前回『伊予富士』に登った時、山頂から見た『平家平』から『寒風山』に
続く稜線を見て、その途中にあるまだ未踏の山『冠山』にも登ってみたいな~と
セニョさんが一言。WOC登山部では平家平までしか歩いていないらしいので、
今回はその『冠山』まで歩いてみることにしました。
さっそくネットで調べてみると、どうやら『高藪登山口』からが
平家平まで最短で登れるらしく、自身も初めてのコースなので高藪~平家平~冠山を
歩いてみることにしました。
今日は10名の参加で私の車には『先輩とお嬢様』そして2回目の参加の『アミちゃん』が
乗り込みます。集合場所はお嬢様宅。先輩はアミちゃんに自宅まで迎えに来てもらい
ドアtoドアでお嬢様の自宅までやってきました。
荷室のに荷物を積み込んでいると先輩がニンマリしながら大きな保冷バックを抱えています。
執事 : 『先輩!その中身は?』
先輩 : 『ヒッヒッヒ、ビールに決まっとるやんか!』
山から下りた後、いつも麓のコンビニでビールを買っていた先輩ですが、今日はそれも待てずに
下山後すぐにビールを飲もうという魂胆です。どこのどんな山に登るかを気にしていないのに
こんなことには知恵が回る先輩です。
ネットで調べているとどうやら高藪の登山口の途中で一カ所道が崩れていると書いてありました。
舗装路が終わって未舗装部分で、登山口の100mほど手前で書いていた通り、
法面が大きくえぐられた様に崩れていました。
それでも普通車が何とか通れる道幅は残っていたので、一応安全のために3人には
降りてもらい、ゆっくりとその横を通過しその奥の少し道幅が広がったとことに車を停めました。
するとアミちゃんが
アミちゃん : 『先輩ったら、ひどいこと言うんよ』
執事 : 『何て?』
アミちゃん : 『車に財布置いてきたって!』
先輩は車がもし落ちたら財布を置いてきたので困るということらしい。
執事 : 『先輩!財布にいくら入っとったん?』
先輩 : 『1万円!』
どうやら先輩は私の車や私の命より1万円が大事! (; ・`д・´)
登山口からはしばらく綴れ折れの急な坂道を登って行きます。
小刻みに折れ曲がる道が終わるとしばらく直線の長い道。
その直線が終わると尾根の下の巻き道になります。
巻き道をしばらく歩くと小さな沢を渡る、仮設の単管や踏み板でできた橋がありました。
しか~し この橋左に大きく傾いているではないですか!
今にもさらに傾きそうなので、一人づつ渡って行きます。
ここでやっとお嬢様の出番です!
ゆっくり歩くと怖さが助長すると思うのですが、へっぴり腰で時折悲鳴を上げています。
二つ目の橋はお嬢様も難なくクリアー。この橋を過ぎると段差の大きい階段の急坂です。
この階段、蹴込に板を太い鉄筋で留めているのですが、その鉄筋が板より上にけっこう飛び出ていて
足を引っかけそうで危なげです。
急登が終わるとこのコースの樹林帯の中で一番雰囲気のいい道が始まりました。
樹林帯を抜けるといよいよ山頂が近づき、笹が広がり始めました。
REIKOさんが書いていたように『万作おじさん』によるものなのか
きれいに笹が刈られていています。刈られた笹の色からするとつい最近の様です。
急な笹の道を一歩一歩足を踏み出していくと、どんどんと山頂が近づいてきます。
さぁ~!最後のラストスパートです!
山頂は平家平の名前の通り、優しく起伏のある笹原が広がっています。
360度の大展望を前に笹原の頭をなでて吹く風が、つい先日までは爽やかに感じていたのが
今日は少し肌寒く感じます。いつものようにセニョさんが三角点でバンザイ!
平家平で一息入れた後は今日本来の目的地の冠山へと歩いて行きます。
山頂から見える西側は雲も高く遠くの山々まで見渡せましたが、冠山から東側は
白いガスがどんどんと上がってきています。
青空の下の縦走も楽しいのですが、舞い上がるガスで刻一刻と景色が変わっていくのも
なかなかいいもんです。正面に冠山を見ながら先輩が一言、
先輩 : 『あの山が平家平?』
お嬢様 : 『はぁ~?何よんこの人!』
先輩、お嬢様に突っ込まれるようでは・・・・・!
