を登って行くと四体の石仏とヤッホー地蔵のおばこ峠と書かれた標識。
峠からは階段を登らずに花木園の方へのトラバース道を歩いて行く。さすがに
1000m近い標高。まだ花が咲くのは早いのか、それとも花音痴所以なのか
小さなスミレしか見つけることが出来ない。
トラバース道から展望台の東側に出て、放牧場の横の道を下って行く。展望台からは
柴小屋に向かって西側に風力発電の鉄塔は続いていたが、東の六郎山に向かっても
鉄塔は続いている。風が強くなったのか出発時より羽が勢いよく回っている。
沿面距離11.7km 累積標高650m 4時間ほどのトレッキング。と言っても
ほぼ林道・管理道の舗装路を歩いていたせいで、いつになく踵が痛いような気がする。
春の陽気に誘われてこれからしばらくするとこの山も花の季節になるだろう。
ただ今日はまだ早かったので、今から里に下りてお花見にしよう!
佐那河内町へ下る途中の山肌と風力発電が並ぶ稜線
佐那河内町から神山町に移動すると、お目当ての枝垂れ桜が待ってくれていた。
少し散り始めなのか、風に乗って花弁が舞っている。
その桜の木の下でお弁当を広げて寛ぐ人たちの姿があった。
帰り道の国道439号線。酷道と評される道幅が狭く、路面の荒れた区間のある
国道だが、この辺りしかもこの季節の道はその評判とは真逆のフラワーロード。
そんな枝垂れ桜の咲き誇る道を、名残惜しみながら帰路についた。