平家平山頂までは刈られた笹道でしたが、冠山迄の道が所によっては胸までありそうな笹の中を
歩いて行きます。足元の見えない笹道は歩きずらく時折前を歩くアミちゃんが段差や岩で
滑りそうになったり、笹の根に足を引っかけたりして声が上がっています。
アミちゃんが笑うとドスの効いた豪快な笑い声が聞こえるのですが、転びそうになると
なぜか『キャー』ではなく『キュー』と不思議な可愛らしい悲鳴が聞こえます。
尾根から外れ巻き道になるとさらに笹の勢いが強くて、赤テープを頼りに
道を修正しながら歩いて行きます。ズボンの足元も随分と濡れてきました。
予想以上に深い笹道に苦戦して、コースタイムより時間がかかりそうです。
麺法師さんと『あれが山頂かな?それともにせピークかな?』などと話しながら歩いて行きます。
冠山直下は最後の急登が待っていました。足を滑らせないように牛歩で進んでいきます。
振り返ると平家平からの道が続いています。
『先輩!あれがさっきまでいた平家平ですよ!(笑)』
冠山には1時間ほどで到着しました。先ほどの平家平の山頂に比べると、猫の額位の広さの山頂です。
ただここからは北に『ちち山』そして『笹ヶ峰』への稜線。
そして西には『伊予富士』その奥には『石鎚山』への峰々が見渡せます。
手前の山の緑から次に藍のような紺色。
そして次第に墨絵のような濃淡の峰々が折り重なるように続いています。
さぁ待ちに待ったお昼御飯です。お湯を沸かして今日もラーメンの人が多いようです。
随分と気温の下がった山頂で温かい汁系のお昼は智福の瞬間です。
皆さんが食べ終わった後は山頂から少し下がった北側の『大岩展望台』へ!
冠山北側の大岩壁のすそ野には、そろそろ木々が色づき始めています。
『強者乙女最強』のMさんが岩の先に立ったり覗き込んだりしていますが、
横で見ているだけで下半身がざわざわとしてきます。
最近、特にこの界隈の山を登っているので、普段見る景色とはまた違った
感慨深いものがあります。
腹ごしらえと大展望を満喫した後は、平家平への笹道を戻って行きます。
足元が見えない下りの道は、登りよりも注意が必要です。
このところ笹道歩きが続いているので、お嬢様も随分と慣れてきたのか
けっこういいペースで歩いて行きます。
『お嬢様、随分と達者になられて、爺やも嬉しゅうございます!』
平家平への最後の登りの手前でアミちゃんに仕事の電話がかかってきました。随分と長電話ですが
歩きスマホは危険ですよ!
登りの岩場でのお嬢様とのツーショット!
アミちゃん : 『ここからは上りかな?』
お嬢様 : 『ん~ん。上りで少し右に曲がると思います。』
まるで女子プロとキャディさんみたいです!
平家平では休憩もせずに一気に下って行きます。南側からもどんどんガスが上がってきました。
雲行きも怪しくなってきたので急ぎましょう。
笹原を抜け樹林帯の中まで入れば少々雨が降ってきても大丈夫です。
それでも前を行くセニョさんのペースは落ちません。
傾きかけた橋をセニョさんが手前に引っ張って傾かないようにして、メンバーを渡らしてくれています。
平家平からは1時間強の脅威のスピードで登山口まで降りてきました。
さっそくIRIBITOさんが恒例の珈琲を淹れてくれています。
後から下りて来たコアラさんも初挑戦です。
酸味の利いた温かい珈琲が登山を終えてホッとして疲れた体には最高です。
ただし『偽かしまし娘』を乗せた私の車は、ここから帰るまでの間が苦行です。
先輩は乗り込んだ途端に今日一番の目的の缶ビールのふたを開けました。
途端に車内にはいい匂いが漂ってきます。先輩にとっては智福の瞬間が、
喉も渇いてビール好きの私には蛇の生殺し です。
さらに最初の分岐で道を間違えてしまうと、
お嬢様 : 『な~んや!方向音痴なんや、しっかりしてよ!』
執事 : 『はぁ~グダグダ言うんやったら、降ろすぞ!』
お嬢様 : 『私は降りんから、あんたが降り~!』
執事 : 『 (; ・`д・´) 』
すると後ろから先輩が
先輩 : 『ごめんね!いまからスルメの袋開けるから!』
今度はもっと強烈にスルメの匂いが車内いっぱいに漂ってきました。
普段から活舌の悪い先輩が次第に呂律も回らなくなってきました。
その内に三人の元彼や合コンの女子トークも始まり、聞くに堪えかねる話に、
運転中でハンドルを握っているので耳を塞ぐこともできずに、
今日6時間歩いた山登りよりも、帰路の時間が随分と長くそしてホトホト疲れたこと疲れた事。
次回車を出すことがあれば、絶対にこのメンバーは載せないぞ!と・・・・・。
三人を降ろした後、高速を一人で快適に走りながら心に誓ったのでした。
続く稜線を見て、その途中にあるまだ未踏の山『冠山』にも登ってみたいな~と
セニョさんが一言。WOC登山部では平家平までしか歩いていないらしいので、
今回はその『冠山』まで歩いてみることにしました。
さっそくネットで調べてみると、どうやら『高藪登山口』からが
平家平まで最短で登れるらしく、自身も初めてのコースなので高藪~平家平~冠山を
歩いてみることにしました。
今日は10名の参加で私の車には『先輩とお嬢様』そして2回目の参加の『アミちゃん』が
乗り込みます。集合場所はお嬢様宅。先輩はアミちゃんに自宅まで迎えに来てもらい
ドアtoドアでお嬢様の自宅までやってきました。
荷室のに荷物を積み込んでいると先輩がニンマリしながら大きな保冷バックを抱えています。
執事 : 『先輩!その中身は?』
先輩 : 『ヒッヒッヒ、ビールに決まっとるやんか!』
山から下りた後、いつも麓のコンビニでビールを買っていた先輩ですが、今日はそれも待てずに
下山後すぐにビールを飲もうという魂胆です。どこのどんな山に登るかを気にしていないのに
こんなことには知恵が回る先輩です。
ネットで調べているとどうやら高藪の登山口の途中で一カ所道が崩れていると書いてありました。
舗装路が終わって未舗装部分で、登山口の100mほど手前で書いていた通り、
法面が大きくえぐられた様に崩れていました。
それでも普通車が何とか通れる道幅は残っていたので、一応安全のために3人には
降りてもらい、ゆっくりとその横を通過しその奥の少し道幅が広がったとことに車を停めました。
するとアミちゃんが
アミちゃん : 『先輩ったら、ひどいこと言うんよ』
執事 : 『何て?』
アミちゃん : 『車に財布置いてきたって!』
先輩は車がもし落ちたら財布を置いてきたので困るということらしい。
執事 : 『先輩!財布にいくら入っとったん?』
先輩 : 『1万円!』
どうやら先輩は私の車や私の命より1万円が大事! (; ・`д・´)
登山口からはしばらく綴れ折れの急な坂道を登って行きます。
小刻みに折れ曲がる道が終わるとしばらく直線の長い道。
その直線が終わると尾根の下の巻き道になります。
巻き道をしばらく歩くと小さな沢を渡る、仮設の単管や踏み板でできた橋がありました。
しか~し この橋左に大きく傾いているではないですか!
今にもさらに傾きそうなので、一人づつ渡って行きます。
ここでやっとお嬢様の出番です!
ゆっくり歩くと怖さが助長すると思うのですが、へっぴり腰で時折悲鳴を上げています。
二つ目の橋はお嬢様も難なくクリアー。この橋を過ぎると段差の大きい階段の急坂です。
この階段、蹴込に板を太い鉄筋で留めているのですが、その鉄筋が板より上にけっこう飛び出ていて
足を引っかけそうで危なげです。
急登が終わるとこのコースの樹林帯の中で一番雰囲気のいい道が始まりました。
樹林帯を抜けるといよいよ山頂が近づき、笹が広がり始めました。
REIKOさんが書いていたように『万作おじさん』によるものなのか
きれいに笹が刈られていています。刈られた笹の色からするとつい最近の様です。
急な笹の道を一歩一歩足を踏み出していくと、どんどんと山頂が近づいてきます。
さぁ~!最後のラストスパートです!
山頂は平家平の名前の通り、優しく起伏のある笹原が広がっています。
360度の大展望を前に笹原の頭をなでて吹く風が、つい先日までは爽やかに感じていたのが
今日は少し肌寒く感じます。いつものようにセニョさんが三角点でバンザイ!
平家平で一息入れた後は今日本来の目的地の冠山へと歩いて行きます。
山頂から見える西側は雲も高く遠くの山々まで見渡せましたが、冠山から東側は
白いガスがどんどんと上がってきています。
青空の下の縦走も楽しいのですが、舞い上がるガスで刻一刻と景色が変わっていくのも
なかなかいいもんです。正面に冠山を見ながら先輩が一言、
先輩 : 『あの山が平家平?』
お嬢様 : 『はぁ~?何よんこの人!』
先輩、お嬢様に突っ込まれるようでは・・・・・!
平家平山頂までは刈られた笹道でしたが、冠山迄の道が所によっては胸までありそうな笹の中を
歩いて行きます。足元の見えない笹道は歩きずらく時折前を歩くアミちゃんが段差や岩で
滑りそうになったり、笹の根に足を引っかけたりして声が上がっています。
アミちゃんが笑うとドスの効いた豪快な笑い声が聞こえるのですが、転びそうになると
なぜか『キャー』ではなく『キュー』と不思議な可愛らしい悲鳴が聞こえます。
尾根から外れ巻き道になるとさらに笹の勢いが強くて、赤テープを頼りに
道を修正しながら歩いて行きます。ズボンの足元も随分と濡れてきました。
予想以上に深い笹道に苦戦して、コースタイムより時間がかかりそうです。
麺法師さんと『あれが山頂かな?それともにせピークかな?』などと話しながら歩いて行きます。
冠山直下は最後の急登が待っていました。足を滑らせないように牛歩で進んでいきます。
振り返ると平家平からの道が続いています。
『先輩!あれがさっきまでいた平家平ですよ!(笑)』
冠山には1時間ほどで到着しました。先ほどの平家平の山頂に比べると、猫の額位の広さの山頂です。
ただここからは北に『ちち山』そして『笹ヶ峰』への稜線。
そして西には『伊予富士』その奥には『石鎚山』への峰々が見渡せます。
手前の山の緑から次に藍のような紺色。
そして次第に墨絵のような濃淡の峰々が折り重なるように続いています。
さぁ待ちに待ったお昼御飯です。お湯を沸かして今日もラーメンの人が多いようです。
随分と気温の下がった山頂で温かい汁系のお昼は智福の瞬間です。
皆さんが食べ終わった後は山頂から少し下がった北側の『大岩展望台』へ!
冠山北側の大岩壁のすそ野には、そろそろ木々が色づき始めています。
『強者乙女最強』のMさんが岩の先に立ったり覗き込んだりしていますが、
横で見ているだけで下半身がざわざわとしてきます。
最近、特にこの界隈の山を登っているので、普段見る景色とはまた違った
感慨深いものがあります。
腹ごしらえと大展望を満喫した後は、平家平への笹道を戻って行きます。
足元が見えない下りの道は、登りよりも注意が必要です。
このところ笹道歩きが続いているので、お嬢様も随分と慣れてきたのか
けっこういいペースで歩いて行きます。
『お嬢様、随分と達者になられて、爺やも嬉しゅうございます!』
平家平への最後の登りの手前でアミちゃんに仕事の電話がかかってきました。随分と長電話ですが
歩きスマホは危険ですよ!
登りの岩場でのお嬢様とのツーショット!
アミちゃん : 『ここからは上りかな?』
お嬢様 : 『ん~ん。上りで少し右に曲がると思います。』
まるで女子プロとキャディさんみたいです!
平家平では休憩もせずに一気に下って行きます。南側からもどんどんガスが上がってきました。
雲行きも怪しくなってきたので急ぎましょう。
笹原を抜け樹林帯の中まで入れば少々雨が降ってきても大丈夫です。
それでも前を行くセニョさんのペースは落ちません。
傾きかけた橋をセニョさんが手前に引っ張って傾かないようにして、メンバーを渡らしてくれています。
平家平からは1時間強の脅威のスピードで登山口まで降りてきました。
さっそくIRIBITOさんが恒例の珈琲を淹れてくれています。
後から下りて来たコアラさんも初挑戦です。
酸味の利いた温かい珈琲が登山を終えてホッとして疲れた体には最高です。
ただし『偽かしまし娘』を乗せた私の車は、ここから帰るまでの間が苦行です。
先輩は乗り込んだ途端に今日一番の目的の缶ビールのふたを開けました。
途端に車内にはいい匂いが漂ってきます。先輩にとっては智福の瞬間が、
喉も渇いてビール好きの私には蛇の生殺し です。
さらに最初の分岐で道を間違えてしまうと、
お嬢様 : 『な~んや!方向音痴なんや、しっかりしてよ!』
執事 : 『はぁ~グダグダ言うんやったら、降ろすぞ!』
お嬢様 : 『私は降りんから、あんたが降り~!』
執事 : 『 (; ・`д・´) 』
すると後ろから先輩が
先輩 : 『ごめんね!いまからスルメの袋開けるから!』
今度はもっと強烈にスルメの匂いが車内いっぱいに漂ってきました。
普段から活舌の悪い先輩が次第に呂律も回らなくなってきました。
その内に三人の元彼や合コンの女子トークも始まり、聞くに堪えかねる話に、
運転中でハンドルを握っているので耳を塞ぐこともできずに、
今日6時間歩いた山登りよりも、帰路の時間が随分と長くそしてホトホト疲れたこと疲れた事。
次回車を出すことがあれば、絶対にこのメンバーは載せないぞ!と・・・・・。
三人を降ろした後、高速を一人で快適に走りながら心に誓ったのでした。